わたしの散歩道

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十国峠から姫の沢公園

2017-11-08 08:52:59 | Weblog
 富士山は四季折々に多彩な表情を見せて実に奥深い。秋空
に悠然とそびえる端麗な姿は神々しさがただよう。


          雲海に浮か富士山

10月18日(水)晴れのち曇り。秋雨がつづき心も湿りが
ち。秋空にそびえる秀麗な富士山が見たくなり十国峠へ向か
う。JR東海道線に乗り熱海駅で下車。

熱海駅から元箱根行のバスに乗り、40分ほどで十国峠登り
口に着いた。ケーブルカーに乗るとわずか3分で十国峠駅に
着いた。


          富士山と十国峠

十国峠は箱根峠と熱海峠の中間に位置して日金山(771m)
とも呼ばれ、その昔、伊豆、駿河、遠江、甲斐、信濃、相模、
武蔵、上総、下総、安房の十国が見えたことから十国峠の名
がついたという。

山頂の展望台からは、富士山はもとより、相模湾から伊豆七
島、そして駿河湾から天城連山が見渡せる。山頂には173
8(天明3)年に建てられた十国碑あり「日金山山頂から十
国五島が見渡せる」と記されている。


          山頂から芝生広場へ

うすい巻雲が広がる山頂から、雲海に浮かぶ青い富士山が堂
々とそびえ見事な美しさだ…。遥か彼方には天城連山も望ま
れ、眼下に駿河湾が銀色に照る。

右に箱根駒ヶ岳が見え、左には熱海市街や相模湾を見下ろ
す。晴れた日は360度の展望が開け日がな一日楽しめるだ
ろう。


          芝生広場からの眺望

太宰治は「『富岳百景』で、十国峠から見た富士山だけは、
高かった。あれは、よかった」と書いている。

富士山は7回登頂しご来光を遥拝した。日本一の名峰は幾度
登っても飽きない魅惑を秘めている。

山頂を下ると、見渡す限り緑の芝生が広がり、まるで解き放
たれた小鳥のような解放感が湧いてくる。ゆるやかな芝生を
くだると、源実朝の歌碑が立っている。


          源実朝の歌碑

< 箱根路を わがこえくれば 伊豆の海や おきの小島に
波のよるみゆ >。

坂道をくだると前方に青い海原が広がり初島が浮かぶ。やが
て、姫の沢公園入口だ。道を左折し、東光寺へ簡易舗装の道
をくだる。


          本尊の延命地蔵像

赤いのぼりが立ち並び路傍にお地蔵様が並ぶ。ほどなく森の
奥に鎮座する東光寺だ。山岳信仰の行場として3世紀に松葉
仙人が開基した古寺。本尊の延命地蔵像は頼朝公が建立した
とされる。

参拝して岩戸山へ。木々が茂る山道をたどると、泉・湯河原
の分岐、直進して進むと展望が開け石仏の道の分岐だ。道を
左折して岩戸山への尾根道を登る。


         路傍のお地蔵様

箱根ねササが茂り視界もなく黙々と歩くだけ。岩戸山近道を
登りしばらく行くと岩戸山山頂(734m)だ。東光寺から
30分ほど。

狭い山頂には9人の先客がおり、視界も悪く、スズメバチが
飛んでいるため、そうそうに退散し往路をもどり、姫の沢公
園へ。


        十国峠の姫の沢公園入口

姫の沢公園は富士箱根伊豆国立公園に接し、山の斜面に整備
された面積が1,080,000㎡の自然公園である。園内
は四季折々の花が絶えないという。

アスレチック及びハイキングコースがあり延長約3㎢。ハイ
キングは稜線を回遊しながら約1時間半くだる。

峠の広場(標高730m)には「未知の遭遇」などのアスレ
チックがある。ハイキングマップを参考にし、峠の広場から
狭い急な階段を8分ほどくだると、ねむの広場だ。


          アスレチック

ここからは簡易舗装された山道を蛇行しながらくだって行く。
森の清浄さに癒され森林浴を楽しみながらの散策は爽快だ。
アスレチックを見ながらのんびりくだる。

明るい落葉樹の林から海が見え元気が湧いてくる。山を巻き
ながらくだると姫の沢橋への分岐だ。指示に従いなだらかな
土の道をのぼる。ほどなくすると東屋がある。

体が鍛えられそうアスレチックに感心しながらたどると、東
光寺からの野鳥の森コースと合流する姫の沢橋だ。ここから
も少し登り道。

杉木立の山がつづく。真っ直ぐに伸びた杉は凛々しくてすば
らしい。山道に標高600mの表示が立つ。そこから急な坂
道くだると青少年の広場だ。展望がよい東屋が建つ。

一息入れ、東屋から眼前に広がる絶景を楽しむ。相模湾の青
さに初島が大きく浮かび彼方に大島がかすむ。心が晴れ晴れ
するような見晴しだ。

そぞろ歩くと陶芸センターが現れ、さらにくだるとお弁当広
場だ。立派な東屋が建ちテーブルも五脚ほどある。休憩しお
昼をするのには格好な場所だ。


           友愛の女性像

起点のピクニック広場から池の広場へ。すこし歩くとすばら
しい池の広場だ。広い池がありベンチもある。さつきが咲く
頃は山が赤く染まりさぞ綺麗だろう。

階段をくだると大噴水があり、若々しい「友愛の女性像」が
立ち、友情の輪を広げ世界の平和を希求しているかのよう。

さらに、長い階段を下ると、公道にでて姫の沢公園バス停だ。
熱海行きのバスに乗り来宮神社前で下車。

境内には樹齢2000余年の大楠が迎える。不老不死や無病
息災の象徴とされ、パワースポットとして有名とか。荘厳な
神社に参拝し、程近い来宮駅に向かった。