公式サイトのエイプルフールは素晴らしかったですねー。
いっそ、もうアレで映画化でいいんじゃないか(笑)
ひろしは神でしたね。頭に輪っかもあったね。
映画は冬が舞台なんですね。
脚本が吉田玲子さんだから、きっとTVのようにはなるまい!!と期待しとく。
おまけのカバーが凄く綺麗。でも中の手書き記念写真風がお気に入りです。
青の祓魔師 第34話 「事の結び」
不浄王を退治したので、怪我人を騎士団所属の大型ヘリ数台で搬出。
正十字騎士団の財源がヴァチカンでよかったわ。
キリスト教は世界最大信者数を誇るので大金持ち。
で、和尚は何故か病院でなく、奥さんのいる宿に搬送。
ええええええええ、凄い重傷やろーもん!! 何故ここ…。
「ただいまぁ」
担架に運ばれながら、しかし、元気。
「はは、どーもあらへん。
貧血気味なだけやさけ」
「達磨さん…!」
「虎子…」
「こんな…こんなるなんて聞いてまへんえ!!」
達磨さんのドアホ!!とばかり思い切り耳たぶを抓り上げる奥様
悲鳴を上げる和尚。
まぁ、心配かけちゃったし。
いや、それより和尚、病院に…。
討伐隊が戻ってきたとあって、宿の中はざわざわ。
蝮を看てた坊主も「起きちゃダメですよ」と言い残して様子を見に行く。
勿論、気になってフラフラの体で起き出す蝮。
が、障子を開けた先にいたのは柔造さん。よろけた体を抱きとめる。
「!?なにしてん、寝とけ!」
「…申!!」
蝮の必死に問いかける顔の右目からは血が滲んでいる。
それを一瞬つらそうに見つめ
「…まずいい知らせは不浄は倒した。
和尚もみんな無事や。
せやし…そんな顔すな…」
一番聞きたかった事を聞き、蝮は柔造の腕を掴んで泣き崩れる。
その細い体を抱き締める柔造。
その顔には笑みが浮かんでいる。安心せぇというように。
さて、大活躍だった燐。
枕元には包帯を巻かれたクロが寝ている。
疲れ切っていて起きない。
(ここ…勝呂ん家の旅館かな…)
蝉の声が姦しい。しかも暑い。
京都の夏は釜の底が抜けたように暑い。
盆地だから(^_^;)
で、横を見るとしえみが寝ている。穏やかな顔で。
一瞬、固まり、その顔を凝視する燐。
この状況は一体何なのか。
いくら友達でも男女一緒の部屋では寝ないだろう。
視線を感じたのか、目を覚ますしえみ。
「あ、りん…目が覚めたんだね…よかったぁ」
「お前、何で、こっ、こんなとこで寝てんだよ!
どっかケガしてんのか?」
「してないよ。
ちょっとここで点滴打ってもらうだけのつもりだったのに…。
燐の顔見てたら、いつの間にか寝ちゃった。
昨日はずっと徹夜だったから…」
そう言いながらしえみはにこにこ。
「燐、お疲れさま…。
大活躍だったって、勝呂くんたちが」
「ああ…」
誰かに褒められると、いつも笑顔になる燐。
「…いや、実はちょっとヤバかったんだけどな。
みんなのお陰で何とかなったんだ」
そして、真っ赤になりながら付け加える。
「…おっ、お前のことも思い出した」
「えっ?」
「それがすげー励みになったんだ。
あ…ありがとな…!」
思わず飛び起きるしえみ。
「ほんと?」
「はっ?」
「私…燐の役に立ったの?」
「え? うん、…たったよ。助かった」
その言葉に真っ赤になるしえみと照れっ放しの燐。
嬉しさの余り、しえみは床に突っ伏す。
「…ああ…! わ、わ、私…!」
「??どうした」
「嬉しい…!」
思わず涙ぐみ、燐の手をギュッと握り締める。
しえみからのアタックに驚愕する燐。
「あのね聞いて…!
私、これから何があってもずっと…私は燐の友達だよ!
すっとずーーっと友達だからね…!」
「?」
その言葉に真っ白になる燐。
(ず、ずっと友達宣言かよ!!)
告白の意味が違う!!
「こ…このやろォ…!」
期待したのにーー!!!と燐は怒り心頭。
だが、しえみは充分告ったつもりなんで、真っ赤になって布団の上でゴロゴロしてて気づかない。
(ぎゃああああ!! 言っちゃった…! 言っちゃったよ~)
「…ブファッ」
その幼い甘酸っぱいカップルぶりに、つい噴出してしまう志摩。
「す…すまん、我慢できへんかった…!」
「志摩!? ななな何でお前、ここに!!」
「いや実家戻りたなくってー。
塾生寝る場所ないゆーて虎屋(ここ)の番頭部屋に押しこまれてんや」
「…ちなみに私もいるわよ!!」
屏風の向こうから出雲が叫んでいる。
志摩の隣には宝が寝ている。
勝呂と子猫は自室があるので、そっちで休んでいるそうだ。
「ま、お気の毒さまやで…ホンマ…」
「…………!!」
ニヤニヤと肩をポンされて、怒りの余り言葉も返せない燐。
「つーか俺ら、明後日東京戻るらしーんやけど、明日一日休んでええて霧隠先生が!
よかったら…」
とその先の提案に思わず身を乗り出す燐としえみ。
宝君、いたんだー。
何もしてないよーに見えたが、寝るほど疲れてんだ。
じゃあ、やっぱ雪男にあの時、青い炎で加勢したのは宝君か。
シュラが燐の監視者なら、宝君は雪男付きだったのね。
「このたびは大変な成果ですよ、志摩所長!」
さて、何食わぬ顔で志摩所長に労いの言葉をかけるメフィスト。
舞台のど真ん中でええもん見せてもらったのでご機嫌です。
メフィストはSAWのジグゾウ程、悪趣味ではないのでよかったね。
「私のミスで今回の件を招いたばかりか、所用で駆けつけるのが遅くなってしまい、
大変申し訳ない!
しかし今回の件…間違いなく聖騎士率いる聖天使團にも劣らぬ活躍です!」
えー、じゃあ昔獅郎もそういうの率いてたんかねぇ?
一人で何でも片付けそうだけど。
「いえ…我々はヴァチカンの援助を待ち、戦うのみでした。
すべてはあの子のお陰です」
いくら待ったって、ヴァチカン来なかったろうけどね(^_^;)
純朴な志摩所長が気の毒だ。
「その事ですが…ヴァチカンから召喚命令があった場合、ぜひ出頭し、
今回の事件の証人となっていただきたい」
「は…もちろんです。
私は真実を話すのみです」
志摩所長が去ると、今まで黙って脇に控えていたシュラはお銚子を片手に
「やっと二人っきりになれたにゃあw」と色仕掛けでメフィに近づく。
だが、メフィはシュラが霧隠れくの一の末裔だから寝首を掻かれると怖いですねと
笑う。
シュラから笑みが消え、メフィを畳みに押し倒す。
首筋にクナイを押し当てた。
「ネイガウス。アマイモン。そして不浄王。
すべてお前の計画のうちってワケか」
「いい眺めだ」
メフィはのしかかる女とその大きな乳を見ながら笑う。
「大体にして塾生のチョイスも意図的だ。
アタシもそれにあの宝ってヤツもワザと入塾させて泳がせているだろ。
燐を使って何を計画している?
計画は順調か? え?」
メフィは醒めた目でシュラを見返す。
「…意外です。
貴女は何事にも執着しない人だと思ってました。
そんなに奥村燐くんの行く末が気になりますか?」
シュラは薄笑いで本心を隠す。
「…アタシはコレが仕事だ…!」
「今お幾つでしたっけ?」
「…!?」
その瞬間、メフィストの顔に悪魔の本性が浮かび上がる。
黒い禍々しい殺気が。
「命は大事になさってください。
私としても美女が早くに亡くなるのは惜しいのでね」
シュラは慌てて飛び退き、「…見てるからな…」と言い置いて立ち去る。
「実に愛らしい」とメフィストに嗤われながら。
(…あのペテン師…一体…)
言いようにあしらわれて舌打ちしながら、廊下に出てきたシュラは小さく呟く。
「…多分、燐は処刑されないよ。
仮にもし処刑命令が下ったとしても、メフィストが必ず守るだろ…。
なにやら奴には燐を使って遠大な計画があるようだからね。
だから、当面は安心しとけ、雪男」
そういい残すと、身を翻して去っていく。
襖の陰で腕組みをしながら、立ち尽くす雪男。
処刑はされない。
でも、メフィストの計画が美しいものとチラとも思ってないから、シュラは真意を聞きだそうとし、雪男も寝られない程、心配し続けないとならない。
ただ、ヴァチカンに対して「言い訳」を作って見せただけの戦いが終っただけだ。
メフィスト脚本、演出で。
燐が本当の意味で「助かった」訳ではない。
雪男は暗い顔をしたまま闇を見つめ、立ち尽くす。
が、余りに疲れ切っていた。
藤堂と戦い、残務処理をし、徹夜したままだ。
メフィストの真意を探るまではとても寝られなかった。
けど…。
報告書をまとめなくちゃと思いながら、フラフラと歩き、休憩室の安楽椅子を見つけた。
旅館向けで固そうだったが、誘われるようにそこで居眠りを始める。
自販機にジュースを買いにきていた燐は弟が椅子で祓魔師の服で居眠りしているのに
気づいてギョッとする。
「おっ、雪男か?」
「…………」
雪男は半眠りのまま、薄目で兄を見返した。
眠すぎて、特にどうという感情も思考も浮かんでこない。
「そのカッコ…お前まさか昨日からずっと起きてんのか!?」
「…………うん…」
「ちゃんと布団で寝ろよ!
ったく変なとこダラシねー奴だな…」
「……」
返事はない。
背凭れにもたれたまま、雪男は居眠りを続ける。
燐はジュースを飲みながら、雪男を見下ろした。
「お前は気ばっか使ってっから疲れんだよ。
ちょっとは休め。
兄ちゃん、お前に話があるから。
逃げんなよ」
雪男の頭をぽむぽむ叩くと、燐は部屋に戻っていった。
「…………」
弟扱いされた事に、少し顔を顰める雪男。
誰のお陰で寝不足なんだという思いと、こういう所で兄貴面されたのが少し悔しい。
自分の知らない所で、兄は自分の進むべき道を見据え始めている。
「なんだよ…」
ほんの少しだけ面白くなくて、でも、あっさりといつもの空気に戻ったような気がした。
居心地のいい二人だけの空気。
心配しすぎる自分がバカみたいだ。
でも、とりあえず兄は生き延びた。
今はそれだけで充分だ。
眠くて、動けなくて、雪男は再び深い眠りに落ちていく。
うわああああああああ。かわいいいいいいいいいいいいいいい\(* ̄▽ ̄*)/
この双子、かわい過ぎるだろーーーー!!!
そして、京都の夜は更けていく。
それぞれの想いを抱えたまま。
翌朝。今日も暑い夏。快晴。
虎屋の廊下をドスドス歩く勝呂。
あんなにボロボロになってたのに、このマンガのキャラはどいつもこいつも不死身か(笑)
体力バカか。
勝呂は歩きながら考える。
不浄王は倒されたんで、もう明陀のしがらみは何もなし。
今こそ父、和尚には明陀を一つにまとめる座主になってもらわねば。
それには他の者を納得させる為、和尚に認定試験を受けさせ…と
色々計画を立てていたのに、和尚は玄関の掃除をしている。
思わず和尚の胸倉を掴む勝呂。
フラフラ遊んでたフリと、ホントに遊んでいたのを清算し、これからビシビシやってもらうつもりだったのに、和尚はこれを機に妻の旅館を手伝う気らしい。
仰天する勝呂。
だが、怒るヒマもなく、子猫丸に二人共呼ばれる。
「せやから俺、蝮もらいますわ!」
何と柔造さんの嫁取り宣言!!皆の前で大発表
だが、蝮は何も聞いてなかったらしく真っ青。
「そろそろ身ぃ固めな思てたとこやったし、丁度ええやろ」
「ななな勝手な事…ッ。
私は何も許可してへんえ!!」
「許可て…昨日自然な成り行きやったやんか?」
「やめろォ、こここんな所でいらん事…ッ。
殺してやる!!」
二人の父、兄弟、姉妹達も仰天するわ、真っ青だわ大変。
犬猿の仲だっただけに兄弟と姉妹同士はケンカ勃発…仕掛けたのを
「やかましい!!」
と、うわばみ父が一喝する。
八百造さんはうわばみの剣幕にたじろぎながら、穏便に行こうと話をすすめる。
「柔造、蝮ちゃんが承服してはるように見えへんぞ。
もっとちゃんと話し合てきたらどーやー?
大事な事やねんから」
「せやし…話し合うたらまとまらへんと思うわ」
「はっ、そうや!姉様はお前など…!」
勢いづく蛇姉妹。
柔造は蝮に尋ねる。
「俺は本気やで。ほんま嫌か?」
「…あ…私は罰を受ける身や。
結婚なんて許されへん」
「それやったら、いっそのこと俺との結婚を罰やと思たらええやんか?」
「こっちはアンタほど単純(アホ)やないんや!」
紅い顔を一層紅くして蝮は俯く。
「ば、罰に思えへんから…!」
周囲は阿鼻叫喚だが、柔造はいい返事だと笑う。
うわばみは腕組みをして言った。
「柔造さん、今回の件で蝮は称号剥奪のうえ、除團処分は免れん。
右目も…もう元には戻らんそうや。
あんた、そんな娘でもええんか」
「はい!」
柔造は爽やかに返事し、深々とお辞儀をする。
「改めてうわばみ様、蝮を俺にください」
「く!! …こちらこそ宜しく頼む!!」
「ありがとうございます!!」
土下座合戦が始まり、「父さま、ちょ…私はまだ…!」と蝮が一人慌てるまま、縁談はどんどん進んでいく。
雨降って地固まる、まんまでんな。
よかったよかった。
「いやぁ、こりゃめでたいわ」
京都編がまとめに入ったわと思いながら、勝呂達はこの光景を眺める。
和尚はそんな勝呂を笑って肩を叩く。
「見てーみ。
お前一人で気張らんでも、みんな勝手に進んでくんさけ、放っときぃ」
「…何十年も気張っとったんはアンタやろ。
何で放っとかんやったんや」
和尚は振り返るとあっさり笑った。
「お前が大事やったからや」
その余りに当然という笑顔に勝呂は追いすがるように言葉を繋ぐ。
「も…もう経は詠まへんの」
「お前にはもう子守唄はいらんやろ」
和尚の後姿が悠然と語る。
勝呂は子供のままの顔をして、父の後姿を見送るしかなかった。
大きな仕事をやってのけた父の大きな大好きだった背中を。
「うーわ! 柔兄、結局蝮姉さんを…!
ほとんど身内やんけ…ひくわぁ」
障子の隙間から、まだ阿鼻叫喚の中を覗き込み、ドン引きの志摩。
勝呂と子猫を探しにきて、この身内の騒ぎを知ったらしい。
理由は念願の京都見物にみんなで行きたかったから!
地元の子猫丸が仕切りっぽい(笑)
京都はとにかく観るとこ食べるとこ多いので、計画立てて行かないと廻りきれないからね。
しえみの希望は甘味処。
出雲ちゃんは当然伏見稲荷。
燐はもちろん、京都タワー。
え、何でそんなとこ?と子猫丸に不思議がられるが、燐は両手を合わせて懇願。
「サタンの息子たっての望みやし、聞いてやりぃ。
燃やされんで」
「!?俺、まだそんな印象」
大ショックの燐。
「わかりました…サタンの息子さんの仰せのままに…」
子猫丸にまで遊ばれて燐涙目(笑)
そして、京都を皆でグルグル。
金閣寺行ったり、鴨川で遊んだり、伏見行ったり、清水寺行ったり、
Helloという喫茶店で甘ミツ食べたり、京の漬物試食したり。
うわあああ、聖地巡礼したいよおおおおお。
しばらく京都行ってないからなぁぁ。
最後はとどめの京都タワー。
人形欲しかったけど、こづかいが足りないのでストラップを買う燐。
そして、燐の最後の皆への頼み。
思い詰めたように語り掛ける。
「みんな! あ…あのさ、頼みがあるんだ。
俺、こんな奴だけど、これからみんなと…。
ここで一緒に撮ってもらってもいーかな!」
燐がモジモジしながらねだったのは、京都タワーとそのシンボルのゆるキャラの看板。
観光地に行くとよくある、コテコテのアレ(笑)
ふつーの神経なら恥ずかしくて写れません。
「チッ、断ってサタンの息子に燃やされたらかなわんしなぁ」
「サタンの息子の命令ならしょーがないわね」
「そんな遠慮がちにゆーても、脅迫にしか聞かれへん」
「サタンの息子の仰せのままに…」
「まだそのネタひっぱってんの!? イジメ!?」
何度も言われて、今度こそ涙目燐(笑)
「いや、むしろそこ生かしてかんとー!」
と、笑う志摩。
「つーかそこ、イチイチ許可取らんでもえーわ!」
パンと燐の背中を叩く勝呂。
いやぁ、お二人さん、関西らしいええノリですね。
友達に囲まれ、思わず笑顔が漏れる燐。
いやぁ、すっかり仲間が出来てよかったね。
最後に受付のお姐さんにお願いして記念写真。
でも、皆燐を除いて、こっそり背後で相談。
出来上がったのは人文字でSATAN。ステキな嫌がらせです。
しかも全員ムチャクチャ笑いこらえてるし。
「おい!!!」
異変に気づき、振り向いて、えええええ!?の燐を覗いて、皆いい笑顔でチーズ。
京都編、お疲れさまでした。
いい大団円でした!凄く明るく終ってよかったね。
19の番外編が楽しみです!
京都編は最高でしたね!
みんな、幸せになりますように。