南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

西南諸島貝殻学入門- & 貝殻図鑑 O04

2014年03月08日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門

貝殻図鑑

004

 

加計呂麻島はもう春真っ盛り。山の木々の青葉若葉が目立ってきました。来月からは大潮が昼間に来ますので、待ちに待った潮干狩りが出来そう。晴れた日が続いてくれれば良いのですが。

昨晩海が白波を立てて久しぶりに荒れたので、勇躍勇んで大島海峡と太平洋岸に向かいましたが・・・・ヒットもなく凡打ばかりと相成りました。成果は下記の通りです。

 

その1

その2

下の写真は貝の裏返しの写真・・な~んだという感じ

何ともコメントなしという結果になりました。 

浜荒れなんでしょうか。貝自体が余り落ちておりません。珊瑚の浜が砂浜になっているのが多いです。貝が砂の中に埋れてしまってる様子が分かります。何度も書いておりますように、水中に潜って貝を取らねばならないのでしょうか。加計呂麻島の中で人が踏み込める場所は、ほぼ行ってみたのですが同じような状態。自然が崩壊してきてるのでしょうか・・・前途が不安になってきました。昨年、一昨年の風水害の後遺症でしょうか。

 

   

        ちょっと一服  

                「話の喫茶店」

 

 

地震の前触れか? 

最近日本海付近で深海魚が打ち上げられたり、定置網に掛かったりしています。

リュウグウノツカイ

 

日ごろ目にする魚とは 形態が大分異なっております。

サケガシラ

 

 サケガシラ HPより掲載 2004捕獲

 

 このような深海性の魚や鯨、イルカの座礁が相次ぐ場合は、その後決まって2~3ヵ月後に大地震が発生する場合があるそうで、地球的な規模の変動なので予測は難しいようですが、今冬の大雪被害の深刻さ、日本周囲の海上での火山噴火、富士山の噴火予測の発表・・・ちょと気になる話題が続いております。

先日、奄美群島で比較的大きな地震がありました。 地震の深度 120kmと可也深い。 フィリッピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことによって、この地震は起きているようです。その後沖縄と奄美の中間点の沖合いで海底火山が活性化している、気象庁の情報が出されました。水面まであと100m位。噴火すれば船舶は可也危険!このことと先日の地震は関係が有るのかもしれません。

東南海地震は避けられないようです。ただ、何時どの辺りで発生するかが、現代科学では正確に予想できないのが辛い所。地震災害、津波災害を想定して、日頃から用心し食料等を買い置きする心つもりは必要です。筆者は既に30kgの玄米や乾物、味噌、醤油などは準備終了しております。補給が困難な離島は特に必要ですね。

 

ちょと話が長すぎました・・貝の話を続けましょう・・・

タカラガイの良いものは少ないですね。

      クチムラサキ  ヒメホシダカラの幼貝    カモンダカラ  ヤセハナマルユキダカラ & イボダカラ

          45mm、40mm                     20~25mm程度

       

ヤセハナマルユキダカラ>は「ハナマルユキ」の亜種だそうですが、珍しい部類のタカラガイとか。

最近は大きなタカラガイはなかなか良い形で落ちておりません。皆磨耗するか日焼けをしていますので、リリース対象になります。以前でしたら喜んで拾ったのですがね。贅沢になったものです。でも、渚の砂浜の上を屈んでよく見ておりますと、上記のような貝は沢山落ちております。 大物狙いの時期は過ぎたのかも。

虫眼鏡を持って時間を掛けて、人気のない海岸を歩きますと、可也まだいけるかもね。実際には加計呂麻島はそれが可能なんです。人口の多い地方の砂浜では考えられない贅沢でしょうね。

でも、オーストラリアの海岸線か、グレートバリアリーフ 辺りなら珍しい貝がごろごろしてますでしょうが???

 

アカシマミナシガイ ・ leptoroconus generalis

       

 

久しぶりにキチットした磨耗の少ない貝を拾いました。殻頭の先端がハッキリ残っております。奄美群島の潮間帯に生息する貝だそうです。

テツボラ ・ Purpura Panama    75, 20mm

           

テツボラ>は特定の海岸で良く見かけます。大きさは60~70mm程度。しかし今回20mmのものを初めて拾いました。貝の中には加計呂麻島の特定のところでしか見かけないのもあります。不思議です? これもその一つ。

 

 ウノアシ ・ 35mm 

<ウノアシ>は意外と転がっておりません。そして、大きいのは珍しい。今回のは35mm。ここらでは大きいほうですね。奄美群島以南に生息。 左の貝はおまけ。

センジュガイ ・ Chicoreus rosarius  60mm

     

以前なら目の色変えた貝ですが、最近は拾うのに戸惑う貝。どこにでも転がっている。岩礁の上であれば生貝もOK!水槽で数ヶ月飼ってみてから、貝のケースの中に納まりますが・・・・地味ですね。南方のはど派手。

コオニコブシ ・ Vasum turbinebllus 55mm,25mm

            

これも上と同じケースです。磨耗なし。

カワラガイ ・ Fragum unedo 30~60mm

             

左右揃いの二枚貝は拾いではなかなか落ちておりません。最近は揃いでなければ、特別なもの意外は対象外。

横から殻を見てみると、なかなかSEXYですね。

 

リュウキュウアオイガイ

 

如何でしょうか

               

 

横の形はまったく違います。これは頂き物です。原産地はフイリッピン・ボホール島 水深10~25m

でも、この貝は奄美群島以南に生息とか。未だお目に掛かっておりません。これは女性の黒のドレスにペンダントに似合うかも。どうでしょうか?

自然の芸術の粋を見る思いです。

可愛い貝達

 

そして最後は、シュマダギリ・・・可愛そうに<ツメタガイ>に殺されたようです。

シュマダギリ ・ Terebra nebulosa

 

Old Rose

やっと咲いてくれました。匂いは抜群でした。でも。これ一輪のみ。

 

 

 

 

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南西諸島貝殻学入門-& 貝殻図鑑 003

2014年03月03日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門

貝殻図鑑

003 

 

 

 

日向ちゃん(宮崎県の日向の漬物屋の娘

 

暫くお休みしました。本日からブログを引き続き更改いたしま~す。 

 

 

 大島海峡

 

最近は晴れたり曇ったり、雨が降ったりの日が交代で続いております奄美群島。すっかり春めいて特産のサトウキビの刈入れが、島々の彼方此方でコンバインの音を辺り一面に響かせて行われております。暫くしたら「黒砂糖」や「黒砂糖焼酎」に加工されて、商店や土産物屋や本土方面に送り出されることでしょう。

穏やかな海が広がっております。 この日も浜辺を只管歩きながら、目に留まった貝を拾い集めました。ブログのお休み期間の採集成果は下記の通りでした。

 

第一回目 1/2

 

特にヒットの貝も発見できませんでしたが、「スイジガイ」の幼貝の殻の付いたものや、「フジデサソリ」の幼貝を見つける事ができました。磨耗の少ない貝はなかなか落ちていることが少ないのですが、場所によっては完品ばかりのことがあります。近くに漁師が居住していた場合は、その傾向が強いです。また、嵐の翌日もチャンスです。 

 

第一回目 1/2

 

 

第二回目も大きなヒットは有りませんでしたが、比較的「ナデシコガイ」が多く拾えたり、「ハチジョウタカラ」が転がっていたり、珍しい「ツバメガイ」が拾えました。 

 第二回 1/1

 

 

一つづつ見ていくとそれなりなのですが、これは絶品というものはなし。寂しいですね。それではそこそこの貝をご紹介しましょう・・・・

 

ツバメガイ ・ウグイス貝科・Pteria avicula

          

 

初めて採取した貝ですが手にした時,貝の殻の欠片かと思いました。二枚貝の仲間だそうですが、片割れは付近には有りませんでした。ちょっと見には確かにツバメの飛ぶ姿。あるいは今流行の米国のステルス爆撃機のような体型。どのような事情でこのような形を必要としたのでしょうか???

 

フジデサソリ

            

 

先回ご紹介した<頂いた貝>と同じ種類の幼貝ですが、すでに棘が磨耗していました。裏の殻口の模様は鮮明に残っておりましたが、如何に珊瑚の砂が硬いものか・・・惜しかった!

 

 

今回は波が昨晩荒れたのでしょうか、クモガイやスイジガイの幼貝の生貝が多く浜に打ち上げられておりました。所謂「レアもの」ですが、磨耗はないし、蓋もしっかり付いておりました。これも珍しいことです。

 

 

プレゼントされたホームラン貝のご紹介 

-003

 

 

先日大島海峡のお婆ちゃんから頂いた<スイジガイ>が3個。 270mm x 160mm

今までの最大級でした。

スイジガイ 

 

 

 

裏面はかくの通り。 生きた貝を採取して土の中に埋めて、生身を腐らせる伝統的な手法。ただ、残念なことに「蓋」を土の中に忘れてしまいましたようで・・・惜しかった! 

 

       

 

 下の写真は左が今回頂いた貝。右の2個が太平洋岸で拾った幼貝。

成貝でも大きさにかなりのばらつきが有るようです。生活環境や栄養状態の差から来るものなのでしょうか?

どれも磨耗が殆どない完品(但し、蓋がない) 

                                       

 

 

 

   

        ちょっと一服  

                「話の喫茶店」

 

先回ご紹介しました貝が同定を間違っておりました。珍しい貝なので再度ご紹介! 

「カゴメガイ」と紹介しましたが、正しくは「イシカブラ

サンゴヤドリ科の仲間の巻貝。珊瑚の石の中に貫入して、取り出すとかなり奇怪な形をしております。

HPに掲載されていたものを拝借しました。 

 

イシカブラ  Magilus antiquus,Montfort,1810

        

 

下の写真は珊瑚の石を欠き取って、貝を取り出したところ。

形は少々グロテスクですが。左方向が殻の頂上。 右方向が殻口です。  

 以下HPより掲載

                           

 

同じ<イシカブラ>です。

 

 

 

では、先ほどの続き・・・

 

ハチジョウダカラ

                   

 

 久しぶりの中型のタカラガイ・ハチジョウダカラ

最近は滅多にお目にかからなくなりました。いったいどこへ行ったんでしょうか?

マイノソデの幼貝

                

 

最近、マイノソデ類が落ちていなくなりました。これらは幼貝なので成長すると何になるのか、予想が付きませんが磨耗も少ないので、嵐の晩に浜に打ち上げられたものでしょう。

 

マクラ貝の類

 

ジュドウマクラ>、<タカサゴビナ>など、通常そこらに多く転がっております。

下は「キサゴ」の仲間 が2個(中央・右)

 

いよいよ春の大潮の頃が近づいてきました。大潮の頃は-13cm位になりましょうか。

海に潜れば可也成果は期待できるのですが。

皆さんもそれぞれがんばってください!

 

「貝殻図鑑」

 

イシカブラ

 

サンゴヤドリガイ科
Magilus antiquus Montfort, 1810

HPから掲載 

  

特徴

殻の色は半透明な白色。殻表に螺肋が出る個体と出ない個体がある。成長するに従い 螺管の巻きがほどけ、不規則に伸びる。

産地

沖縄県。 フィリピン。 ベトナム。

原記載

1810 Magilus antiquus Montfort, Conch. Syst., 2: 42-44, pl. 11.

和名原典

1925 杉谷房雄

メモ

本種は琉球産の化石として介類雑誌第六号(明治四十年)に紹介されており、 カブラモドキという名が付けられています。
杉谷房雄氏は伊勢神宮の宮司で、日本貝類学会の設立者の一人です。

 

 

 

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西南諸島貝殻学入門- & 貝殻図鑑 002

2014年02月10日 | 生命科学

 

 

南西諸島貝殻学入門

貝殻図鑑

002 

 

 

 

 

加計呂麻島太平洋岸での収集結果

 

 

毎日梅雨のような日々が続いております。一週間以上も曇りか雨の日ばかり。気温は20℃程度まで上がりますので、意を決して海岸に出向きました。結果はB級の成果。ホームランは残念ながら有りません。

それでも、ヒットは有りました。それで、今回はそれをご紹介しましょう。

上の写真の右端の珊瑚の石の中に貫入している白い貝。偶然に波の荒い堤防の下で発見しました。

 

カモメガイ 

 

 

拡大するとこのような感じで、珊瑚の石の中に埋没しております。

離脱は無理のようです。どのようにして入り込んだのでしょうか? 

 

            横断面                              矢印の逆方向の写真

            

 

この貝の軟体部は貫通した穴から出入りしていたようです。堅牢な要塞に入居したような感じ。防御は完璧です。特殊な粘液を出して硬い珊瑚を溶かして、貫入するのでしょうか。

シャコガイの類もこのような形が多いですね。素手で取ることは不可能です。貝の知恵ですね。しかし、環境が悪化しても逃げることは出来ません。良いことばかりはね?  

 

ルリガイ

 

口径30mmの大きなルリガイ。右下の写真を見ると分かるように、相当大きいなサイズ。

この貝はなかなかお目にかかりません。誰も寄り付かない秘密の浜のゴミの寄っている場所で、同時に2個発見!まず有り得ないラッキーな瞬間!このようなことも有ります。殻が薄く華奢なので完品は難しい貝です。

 

別なアングルから                   今まで収集した<ルリガイ&アサガオガイ

      

 

    

        ちょっと一服  

                「話の喫茶店」

 

 

 アサガオガイとルリガイの類似性

筆者は実を言うと、この貝は同定に自信が有りません。 殻の形状や生態が殆どそっくりだからです。殻は非常に薄くギンカククラゲを捕食し、世界中の暖流域に生息し、時化などで海岸に打ちあがる。浮遊生活を送っている。これらが2種類の貝の生態です。

 

左側が<ルリガイ>、           右側が<アサガオガイ

 

ルリガイ と ヒメルリガイ

 

アサガオガイの生態(HPより参照

HPの解説文

「貝殻から何やらゼリーのような物体が出ています。

ゼリー状のものは、海面に浮かぶために貝自身作り出した浮き袋のようなものだそうです」

ごらんの通り

                    

   

 

 

「貝殻図鑑」

 

ルリガイアサガオガイ

 

 

アサガオガイ と ヒメルリガイ

 

 

「海で拾える貝」から転載

ギンカクラゲ

 

 

 

カツオノエボシ

 

 

ここまで書いてきても何やら不安な感じ! 殻の縦長なのがルリガイ・・・平べったいのがアサガオガイか。

 

 

 プレゼントされたホームラン貝のご紹介 

-002

 

 大島海峡で地元のお婆ちゃんから頂いた、素晴らしい貝のご紹介をすでにしましたが、今回もその続きです。

サツマツブリ>はすでに紹介済みです。下写真右端。

では、下の左の2つの貝は何でしょうか? 同じ種類かな?

 

 

 

裏を引っくり返すとご覧の通り! 特徴がすぐ分かります。

真ん中は<クモガイ>。棘が良く伸びて綺麗ですね。生きたままでないとこんな風にはなりません。

右の<サツマツブリ>も同じです。完品。

 

 

 

 フジデサソリ

 

 

 

 加計呂麻島・大島海峡 産・145mm 

 

 

フィリッピン産・135mm 以前コレクターからの頂きました

 

 

 今まで太平洋岸で<フジデサソリ>は何個も採取しましたが、全て欠けたもので完品は皆無。長い棘は砂や石で破損してしまうのです。棘の形状も少し違いますね。サソリガイは鍵のように曲がったのが多いのですが、大島海峡産はすっきり伸びております。貝の裏面の模様も濃いですね。新鮮度の違いでしょうか。

このようにフィリッピンと奄美群島はかなり同種類の貝が多いのです。

次回はこの貝の「貝殻図鑑」とこの続きをご紹介します(003) 

 

 

 

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西南諸島貝殻学入門-& 貝殻図鑑 001

2014年02月03日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門

貝殻図鑑

 

 

 

 

 旧正月に入りもう節分。そして明日は春分です。最近は最高気温が20℃を付ける日が多くなってきました。4月になると昼間に大潮が来る季節。年に数回の潮干狩りのチャンス! 今年はどのような収穫が有りますでしょうか。

先々回、予告しましたホームランの貝の話。まずはその一話 

 

貴重な一個 ・   チサラガイ ↓ ・60x53mm

 

 

左のアブラソデも大きな欠けのない完品ですが、右の紫色の鮮やかなチサラガイ。こんなに綺麗なのは始めて。砂の中に殆ど埋まっていて、注意しなければ見落とす位。この貝自体がなかなか手に入りません。

 

今まで集めた<チサラガイ>の数々・加計呂麻島産

 

 

 チサラガイは拾いではなかなか手に入りません。偶然に海岸で目に留まるのみ。場所が決まっていません。砂浜だったり珊瑚の石浜の中だったり、砂浜のごみの中だったり。地域も特定なし。<ナデシコカイ>でしたら大体落ちている場所が予想できますが・・・

 

少し拡大してみましょう。結構大きなものも有ります。

その1

その2

 

様々な色合いが有りますが、今回の紫色は素晴らしい。

この貝は左右2枚の揃っているものは、格段の難しい。フィリッピン産のが一枚あるのみ。 

 

    

        ちょっと一服  

                「話の喫茶店」

 

 見てすぐお分かりの「烏賊

その巨大なること。4m以上有りましょうか。下の女性の大きさから一目瞭然。こんなのに懐中で身体を絡まれたらイチコロですね。

それでは<烏賊>どちらへ泳いで進んでいくの?

人は 

 烏賊は →

じゃ、貝はどちらへ進む?

 

 

大方の人は間違ったんじゃないのでしょうか。触覚は右側に付いております。何故尻尾のほうがロケットの先端のように尖っているのでしょうか。何か役に立つのか? 水槽に入れて観察すると一目瞭然。貝殻だけを手に入れるだけでは美術鑑賞レベルで終わってしまいますが、実際に水槽で飼って見ますと、さまざまな習性が分かります。 

 

ホームラン第二話 

 

第一話のチサラガイで運が付いて来ました・・・次の浜に行くと知り合いのお婆ちゃんが態々バケツに私のために貝を入れてプレゼント。今回はその内の一つ。次回はもっと素晴らしい貝をご紹介!

 

 サツマツブリ・加計呂麻島大島海峡

 

 

如何でしょうか! <サツマツブリ>は以前からフィリッピン産や小さいのは持っていますが、こんな大きなサイズは初めて。しかも完品です。蓋がないのが残念! 地中に埋めて腐らして殻を取るので、蓋を無くしたかな?

120x60mm

 

水管の先まで欠けないで残っております。拾いでは100%無理。殆ど欠けたり磨耗したりしてしまいます。生きたまま捕獲したので完全な形になりました。

 

 

磨耗や欠けがないでしょう。殻の先端までハッキリ尖って見えますね。貝の品質はこれが命。

 

貝は水中で生きたまま捕獲するのがベターなのですが、筆者はそれが出来ない。その日は寒い日でしたが、袋に頂いた貝を一つ一つ大事に入れて、バイクの荷台に置き、スピードを15km程に落として、何時もの倍の時間を掛けて家路を辿りました。振動で欠けさせたら元も子もなしですから。芯から身体が冷えてしまいましたが、気にもなりませんでした。嬉しさで一杯でね    

では、次回は更に素晴らしい贈り物のご紹介

 

貝殻図鑑

 

* 「微笑貝データーベースより掲載

 

Species Name 学名 Haustellum haustellum (Linnaeus, 1758) (Linnaeus, 1758)
和名
Japanese name
Common name
サツマツブリ
SATSUMA-TSUBURI
Snipe's Bill Murex

 

Class Subclass Order
綱 亜綱 目
GASTROPODA PROSOBRANCHIA NEOGASTROPODA
腹足綱 前鰓亜綱 新腹足目
Group
グループ
Murexes
アクキガイ
Super Family / Family
MURICOIDEA MURICIDAE MURICINAE
アクキガイ超科 アクキガイ科 アクキガイ亜科
Genus(Subgenus)
属 (亜属)
Haustellum ()
サツマツブリ ()
COUNTRY
PHILIPPINES
フィリピン
LOCALITY
採集場所
 
DISTRIBUTION
分布
Kii-peninsula & southward, Japan; Indo-Pacific.
紀伊半島以南、インド太平洋域
HABITAT
生息場所
Rubble bottoms, to 30m deep.
水深30mまでの岩礫底
DESCRIPTION
説明 (Japanese)

長い水管基部に僅かな刺、殻口縁は淡紅色で奥は白色

微笑貝データーベース」での掲載の貝が殻長130mmでした。筆者も大いに満足!

加計呂麻島の安脚場付近の漁師さんは、これより更に大きいサツマツブリを玄関の横の土に刺しておりました。勿体無い。恐らく150~160mm以上は有った筈。水管は折れておりましたが。

 

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