![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/b8/df157c4df2313f282266a0e1fa7bae18.jpg)
2001年の秋、映画館で「ハリー・ポッターと賢者の石」(1作目)の予告編を見た。
「世界中で熱狂的ファンをもつベストセラーの児童文学」とのことだったけれど私はタイトルこそ聞いたことがあるものの、本を読んだことはなく、その内容については全く知らなかったのだ。
大広間に浮かぶ無数のキャンドル。白いひげを長くたくわえた老練なる魔法使い。
そしてかわいらしい子供たちが箒の乗り方や魔法を一生懸命に学ぶ。
お子様映画だよなぁ~と思いつつもファンタジー系は好きなので観にいった。
夢のあるファミリー向け娯楽作品といった感じで特にはまることもなかった。
2作目「秘密の部屋」は監督も同じ人だったので、1作目の雰囲気が引き継がれた続編は、多少内容がダークだなぁとは思ったものの、やっぱり子供向け・ファミリー向けといった感じは健在だった。
叔母夫婦のもとでいじめられ従弟のお下がりを着せられて、いつもおなかをすかせているハリーも
魔法学校では魔法使いの素敵なローブに身を包み、親友や真っ白いふくろうを持ち、豊かなごちそうがたべられる幸せな子供になれるのだ。
でもこの2作目は闇の帝王の秘密が少し分かってきて、深遠な物語のふちに立っているんだなと感じさせてくれる。
3作目「アズカバンの囚人」・・・ここで監督はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロンに交替する。
と、がらりと雰囲気が変わった。
主演のダニエルたちが子供からティーンエイジャーへと
成長するのに合わせるように物語も少し成長したような感じがした。
闇の魔術の教師にルーピンが登場、そしてシリウスとピーター・ペティグリューのいわばハリーの
親世代のキャラクターの登場により、物語はぐっと奥行きを増したのだ。
ここでハリーは父親のジェイムズとルーピン、シリウス、ピーターが4人組だったこと、同級生の
スネイプと敵対していたこと、母リリーのことなどを知ることになる。
今までお子様映画と思っていた物語は広がりを見せ始め、ちょっと気になるシリーズになったのだ。
4作目、またまた監督が代わった。内容はさらにダークになっていく。
ついにこの物語の魅力にすっかりはまり、原作を最初から全部読んだ。
そしてここで気がついた。この物語はもともとダークなファンタジーだったのだということに。
闇の帝王ヴォルデモートの呪いを跳ね返して額に稲妻型の傷を負ったハリー。
幼いハリーは母方の叔母の一家に託され日々虐待を受けて11歳までの辛い日々を過ごす。
映画よりも原作のハリーの方がひどい目にあっているかもしれない。
一方闇の帝王はバラバラになった魂と肉体を回復すべく闇の勢力を集めて復活の機会を窺う。
なんだかこうして書いているだけでも気が滅入るほど暗い内容だ。
最初は辱められ人格さえも否定され続けてきたハリーが実は自らが魔法使いだと知り、夢のような
魔法学校で輝く日々を約束されたかに思えた物語も、だんだんそうではないことが分かってくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/94/40d2ac6538a86eb9fd2115a4dfa33530.jpg)
ハリーが生まれる前から親世代の人々の戦いと葛藤の日々があったのだ。
それが不死鳥の騎士団なのだ。
4作目で裏切り者のピーター・ペティグリューにより復活を果たした闇の帝王ヴォルデモート。
5作目でついにその魔の手が魔法学校ホグワーツで守られていたハリーに及んでくる。
魔法省との確執やファシストのような教師の虐待。
やっとみつけたハリーが親のように信頼し甘えることの出来る父の親友でハリーの名付け親の
シリウスとの壮絶であっけない別れ。
(ローリングさん、ハリーをいじめすぎ!)
ハリー出生に関わる衝撃的な予言の内容と稲妻型の傷の秘密。
もうここまでくると完全に子供向きではなくなってくる。
5作目に至って物語はますます深遠なる闇の世界に私たちをいざなう。
まだ映画化されていない続く6作目では闇の帝王の過去と秘密が暴かれる。
物語は更に闇の世界に入っていく。ヴォルデモートを倒すことが困難を極めることが分かってくる。
敵なのか見方なのか。白と黒には分けられないグレーが存在する物語。
もはやかわいらしい子供ではない16歳のたくましいハリー。
夏休みから次の夏休みまで、1作で1年の時間がたつという設定も面白い。
11歳で1年生だったハリーは最終巻では17歳の若者になるのだ。
だからこそ読者(観客)の側もハリーと一緒に成長していけるのだ。
両親を失い、名付け親を失い、偉大な人を失い、虐待に耐え、特別な存在と恐れられ、つらいことばかりだったけれど、その分ハリーは人の痛みが分かる人間に成長しているはずだ。そして何よりも
かけがえのないたくさんの友達を持っている。初恋を超えて愛する人にも出会えた。失った大切な人たちは彼の中に生きているのだ。
1作目・2作目あたりで「どうせお子様映画(児童文学)だから・・・」とハリーから離れてしまった大人
たちにもぜひもう一度このファンタジーを味わってほしい。
7作目・・・どんな結末を迎えるのか、原書が読めない私はあと1年待つしかない。
でもこの深遠なる闇のファンタジーの結末が光を見出せるものであってほしいと願う。
夜明け前の闇夜が一番暗いのだから・・・。
ハリーが光り輝く世界へと羽ばたいていけますように。
「世界中で熱狂的ファンをもつベストセラーの児童文学」とのことだったけれど私はタイトルこそ聞いたことがあるものの、本を読んだことはなく、その内容については全く知らなかったのだ。
大広間に浮かぶ無数のキャンドル。白いひげを長くたくわえた老練なる魔法使い。
そしてかわいらしい子供たちが箒の乗り方や魔法を一生懸命に学ぶ。
お子様映画だよなぁ~と思いつつもファンタジー系は好きなので観にいった。
夢のあるファミリー向け娯楽作品といった感じで特にはまることもなかった。
2作目「秘密の部屋」は監督も同じ人だったので、1作目の雰囲気が引き継がれた続編は、多少内容がダークだなぁとは思ったものの、やっぱり子供向け・ファミリー向けといった感じは健在だった。
叔母夫婦のもとでいじめられ従弟のお下がりを着せられて、いつもおなかをすかせているハリーも
魔法学校では魔法使いの素敵なローブに身を包み、親友や真っ白いふくろうを持ち、豊かなごちそうがたべられる幸せな子供になれるのだ。
でもこの2作目は闇の帝王の秘密が少し分かってきて、深遠な物語のふちに立っているんだなと感じさせてくれる。
3作目「アズカバンの囚人」・・・ここで監督はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロンに交替する。
と、がらりと雰囲気が変わった。
主演のダニエルたちが子供からティーンエイジャーへと
成長するのに合わせるように物語も少し成長したような感じがした。
闇の魔術の教師にルーピンが登場、そしてシリウスとピーター・ペティグリューのいわばハリーの
親世代のキャラクターの登場により、物語はぐっと奥行きを増したのだ。
ここでハリーは父親のジェイムズとルーピン、シリウス、ピーターが4人組だったこと、同級生の
スネイプと敵対していたこと、母リリーのことなどを知ることになる。
今までお子様映画と思っていた物語は広がりを見せ始め、ちょっと気になるシリーズになったのだ。
4作目、またまた監督が代わった。内容はさらにダークになっていく。
ついにこの物語の魅力にすっかりはまり、原作を最初から全部読んだ。
そしてここで気がついた。この物語はもともとダークなファンタジーだったのだということに。
闇の帝王ヴォルデモートの呪いを跳ね返して額に稲妻型の傷を負ったハリー。
幼いハリーは母方の叔母の一家に託され日々虐待を受けて11歳までの辛い日々を過ごす。
映画よりも原作のハリーの方がひどい目にあっているかもしれない。
一方闇の帝王はバラバラになった魂と肉体を回復すべく闇の勢力を集めて復活の機会を窺う。
なんだかこうして書いているだけでも気が滅入るほど暗い内容だ。
最初は辱められ人格さえも否定され続けてきたハリーが実は自らが魔法使いだと知り、夢のような
魔法学校で輝く日々を約束されたかに思えた物語も、だんだんそうではないことが分かってくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/94/40d2ac6538a86eb9fd2115a4dfa33530.jpg)
ハリーが生まれる前から親世代の人々の戦いと葛藤の日々があったのだ。
それが不死鳥の騎士団なのだ。
4作目で裏切り者のピーター・ペティグリューにより復活を果たした闇の帝王ヴォルデモート。
5作目でついにその魔の手が魔法学校ホグワーツで守られていたハリーに及んでくる。
魔法省との確執やファシストのような教師の虐待。
やっとみつけたハリーが親のように信頼し甘えることの出来る父の親友でハリーの名付け親の
シリウスとの壮絶であっけない別れ。
(ローリングさん、ハリーをいじめすぎ!)
ハリー出生に関わる衝撃的な予言の内容と稲妻型の傷の秘密。
もうここまでくると完全に子供向きではなくなってくる。
5作目に至って物語はますます深遠なる闇の世界に私たちをいざなう。
まだ映画化されていない続く6作目では闇の帝王の過去と秘密が暴かれる。
物語は更に闇の世界に入っていく。ヴォルデモートを倒すことが困難を極めることが分かってくる。
敵なのか見方なのか。白と黒には分けられないグレーが存在する物語。
もはやかわいらしい子供ではない16歳のたくましいハリー。
夏休みから次の夏休みまで、1作で1年の時間がたつという設定も面白い。
11歳で1年生だったハリーは最終巻では17歳の若者になるのだ。
だからこそ読者(観客)の側もハリーと一緒に成長していけるのだ。
両親を失い、名付け親を失い、偉大な人を失い、虐待に耐え、特別な存在と恐れられ、つらいことばかりだったけれど、その分ハリーは人の痛みが分かる人間に成長しているはずだ。そして何よりも
かけがえのないたくさんの友達を持っている。初恋を超えて愛する人にも出会えた。失った大切な人たちは彼の中に生きているのだ。
1作目・2作目あたりで「どうせお子様映画(児童文学)だから・・・」とハリーから離れてしまった大人
たちにもぜひもう一度このファンタジーを味わってほしい。
7作目・・・どんな結末を迎えるのか、原書が読めない私はあと1年待つしかない。
でもこの深遠なる闇のファンタジーの結末が光を見出せるものであってほしいと願う。
夜明け前の闇夜が一番暗いのだから・・・。
ハリーが光り輝く世界へと羽ばたいていけますように。