Study of Spenser

ロバート・B・パーカー著、ボストンの私立探偵スペンサーを読み解くガイドブックです

失投 - Mortal Stakes - (1975) 21章

2009-12-06 | 海外ミステリ紹介
画像は、フランク・ドゥアを訪問した帰り道にある、バンカーヒル・コミュニティ・カレッジ


21章
ドゥアのところを出たスペンサーは、ラザフォード・アベニューから、コミュニティ・カレッジ(バンカーヒル・コミュニティ・カレッジのこと)を右折して、プリズン・ポイント・ブリッジ(現在はギルモア・ブリッジ)を通って、ボストン方面に向かうのでした。

オフィスに戻ったスペンサーは、ハロルド・アースキンに電話して、バッキー・メイナードの住所を訊ねるのです。調査の報告を求めるアースキンに、「自分は慎重の手本のような男だ I am a model of circumspection. 」そして「真相に迫りつつある I’m closing in on the truth. 」と丸め込み、調査の続行の承諾とメイナードの住所を聞き出します。

メイナードの住まいは、アトランティック・アベニューにあるハーバー・タワーズというコンドミニアムで、この当時出来たばかりです。(1971年にコンプリート)ニューイングランド・水族館の近くです。
メイナードの部屋は最上階ですから、40階の8号室。

レスターに迎え入れられ、メイナードも出てきて「みんな早起きだな」と言います。それに対してスペンサーは、
「Early to bed and early to rise, 早寝早起き」と答えます。

■■ <Early to bed and early to rise>は、そのあとに、makes a man healthy, wealthy, and wise と続き、「早寝早起きは、健康、富裕、賢明のもとである」になります。世界中にお馴染みの格言です。言いだしっぺは、ベンジャミン・フランクリン(1706~1790)のようです。ボストンゆかりのひとですからね。

スペンサーは自分が、レスターがニューヨークのパトリシア・アトリィを訪ねた理由(マスターフィルムの手に入れたい)を知っていて、メイナードとフランク・ドゥア、そしてウォリー・ホッグとの関係も承知していると話します。

しらばっくれれるメイナードに、スペンサーは、マーティ・ラブ夫妻への脅迫を止めてもらいたいと言います。メイナードは、その場合の自分へのメリットを尋ね、スペンサーは一番に、自分が感謝すると言い、フランク・ドゥアとウォリー・ホッグに対処するのに力を貸すと続けます。こんなことは一時しのぎで、いずれ出来なくなる、マーティがあと何年投げられるか考えてみればわかることだと言うのです。

腕力でスペンサーにかかってこようとするレスターに、スペンサーは、38口径のコルト・ディテクティブ・スペシャルをチラつかせて対処しています。それを見てメイナードは、自分とスペンサーが、仮に共同戦線を張るとした場合、どのような計画があるのかスペンサーに訊ねます。

スペンサーは、メイナードがドゥアに、もう八百長をやるように脅迫はしない、と言えばいいと言います。恐らく八百長によってメイナードの借金は相殺されるくらいにはドゥアは儲けており、これ以上欲しがった場合は、自分の出番だと告げ、メイナードのユニットを後にするのでした。


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