心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

岩手山 盛岡の街から見える大きな山へ(1)

2020年10月11日 | 東北の山


岩手山(2,038m)



 「~ 盛岡の風景は岩手山によって生きている。一つの都会に一つの山がこれほど大きく力強く迫っている例は、他にないだろう。 ~」
 「~ 岩手山は古くから南部富士と呼ばれた通り、秀麗な一個の独立峰には違いないが、しかし単純なシムメトリイではない。その常型を破ったところに、却ってこの山の傲岸不屈な力強さがある。 ~」
 (『日本百名山』深田久弥(新潮社))


 岩手山は、盛岡の街からは左右対称に見えず、「南部片富士」とも呼ばれます。市街地からこんなに立派な山が眺められるところも少ないです。
 雫石川が北上川へ合流する地点の、すぐ近くに架かる盛南大橋からは、大きな岩手山を眺めることができました。
 「ホテルルートイン盛岡駅前」の、部屋の窓からも頂上が見えました。こんなに立派な山が、建物の合間からさり気なく見えています。他の街にない光景が、盛岡では当たり前なところがすごいと思います。

 柳沢コースの馬返し登山口へ、IGRいわて銀河鉄道の滝沢駅からタクシーで送ってもらいました。運転手さんは、地元の岩手山には登ったことがないそうです。
 滝沢市は、2014年に市制施行する前は滝沢村でしたが、人口は5万人を超え、「村」の中では日本一でした。
 登山口には車がたくさん停まっていました。高木の向こうに目指す山頂が少しだけ顔をのぞかせています。これは南部片富士ではなく、南部富士の姿です。標高は600mを少し越えたくらいで、これから1,400mを日帰りで稼がなければいけません。
 「馬返し」という大変そうな名前ですが、樹林帯のなだらかな登りから始まりました。一合目を過ぎると長い木の階段が現れました。
 2.5合目で「旧道」と「新道」に分かれる標識が立っています。二つの道は七合目で合流します。どちらを登っても、頂上までは3.7kmと書いてあります。
 最初は新道に入ってみました。森の中に咲くシラネアオイが多いです。しかし、三合目の先には残雪が現れました。
 何とか登り切りましたが、雪は消える気配がありません。四合目で連絡路を使って、新道から旧道へ移りました。森の中の新道と違い、旧道は火山岩そのものの道で、さえぎるものは何もなく、雪もとけていました。富士山に雰囲気の似ているところもありましたが、傾斜はさらに急で、斜面に押し返されそうなくらいのところもありました。花の多さも、富士山にはないものでした。


 七合目で傾斜が緩み、次いで八合目の大きな避難小屋が見えてきました。




 (登頂:2014年6月初旬) (つづく) 



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