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きのうの火曜日、カプアは赤坂動物病院にいました。
でも、具合が悪くなったわけではありません。
カプアは保護されて、はじめて千葉WANさんで混合ワクチンを打ってもらってから
1年が経過したので、2回目の混合ワクチンをお願いに行きました。
赤坂動物病院では、初年度3回ワクチンを接種し、翌年1回接種した後は
3年ごとのワクチンを推奨しています。アンジェロもこの接種のしかたで受けています。
ペットと泊れる宿などでは、施設の利用の際、
毎年混合ワクチンを受けている証明書の提出を求められたりします。
カプアとアンジェロの主治医である赤坂動物病院のO先生に、このことについて相談したところ、
なぜ3年おきでいいのか、詳しく説明してくださいましたのでご紹介します。
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先生の許可をもらって、カプアの診察風景を撮らせてもらいました。
赤坂動物病院はスタッフ40名以上、獣医師10数名が在籍する大病院です。
獣医師たちのリーダーともいえる、医療ディレクターの石田先生は
猫の感染症、腫瘍、免疫疾患などの分野で国内トップクラスのお医者さんと言われています。
2001年に、その石田先生が代表を務める「日本臨床獣医学フォーラム」において
「成犬は5種ワクチンを3年に一度接種するだけでよい。
このやり方はアメリカではもう常識になっていて、日本でも獣医大学の教科書に明示される」
と米国のワクチン接種に関するガイドラインを取り上げられました。
それまで毎年接種したものを見直すきっかけになったのが、ちょうど20年前
1988年にアメリカで猫のワクチン接種が原因と考えられる副作用が問題になったからでした。
多くの副作用の問題から「毎年接種が必要か」という研究がアメリカの大学で進み10年後の
1998年にアメリカ猫臨床協会、猫内科学会で猫ワクチンの3年ごとのワクチンに関する
ガイドラインが作られ、同年、犬についても、アメリカ獣医学協会、アメリカ動物病院協会で
ガイドラインが作られました。
石田先生たちは、アメリカの接種法をそのまま取り入れるだけでなく
国内でも、多くの動物病院、製薬メーカーと協力して、本当に3年おきで大丈夫か
データをとりました。
その研究結果では、8種ワクチンの「犬レプトスピラ病」ワクチン以外は
およそ5年から7年の予防効力があり、諸条件を勘案しても、
「3年おき接種と毎年接種では、効果が変わらない」というものでした。
飼い主さんの経済的負担もさることながら、以前「狂犬病の話」で書きましたとおり
混合ワクチンは頻度は僅かですが、副作用があります。1度接種して副作用がなくても
次回副作用が出ないとは限りません、3年で3回ワクチンを接種するより
3年で1回のほうが、リスクが少ないに決まっています。
赤坂動物病院が成犬に薦める5種混合ワクチンは以下のとおりの内容です。
●犬ジステンパー
●犬アデノウイルスI型感染症(犬伝染性肝炎)
●犬アデノウイルスII型感染症
●犬パラインフルエンザ
●犬パルボウイルス感染症
上記は、とても発生頻度が高い病気で、子犬の命を守るためにも必須だと考えられます。
8種というのは、上記に追加して
●犬コロナウイルス
●犬レプトスピラ病(黄疸出血型)
●犬レプトスピラ病(カニコーラ型)です。
上記5種に比べ、発生頻度は少ないですが、数年おきくらいに発生情報があるようです
また上記のパルボウイルスなどに比べたら、かかったとしてもはるかに軽症だそうです。
犬レプトスピラ病の媒介は発症犬・ネズミの尿で、経口、経皮感染しますので、
山、川、とくに沖縄などの暑い地域に出掛ける際は、予防をオススメします。
そして、犬レプトスピラ病ワクチンの予防効力は半年~1年だそうです。
春先に接種すれば、冬に川遊びなどをしないかぎり問題ありませんが
犬の遊び方、地域などで心配な場合は年2回接種する場合もあるそうです。
ここまで読まれて、読者の方は疑問をもたれるでしょう。
5種を3年で1回でOKなのに、なぜ毎年接種するように言われるのだろう?
各地域の獣医さんの考えもあるのかもしれませんが、
動物病院と、製薬メーカーの経済的問題があるようです。
O先生は、他の病院を説得はできないけれども、
ペットホテルなどで毎年接種を求められたら、電話で詳しく説明するとおっしゃいました。
それでも、残念ながら「毎年じゃなきゃダメ」と言われるケースも多いと聞きました。
個人で詳しく調べられたサイトがありますので参考になさってください。
「結局ワクチンって何年に一度接種すればいいの?」
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こんな顔しちゃいましたが、チックンのときもカプアはお利口さんでしたよ
それから、ワクチン接種後、顔が腫れる、接種場所が腫れるなどの症状がありましたら
かならず病院に相談してください。たいしたことがなくても、次回接種の際、
副作用を軽減する措置を取る必要があります。
余談ですが、カプアは以前、供血ドナー協力をしてますから、
今回のワクチン代はタダでした。
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*追記 「3年に1回」のワクチン接種は成犬に限ります。飼育地域・旅行先により接種方法が異なり、この方法は厳密なプログラムが用意されております。詳細はこちらのページに記載されておりますが、ワクチン接種方法についてはご自身で判断されず、必ずかかりつけの獣医師に相談されますようお願いいたします。