南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

南西諸島貝殻学入門-030

2014年01月11日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門 

             -030

 

 

 

毎日寒い北風が沖の方から吹いてきます。遠く中国大陸の奥地から吹き出してきた北風が、東シナ海を旅して奄美群島まで来たのでしょう。奄美大島の同緯度には中国の「温州」があります。

今日も寒いのですが、傍の海辺を数分散策して拾った貝が上記の写真。中央の<ナデシコ>は片方だけです。その左は<イワカワハゴロモ>欠けもなく完品。この貝はそこそこ落ちてはいるのですが、殻が極端に薄くすぐ破損してしまうのが難です。枯葉の上に落ちていておりました。

イワカワハゴロモ

シロ系のもので最大100mm、黒は65mmです。

その他に珍しいものを一個拾うことが出来ました。 

タコブネ・40mm

 

冬の寒い季節の名物品<タコブネ>。冷たい北風が吹くと東シナ海を流れて、九州、奄美沿岸に辿り着くようです。殆ど偶然の産物で、加計呂麻島の特定の場所でしか取れません。海流の関係でしょうか。太平洋岸で発見したことはありません。

別名<フネダコ>、<カイダイコ>とも言うようですが、蛸のメスの第一腕から石灰分を抽出して、殻を作るそうです。ですから所謂、本来的な貝殻とは違うのですね。この殻の中で産卵、哺育するそうです。黒潮に乗って日本海を北上し、秋田県の男鹿半島、佐渡島まで遠征するそうです。

実際の姿

 

     内部                         40mm    65mm   

     

アオイガイ 

 

 <アオイガイ>はやはり大島海峡側でしか取れません。白い殻に黒い縁取りです。上は今まで見つけたもの。それでも殻が薄いので完品は珍しい。

先日も水中を烏賊がのんびり一匹泳いでおりました。生きている自然の烏賊の生態を見るのは初めて。でもカメラがなかった。残念!

こんな感じ!

 

淡水系の貝類 

マイマイの仲間達

左端上はクマドリヤマタカマイマイ

                   

海岸にはマイマイの仲間が数多く落ちております。砂浜には巨大な<アフリカマイマイ>も見つける事が出来ます。奄美では害虫並みの扱いですが。マイマイの仲間は種類が多くて、筆者も簡単に同定は無理ですね。

<クマドリヤマタカマイマイ>は殻は比較的見つかるのですが、実際に生きているものは見つけるのが難しい。先日、自宅の畑の「苦瓜」の葉の上で偶然に発見しました。

クマドリヤマタカマイマイ

 

上の写真は他の方のHPから拝借。下は現在自宅の納戸の暖かい場所で食事中で~す。春になったら遠い滋賀県大津市に行ってしまいます。今はとても寒いので奄美で待機中。今、水前寺菜(ハンダマ)を食べております。今日は10℃位。

 

 

下の写真は真水や汽水域に住む貝類です。

カワニナ

 

右は<アサガオガイ>です。

 

マイマイの仲間は殻が華奢なので、完品がなかなか落ちておりません。本日は殻の華奢なものばかりご紹介しました。もう少し暖かくなって海が荒れたら、近在の浜にまた採取に出かけたいと思います。海岸は意外と寒く手が凍えます。

水槽で静かに眠っております?<アンポンクロザメ>・・黒いオーバーを被ったように見えますが。ヤドカリが近づきませんので、生きていると思います。

 

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1 コメント

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Unknown (polymita)
2017-01-22 13:02:40
こんにちは
どの海岸クマドリヤマタカマイマイとオオシママイマイ を拾いましたか
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