鉄路の瞬間アルバム

かつて配信していたWEBサイト「鉄路の瞬間」から選りすぐりの写真を公開

相鉄に特急が誕生。私鉄急行の存在意義。

2014年03月13日 | 交通コラム
相鉄に4月改正で「特急」が誕生する。横浜を迂回する形となるJR線を介した都心直通(神奈川東部方面線)を4年後に控え、相鉄グループの拠点でもある"横浜駅"のブランド価値の維持が特急に託される。現在の相鉄本線の最速達種別は急行であり、二俣川~海老名間は各駅に止まる訳だが、特急の設定で同区間の途中停車駅は、小田急江ノ島線と連絡する大和のみ。運転時間帯はデータイムのみ、毎時2本で待たずに乗れる本数とはいかないが、相鉄沿線のみならず、小田急沿線からの横浜流入にアピール十分。従来の急行は大部分が快速に置き換わり、特急通過駅からの利便性はやや落ちるが、大きな影響はないだろう。

そして本線だけではなく、いずみ野線にも特急が設定された。線内の途中停車駅はいずみ野のみ。同駅で各停との接続が行われると予測できる。本線同様に毎時2本だが、こちらも小田急江ノ島線沿線から横浜への時短に貢献するだろう。具体的なダイヤはまだ発表されていないが、本線特急2本と快速4本と各停6本が10分サイクルの中に収まり、連続する快速の間にいずみ野線特急が割り込む形になれば、横浜~二俣川相互利用者には嬉しい限りだろう。将来的には、いずみ野線特急がそのまま西谷から横浜羽沢を経由してJR線へ直通することが考えられる。4年後の神奈川東部方面線開通まで、何としても特急停車駅を維持していただきたい。特急の空気輸送が問題になり、1年後に停車駅を増やすなんてことにならないように願う。

さて、相鉄からデータイムの「急行」が消えることになったのだが、近年は全国の私鉄で急行が減少が目立つ。既定の停車駅が、現在の乗客のニーズに合っていないといった理由や、併走ライバル路線との乗客の争奪戦に関係してくる。今回の相鉄のケースは南海本線に近いか。完全に絶滅してしまった京成や阪急京都線、形を変えて復活したとはいえ、一時は絶滅危惧に追い込まれたこともあったのが京急。小田急も全盛時より数を減らし、京阪ではその役割が大きく変わった。・・・そういえば、私鉄よりもJRの急行の方が絶滅寸前であったか。

寝台列車廃止に伴う、夢の代替案

2013年11月07日 | 交通コラム
報道発表によると、サンライズを除いた寝台特急の全廃が15年度末までに予定されているようだ。実に残念な話であるが、元々は利用客の減少、近年は車両更新の問題や乗務員、料金の非効率による問題、そして青函トンネルの問題が大きい。
しかし、列車によっては便利なものも多く、対北海道輸送については、明らかに観光列車として成り立っていたはずだ。そう考えると、何らかの代替列車が欲しいと思うもの。かつて昭和の時代、新幹線の寝台列車を検討していたこともあるようだが、夜間走行可能時間や保線の問題で実現には至っていない。であれは、こういうホテル新幹線はどうだろうか。

1,夜間(ビジネスタイム終了後)に東京を出発。
2,新幹線走行可能時間である24時までに途中駅まで走行。
3,その途中駅で夜間停車し就寝。
4,朝6時から走行再開。

要するに前夜に途中駅までの列車として、
途中駅での夜間停車はホテルとして、
そして翌朝、早朝の列車として目的地へ到着する。

例を挙げてみよう。

<北海道新幹線の場合>
東京発21:30→盛岡着23:40
盛岡発6:00→新函館着8:00
<東海道新幹線の場合>
東京発21:25→新大阪着23:50
夜間新幹線内宿泊後、新大阪駅改札開始時刻~7時チェックアウト
(もしくはみずほ601号に続行で博多まで運行)
あるいは、
東京発22:20→名古屋着23:56
名古屋発6:10→新大阪着7:00

夜間停車中はホテルマンが対応
夜間停車駅のホーム一角に専用シャワールームを設置


列車は全席個室洗面付き、出来れば個室内にトイレ完備
(一両に15室程度は確保できる?)
利益効率を考えると、長編成が必要なので
東海道は16両、北海道は10両のフル編成。

料金は通常の新幹線料金(運賃+新幹線指定席特急券)+宿泊料金
既存のJR寝台料金ではなくてホテルとしての宿泊料金を適用したいところ。
ビジネスホテル料金プラスアルファとなる10,000円~13,000円なら使えるか。

事業者にとって、通常の旅客輸送と比べれば非効率極まりないが・・・

夢の代替案はいかがでしょう?JRさん。

北陸新幹線運行体系

2013年10月06日 | 交通コラム
JR東日本、JR西日本両社から北陸新幹線の運行体系が公表された。

・東京~金沢速達型
・東京~金沢各停型
・東京~長野区間型
・富山~金沢シャトル

この発表に対して新潟県からは批判的コメントが出ているようだが、冷静に見れば誰もが想定した形だろう。

長野以西の全駅に対して「各停型」が毎時1本運行されれば、輸送力としては十分のはずだ。加えて、本来の目的である首都圏と北陸主要都市を最短時間で結ぶ速達型が、日中を除いて1~2時間に1本運行されるようなイメージか。そうすると、発表されている現在の長野新幹線の運行レベルと合致する。

加えて東京~長野間のJR東日本管内区間列車を、各停ベースで毎時1~2本程度運転されれば、富山・金沢方面の列車を長野以東で速達に振り向けられ、東京対長野と、東京対北陸を分離することができる。問題となってくるのは高崎以南の線路容量。一部上越新幹線の本数を減らすことも考えられるが、その場合は一部の長野折り返し列車が、たにがわの代役を果たす(高崎以南各停)として割り当てる可能性もありか。「たにがわ」と「あさま」の併結なんてことも?

最後にシャトル便。毎時1本設定で、東京~金沢各停と合わせて毎時2~3本となれば、現特急の運行レベルに合致する。新高岡停車も毎時2本は確保されるだろう。

さて、新幹線に合わせて気になるのが接続列車。まずシャトル便が運行されることで、東京直通を含めて大阪・名古屋方面からの特急と接続を取ることは間違いない。高岡連絡はどうなるか。城端線に新高岡駅が新設されることは決まっているが、現在毎時1本程度の運行本数を、こちらもシャトル便などを設定して全新幹線列車に接続を取るのだろうか?開通時点で設定して、いずれ利用者が少なくシャトル便廃止・・・という未来が見えてしまう。

直江津方面への接続列車も当初は設定されることになるか。上越妙高で直江津方面への利便性を図る可能性もある。えちごトキめき鉄道としても新幹線客からの取り込みを期待したいところだろう。

新幹線だけでなく、並行在来線の運行体系も実に気になる時期になってきた。新幹線での地域活性に合わせて、県出資の三セクが、どう地域の足として経営を成り立たせていくのか。注目しよう。

黒部宇奈月温泉駅命名で、宇奈月温泉駅は?

2013年06月08日 | 交通コラム
 西日本旅客鉄道(JR西日本)の北陸新幹線、富山県黒部市域に予定されていた仮称新黒部駅は、正式に同社より「黒部宇奈月温泉」駅と命名された。地元富山県、黒部市関係各所は歓迎ムードのようだ。

 新幹線駅に、地元を代表する観光地の名称が入ったことは喜ばしいことであり、実際に宇奈月温泉への玄関口となる立地である。しかし気になるのは、同駅にも接続する富山地方鉄道(地鉄)本線の終着駅の名称が「宇奈月温泉」駅であるということ。接続駅である地鉄の駅名も新幹線と同様の駅名になれば、「黒部宇奈月温泉」と「宇奈月温泉」が両方、しかもある程度距離を置いて地鉄本線には存在することになる。

 分かっている人間にとってはなんてこともない話なのだが、観光客にとっては厄介な名称となるかもしれない。かといって、宇奈月温泉駅を改称するなんてことも考えにくい。せめて「黒部宇奈月温泉口」駅だったら良かったか?地鉄の方を新黒部などにして、新幹線と別名にするという考え方もあるのか・・・

---次は「黒部宇奈月温泉」です。新幹線はお乗り換えです。宇奈月温泉へおいでのお客様は、終点宇奈月温泉までご乗車ください。