親友から手紙が届いた。
Baby Leafと書かれた葉っぱの写真の封筒。ほんわかしたきみどり色。
三枚の便せんにつづられている、なつかしい彼女独特の筆跡。
彼女とは中学校からのつきあいで、なにかに悩んでいたりつらいとき、よくこんなふうに手紙を書きあったりしていた。
いつもいちばんそばにいた。
心の内を素直に伝えあえる、貴重な存在だった。
学校を卒業してから数年、同じ時間を共有することがほとんどなくなってしまったけれど、離れていても大事な親友として支えあえると思った。
それが数ヶ月前に会ったとき、お互いの考えの違いでちょっとした言い合いのようになって、気まずくなり、それから連絡が途絶えてしまった。
私はなんだか淋しかった。
それぞれの道が拓けて、新しい人達と出会ったり、新しいことに夢中になったり、日常が変化していく今、かつて大事だったものも変わってしまうのではないかと。
彼女にとっての私の存在が過去と一緒に忘れられてしまうのではないかと。
こわかった。
私は手紙を書いた。
このままさらさらと砂が流れるように親友をなくしたくなかった。
遠く離れても、ずっとどこかなつかしいところでつながっていたい。
想いを、手紙にたくした。
その返事が、きたのだ。
「嘘偽りがあるうわべだけの友達ではなくて、
時には本気で言いたいことを言い合いたい。
そのことで傷ついても、全部を一緒にできたらと思うのです。
私の歩む人生の中に、あなたがいてほしいと思っています。」
そうだ。
こんなふうな手紙をよく書きあった。
変わったようで変わっていない。
お互いの存在位置。
かけがえのない友情。
今よりもっと未熟だったあのころ、一緒に涙したことがあった。
温かくしみた涙のあと。
あの場所だ。
あのなつかしいところで、今でも、つながってる。
ありがとう。
これからも、よろしくね。