我輩はニャァーである。名前はあったのだが、この家に来てからは「ニャァー」「ニャァーゴ」としか呼ばれていない。
もともとは隣の家に飼われていて、こっちの家には散歩のついでに侵入していたぐらいだ。だけど、花壇の地面がきれいにならされると、つい本性がでてきて土をほじくりかえしてしまうから、この家の住人に追っ払われていた。
だけど事情が変わって、この家でエサをもらうようになってしまった。
最初は怖くて車の下から覗きこんで遠慮がちで、ここでしかゴハンを食べられなかった。 このときは犬用肉缶詰だけだった。だって、ほぼ1ヶ月まともな食事をせず、毛並みはボサボサ、アバラはガリガリ状態だから何でも食べた、怖さも抑えて。
1ヶ月もたったのだろうか、年末になり寒い。日当たりの良いところを探していたら、テラスの下は風も少なく暖かい。
でも、この家にはキララとチャコという犬がいる。前から外で出会っても苦手だ。テラスの下に来るといつも睨まれてしまう。ときどきはキララが隙をみて飛び出して追っかけてくるから、車の下に避難することもある。ということで、お昼寝は暖かい落ち葉の上がお好み。野良猫の性分になってきたのかなぁ?
慣れてきたと思われたのかこの頃から食事はテラスの下、ワンたちから丸見えのところで用意されるようになった。ワンたちの厳しい監視、エサへの羨望でジット見張られているけど、食欲が勝ってしまう。
年が明けて寒さも厳しい。藪の中も寒い。キララとチャコも慣れてきたので、テラスで過ごすことにした。籐篭にダンボールを入れてビニールパックされた「小屋」を作ってもらった。フカフカのタオルがあり柔らかい、日当たりも良いし、腕枕?でお昼寝。風も無いしいい気持ち。
ワンたちがいても、もう平気。窓のすぐそばでお昼寝。伸びきって頭を下にくっつけて寝るのが好き。
3月になり陽射しも暖かい。窓を開けてもキララとチャコが飛び出さないように臨時の柵ができた。こんなに近くても、もう平気。大あくび。ワンたち、うらやましいだろ。
でも、1週間前にケンカをして、歯が抜けた。
もともと、9歳のキララより年上で、今はいないセッターのポッケを知っているくらいの年寄りなのだ。上のちょこんと座っている写真のときは最後の右下の犬歯があったのに、今回それが抜けた。これで全部の犬歯がなくなった。猫だから「犬歯」は要らない訳ではない。ここに来てから10才以上用ドライフードだったのに、食べにくそうにしてたら、13才以上用に変えてくれ、さらにウェット缶詰の量が増えた。前歯、門歯も無いから普通のネコがガツガツくわえるように食べられない。舌でエサ容器の壁にフードを押し付けて舐め取るように食べるしかない。時間はかかるが、ワンたちと違って、「味わっている」と褒められる。チャコなんかは5口でエサの2/3を食べ、10口で全部無くなる。この間20秒だそうな。おやつも含め「少しは味わえ!」と怒られているらしい。
最近のお昼寝場所の紹介
テラスに停めてあるスクーターのステップ
ホースの輪の中
A4コピー用紙の箱の中
どれも好きだけど、一番のお気に入りは「箱」、散歩以外日中はここから出たくない。暖かくなって住人が庭仕事をする機会が多くなり、庭のあちこちでゴソゴソしている。ジイサンになったせいか、土がならされてもほじくり返すことがなく、追っかけて行ってはミャァーと甘えると、手を休め撫でてくれる。
飼い主からの一言:前から行動範囲が広いのだから、もっとワンたちに慣れて一緒に散歩に行こう。