pagiのモラトリアム続行中

どこまでもウンコな独りもん生活を送る
自称ファッションヴィクティムのpagiの生活

東京国際映画祭2

2005-10-31 | cinema
また行ってきました!東京国際映画祭。今日は最終日でした。
お目当ては大好きなソル・ギョングさん…ではなくインドネシア映画。
愛と卵についてという作品。
監督はインドネシアを代表するガリン・ヌグロホ。
貧しい環境で精一杯生きている庶民を誠実に描くことで定評のある監督です。

舞台はジャカルタの小さなkampung(集落)。
丸屋根のないモスクと市場を中心にした、あまり豊かではない集落に住む人々の物語です。
時はidulfitri(断食明けの祝日)で、皆どこかソワソワしています。
イスラム教徒の多いインドネシアにおいてはidulfitriはお正月休みと同じで、
一大帰省シーズンなのです。
でもこの映画の中では、一人一人の事情を覗いてみると、
帰省したくてもできない人たちや、帰省したくない人たちもいて、
都会のゴミためみたいな狭い集落に残って生活を続ける人たちが結構いる。
監督は、そんな人たちに起こる、日常生活の中のささやかな事件を綴ります。

私が一番好きなキャラクターはモスクのおじさん(聖職者)です。
信徒に「お説法が右から左に抜けるよ」と言われても
ニコニコ笑って「そんなものさ」と受け止めたり、
若い女が自殺未遂騒ぎを起こせば説得にかりだされたり、
モスクの天井のはりに巣を作った鳥を可愛がったりする優しいおじさんです。
おじさんは聖職者である自分と、集落のリーダーである自分と、
individualの部分のバランスがすごくいい。
自己や自我の出し入れが自然で、人間として本当に尊敬できる人だと思いました。
それからその出演者中唯一の中華系の若者。
pribumi社会で生活し、「貧乏な中国人」と冗談を言える、心優しい青年です。


インドネシアって、実際にada apa dengan cinta?のような世界がある一方で
この映画のような生活環境も存在しているということを思い出させられた。
別にA2DCの世界が良でこの映画の世界が劣というわけではないし、
両方の世界をないまぜにしたのがインドネシアだし、これでOK。
ほら、説明書きにも「ジャカルタの高層ビル街に囲まれた小さな市場」とあるし。
あとね、下町の人間には人情があって…なんて紋切り型の評価はクソ食らえだけど、
映画のそこここに彼らの人のよさが現れていて微笑ましかった。
私も現地にいたとき、彼らの人のよさに助けられたことを懐かしく思いだした。
ちょっとお節介なくらいに人を心配してくれたり、元気付けてくれたりして。
確かに時々はうっとうしくもあったけど、彼らの打算のない心が嬉しくかった。

主人公の女の子の名前がrindu(愛しく思う気持ち・という意)というんだけど、
映画を見ていたらインドネシアの生活や人がたまらなくrinduになってしまった。
saya rindu pada kehidupan di Yogya... saya ingin kembali ke Yogya...
という気持ちである。どうしよう。ヤバイぞ。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今日も・・ (kool)
2005-10-31 03:32:00
又・・行かれたんですね・・・

凄い!・・・・・・

ああ・・・ (emicco)
2005-11-01 01:18:18
rinduって好きな響きなんだよねえ…

無性に切なくなってきた。

ヤバい、インドネシア行きたい、泣けてきた。
rindu sekali (pagi)
2005-11-02 11:39:02
>えみっこ

rindu sama kamuってね。

恋しいっていい言葉だよね。

私はrindu makanan indonesia sederhana

なんだよね。

ダメダメだわ。



>koolさま

映画ばっかりですから。ええw

いい映画でした (チャーリー高橋)
2005-11-06 02:56:05
私のブログにトラックバックありがとうございました。ブルグ初心者につきどういうふうにリアクションしていいのかわからないのですがここに書き込ませていただきます。pagiさんはこの映画をとてもていねいに見てらっしゃることと、インドネシアの人々へ共感に感銘しました。インドネシア語ができるのですね?私はジョグジャカルタには数日、安宿に滞在したことがあります。王宮、そしてTaman Sari?という遺跡が印象深かったです。ではではまた・・。
コメントありがとうございます! (pagi)
2005-11-06 17:59:52
コメントありがとうございます!

チャーリー高橋さんのブログの文章が本当に暖かい視点で書かれていたのでTBしたのです。

でもなぜか私のブログにはTBできなくて…

厳密には失敗してしまったようです。



チャーリー高橋さんはジョグジャに滞在されたことがあるのですね!

私が以前生活をしていたのはまさにそのジョグジャなのですよ。

映画の舞台はジャカルタでしたが、

あの集落の生活ぶりは私の生活環境に近いものがありました。

インドネシアが懐かしいです。

残念なことに言葉もどんどん忘れてきています

これからもよろしくお願いします。ではでは。