心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

北アルプス 晩秋上高地(3) 

2017年12月26日 | 北アルプス


(つづき)

 田代橋を渡ると、梓川の北岸に2軒の旅館があります。上高地では、こちらの2軒だけが天然温泉に入ることのできる旅館です。今日は、「上高地温泉ホテル」の日帰り温泉につかりました。露天風呂から焼岳の眺望、、というわけにはいきませんが、源泉かけ流しそのものの温泉でとても気持ちよかったです。次は、槍ヶ岳か穂高の登山の帰りに、ゆっくり旅館に泊まってみたいと思いました。


 横に広い六百山(2,450m)と霞沢岳(2,646m)の連なり。川の流れも横に広く、いい眺めでした。この2つの山を初めて間近で見ました。霞沢岳の方には登山道がつけられています。稜線はギザギザしていて、登るのはなかなか大変そうに見えます。
 ここでは、水面が透明を超えて、青く光っています。まるで北海道の積丹半島か、沖縄か、与論島の海のようです、と言っても、言い過ぎではありません。これは本当に凄いです。


 「~ 眼下の梓川の眺めも独特なものである。白っぽい砂礫を洗う水の浅緑色も一種特別なものであるが、何よりも河の中州に生えた化粧柳の特異な相貌はこれだけでも一度は来て見る甲斐があると思われた。 ~」
 (寺田寅彦『雨の上高地』~近藤信行編『山の旅 大正・昭和篇』(岩波文庫)より)
 これは1930年代の紀行文で、上高地温泉ホテルに宿泊した日の景色が書かれたものです。「白っぽい砂礫」や「水の浅緑色」は、その時も80年以上たった今も、まったく変わっていないのではないかと思いました。水の流れの美しさこそ上高地の一番の特徴です。


 温泉からすぐのところに、日本アルプスの山々を世界に紹介したウォルター・ウェストンのレリーフがあります。樹と青空でできた屋根の下をくぐるような道を歩いて、河童橋へ戻ります。真っ白に雪化粧した穂高連峰がときどき姿を見せます。



 (つづく)



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