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わたしの散歩道

ブログを始めました。

平成の最後を彩る皇居の乾通りの桜

2019-04-10 09:50:51 | Weblog
 春らしい陽気になり桜の開花は日増しに進み27日
(水)に東京で満開が観測された。週末は見頃を迎える
という。

平成31年3月30日(土)から4月7日(日)まで、
春季皇居の乾通り一般公開が実施される。皇居の乾通り
は約750mの並木道に31種、103本の桜が植栽さ
れている。

今年の5月に元号が改まる。その前に、平成最後の皇居
の乾通りの桜を見納めたい……。


      青空に映えるソメイヨシノ

4月1日(月)、晴れのち曇り。桜は朝のほうがいいの
で早めにでる。市営地下鉄に乗り日吉駅で都営三田線に
乗り換え大手町駅で下車する。坂下門に近い出口から集
合場所へ。

8時10分前で150人ほど並んでいる。8時50分か
ら手荷物検査等が開始された。開門の9時となり列が動
き出す。重厚な坂下門が迫ると身が引き締まるよう。


      満開のコシノヒガンザクラ

変わる皇位に思いをはせながら、平成最後の美しい桜を
記録したい……。坂下門を参入すと宮内庁前広場だ。右の
石垣には桜に彩られた富士見櫓が凛々しい。

桜を眺めながら人の流れはゆっくりと進む。道の両側は
薄紅色の桜並木が続きすばらしい。局門も過ぎ艶やかな
桜の間から真白な壁の富士見多門が典雅に映る。


       桜の間から富士見多門

少し行くと、大木の枝垂れ桜は空から流れるように咲き
誇り見事な美しさだ。珍しい桜には名札があり心ゆくま
で眺める。

少したどれば、艶やかな紅枝垂れ桜が美しい紅色の枝を
滝のように流し青空に映えわたる。


       枝垂れ桜の下から観桜

やがて分岐点だ。右へ進むと西桔橋を渡り皇居東御苑へ
。直進すると乾門に。一方通行のために後戻りはできな
い。

分岐点付近には、可憐な山吹の花が周辺を黄色く染めあ
げ明るい雰囲気を醸している。直進すると、桜が彩る先
に乾門が見えてきた。


     青空に美しいベニシダレザクラ

門が近づくにつれ桜並木は大きく広がり、桜は爛漫と咲
き誇り華やかな美しさ。乾通りを薄紅色のに染めた桜並
木を脳裏に刻み名残を惜しみつつ退出……。

乾門から少し歩き皇居東御苑の北桔橋門から参入する。
ここでも手荷物検査等を受け二の丸庭園へ。天守台付近
は桜見物の外国人観光客が多い。


     日本庭園のベニシダレザクラ

汐見坂を下り雑木林ぬけると日本庭園だ。ソメイヨシノ
は満開だが枝垂れ桜は花が少ない。雑木林の山桜を楽し
み大奥跡の芝生広場へ。

芝生広場は、うららかな春の日を浴びた桜が爛漫と咲き
誇り麗しい。空に薄紅色がひろがるさまは実に美しい。
桜が珍しいのだろ。桜の周りは外国人で大賑わいだ。


      満開の桜を囲む外国人

ひと回りして北の丸公園に向かう。代官町通りを渡り北
の丸公園に入る。千鳥ヶ淵の土手沿いの散歩道を行く。
石垣から見下ろす桜は水面に向かい優美に咲き乱れすば
らしい。

満開の桜が水面に枝を広げて咲くさまは言い知れぬ美し
さだ……。ボートが花の下をすべるようにゆく情景は絵の
ようでもある。


      ボートで写真を撮る二人ずれ

石垣から見下ろす桜の美しさを堪能し田安門から千鳥ヶ
淵緑道へ。凄い人込みだ。観光案内のテント裏からの眺
めはビュウポイントで大変な賑わい。

千鳥ヶ淵の中間地点から濠を望むと、石垣の両サイドか
ら満開の桜が水面に向かい優美に咲き誇る。これはなか
なか見られない春の絶景だろう。


       菜の花と桜の千鳥ヶ淵

流れのままに千鳥ヶ淵緑道に入る。頭上は満開の桜が咲
き広がり花のトンネルだ。桜の下を人の流れにのり進む
だけ。

対岸の桜を菜の花越しに眺めるのもいい。桜の花が長い
石垣を覆いつくし華やぐ春景色は他に類を見ない。よう
やくボート場屋上に。ここは千鳥ヶ淵の絶景スポット。


      千鳥ヶ淵の絶景スポット

歴史に育まれたお濠や石垣に咲く桜の花は見るもの心に
染みてより美しく見える。下手な鉄砲じゃないがカメラ
のシャッターを切りまくった。

平成の最後にと思いボートに乗ろうと聞いたら2時間待
ちだという。諦めて緑道を行く。

観光案内所でパンフレットをもらっていたら、急に一陣
の風が吹き桜の花が散りだした。はらはらと花びらが舞
う光景は無常の情趣がある。


       舞姫(淡紅色の八重咲)

内堀通りを歩き千鳥ヶ淵公園へ。半蔵濠に沿った千鳥ヶ
淵公園の両側は満開の桜並木が続く。英国大使館はすぐ
前だ。公園にはソメイヨシノやヤマザクラが艶やかに華
やぐ。

菜の花と桜がコントラストして春らしい風景がひろがる。
とろどころで花見の宴を楽しんでいた。公園を周回して
代官町通りを行く。


      千鳥ヶ淵公園を行き交う花見客

道路の両側は桜並木で紅色やピンク色、白と華やかだ。
この道も多くの花見客でにぎわう。ここも桜の名所とな
っている。

土手には千鳥ヶ淵さんぽみち(520m)があり北の丸
公園につづく。ベンチもあり千鳥ヶ淵全体が眺望でき風
光明媚である。

散歩道をたどるとやがて、東京国立近代美術館工芸館の
前にでた。道なりに歩き国立公文書館の前を通り竹橋で
地下鉄に乗った。

府中市郷土の森梅まつり

2019-03-09 09:17:22 | Weblog
 朝のウオーキングの道すがら、高台の庭から薄紅色の
枝垂れ梅が優美に咲き誇っている。見上げると、澄み渡
る青い空に映えて美しい。

そこからほど近い庭でも白梅がほころび甘い香りがただ
よってくる。


      蝶の羽重ね 豊後系

東京都府中市の郷土の森博物館では「梅まつり」が開催
中なので様子を聞いてたら「見頃は2月下旬から3月初
めごろがいいと思います」とのこと。

2月26日(火)、曇りで少し肌寒い。地下鉄から、田
園都市線、JR南武線に乗り継ぎ分倍河原で下車し、京王
バスの郷土の森総合体育館行に乗り郷土の森正門前で下

車する。信号を渡ると正門。園内は約14万㎡と広い。
パンフには「万葉集に詠われ、古くから日本人に愛され
てきた梅。約60種1100本の梅が、園内で咲き誇り、


     紅千鳥 緋梅系(紅)八重」

春の訪れを感じさせてくれます」と。古い時代から梅は
人気が高く万葉集の中で119首も詠まれている。

本館の前からけやき並木を通り旧府中町役場横梅園へ。
赤い毛氈が敷かれ野点茶会の会場もある。(休日のみ)
エリアは狭いが最初の観梅だ。


      藤牡丹枝垂れ(薄紅色)八重

梅の木にはネームプレートがあるので少し紹介する。
美しい「藤牡丹枝垂れ 豊後系(紅)八重」、少し寒
いなかピンク色の可憐な花を咲かせている。

隣は「玉梅 野梅系(白)一重」、白い花が密集して咲
いていた。その横は「蝶の羽重ね 豊後系(薄紅色)一
重」、ひめやかに咲く花姿は匂うような美しさだ。


     稲積 野梅系(白)一重

回ると「満月枝垂れ 野梅系(白)一重」、白い花が流
れるように咲き爽やかな風情を醸す。

マップを見ながら平右衛門広場へ。ハケ下の流れを渡り
、白加賀の白い花を眺めながら行く。あまりにも種類が
多く迷ってしまうほどだ。


     冬至梅 野梅系(白)一重

清楚な「冬至梅 野梅系(白)一重」、ようやく咲き始
めた白い花は凛とし蕾は白玉のようで愛らしい。その先
に「塒出錦(とやでにしき)(紅)八重」、濃いピンク

色で艶やかで魅惑的だ。隣は「月影枝垂れ」、少し青み
がかった白い花には深みがあり風雅な風情を醸す。順に
廻ると、樹形も見事な枝垂れ梅が……。


      府中市記念樹(藤牡丹枝垂れ)

薄紅色に華やぐ府中市記念樹「未来につなぐ水と緑のふ
るさと府中 府中市制50周年記念樹 平成16年11
月3日 府中市」と記す記念碑が立つ。

そこからほど近いところに太宰府から贈られた記念樹(
大和牡丹(白)鹿児島紅(紅))がある。「太宰府の梅
は、菅原道真の和歌に由来する『飛梅』を御神木とする


     太宰府寄贈の梅(紅白)

太宰府天満宮より寄贈を受けた梅の木である。〈東風ふ
かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘
れそ〉府中市制施行60周年記念樹」。写真スポットで

大変な賑わいだ。ぐるりと巡回すると「川崎平右衛門翁
像」がある。周辺にはサンシュユの黄色い小花が咲いて
いる。


      梅林のなかよし二人連れ

<石段を上ると奥の梅林が広がる。紅白の梅の花が入り乱
れ咲き盛り春霞みのようだ。まだ春あさき如月の梅林に
梅の香りがほのかに匂う。

野梅系の白い花を眺めながら廻ると赤い花が目につく。

近づくと「鹿児島紅 緋梅系(紅)八重」、濃い紅色の
花弁が重なり艶やかで奥深くゴウジャス見える。見とれ
ながら歩むと「豊後 豊後系(紅)八重」、今咲き始め


      豊後 豊後系(紅)八重

たばかりのような薄紅の花びらはとても初々しい。もう
すぐ春ですよとささやくよう……。

少し歩くと十字路だ。角には紅千鳥の真っ赤に燃える木
がある。ここも写真スポットなのか多くの人で賑わう。
小径に入ると花はしっとりと匂い早春の息吹がしみる。


       紅梅に熱中するお年寄り

梅林の中をそぞろ行くと、梅の花に埋もれ微笑みながら
語らう女性らは花によく映る。

東屋の近くのベンチで大休止。見渡す限り紅白の梅林が
広がりすばらしい。ヒヨドリも花の蜜を美味しそうにな
めている。春の日差し福寿草の黄色い花も美しい。


        梅林で語らう4人連れ

東屋から外周の道をまわり芝生広場から遊びの池を眺め
懐かしい水車小屋の風情を楽しみ梅園に戻る。多摩川に
沿ったロウバイノ小径を行く。

蝋細工のような黄色い花は下を向いて咲いている。梅の
花と競演しているようだ。花の盛りは過ぎたようにも思
いるが……。


      臥龍梅(がりゅうばい) 朝鮮ウメ

梅林を回遊し平右衛門広場を抜けて長屋門に行く途中に
「臥龍梅(がりゅうばい)」が薄紅色の花を咲かせてい
た。案内に「臥龍梅は伊達政宗ゆかりの朝鮮ウメ。仙台

市にある国指定天然記念物『朝鮮ウメ』の小孫です」と。
長屋門から木道を歩くと小川の縁にネコヤナギが咲いて
いた。故郷を思うような懐かしさ……。

ハケの茶屋で冷たいビールを飲みながら麗しい梅の花を
楽しむ。正門の呉羽枝垂れを見納めしバス停へ。

ルーベンス展―バロックの誕生

2019-02-06 11:27:49 | Weblog
 かねてから東京・上野の国立西洋美術館で開催中の
「ルーベンス展」を見ようと思っていたら期限の1月
20日(日)が迫ってきた。

1月18日(金)、晴れ。浅草寺の参詣の帰り、国立西
洋美術館で開催中の「ルーベンス展―バロック誕生」へ。

バロック美術の巨匠、ぺーテル・パウエル・ルーベンス
の作品40点とイタアリアの古代彫刻などが展示されて
いる。

  
かがむアフロディテとエロス 大理石

案内では「17世紀バロック美術を代表する画家、ぺー
テル・パウエル・ルーベンス(1577-1640)は
現在のベルギーの町アントウェルペンで修行し、工房を

構え活動した。画家として独り立ちした直後の1600
年から08年まで、イアリアで過ごした。ヴェネツィア
やマントヴァ、ローマでさまざまな表現を吸収しえ画風
を確立し、帰郷後はそれを発展させた」と。

会場は地下の展示室。薄暗い会場は満員の盛況だ。区分
されたコースに従い巡る。これはという作品に心して鑑
賞する。

 クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像

 1615-16年 油彩 カンヴァス
 
         リテンシュタイン侯爵コレクション


コメント
「ルーベンスの長女が5歳の頃の肖像画。目の前にいる
娘を描いたもの。そのため顔立ちは丹念に描く一方で、
そのほかの部分はほのめかすに留めている。彼女は
1623年に12歳でなくなった」。

(私見)父親を見ているのだろうか、愛らしい眼差しが
生き生きと輝いて見える」。

     キリスト哀悼

 1612頃 油彩 カンヴァス

         リヒテンシュタイン侯爵コレクション


コメント
「緊張感なく開いた両足と力なく垂れた両腕が、雄弁に
キリストの死を物語る。キリストの右足は大胆な角度か
らとらえられ、絵を前にした我々自身がまさにその足元

に立っているような臨場感をもたらしている。そばには
母マリアや弟子たちが寄り添い、キリストの死を悼んで
いる。マリアは我が子の顔に刺さった荊の棘を抜き、ま

ぶたを閉じようとしているが、これは当時読まれていた
書物の記述にもとづく描写である」。

(私見)マリアは気高く冷静に振る舞っているようだが、
横顔は青ざめて子を喪った母の深い悲しみが染みてくる
ようだ」。

     聖アンデレの殉教

 1638-39年 油彩 カンヴァス

      マドリード、カルロス・デ・アンベレス財団


コメント
「十二使徒のひとりアンデレは、ギリシアでローマ総督ア
イゲアテスによって磔にされた。2日間十字架に残された
アンデレは、彼を取り巻いていた2万の人々に教えを説い

た。怒った人々が総督を脅したため、彼はアンデレを十字
架から外すよう部下に命じたが、降りることを拒絶し祈り
を唱える。その瞬間に天から光が差して、光とともに彼の
霊は昇天した。

画面右で馬に乗るのがローマ総督。画面下にいるふたりの
女性の方はキリスト教に改宗した総督の妻であろう。この
絵の構図は、ルーベンスの師の作品に着想を得ている」。

(私見)「稲妻がきらめく嵐の中、十字架に磔になった聖
人アンデレが神に祈る姿には神々しくもあり見る人を圧倒
する迫力がある」。

   スザンナと長老たち

 1606-7年 油彩 カンヴァス

             ローマ、ボルゲーゼ美術館

コメント
「旧聖書『ダニエル書』補遺の物語。人妻スザンナの美貌
の虜になった長老たちが水浴中の彼女の前に現れ、自分た
ちに身を許すよう脅迫している。これを拒んだスザンナは

若い男と姦通していたと偽りの告発をされ、死刑の判決を
受けることになる。しかし、土壇場でその無実あ証明され
長老たちには罰が下された。作品は古代彫刻を参照にして

いる」。

(私見)「美しい人妻スザンナの虜にになった好色な老人
ふたりが彼女を誘惑しようと脅迫している。スザンナのふ
くよかな女体の曲線美は実に艶めかしい」。


   ネッソスとディアネイラ

 17世紀半ば 油彩 カンヴァス

      サンクトペテルブル エルミタージュ美術館


コメント
「主題は古代ローマの詩人オウィディウスの『変身物語
』にもとづく、ヘラクレスを欺いてその新妻デイアネイ
ラを凌辱しようとし、矢で射殺されたケンタロウスのネ

ッソス。画面は、死に際のネッソスが自らの血がついた
衣をデイアネイラに贈ろうとしている。愛を燃え立たせ
る効能があるというのが、その時の口実であったが、そ
れは偽りであり毒を含んだ衣は後にヘラクレスの命を奪
うことになった」。

(私見)「暗い背景から新妻デイアネイラとネッソスが
浮き上がる。ふくよかに匂い立つ新妻の肢体から妖艶な
エロティシズムが漂う」。

    マルスとシルウィア

 1615-16年 油彩 カンヴァス

       リヒテンシュタイン侯爵コレクション


コメント
「キューピットの力で、ウエスタ神殿の火を守る巫女の
レア・シルウィアに心を奪われ襲いかかる軍神マルス。
一方の巫女はキューピットの抗し難い誘惑に戸惑いの表

情を見せる。キューピットの愛の力によって武装を解き
兜はプットーに持ち去られる。このときの愛瀬により
後にローマの建国者となるロムルスとレムスが生まれた
という」。

(私見)「ウエスタ神殿の巫女レア・シルウィアの虜に
なった軍神マルスは神殿で、戸惑うシルウィアに猛々し
く迫る。軍神マルスが挑む迫力は凄い」。


 エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち

 1615-16年 油彩 カンヴァス

        リヒテンシュタイン侯爵コレクション


コメント
「アッテカの初代王ケクロプスの娘たちが大地の女神ガ
イアの子エリクトニオスを発見すしたところである。蛇
の尾を生やした異形の子を前にしながら彼女らは総じて

落ち着いている。画面には、自然と肉欲の神パンの胸像
を乗せた柱や複数の乳房を持つガイアをかたどった噴水
も描き込まれており、神話も豊穣とプットーの存在は、

エリクトニオスに対する神々の使者メルクリウスの恋を
ほのめかすものであろう」。

(私見)「怪物のような子どもエリクトニオスを前に思
案する3人の娘たちのふくよかな肢体は匂うようなエロ
ティシズムにあふれ蠱惑的な優美さで魅了する」。

   かがむアフロディテとエロス

 2世紀前半 大理石 高さ122㎝

             ナポリ、国立考古学博物館
コメント
「うずくまるアフロディテと彼女の息子エロスを現す。
初期ヘレニズム時代末期の著名な彫刻にもとづくレプリ
カのひとつで、ルーベンスの時代はローマのファルネー

ゼ宮にあったと推測される。このアフロディテ像はルー
ベンスを強く魅了したらしく様々な作品に引用されてい
る」。

(私見)「大変美しく魅惑的な古代彫刻である」。

年の瀬ぶらりと鎌倉へ

2019-01-10 09:42:53 | Weblog
 冬至も過ぎ冬型の気圧配置が強まり朝夕の寒さは厳し
い。暮の雑事も終わり、年の瀬の静かな北鎌倉を歩き明
るい海辺を逍遥したくなった。

 12月30日(日)、晴れ。ザックを背に早めにでる
。横浜駅で横須賀線の逗子行きに乗り北鎌倉駅に7:5
0分に着いた。


     稲村ケ崎展望台から富士山

鎌倉街道には名刹が点在し冬は静かな古都の風情を心行
くまで楽しめる。円覚寺は鎌倉五山第二位の大寺院。森
が深い約6万坪の境内には伽藍や多くの塔頭が並ぶ。

総門の石段を上ると名残のモミジが赤く色ずいていた。
総門には新年を迎える門幕が垂れる。広い境内に入ると
杉の大木が茂り静寂さが漂う。


     円覚寺の重厚な三門

正面に重厚な三門が迫る。石段を上って山門をくぐり参
道に進むと重々しい仏殿が。本尊の「宝冠釈迦如来像」
を安置する。慈悲深い釈迦如来像に合掌し方丈へ。

禅寺らしい庭園を眺めて、妙香池の脇を通り国宝の「舎
利殿」へ。門は閉ざされているため遠くから参拝。 隣
の塔頭仏日庵も閉門されていた。


      円覚寺居士林の質素な門

引き返して妙香池の坂道を下り居士林の茅葺屋根の質素
な門の優雅さに魅せられる。山の上の鐘楼(鎌倉三名鐘
)は除夜の鐘準備のため通行止。

しっとりとした奥深い境内を巡るだけでも心が安らいで
いく。鎌倉街道の東慶寺や浄智寺の開門は9時であった。
しかたなく建長寺に向かう。


        浄智寺の総門

建長寺は日本で最初に建立された禅寺。鎌倉五山の第一
位、臨済宗建長寺派の大本山だ。総門をくぐり広い参道
へ進むと堂々とした三門(重要文化財)がすばらしい。

三門の下を通ると心が清浄になるという。三門の隣りに
梵鐘(国宝)がある。参道の両側に柏槇(びゃくしん)
の老木が並ぶ。


        建長寺の仏殿

仏殿(重要文化財)に「地蔵菩薩坐像」を安置する。優
しい地蔵菩薩に参拝し法堂から唐門を眺め半僧坊へ。

小川に沿った道を右折し石畳を歩き鳥居をくぐると庭の
あちこちに水仙が咲いていた。やがて、山頂への石段が
続く。斜面には山伏姿のカラス天狗像が数体が立つ。


        カラス天狗像

最後の急な石段を上ると半僧坊だ。休憩所で大休止する
。眼下に建長寺の伽藍が見え彼方に相模湾を見晴らす。
天園ハイキングコースの起点でもある。建長寺から鶴岡
八幡宮へ。

鎌倉街道をゆるく下ると巨福呂坂切通し。さらに坂を下
ると八幡宮裏にでる。境内への道から石段を上ると本宮
だ。朱塗りの社殿は神々しい。


        鶴岡八幡宮の本宮

本宮から境内を見下ろし鳥居の彼方に碧い海が広がる。
石段を下り本宮を見上げると歴史が刻む荘厳さが漂う。
舞殿を見ながら参道を行く。太鼓橋を挟み源氏池と平家

池がある。源氏池に祀る旗上弁財天を参拝し若宮大路を
たどり由比ヶ浜へ。鎌倉駅から由比ヶ浜まで15分ほど
の道のりだ。

下馬の交差点あたりから松並木が続く。ほどなく、国道
134号線の滑川交差点だ。滑川が海に注ぎ、海浜公園
の一隅に「さくら貝の歌」の歌碑が立つ。


        由比ヶ浜の渚

懐かしくなりロマンチックな詩の一節を口ずさむ。明る
い海原が広がり水平線の彼方はキラキラと銀色に照り眩
しい。

海に突き出た稲村ケ崎から弧を描くようにして由比ヶ浜
が広がる。浜に降り波打ち際へ。水際ではカモメが数羽
が翼を休め冬日を楽しんでいるよう。


       渚で憩うカモメたち

海浜公園に戻る。岸に寄せる波の音に身をゆだね気まま
に歩き稲村ケ崎に向かう。サーフィンの優美な波乗りに
見ほれているうちに坂ノ下あたり。

小さな漁船が砂浜に数隻並らぶ。やがて、海に突き出た
岸壁が大きく迫り稲村ケ崎だ。砂浜は消え波が砕ける荒
磯に変わる。公園も終わり国道沿いの遊歩道になった。


      稲村ケ崎公園の海辺から

ほどなく、稲村ケ崎公園に着いた。稲村ケ崎は「かなが
わ景勝50選」であり、展望台からは江ノ島を背景に伊
豆の山々や富士山が海に浮かぶ。

国指定史跡「新田義貞渡渉伝説地」の碑が立つ。新田義
貞が鎌倉攻めの際、太刀を海に投じて海神に祈ると潮が
引いた……。


    沖合で遭難した中学生のブロンズ像

また、明治時代に沖合で遭難した中学生のブロンズ像も
立っている。古戦場跡を堪能し歌にもある七里ヶ浜へ。
2,3分歩いてから振り返ると古戦場らしい情景が……。

海を眺めながらたどると、哲学者「西田幾多郎」の歌碑
が立つ。そこからほど近い駐車場から、紺碧の海に浮ぶ
雪を頂く富士山は一幅の絵のように美しい。


    七里ヶ浜から古戦場の稲村ケ崎

七里ヶ浜からは江ノ島がダイナミックに迫りまれに見る
絶景スポットだ。海風が運ぶ潮の香りに生気が蘇ってく
るようだ。


      七ヶ浜からの江ノ島

七里ヶ浜から江ノ電にのり極楽寺で下車し極楽寺を訪ね
たら閉門されていた。残念だが……。極楽寺坂切通しをゆ
るく下り、坂ノ下から砂浜を散策し波の音を聞きながら

冬の”青い空と青い海”を満喫した。



モミジが鮮やかな皇居乾通り

2018-12-15 16:08:44 | Weblog
 晩秋の冷え込みで緑道のモミジは日増しに色づいて
いく。11月の末頃には赤く燃え立つだろう。
そんな折、テレビが「12月1日(土)から9日(日)

までの9日間、秋季皇居乾通り一般公開を実施します」
と報じていた。新聞に「気象庁は、東京で冬の訪れを告
る『木枯らし1号』が今年は観測されなかったと明らか

かにした。東京で観測されないのは1979年以来39
年ぶりという」と。明日は天気が良さそう。心待ちにし
ていた皇居乾通りへ出かけようか。


       石垣上の紅葉

12月2日(日)、曇り。早めに自宅をでる。日吉駅で
西高島平行に乗り換えて、都営三田線の大手町駅に8時
26分に着いた。Ⅾ2出口から皇居坂下門に向かう。

少し歩くと黄葉したイチョウ並木が美しい。黄葉した行
幸通りの奥に東京駅が見える。日曜日で人通りは少ない
。皇居前広場の奥に白いテントが並ぶ。


      皇居前のイチョウ並木

所どころに警備の警察官がたっている。開門を待つ人々
の行列がとても長い。静かな森につつまれた朝の二重橋
が荘厳に見える。

開門の9時となり行列が動き出した。手荷物検査やボデ
ィーチェックが終わり坂下門に進む。重厚な坂下門をく
ぐり皇居内に入る。

やれやれとほっと一息入れてから給水場で水のサービス
を受ける。広場の左側に、緑の切妻屋根が美しい宮殿が
見える。隣は、古風な宮内庁だ。


       富士見櫓と紅葉

右の蓮池濠に白亜の富士見櫓が悠然と聳える。少し離れ
て眺めると、赤く色づいたモミジが重なり一幅の絵のよ
うだ。ゆっくり歩を進めると赤いモミジと薄いピンクの

カンザクラがコラボする珍しい光景が・・・。

多くの人の流れに乗りながら撮影するのは難しい。ほど
なく山下通りの前にさしかかる。通行禁止の山下通りは
鮮やかに紅葉が彩りすばらしい。


       山下通りの紅葉

日当たりの良い所のモミジは色合いもよく赤やダイダイ
、黄緑とグラデーションカラーに照りすばらしい。その
美しさに感嘆し立ち止まり見ほれる。

江戸城の面影を残す石垣や濠に赤く染まったモミジが彩
る風景は皇居らしい雰囲気を醸し優雅な風情が漂う。


       局門の紅葉

やがて、どっしりした日本瓦葺の風雅な局門だ。イロハ
モミジの古木が赤やオレンジなどが鮮やかに映え、庭の
イチョウが黄色く染まり見事な眺めだ。

人の流れのままに行くと、富士見多門が見えてきた。白
い壁に赤いモミジが映り奥ゆかしい。目の前には四季桜
が寒さのなか愛おしい花を咲かせていた。


      乾通りの紅葉を楽しむ人々

ほどなく、乾門と皇居東御苑の分岐に来た。後戻りがで
きないので、皇居東御苑へ向かう。

西桔橋を渡り坂道を登っていくと皇居東御苑の天守台の
前に出た。天守台を登ると、眼前に大奥跡や本丸大芝生
が広がる。周りの木々の紅葉はすばらしい。


      天守台からの芝生広場

芝生の傍らの道には赤や白の山茶花が咲き初冬らしい。
白鳥濠の坂を下ると、前方には紅葉や黄葉が真っ盛りの
の風景が広がり見事な美しさだ。

二の丸庭園への道すがら、目にも鮮やかな燃え立つよう
な赤いモミジが枝を広げる。すばらしい錦の紅葉に深く
感動する。


       汐見坂から雑木林

しばらく行くと、晩秋の森につつまれた諏訪の茶屋がひ
っそりとたたずむ。隣の日本庭園を訪ねる。

二の丸庭園は「九代将軍家重の時代の絵図面をもとに池
泉回遊式庭園として復元された日本庭園です。二の丸池
は、小堀遠州作といわれる庭園の地水とほぼ同じ位置に


        晩秋の日本庭園

あります」と。雪見灯篭が立つ二の丸庭園は青い老松や
紅葉など秋の終わりの深い味わいをも水面に映し優雅な
風情が漂う。

二の丸庭園から雑木林へ。雑木林は「昭和天皇のご発意
により、都市近郊で失われていく雑木林を復元しようと
昭和58年から3か年かけて造成された二の丸雑木林が


      雑木林を散策する人たち

あります。また、天皇陛下のお考えをうけて、平成14
年に拡張された新雑木林には流れもつくられました」。

紅葉した雑木林のなかを散策していると暮秋が染みてく
る。皇居の中で晩秋の山野を逍遥するかのような心地が
して実に楽しい。


       雑木林の二人ずれ

時間があるので、雑木林から白鳥濠の汐見坂を通り展望
台へ。高い展望台から雑木林を一望する。紅葉した雑木
林の背景に大手町のビル群が高く聳える。

大休止して、皇居でしか味わえない初冬の紅葉風景をじ
っくりと味わう。そこから果樹古品種園でたわわに実っ
た柿やミカンなどを楽しむ。


     モミジのグラデーションカラー

最後に遺構の中で最も古いとされる富士見櫓をまじかで
鑑賞する。平成最後の皇居乾通りの紅葉を満喫し大手門
から帰途に就いた。




香り高い秋のバラに誘われて

2018-11-09 17:22:02 | Weblog
 澄み切った秋晴れに魅せられ朝の散歩に出かける。
秋冷の爽やかさに身が引き締まり爽快な気分。真っ青な
空を見上げると天空へ吸い込まれそう。

茂みにさしかかるとカサカサと葉が鳴りドングリが落ち
てきた。思わず手が伸びる。帽子をかぶった茶色の実を
てにしたら童心に帰ったよう…。

 10月23日(火)、曇り。香り立つ秋のバラが見頃
だと聞いて神奈川県平塚市の花菜ガーデンを訪ねる。


      ラデイアンズ HT アメリカ

早めに拙宅を出発し、JR東海道線横浜発7:37の小田
原行きに乗る。雲が垂れ込めた鉛色の相模湾が見え隠れ
する。相模川の鉄橋を渡ると平塚駅だ。平塚駅北口バス

停から秦野駅行きに乗る。市街を抜け金目川沿いの県道
を20分ほど揺られ平塚養護学校前で下車。案内板に従
い10分ほど歩き花菜ガーデンに9:10ごろ着いた。


       ローズフェスティバル

入園窓口から園内へ。ガイドブックをもらう。パンフに
「当園のバラ園『薔薇の轍(わだち)』は、バラの品種
改良の歴史に沿って系統・分類ごとにご覧いただける”

歴史園”です。バラとバラの育種家が辿った今日までの
道のりを車が通った両輪の跡=轍に例えて『薔薇の轍』
と名づけました」。〈春は約1,530種、約2,63


         香りのバラ園

0株の花が咲き誇り、秋には約1,100種、約2,1
00株の花が香ります〉。

受付で、バラ園「薔薇の轍」ガイドツアー(10:30
から11:15)を勧められる。その間は「香りのバラ
」を楽しんでくださいと。


         魅惑 HT 日本

巡回路を少し歩くと「香りのバラ」の案内板がある。一
歩中へ入るとバラの香りがほのかに漂ってくる。周囲は
赤やピンク、黄色、白と色さまざまに咲き乱れカラフル

な花模様だ。赤いバラが目に留まる。その名は「真夜」
、深みの赤は魅力的だ。甘く強い香りがする。花に埋も
れたガボゼが建ちバラ園らしい華やいだ風情が漂う。


       パローレ HT ドイツ

一株づつ近づいて眺め匂いを楽しむ。あたたかいクリー
ム色に花びらのふちがピンクの「魅惑」は美しい。爽や
かな香りがいい。コーナーを回ると、サーモンピンクの

「パローレ」は優美に輝き、気品ある香りがする。どの
花も美しく目移りする。純白で清楚な「ヨハネパウロ2
世」はツントした奥ゆかしい香り。心がやすらぐよう。


     ヨハネパウロ2世 HT アメリカ

そろそろガイドツアーの時間が迫ってきたので集合場所
へ。既に5・6人が集まりガイドの女性も来ていた。予
定した10人がそろう。

1番の「野生種とその交配種」から始まる。河原などで
お馴染みの「ノイバラ」がある。このエリアは日本と海
外の野生種とその交配種を展示しているという。


      真夜  F  日本

バラの原種は北半球に限られ世界でも15から20種ほ
どだという。

2番の「オールド・ローズ」へ。自然交雑によって生ま
れたバラや、ヨーロッパのバラに大きな変革をもたらし
た中国の4つのオールド・ローズなどを展示している。

ガイドから黄色いバラに鼻をつけてみてください。バラ
の強い香りに頭がくらくらするする感じ。手の甲に鼻を
当てると治りますよ。


     ラ・フランス  HT フランス

オールド・ローズの中にラ・フランスのエリアがある。
ラ・フランスは1867年にフランスで作られ、モダン
ローズ第1号とされている歴史的なバラだという。

ピンク色の「ラ・フランス」は甘い香り。女神像を中心
に淡いピンクの花が咲き乱れてすばらしいロケーション
だ。ゴウジャスな写真のスポットである。


       香久山 HT 日本

3番の「モダンローズ」へ。レンガ造りの門を入ると、
バラがあでやかに咲き競う見事な花園が広がる。端正で
洗練された近代のバラを展示していますと誇るだけあっ

て実にすばらしい。コーナーを回ると、真紅のバラに魅
かれる。匂うような「緋衣」は甘い香りがする。あまり
の美しさに一輪一輪をこよなく愛したくなる光景だ。


     ピース HT フランス(殿堂入り)

ピースファミリーでは、1976年に初の殿堂入りした
ピースと、ピースを親に交配種を展示しているという。
いつ見てもピースは気品があり美しい。

コーナーを回ると、淡いピンクの「香久山」が優雅に映
る。ツントしたいい香りがする。さらに進むと、エキゾ
チックなパープルの「ブルー・ナイル」は蠱惑的な美し
さだ。強い香りがする。


     ブルー・ナイル HT フランス

4番の「クライミングとシュラブ・ローズ」へ。春多く
の花をつけるツルバラを湘南の海をイメージした大きく
波打つ形のつる棚に展示している。春は「バラの海」を
楽しめるという。


         緋衣 HT  日本

5番の「イングリッシュ・ローズ」では、オールド・ロ
ーズのクラシカラルな花形の説明を聞きながら花を観賞
しガイドは終了した。

最後にバラ園を一回りしてから花菜ガーデンを後にした。

秋めく箱根駒ヶ岳から恩賜箱根公園へ

2018-10-19 10:49:03 | Weblog
 風は爽やかで空が高い。朝、緑道を散歩していたらど
こからともなくキンモクセイの強い香りが漂ってくる。

石畳の坂を登っていくと葉のわきに赤黄色の小さな花が
密集して咲いていた。秋も深まってきたのかな……。


       岩陰に咲くホトトギス

10月3日(水)、晴れのち曇り。台風24号も去り静
かな秋を探しに箱根へ出かける。早朝拙宅をでる。箱根
湯本駅に9:02に着いた。

湯本発9:30の箱根園行バスに乗り箱根駒ヶ岳へ。バ
スに揺られ1時間ほどで終点の箱根園に着いた。見上げ
ると山頂駅が見える。


       駒ヶ岳のロープウェイ

箱根ロープウェイ乗り場から山頂駅へ。高度が上がり視
界が開け雲上に富士山が聳える。素晴らしい7分の空中
散歩も終わり山頂駅だ。

外に出ると山頂に鎮座する箱根神社奥宮が見える。展望
のよい散策路から、青い水をたたえる芦ノ湖やゴルフ場、
家並などが箱庭のようだ。


       山頂の箱根神社奥宮

散策路の傍らに「かながわ景勝50選 箱根駒ヶ岳」の
碑が立つ。駒ヶ岳山頂(1356m)の箱根神社奥宮へ
の階段を登る。

周りの草むらにリンドウやアザミの花が小さい秋を奏で
ていた。神社に参拝し展望を楽しむ。隣の神山(143
7m)はこんもり木々が茂る。


         眼下の芦ノ湖

大涌谷の火山活動のため神山の登山や周囲の観光は禁止
されて長い。

快晴なら雄大な裾野を広げる富士山や箱根外輪山、相模
湾、南アルプスを一望できるが……。駒ヶ岳は子どもから
高齢者まで楽しめる名山だ。


         秀麗な富士山

下山し、湖畔に沿った道をたどり元箱根へ。15分ほど
車道を歩き湖畔の遊歩道に入る。木々の間から湖面が見
え隠れし岸打つ波の音は旅愁を誘う。

しばらく静かな石畳をたどると小田急山のホテル前に。
このあたりから散策する人と行き交う。しばらく行くと
湖面に朱塗りの大鳥居が迎え立つ。


         山のホテル

幸運スポットなのか多くの外国人観光客などで賑わう。
ほどなく元箱根の遊覧船発着所だ。さらに湖畔の遊歩道
をゆく。湖面に赤い大鳥居が優美に見える。

国道1号線の大鳥居を過ぎてから箱根旧街道杉並木に入
る。元箱根から恩賜箱根公園まで約500mの道のり。
400本を超える樹齢400年の杉の大木が連なり実に
壮観だ!!


       芦ノ湖に立つ大鳥居

歌の箱根八里「昼なお暗い杉の並木」とあるように暗い
。歴史の重みを味わいながらそぞろ歩く。太い杉は幹回
りが4mもある。杉並木は「国指定史跡」である。

ほどなく恩賜箱根公園前だ。国道1号線を横断し恩賜箱
根公園駐車場を抜けて中央門へ。


       白亜の湖畔展望館

パンフレットに「恩賜箱根公園は、明治時代に築造され
た『箱根離宮』の跡地を1945年(昭和20年)神奈
川県に下賜され、一般公開されたものです。箱根離宮当

時の地形、施設の痕跡を生かした公園整備が評価され、
近代造園文化の発展に寄与した名勝地として、2013
年(平成25年)に国登録記念物に登録されました。」
と。


        弁天の鼻展望台

静かな森にかこまれた道を登っていく。やがて、弁天の
鼻展望台の東屋が見える。展望台の石段を上ると、芦ノ
湖の素晴らしい展望が広がる。

水を満々とたたえた芦ノ湖、うっすらと富士山がかすみ
駒ヶ岳が迫る。芦ノ湖に突き出た塔が島に築造された恩
賜箱根公園は秀麗な富士山や駒ヶ岳などの外輪山を借景


    湖畔展望館のバルコニーからの展望

に芦ノ湖の美しさを極めるように造営されたという。晩
秋は紅葉した山々や雪化粧した神々しい富士山を楽しめ
るとのことだ。

東屋を下りヒメシャラの林を巡るとテーブルや椅子が各
所にありピクニックが楽しめそうだ。林を巡り湖畔展望
館へ。芝生に箱根離宮の西洋館をモチーフにした白亜の


        観光船(海賊船)

洋館が優雅な姿で建っている。芝生の傍らに「かながわ
景勝50選 恩賜箱根公園」の碑が立つ。館内には休憩
室や箱根離宮の資料などてんじされ、二階のバルコニー

から昔の風情や気品が漂う風景が広がる。優美な箱根ら
しさを堪能し塔の鼻広場へ。整備された公園の道をたど
り高架橋を渡り杉の小道を下る。ほどなく広場にでた。


         塔の鼻広場

木が遮り見晴らしがいまいちだ。林の中を下り湖畔の広
場、草花の丘を経て駐車場にでる。駐車場の外れに箱根
八里の歌碑が立つ。

しばらく休み箱根八里の歌を楽しむ。昔の姿に復元され
た箱根関所跡を通り箱根港からバスで箱根湯本駅へ。

ルーブル美術館(続き)

2018-09-06 08:51:18 | Weblog



アントワーヌ=ジャン・グロ(1771-1835)
《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)
》 1796年

コメント【1796年11月、27歳のナポレオンボ
は、ナポレオンボナパルトは、総合司令官として、北
イタリアのアルコレでオーストリア軍と戦い、勝利し

ました。フランス軍が橋の上で立ち往生した時、ボナ
パルトは、三色旗を掲げて橋に突進し、士気を高めた
と伝えられています。疾走しながら振り返る若き英雄

は、青白い精悍な顔つきで、エネルギーに満ちていま
す。ボナパルトから高く評価されたこの肖像画は、将
軍時代の彼の典型的イメージとして広く流布し、当時

25歳だった作者グロの出世作にもなりました。なお、
半身像の本作は習作で、ひざまでの姿を描いた最終作は
ヴェルサイユ宮殿美術館に収蔵されています。】

〈若き英雄の青白い精悍な顔には勇気と自信が溢れ、全
軍士の気を高めるため三色旗を掲げ突進する様子が伝わ
ってくる。すばらしい習作だ。〉



セーヴル王立磁器製作所
(ルイ=シモン・ボワゾ(1743-1809)の原作
に基づく)《フランス王妃マリーアントワネット(17
96年11月17日の胸像》 1782年

コメント【この王妃マリー=アントワネットのビスキュ
イ像は彫刻家ルイ=シモン・ボワゾが手がけた大理石の
胸像に基づいて制作されました。大理石像は外務局に設

置される予定だったため、ボワゾは公的な肖像として王
妃の威厳を際立たせましたが、冷たく尊大な表情が批評
家たちには不評でした。そのため、ビスキュイ像では目

鼻をやや小ぶりにし、表情を和らげています。高く結い
上げた髪には、フランスの紋章のついた髪飾りがあしら
われています。】

〈高く結い上げた髪に王家の紋章の装身具で飾った王妃
は威厳に満ちている。高貴な王妃らしい気品がありたぐ
いまれな美しさ。〉



ヴェロネーゼ(本名バオロ・カリアーリ)(1528-
1588)
《女性の肖像》、《美しきナーニ》 1560年頃

コメント【16世紀ヴェネツィアの巨匠ヴェロネーゼが
描いたこの美しい女性の肖像画は、かつて、ヴェネツィ
ア貴族のナーニ家に所蔵されていたと誤って考えられ、

《美しきナーニ》と呼ばれるようになりました。
今日の解釈では、おそらくヴェネツィア貴族の女性をモ
デルにしながら、貴族の妻や母の理想像を話したものと

考えられています。なぜなら彼女は上質な生地のドレス
と、宝石や金を用いた高価なアクセサリーを身につけ、
左手の薬指には指輪をはめているからです。胸に片手を

置く仕草は夫に対する「忠誠心」を示すものと解釈され
ます。鑑賞者から目をそらすかのような神秘的な眼差し
には、貴族の既婚女性にふさわしい慎み深さを読み取る

ことができます。】

〈豪華なドレスを着た夫人は胸に片手を置く所作は奥ゆ
かしく優美である。優しい眼差は魅惑的で美しい。〉



レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
(1606-1669)
《ヴィーナスとキューピッド》 1657年頃

コメント【17世紀オランダの巨匠レンブラントが描い
たこの作品は、一見、愛の女神ヴィーナスは、内縁の妻
として後半生のレンブラントを支えたヘンドリツキュを

モデルとし、キューピッドもおそらく娘のコルネリアが
モデルと考えられています。神々の姿を借りた肖像の制
作は古代以来、特権階級の習慣でしたが、レンブラント
は最も身近な人々の肖像にこれを転用しました。】

〈ふくよかな女性と子どもの絵だが、神話の世界に戯れ
るヴィーナスとキューピッドを念頭に置いて描かれた作
品だが、母性的な優しさや彩りはレンブラントらしい〉



エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン
(1755-1842)
《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカブロンスキー
伯爵夫人(1761-1829)の肖像》1796年

コメント【王妃マリーアントワネットの肖像画として名
を馳せたヴィジェ・ル・ブランは、フランス革命を機に
故国を離れを離れ、ヨーロッパ各地で活躍しました。本

作のモデルはロシアのスカブロンスキー伯爵の妻で、美
貌でしられたエカチェリーナです。当時彼女は34歳でし
たが、夫に先立たれ、若くして未亡人となっていました。

青いショールををゆったりとまとい、小首を傾けたエカ
チェリーナは、甘い魅力を漂わせてます。モデルの美し
さを最大限に引き出すヴィジェ・ル・ブランの肖像画は
上流階級の女性たちの間で国際的な人気を博しました。

〈サンクトペテルブルクで最も美しい女性の一人とみな
されていた。麗しい伯爵夫人は蠱惑的な眼差しで惹きつ
ける。画家ブランの才能が光る筆さばきだろう。〉




フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス
(1746-1828)
《第2代メングラーナ男爵、ルイス・マリア・デシス
トウィ・マルティネス(1788-1842)の肖像》
 1791年

コメント【18世紀スペインの巨匠ゴヤは、宮廷画家と
して王侯貴族の肖像画を数多く手がけ、また、子どもの
肖像画にも優れた技量を発揮しました。本作は、スペイ

ン王家に重用された貴族の一門の一人、ルイス・マリア
・デシストウィ・マルティネスの2歳8ヶ月の姿をとら
えています。ゴヤは貴族の肖像にふさわしいコードを用

いつつ、子どものならではの愛らしさも巧みに表現しま
した。シストウエが引き連れている犬は、王侯貴族の男
性肖像の伝統的なモティーフですが、ここでは同時に子

どもの遊び相手として、あどけなさを演出しています】

〈小さな子どもの純真さなどを繊細に表現している。背
景の光の輪に服装とピンク色の帯が印象的に映る。〉




フランツ・クサファー・メッサーシュミット
《性格表現の頭像》 1771-1783年の間

コメント【18世紀の彫刻家メッサーシュミットはウィ
ーンの美術アカデミーで教授を務め、名声を得ていまし
たが、次第に精神を病み、晩年はプラチスラウアに引き

こもって、自分をモデルにしながら様々な表情をした奇
妙な頭部像を制作しました。その一つである。本作は、
ぎゅっと目をつぶり、口をテープでとめて耐え忍ぶよう

な表情をしています。彼は自分の顔や体をつまみ、その
反応で現れる表情を作品にすることによって、病を治療
しようと格闘していたようです。こうした創作行為の背

景には、顔立ちと性格の相関関係を考察する観相学の影
響が指摘しています。】

〈顔立ちと性格の相関関係に興味ぶかく鑑賞しました。
作品として独特である。〉




ジュゼッペ・アルチンボルト(1526-1593)
《 春 》 1573年

コメント【(春)は神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世
からザクセン選帝侯への贈り物として制作さた4点組
「四季」連作に属する作品です。いずれも古代に端を発

する肖像画の伝統的形式に従って、人物像は真横を向い
ています。約80種にも及ぶ世界各地の春の花で綿密に
構成されています。奇妙な人物像には、万物を一手に統

べる神聖ローマ皇帝の「権力の肖像」を見ることができ
るでしょう。】

〈花を使った肖像画は政治的な意図が隠されており、森
羅万象を永遠に支配下に置く神聖ローマ皇帝の権威を表
明しているという。面白い作品だ。〉


*この度は手違いがあり大変申し訳ございませんでした。
これからもよろしくお願いいたします。

ルーブル美術館展へ

2018-09-05 08:41:08 | Weblog
 二十四節気の立秋も過ぎたが相変わらず湿度の高い真
夏日が続く。お盆に入り電車も空いているだろう。

 8月15日(水)、晴。久振りに浅草の浅草寺に参詣
する。今日も仲見世通りは外国人の観光客で大変な賑わ
いだ。お参りを済ませ心も軽くなり、六本木の新国立美
術館で開催中の「ルーブル美術館展」(9月3日まで)
に立ち寄る。午前11時すぎに美術館に着いた。館内は
入場待ちの人々で長蛇の列だ。

入館までの待ち時間は40分ほどだという。12時近く
ようやく入場することができた。館内も大変な混みよう。

 
狩りの女神ディアナとして表された若い娘の肖像
イタリア、クマエで発見、150-170年 大理石

パンフレットに「本展は、肖像芸術の社会的役割ーモデ
ルとなった人の存在を記憶・記念する、権力を誇示す
る、イメージを広く伝える等々ーとともに、その表現上

のさまざまな特質を浮き彫りにするものです。ルーブル
美術館の全8部門(古代オリエント美術、古代エジプト
美術、古代ギリシア・エルトリア・ローマ美術、絵画

素描、版画、彫刻、美術工芸品、イスラム美術)を代表
する約110点の肖像作品が、時代・地域の垣根を超え
て顔を揃えます。27年振りに来日となる肖像画の傑作、

ヴェロネーゼの《美しきナーニ》を始め、3000年以
上も前の古代エジプトの棺用マスク、古代ローマの皇帝
ルイ14世、ナポレオンなど古今の君主像、そして華麗な

女性や愛らしい子どもたちの肖像まで、ルーブルが誇る
数々の名品を通して肖像芸術の特質と魅力を余すところ
なく紹介する、かつてない展覧会です。」



《棺に由来するマスク》 エジプト出土
新国王時代、第18王朝、アメンヘテブ3世の治世(前1
391-前1353)

コメント【古代エジプトでは、新国王時代(前1570
-前1070頃)にミイラをかたどった木製の人型棺が
普及しました。本件は棺のフタの顔にあたる部分につい

てつけられていたマスクです。バランスのとれた美しい
顔立ちは故人の容貌を再現したものではなく、来世での
顔として理想化されています。】

〈暗い展示室は、明るい照明をうけた女性のマスクは神
秘的に浮き上がり若々しい生命感に溢れて美しい。〉



《女性の頭部》 シリア、パルミラ出土
(150年-250年)

コメント【シリア、の中部都市パルミラは、前1世紀か
ら後3世紀に東西交易の中継地として、栄えました。パ
ルミラ出土のこの頭部像は、墓碑彫刻の一部です。パル

ミラでは、壁に長方形にくりぬかれた墓を閉じる板状の
石を、個人とその家族を表わす高浮彫りの像を装飾しま
した。こうした像は決まった形式で量産され、色彩され

ていました。本作は、ひとみに薄い青色が残る貴重な作
例です。】

〈大量に生産された墓碑肖像の一つという。女性の顔は
面長で目鼻立ちは繊細で耳飾りを付け美しい肖像だ。〉



《アレクサンドロス大王(在位前336-前323年)の肖像
、通称《アザラおヘルメス柱》イタリア、ディヴォリの
ヴィラで1770年に発見
2世紀前半(前340-前300年頃にリュシッポスに
より制作されたブロンズの原作に基づく)イタリアで制


コメント【現在のギリシャ北部にあたるマケドニア王国
を治めたアレクサンドロス大王は、自身の肖像の制作を
3人の芸術家にしか許しませんせんでした。その一人が

、ギリシャのリュシッポスが制作したブロンズの全身像
の頭部のみを、ローマ時代に摸刻したものです。前髪を
逆立てた「アナスレ」と呼ばれる独特の髪型をはじめ、

大王の容貌の特徴を最もよく伝える貴重な作例として後
世に多くの芸術家たちから手本とされました。】

〈征服者アレクサンドロス大王の肖像を眺める。ギリシ
ャの哲学者アリストテレスが彼の家庭教師だった・・・〉

*ルーブル美術館(続き)を見てくださ。








真夏に華やぐヤマユリの花

2018-08-03 11:56:46 | Weblog
 うだるような猛暑の日が続いている。朝の散歩も終わ
り近くの公園を通りかかると、オニユリが橙色に黒褐色
の斑点が入った花を下向きにして咲いている。

公園の一隅に群生して咲く風情は夏らしい・・・。昼の
テレビで「国営武蔵森林公園の林にヤマユリの花が群生
して咲いている風景が流れた。林縁に咲く大輪の花姿は
華麗な美しさだ・・・。


      優美に咲くヤマユリの花

7月20日(金)、快晴。ヤマユリの花を見に国営武蔵
森林公園にでかける。いつものように市営地下鉄に乗り
日吉駅発8:03分の東急東横線通勤特急・森林公園行
に乗り換える。

通勤時間で超満員。渋谷駅を過ぎたころ車内放送が「東
武東上線が事故のため当列車は池袋駅止まりとなります
」とアナンス。池袋駅で20分ほど待ち、副都心線で和
光駅へ向かう。

和光駅から東武東上線の各駅停車に乗り換え森林公園駅
に10:20分ごろ着いた。バスに乗って森林公園西口
に10:40分になった。


      森林公園西口広場

パンフに「やまゆり散歩〈里山の宝石として、夏の森林
公園を代表する花『やまゆり』。自生の花とは思いない
ほどの豪華さ、芳香はまさに『ゆりの女王』です。

園内全体で約1万株が自生し、約3千株が開花します。
早咲きの花は七夕を過ぎたころ、遅咲きの花は8月初旬
頃と時期をずらして開花していきます。見ごろのピーク
は例年7月20日前後です〉
〈森林公園はヤマユリの関東最大の自生地だよ!〉」と。
物の本によると、ヤマユリは「東北地方から関西地方に分
布する日本特産のユリです」とある。


     大ぶりのヤマユリの花

園内の階段を上がると、標高60mに立地する緑の公園
が広がる。アカマツやコナラが茂る雑木林のなかの道を
たどり渓流広場をめざす。

西口花畑を右に見ながら行くと松林の草むらにポツリポ
ツリとヤマユリがひそやかに咲く。さらに進むと東屋が
あり道は左右に別れる。左の渓流広場に沿った道を行く。


     豪華に咲くヤマユリの花

しばらく行くと紅黄葉樹園の標識がある。当園内は、や
まゆリセルフガイドが指定した観賞ポイントだ。林縁の
草むらにヤマユリの群生が見られる。

ヤマユリの花は直径20㎝ほどもあり横向きに咲いてい
る。花色は白色で黄色の条と赤褐色の斑点が入る。一本
の茎から数輪の花が咲き強い香りが漂う。草丈は1~2
mもあろうか。


      ヤマユリの花の群落

一定の間隔で群落して美しいヤマユリの花風景が広がる
。花の大きさ、香りの強さ、そしてゴウジャスな花姿は
まさにユリの王様だろう! 豪華な花は清らかで奥ゆか
しい。花言葉は「純潔」、「無垢」という。

やわらかナ緑の林に咲く豪華なヤマユリの花を楽しみな
がら散策する。終点の東屋で一休み。巡回中の指導員か
ら「少し先にある『公園・庭園樹見本園』も、ヤマユリ
の花が多くが見ごろを迎えています。


      林縁のヤマユリの群落

是非とも覗いてください」と教わる。一息いれてから、
広い舗装道路たどりしばらく行くと「公園・庭園樹見本
園」だ。周回路を巡ると、そちこちにヤマユリが咲いて
いる。

大ぶりの花は一見野性的だが、よく見ると優雅な美しさ
を秘めて奥ゆかしい。そして強い香りを漂わせる魅惑的
な花だ・・・。ただただその美しさに感嘆する。

少し回るとニッコウキスゲの一叢が咲いていた。花を眺
めていると、黄色く染まる霧ケ峰や尾瀬沼が浮かぶ。


    ニッコウキスゲのあでやかさ

一回りして都市緑化植物園へ。暑い中ハーブガーデンを
一覧する。厳しい炎暑のため、木陰のベンチで休憩し涼
をとる。しばらく休養し、ボーダー花壇へ。

早々とキキョウの花が咲いていた。順繰り眺めながら行
くと、鮮やかな赤のタイタンビカスや白地に中心が赤の
クサフヨウなどの夏の草花が競うように咲いている。

ピンク色のサルスベリの花壇にヤマユリが凛々しく咲い
ている。一茎から10輪の花を咲かせ王者の風格が漂う
。サルスベリのピンクの花とヤマユリの花がコラボして
一幅の花絵のよう。


      サルスベリとヤマユリのコラボ

じりじりする炎天下の歩行は厳しい。ほぼ周回したので
都市緑化植物園へ戻り冷たい水を飲み大休止する。体調
を整え、渓流広場から中央橋へ向かう。

ヤマユリが最も多い「やまゆりの小径」だ。アカマツの
林に小径が伸びる。半日陰の林にヤマユリが点々と咲い
ている。木漏れ日の小径は爽やかで心地いい。


     やまゆりの小径の二輪

松の木に寄り添うように咲くヤマユリの花姿は忘れがた
い風景だ。花の写真を撮りながら小径をたどる。ヤマユ
リは花が咲くまでに5~7年もかかるという。

広い道を下り中央橋が過ぎると、野草コース北入口だ。
秋の七草園を覗いてみた。ここでもキキョウやカワラナ
デシコ、オミナイシが群生して咲いている。


     可憐なカワラナデシコ

カワラナデシコのピンクの小花は可憐で愛おしい。野草
園を堪能し広い道にもどる。南口を目指し下る。自生す
るゴウジャスなヤマユリの花に魅せられて公園を後にし
た。