攻撃陣の今季の最大の特徴は丸と鈴木のパワーアップだ。目立った補強もなく昨年とほぼ同じメンバーながら、3、4番の2人はともに成績で過去を上回り、圧倒的な存在感を見せつけた。
昨季リーグ最優秀選手(MVP)に輝いた丸は、4月下旬から約1カ月、右脚のけがで離脱した。しかし、復帰すると本塁打のペースを上げ、23本だった昨年を大きく上回る38本で本塁打争いのトップに並んでいる。昨年は最多安打に輝き、今季は新たな打撃部門の個人タイトル獲得を視野に入れる。
左投手からのアーチも15本と、相手投手の左右に関係なく打てるリーグ屈指の打者に成長した。強打者の証といえる四球の数も121とセ・パ両リーグで群を抜く。「いいスイングができる確率が上がっている。どの球場でも自分のスイングができたら打球が飛んでいくと信じている」と自信を強めている。
4番の鈴木も今年は本物の主砲へと飛躍を遂げた。昨年は8月に右足首骨折で離脱する悔しい経験をした。今年は終盤まで打線を引っ張り、自己最高の30本塁打を放っているが、個人記録については「打点だけは意識している。4番の仕事はそこだと思う」と自身初の年間100打点超えを目指す。
それでも向上心は尽きない。毎日の練習では志願して「おかわり」(量の追加)をこなす。「あこがれの選手」という米大リーグ、エンゼルスの強打者マイク・トラウトにならい、打席でバットの位置を高く構えて打つ打撃フォームも試すなど、探求心旺盛な姿がチームを活気づけてきた。
丸と鈴木。リーグを代表するスラッガーにのし上がった2人が、新たな黄金時代を迎えた広島の主役に君臨している。(上阪正人)
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最終更新:9/26(水) 23:10
産経新聞
元記事はこちらから
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