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浄土真宗親鸞会 金沢のつどい

石川県金沢市で親鸞聖人の教えを学んでいます

母の日特集 -母への手紙-

2009-05-05 22:14:49 | 母の日特集


かなざわのつどいメンバーから、

「熱い母への手紙」が寄せられました

今日から紹介していきます



         


拝啓


おかわりないでしょうか。
母の日ということで、いつもより少し長い手紙を書きました。


あっという間に、僕も22歳です。何とか無事、就職もできました。
勿論想像の域はこえないけど、
人一人、自分で食っていけるようになるまで育てることは、並大抵のことではないと思います。
金銭面でも、愛情面でも、何不自由なく、ここまで大きくなれました。


僕はまだ研修の段階だけど、働くようになって、本当に社会は大変なのだということが少しずつ知らされてきます。
病気で体を壊しながらも、毎日働いて養ってれた父ちゃんと母ちゃんには子どもながらに感謝せずにおれません。
相当しんどかったやろうに、家庭のことからも社会のことからも、
僕やしょいちゃんには負担がかからないようにと防波堤となって守ってもらっていました。






また、大学に入って仏法を聞くようになって、相当心配をかけたと思います。
けど、僕は仏法を聞けなかったら生まれてきたことを呪い続けていたかもしれません。


じいちゃんが脳卒中で倒れ、歩けなくなり、食べられなくなり、話せなくなり、
チューブで繋がれて、紐でベットに縛り付けられ、
介護をする人はどんどん心がすさんでいって、、

僕は愕然とした。

これが50年後の僕の姿か、と。

老いるとか、死ぬとか、知識では知っていたけど、僕の未來にも本当にやってくるものなのか、と強烈にショックを受けた。
それまで、老いとか死とかは、他人事だった。自分とは関係ないことだと思っていた。

けど、それが自分の問題となって、初めて意識したのは、
「やがて死ぬのになぜ生きる」
だった。

長く生きてもせいぜい100年、西暦が始まって2000年位やけど、
これまで、生まれて、死んでいった人達が何百億人いるだろうか。
1000年後の未來から見たら、僕がいたかいなかったかなんて、そんなこと何の関係もないじゃないか、と。

勉強して、いい大学に入って、いい会社につとめて、というためにガンバレ、ガンバレと世間は言うけど、
その先は死ぬんだよ、と。

冷たいと言うかもしれないけど
僕はじいちゃんとあれだけ仲がよかったのに、
お見舞いにいっていたのも最初の1,2年くらいで、どんどん心が離れていくのが自分でわかった。
金なんてあっても使えない、家があっても住めない、あれほど慕っていた孫からも見放されて、死ぬのを待つだけ。

人生の目的は何だ…

50年後の自分…

考えれば考える程、
全て最後に別れるものの為に、一生懸命頑張るのか、と思えてきて、
死んだ方がよほど賢いのでないかと思った。
前にも言ったけど、自殺することも頭を掠めた。

けど、それを思いとどまられたのは、「父ちゃんと母ちゃんがいる」という事実だった。

これだけ一生懸命育ててもらっているのに、僕がつらいからって、命を投げ出してはいけない、と思った。

そうやって接してもらえたからこそ、大学で仏法に出会えた。
母ちゃんはまだ不審だらけだろうけど、僕は本当に仏法に出会えてよかった。
死の問題を見つめた上で、ガチガチ理系の、僕の理性の溶鉱炉を通過しえるものだった。


送ってるとどろき、無理に読めなんてことは言いません。読む気がおきなかったら読まなくてもいいよ。
自分の息子が何勉強しとるか気になったら、読んでみて。






さて、就職したら、次に心配されるのは結婚かいな。
相手がいるいない云々の前に、僕が結婚したいと思わなきゃ始まらないのですがw
まぁ学生終わったばかりやし。考え方なんていくらでも変わっていくとは思いますが。

まだまだ一人前とは言い難いですが、そうなれるよう、心がけていきます。
もうちょっと余裕が出来たら、金沢に来たときに寿司でも食いに行きましょう。

ではでは、またお盆に帰るので、その時はよろしく。

(20代 男性)


         


飾らない言葉から、ご両親への感謝の気持ちが伝わってきますね

母の日特集 -真の孝行とは-

2009-05-03 10:36:41 | 母の日特集



生まれ難い人間に生んで、育ててくださった

両親のご苦労があったればこそ、

私たちは真実の仏法に遇い、人生の目的を知ることができた

というところまで紹介しました



今日こそは、

『どうしたら、大恩ある両親に親孝行ができるのか

を取り上げます



         



お釈迦さまは、まず


「出でて時新の甘果を得れば、
 将ち帰り父母に供養せよ」


”外出先で、季節の新鮮な果物

おいしいお菓子などを頂いたら、

家に持ち帰って、両親に与えなさい

と教えられています


また、

「父母病あらば、牀辺を離れず、親しく自ら看護せよ」


”父母が病気になったら、その病床を離れず、

 自ら看病しなさい”

と心を込めて看病する大切さを説かれています



         



しかし、このように尽くしても、

これだけではまだ、真の孝行とはいえない、

とお釈迦さまは教えられています



「汝等大衆能く聴けよ。
 父母のために心力を尽して、
 有らゆる佳味・美音・妙衣・車駕・宮室等を供養し、
 父母をして一生遊楽に飽かしむるとも、
 若し未だ三宝(仏法)を信ぜざらしめば
 猶以て不孝と為す」


”よく聞きなさい。

 両親のために、どんなに心を尽くして、

 あらゆるごちそうをふるまい、美しい音楽を聞かせ、

 素晴らしい衣服、高級な車、宮殿のような家を与えたとしても、

 仏法を伝えなければ、なお不孝といわれねばならぬのだ”



佳味・美音・妙衣・車駕・宮室などの孝行を

否定されたのではありません。


これらのことよりも、さらに素晴らしい最高の孝行は、

仏法を伝えることだと教えられているのです



「財は一代の宝、法は末代の宝」


といわれます


金や財産などは、私たちに楽しみを与えてくれますが、

それは、この世だけのことです。


真実の仏法は、私たちを、

この世から未来永遠の幸福に生かし切ってくださるのですから

その宝を両親に伝える以上の孝行はありません


両親、さらには家族に仏法を伝え、

ともに真実の仏法を聞き求め、

阿弥陀仏の本願に救い摂られ、

永遠に幸せな親子となりたいですね

母の日特集 -親の大恩が知らされる時-

2009-05-01 21:15:06 | 母の日特集



さあ、今日は

『どうしたら、大恩ある両親に親孝行ができるのか』

についてです



ただ、その前に・・・

最近、親子に関する暗いニュースが多いですね


子が親を殺したとか、虐待したとか・・・・



深いご恩を受けた両親なのです

なぜこんな悲劇が起こるのでしょうか?



それは、人間に生まれ、生きている喜びがないからだと思います

苦しくつらいだけの日々なら、

生んで育てた両親に感謝する心も出てはこないでしょう



それどころか、

「何で生まれてきたのだろう

 人間に生まれさえしなければ、こんなに苦しまなくてよかったのに

と恨んでいる人さえいます。



それは、

何のために生まれてきたのか、
何のために生きているのか。
なぜ苦しくても生きねばならないのか。
人生の目的がわからないからです。




「人間に生まれたのは、これひとつのためであった

と人生の目的を達成させていただいた時にこそ、

「人間に生まれてよかった

という生命の大歓喜が起きるのです



すべての人にとって最も大切な、生きる目的。

それを教えられたのが仏教を説かれたお釈迦様なのです



「人身受け難し、今已に受く。
 仏法聞き難し、今已に聞く。」


”生まれ難い人間に生まれることができて、よかった。
 聞き難い仏法、よくぞ聞かせていただけた”


という生命の大歓喜があれば、

生み育ててくれた両親に、心から感謝の気持ちが起き、

孝行を尽くさずにいられなくなるでしょう





先にあげたような悲しい事件も起きなくなるはずですね


          



次回こそは、

『どうしたら、大恩ある両親に親孝行ができるのか』

を取り上げます

母の日特集 -親の大恩十種④-

2009-04-30 21:31:31 | 母の日特集



『親の大恩十種』、いよいよラストです



         



10.究竟憐愍の恩
 (くきょうれんみんのおん)


いくつになっても案じ続けてくださるご恩です




「己生ある間は、子の身に代わらんことを念い、

 己死に去りて後には、子の身を護らんことを願う」




生きている間はもちろんのこと、

死んでから後も、なお子供を護ってやりたい、

と願ってくださるのが親なのです


親は、自分が80、90の老境に入っても、

子供を哀れみ、慈しみます。

その情は、あたかも影の形に添うがごとく、

終生、子供から離れることはありません。


わが子が幾つになろうとも、案じ続けてくださるのです




         



さあ、4回にわたって、

親の深いご恩を紹介してきました


いろいろとエピソードが思い出されてきた人も多いのでは?


こんなにもたくさんのことをしてきてもらったのならば、

やはり頭に浮かぶのは、

「親孝行をしなければ」という想いではないでしょうか?


お釈迦様は、

このような大恩に、

私たちはどうすれば報いることができるのか?

ということを教えてくださっています


「そ、それはなに


また次回

母の日特集 -親の大恩十種③-

2009-04-28 22:02:10 | 母の日特集



『親の大恩十種』、今日で3日目ですね!

よろしくお願いします


         



7.嚥苦吐甘の恩
 (えんくとかんのおん)


子の喜びを自分の喜びとしてくださるご恩です




「食味を口に含みて、

 これを子に哺わしむるにあたりては、

 苦き物は自ら嚥み、甘き物は吐きて与う」



親は、子供の成長を願い、

おいしいものを子供に与え、

自分はまずいもの、残り物で我慢します




「父母外に出でて他の座席に往き、

 美味珍羞を得ることあれば、自らこれを喫うに忍びず、

 懐に収めて持ち帰り、喚び来りて子に与う」



外出先で、おいしそうなお菓子や果物をもらうと、

それを食べずに持ち帰り、

子供が食べる姿を見て満足するのが親です




「己が好美の衣服は皆子に与えて着せしめ、

 己はすなわち故き衣、弊れたる服を纏う」



子供には新しいきれいな服を買い与え、

自分は継ぎを当てたシャツや色あせたズボンで新調を控える。


親は、自らはまずいもの、古いものを甘受し、

わが子にはおいしいもの、パリッと新しいものを与えて、

子供の喜びを自分の喜び、満足としてくださるのです



         



8.為造悪業の恩 (いぞうあくごうのおん)


わが子のためなら悪事さえいとわない、とうことです




「若しそれ子のために止むを得ざる事あれば、

 自ら悪業を造りて悪趣に堕つることを甘んず」



わが子のためなら、時に親は、

自ら進んで悪事を働くことさえあります。

その報いで自分がどんなに苦しんだとしても、

子供を恨みはしません

わが身を犠牲にしても、

いかなる強きものにも対抗して

子供を守ろうとしてくださるご恩です



         



9.遠行憶念の恩 (おんぎょうおくねんのおん)


遠くへ行くほど心配してくださるご恩です




「若し子遠く行けば、帰りてその面を見るまで、

 出でても入りてもこれを憶い、

 寝ても寤めてもこれを憂う」



わが子が遠くへ出掛けると、

親はその帰りを案じ、待ちわびます


離れていても、

常に心をかけてくださっている両親のご恩は、

本当にありがたいものですね



         


ついに9番目まできました

また明日