かんぱーい!
その時アランスミシーバンドは神戸のイタリアンレストランにて至福の打ち上げを行った。
気温もパフォーマンスも最高に熱かった、TAJIMA WAVEでのライブから約5時間後である。
時を同じくして、同じTAJIMA WAVEのステージをオーディエンスとして共有したS女史とその家族は高速道路上で大渋滞に巻き込まれていた。誰もが辟易する状況で、しかしS女史の顔にはとてつもなく満足げな笑みが浮かんでいたのであった。
2時間前――――。
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アランスミシーバンド一行はTAJIMA WAVEでのライブ後しばらくして、お盆の渋滞を見越して午後4時ごろ、早めに出発した。
播但連絡道~中国道というコースで、中国道ではかなりの渋滞を覚悟してのことだ。
運転手はもとやん氏、皆その前のライブのすがすがしい疲れを全身に背負っていた。
TAJIMA WAVEは、1回目ということもあって、満員御礼というわけにはいかなかったが、会場の雰囲気、スタッフの情熱といったものには可能性を感じさせる素晴らしいイベント。最後まで見れなかったのが本当に残念だったが、帰れなくなると困るので後ろ髪ひかれる思いで会場を後にした。
そろそろ次のサービスエリアで休憩しようか、という雰囲気になり始めたとき、
あー来たーー!という感じで渋滞が始まった。のろのろ進みながらも皆、話をしながら疲れをごまかしていたが、
しばらくすると全く動かないほどの渋滞になり全員のテンションはだだ下がり、口数も激減した。
ほどなく高速は分岐にさしかかり、緑の巨大看板が頭上に見えてきた。
このまままっすぐは中国道、左に行くと山陽道。もちろん我々の進むべき直進方向は大渋滞、左にそれる山陽道(徳島方面)はガラガラである。ああ、徳島在住なら。。。と皆が自分の出自を呪ったその時。
マネージャMikaの携帯が鳴った。電話の主は、この日、わざわざ奈良からアランスミシーバンドを見に駆け付けてくれた家族連れの知人、S女史こと、SAっちゃんだった。
Mika:「あ、SAっちゃん、どうしたん?」
そこから緊迫の会話が始まった。
SAっちゃん:「あんたたち、今どこ!」
Mika:「今、大渋滞やねん。。。SAっちゃんは?」
SAっちゃんがいたのは我々より数キロ先の地点だった。
SAっちゃん:「もう救急車とか登場して、全く動かへん事故やから、あんたたち高速降りれるなら降りーーー!」
それがSAっちゃんの最後の言葉だった。
まさに山陽道との分岐点にいた我々は焦った。どうする?逃げるなら今だ。事故渋滞ならなおさらである。
しかし山陽道に入ったところでどうする?
するとヨウジ氏がこめかみを押さえながら言った。
「山陽道からも、帰れる。三田付近から、六甲山越えで。」
これで決まった。我々の車はまさにすんでのところで、事故渋滞の中国道から脱出し、山陽道に飛び立ったのだ。
そこから先も多少の渋滞はあったものの、あの大渋滞に比べればヒヨっ子レベルだ。
しばらくして神戸に躍り出た我々。私ヒデ氏はふと思いつき、この近くのラポスト(ブログ参照)での晩飯を提案した。
電話をしてみると、ラッキーなことにラポストはこの日も空いており、座席も今から行けば着くころにちょうど確保できるとのこと。
こうして我々は山陽道に入ってから約1時間で、ラポストの席に着き様々なタパスとともに打ち上げをすることができたのである。
そのころ、SAっちゃんはまだ中国道の真ん中にいたはずだ。
美しすぎる自己犠牲、そして博愛精神。
ありがとう、SAっちゃん!
あと、TAJIMA WAVEに居合わせたみなさん、遠方からのASBファンのみなさん、ありがとう!ちゃんと見てました。
SETLIST:
1 Looking At You
2 スノーマン
3 蛍
4 青春マギー
5 Counting Black Sheep
6 Color of Mine
7 The Sound of Your Voice
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