The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

決して埋まることのないギャップ。Overtime Sessions - Track 4: 青春マギー(Acoustic)

2021年05月16日 | ASB活動日誌
元々の青春マギーという曲は2006年頃に書いた曲だったと思う。
タイトルがなかなか決まらなくて、スタジオでわーわーやっているうちにパッと決まったのを今でも覚えている。

ひで氏です。
この曲の最初の一節は私ひで氏が今まで書いてきた中でもとても気に入っている一節である。

When I was young, I was younger than I was thinking
I knew so little about myself though I thought I did know
When I’m getting older, I’m much older than I am thinking
Well it never matches till the end of my life

若い時は自分が思っているよりずっと若く感じていて
自分のことをわかっているつもりで 実のところ全くわかっていなかった
歳を重ねれば 思っているよりずっと歳を取っていて
とにかくこれは 死ぬまで釣り合うことはないのだろう




人生は自分の気持ちと実情のギャップを埋め続ける作業なのではないかとずっと思っている。
自分が今どうあるべきかとか、何をすべきかをタイムリーにわかっている人を見ると憧れる。自分は常にその能力が欠けていると思って生きている。傍目に見てこれができている人を見ては「すごいなぁ」と思うわけだが、そう思うのは自分だけなのか、みんな思っていることなのか、それがわからない。もしかすると他人から見ると自分でさえもちゃんとできている人のように見られていることだってある。

とにかくこのギャップを埋めるために常に迷い続けているのだけど、その中で安定して全く動じないものがある。
それが時間だ。時間だけは何が起ころうとも、正確にそして残酷に過ぎていく。

なら迷うだけもったいない。このまま走りつづけるしかない。

今思えばそんな気持ちを曲にしたんだろうなと思う。
原曲で出したかったのは一言でいえば疾走感。今回のアコースティックバージョンではサビの掛け合いを封印して、包み込むような雰囲気を重視した。特に、簡易のドラムセットを使って敢えて機械的に叩いた、打ち込みのようなエレクトロ藤原のドラムが印象的だ。

自分の中でいつまでも解決することのない普遍的なテーマを歌っているからか、今でも違和感なく演奏できる曲、青春マギー。
是非Grayout収録のバンドバージョンと、今回のアコースティックバージョンを聴き比べて欲しい。



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Overtime Sessions / The Alan Smithy Band (2021 / 全8曲)

コロナ自粛期間中に遠隔録音された「You've Got a Way」をはじめとする、あのASBの名曲のアコースティック版の数々やアルバム未収録曲をまとめた彼らの「時間外」セッション、Overtime Sessionsが配信リリースされました!

The Alan Smithy Band / Overtime Sessions(全8曲)











ASBのアンセムは人生の永遠のテーマだった。Overtime Sessions - Track 3: スノーマン(Acoustic)

2021年02月23日 | ASB活動日誌
先日、近くの酒造に注文していたお酒を引き取りに行った。

ひで氏です。

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こう書くとあたかも何年もそんな生活をしているように聞こえるかもしれないが、
恥ずかしながら近所に酒蔵があったことも3年ぐらい前まで知らなかったのだ。

ただ知ってしまえばこんなに素晴らしいことはない。
なんせ400年以上続く地元の酒蔵で、地元の地下水を使って作られているお酒なのだ。
訪れたときに中を見せてもらったが、一部工程の機械化はあっても基本的には大昔からの同じ製法で作っている。

そこに迷いはない。

実際買ったお酒を帰って飲んでみた。私ひで氏はたいして酒飲みでもないので日本酒の良し悪しもよくわからないが、
お世辞でなくすっきりした味わいで素直に美味い酒だと思った。

400年の歴史の足元にも及ばないが、アランスミシーバンドも今年で21年目を迎える。
これまで作ってきた曲には、曲によっていろんな役割が自然と生まれてきた。

「気持ちを落ち着け、整える曲」

これはCollegetown Bagelsだ。ASBのライブはこの曲でスタートすることが非常に多いが、この曲の鎮静作用はすごい。

「2曲目の王様」

Color of MineやCrushなんかがそうだ。「何かのあと」で来た時にその良さが生きる、独特の感覚がある。

そんな調子で語れば各曲にいろんな個性があるが、今回紹介する「スノーマン」は本当に特別な曲だ。
かつてヨウジ氏がぼそっといった。これはASBの「アンセム」(Anthem)だと。ASBのシンボルなのだ。

節目節目でこの曲を歌ってきたが、特に印象的なのは12年前、長年ベースを務めたすぎやん氏の「卒業ライブ」でのスノーマン。
ライブの最後で私ひで氏の声も全然出てないし声もフラットしているのだが、すぎやんがボーカルを取った瞬間に崩壊してしまった。


今回Overtime Sessionsに収録しているのはスノーマンのアコースティックバージョンだが、このアレンジは個人的にも大好きだ。
イントロで流れるテーマのゆったりとした包み込むような感じが気持ちいい。


冒頭の酒蔵の話と同じで、芯がある曲は強いと思う。
バンドバージョンでもアコースティックバージョンでもパワーが薄まらない強さがある。

予定というものを立て始めてから
手帳というものを持ち始めてから

で始まるこの曲は、「守りに入り始めた」自分を憂えて書いたものだ。本人が言うから間違いない。
アンセムというのは決して大げさではなくて、世代的に、もしくは世代を超えて通じるテーマなのだろうと思う。

「忙しいのに単調」な日々に忙殺されているうちに実は坂道を転がっていて、気が付けば雪だるまのように大きくなったしがらみにがんじがらめになり、身動きが取れなくなる。突然変えるのは難しい。だから、「寄せ書きの要領で」「余白を埋め」るように、少しずつなら変わっていける。

人生とはつまるところこれのせめぎ合いなのではないかなと思える。



スノーマン (Acoustic)
Words and Music: Hideyuki Kashimoto
Arranged by: The Alan Smithy Band

予定というものを立て始めてから
手帳というものを持ち始めてから 僕は

人に身を任していた すべてに 怯えた
人込みに紛れた 自分を冷やかしてきた 

寄せ書きの要領で 余白を埋めていけ
出来そうだ 得もいわれぬ 
見慣れた街並みを この際塗り潰せ
やれそうだ 不平も言わず
You know how it feels to be a snowman?

自分に言い聞かしてきた
理想に陥っていた
見事に見逃していた 意外にもシンプルだ

予定というものを立て始めてから
手帳というものを持ち始めてから
石橋というものを叩き始めてから
いつものことだと思い始めてから
過ぎたことなどを気にし始めてから
見せかけの挨拶が出来始めてから

寄せ書きの要領で 余白を埋めていけ
出来そうだ 得もいわれぬ 
見慣れた街並みを この際塗り潰せ
やれそうだ 不平も言わず

曖昧な状況で 流され続けても
変われそうだ 上を見上げる
怒りも通り越して 哀れになる日まで
出れそうだ 手を伸ばす
You know how it feels to be a snowman?


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Overtime Sessions / The Alan Smithy Band (2021 / 全8曲)

コロナ自粛期間中に遠隔録音された「You've Got a Way」をはじめとする、あのASBの名曲のアコースティック版の数々やアルバム未収録曲をまとめた彼らの「時間外」セッション、Overtime Sessionsが配信リリースされました!

The Alan Smithy Band / Overtime Sessions(全8曲)














誰がパパを呼んでいるのか問題もあわせて。Jukebox - P: Papa Come Quick - Bonnie Raitt

2021年02月10日 | ASB活動日誌
お父ちゃんはよ来て。

こういう曲が成り立つアメリカの音楽シーン。裾野の広さがうかがい知れる。

ひで氏です。

映画でもそうだが、アメリカでは驚くほどマイナーなテーマで成り立つ映画がある。先日観た「Concussion」などいい例だ。アメフトにおける脳震盪の問題を暴こうとした医師の苦労を描いた映画だが、見応えのある映画だった。



派手さもなければ大ヒットすることもあまりない。それでも「そういう映画を作っても良い土壌がある」ということが大事なのだと思う。なぜならお金にならない映画というのは作れないのが普通だからだ。「相撲で起きる脳震とうについての映画を作ろうと思うんっす!」と言って「OK!それでいこ!」となる制作会社は今の日本にはまずないだろう。

その点日本の漫画界などはアメリカの映画界に似ていると思う。恐ろしくマイナーなテーマの漫画が存在するし、総じてクオリティも高い。この分野で世界をリードしているので新たなチャレンジや隙間ジャンルへの参入が活発に行われている。

音楽でもほぼ同じことが言えると思う。アメリカの音楽シーンでは「え?」というテーマの曲があったり、なんだったら大ヒットすることもある。

Crash Test Dummiesの「Mmm Mmm Mmm Mmm」などその最たるものだろう。この内容の曲が大ヒットしてしまうというのがアメリカらしい。もちろん、この曲は日本ではほぼ知られていないが、シンプルに言うと幼くして全部白髪になった少年の歌だ。



さて、Bonnie Raittである。


Jukebox動画では語っているが、Bonnie Raittはグラミー賞を獲得するまで20年という遅咲きのアーティストだ。でも過去作品を聞いていけば、途中の迷走も含めて彼女がいかに音楽に真摯に向き合い続けたのかがよくわかる。時間はかかってしまったかもしれないが、認められたのはある意味当然の結果とも言える。


Bonnieが歌うPapa Come Quickは非常に土臭いカントリーチューンで、アルバムの中ではメイントラックではないけれど存在感の大きな曲だ。


このAllison Kraussとのセッションでは、Bonnieが冒頭に「Here's one of my favorite songs from Luck of the Draw (Luck of the Drawの中のお気に入り)」と紹介しているし、何といってもAlison Kraussが若干恐縮しているような、固くなっているような様子がとても印象的だ。


今歌詞を振り返ってみると

Papa come quick, Jody's gone to the city
What are we gonna do, Now that Jody's gone
She left a note on a TV - papa, it's a pity
What are we gonna do, Now that Jody's gone

父さん、早く来て ジョディが出て行った 
どうしよう ジョディが出て行ってしまった
TVの上に書き置きして なんてことだ
どうしよう ジョディが出て行ってしまった


と始まるのだが、これは「誰が言っているのか」問題があるような気がする。
パパではない家族の一員が言っているのは間違いないが、ママはあとで「朝からキッチンで泣いている」というくだりがあるのでママでもない。

ということはジョディのきょうだい、というセンが一番近いと思う。

私ひで氏はちなみに 弟が言っているような気がする。

これは人によって違うのだろうなと思う。昔トムとジェリーを見るときトム視点かジェリー視点のどちらで観ているかという質問をしてみたところ --- それもかなりの確信をもってほとんどの人が自分と同じジェリー視点で観ていると信じて --- なんと票が割れるどころか、トム視点の人のほうが多くて戦慄した記憶がある。

11年前のエントリ:「トムかジェリー」


これは自分が弟であることが大いに関係していると思うし、
今回のPapa Come Quickの話し手を感じる感覚にも影響しているのだろうと思う。

感じ方は人それぞれ。とにかくジョディはろくでもないチコと出て行ったのだ。

だから父さん、早く。


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ASB Hide's Jukebox:
The Alan Smithy Band ひで氏が26回シリーズでお届けする 「アルファベット順で思いつくままに曲とその想い出を語る」動画&ブログ連動企画。

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舞台裏へと続く道。Overtime Sessions - Track 2: Backstage Pass

2021年02月07日 | ASB活動日誌
新譜「Overtime Sessions」、聴いてくれた人からは今のところとてもポジティブなコメントをいただいている。

ありがたいことです。

ひで氏です。

2曲目に収録されているのは Backstage Passという曲だ。

実はこの曲を書いたのは10年も前になる。
なぜそれがすぐにわかるかというと、この曲は東日本大震災がきっかけで書いた曲だからだ。

このことは今まで言ったことも書いたこともない。
なぜ今まで言わなかったのかというと、自分でもよくわからない。

当時、実際に被災された人々のことを考えると、間近で体験したわけでもない自分がそのことがきっかけで何かを作ったとか、
そんなことを言うのがあまりにおこがましい気がしたのではないだろうか。

震災の影響は今も終わっていない。行方不明の方も、避難生活をされている人もまだたくさんいる。
もう10年かとも思うし、まだ10年かとも思う。
ただ、あの未曽有の大災害がきっかけである曲を書いた、という事実を言えるようになるだけの時間は経ったのかなと思う。



「おじいちゃんがおばけになったわけ」

という絵本をご存じだろうか。
死んだはずのおじいちゃんが毎晩孫のエリックのもとに忘れ物を探しにやってくる。おじいちゃんに会えてうれしいエリックは一緒になって探し物をする。果たしておじいちゃんの忘れ物とは…

という話だが、思い出しただけで涙ぐんでしまう話だ。



我々の世代になると、もう会えなくなってしまった大切な人が必ず存在する。

時折スイッチが入ったように無性に会いたくなるのは、見えないところで何らかの道が通じる瞬間が定期的に来るからだと思っている。
それは普段は見えない、裏のドアが開く瞬間なのかもしれない。
言い換えれば日常の表舞台側からは決して見えない、いわば舞台裏へと続く細く長い道。

月夜の光が足元を照らす時、あなたに会えるような気がする瞬間がある。




Backstage Pass
Words and Music: Hideyuki Kashimoto

I thought you were in the light
in the light of reverence
Maybe I was not as right
as I thought I would be

Stand on the hillside
staring at the stars
wonder if I find the one you look at

I need a backstage pass
the pass to be right beside you
the moon will shine down the path
so I won’t get lost

There must be a reason why
why I feel this endless pain
I hold you a little tight
tight enough to whisper in your ears

Just in case you don’t hear it right
I can say that again
But I realize you’re out of my arms

I need a backstage pass
the pass to be right beside you
The moon will shine down the path
so I won’t get lost

I need a backstage pass
the pass to be right beside you
The moon will shine down the path
so I won’t get lost

God, if only I could be there
I need a backstage pass


僕にとって
君は畏敬の光の中にいた
きっと自分で思うほど
僕は正しくなかったのかも

丘の上に立って
星を見る
君が見ているのと同じのを
見れているだろうかと案じながら

バックステージパスが必要なんだ
君のそばにいるためのパスが
月が 迷わないようにと
夜道を照らしてくれる

永遠に続くような痛みを
感じる理由があるはずだ
君を強く抱きしめる
囁けるほど近くに

聴こえなかったのなら
もう一度言おう
でも 気づいた時には
君は僕の腕から離れていた

バックステージパスが欲しい
あなたのそばにいるためのパスが
月が 迷わないようにと
夜道を照らしてくれる

バックステージパスが欲しい
あなたのそばにいるためのパスが
月が 迷わないようにと
夜道を照らしてくれる

そこに行けさえすれば
バックステージパスが必要なんだ

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Overtime Sessions / The Alan Smithy Band (2021 / 全8曲)

コロナ自粛期間中に遠隔録音された「You've Got a Way」をはじめとする、あのASBの名曲のアコースティック版の数々やアルバム未収録曲をまとめた彼らの「時間外」セッション、Overtime Sessionsが配信リリースされました!

The Alan Smithy Band / Overtime Sessions(全8曲)












人生は選択の連続。Overtime Sessions - Track 1: You've Got a Way

2021年02月03日 | ASB活動日誌
すべてはコロナの自粛期間がきっかけだった。

ひで氏です。

ASBのAnother Roundという曲の中に、自分でも大好きな一節がある。

life is a string of all the choices we're making
(人生とは日々の選択がつながった糸のようなものだ)



風が吹けば桶屋が儲かるという言葉のように、ちょっとしたきっかけがある選択を生み、それがまたトリガーとなって別の何かが動き出す。
コロナで自宅で過ごす時間が増え、まず着手したのがレコーディング環境の改善だった。

自宅録音、いわゆる「宅録」を始めたのは25年ぐらい前だ。その時はカセットの磁気記録するあのテープ部分を8分割し録音することができる夢の機材「8トラ」を使っていろいろ録ったものだ。8トラも15万ぐらいした。

その10年後ぐらいだろうか、ASBを始めて数年、やはり録音の必要性に駆られ、当時8トラを凌駕しつつあったデジタル録音に重い腰を上げて切り替えた。MacBookとProtoolsを導入した。この時も恐ろしくお金がかかった記憶がある。

長らくProtoolsでやりくりしていたのだが、MacBookももはや骨董品のように部屋の隅に眠り、電源が入るかどうかも怪しい状態になった。
そこにこのコロナ禍がきっかけを与えた。よし、現代のレコーディング事情を学び時代に合わせよう。

こういうのは調べ始めると楽しくてしょうがなくなり、あっという間に機器を選定し導入した。昔と違って情報は溢れているし、機器もわかりやすくつまづくことがほとんどない。一番時代の差を感じたのが、かかったコストだ。25年前の10分の1の金額で、当時の何倍もの価値のあるものが買えた。

昔から格好から入るタイプなので、環境が整った途端に何かどうしても録りたくなった。
そして手始めにふとシンプルな、短い曲を書いてみようと思った。そうだ、ビートルズのような。

短くてそれでいてキャッチーな、演ってて構成がわからなくなりそうなリピート要素満載の曲を書こう。

そして作ったのがこのYou’ve Got a Way だったのである。
どうせビートルズへのオマージュなら、ということでいろんな曲の要素やビートルズの曲名を散りばめたのである。

出来上がった曲をセルフ録音してメンバーに聞かせたところ、みんな同じように暇を持て余していたのだろう、自分のパートを勝手に演奏して映像を送ってきた。なぜか全員帽子をかぶっていたので同調圧力により私ひで氏も帽子をかぶった。


話を戻すと、コロナで引きこもっているときに思い立ってしたことがきっかけで曲を書き、アルバムリリースまでつながったということになる。
まさに人生は選択の連続だ。

今回のNew Album「Overtime Sessions」は配信限定だ。配信の唯一の欠点は、ライナーノーツやクレジットが無いというところにある。
だからこんな感じで、ブログで曲紹介や歌詞の公開をしていこうと思う。

ということで1曲目は、「You've Got a Way」! 赤字がビートルズの曲名です!

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You've Got a Way
Words and Music: Hideyuki Kashimoto

You've got a way, you've got a way oh
You really got a way with me
You've got a way, you've got a way oh
You've got a way, got a way, got a way

I never met a girl like you
You really got me so I can't sleep
But if I fell in love with you
And all my friends will say,
"you're gonna lose that girl"

I'm not the guy you're looking for
But I can tell you one thing for sure
I will love you more than yesterday
Well it's nothing new to me 'cause baby it's you

It seems to me you know everything
(That's what I don't know - why?)
But you act like you know nothing
(Hey girl tell me why)
And I love her, that's what I know
And you're mine


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Overtime Sessions / The Alan Smithy Band (2021 / 全8曲)

コロナ自粛期間中に遠隔録音された「You've Got a Way」をはじめとする、あのASBの名曲のアコースティック版の数々やアルバム未収録曲をまとめた彼らの「時間外」セッション、Overtime Sessionsが配信リリースされました!

The Alan Smithy Band / Overtime Sessions(全8曲)









ニューアルバム「Overtime Sessions」リリース!

2021年02月02日 | ASB活動日誌
前作「The original soundtrack of the band called The Alan Smithy Band」からはや7年、
ようやくひとつ新しい作品をリリースできました。

ひで氏です。

ある意味コロナがなければリリースできていない作品。
遠隔でレコーディングした「You've Got a Way」から、アルバムに未収録のままになっていた曲たち、正規アルバム収録曲のアコースティック版の数々。実はそれぞれ個人的にはとても気にいっている作品ばかり。

配信限定でライナーノーツがないので、
個々の曲についてはまた改めて時間をかけてブログでも紹介していくとして、まずはリリースのお知らせです!


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Overtime Sessions / The Alan Smithy Band (2021 / 全8曲)

コロナ自粛期間中に遠隔録音された「You've Got a Way」をはじめとする、あのASBの名曲のアコースティック版の数々やアルバム未収録曲をまとめた彼らの「時間外」セッション、Overtime Sessionsが配信リリースされました!

The Alan Smithy Band / Overtime Sessions(全8曲)
1. You've Got a Way
2. Backstage Pass
3. スノーマン(Acoustic)
4. 青春マギー (Acoustic)
5. Till You Hear Me
6. 海馬で会おう (Acoustic)
7. Out of Control (Acoustic)
8.ガダドゥ (Acoustic)


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音楽版八つ墓村は一生モノの発見だった。Jukebox - O: Ophelia - The Band

2021年01月09日 | ASB活動日誌
ついにザ・バンドに触れてしまった。

ひで氏です。

どこかで触れておかねばならないバンド、ザ・バンド。
前回の響きの面でいうと日本語表記でもとても座りのいい字面と響きだ。The Bandでもザ・バンドでも心地よい。

前回のブログ:「声に出して呼びたくなる3段名の秘密。Jukebox - N: No Surrender - Bruce Springsteen

60年代後半に登場して数々の名作を発表したこのバンドを私ひで氏が本格的に聞いてみたのは、
大学の時のクラブで出会った一曲だった。先輩のデュオが演奏していた「Ophelia」という曲だ。


なんとなくいい曲だなと思ってどこかでアルバムを手に取って聞いてみたが、まるでピンと来なかった。
一瞬聴いてはやめ、またどこかでThe Band がどうの…という記事や話を聞いたりするたびに何度かチャレンジしたが、ダメだった。

変化が起きたのはずっとあと、それから5,6年経ったころだ。
ラジオで流れたOpheliaに反応した。あ、知ってるこの曲。あの時試しに買ったアルバム「Northern Lights」に入っていたヤツだ。
そして家に帰って今一度聞いてみるとどうだ。


ズブズブと体に入り込んでくる感覚。すべての曲がずっと昔から知っている、聞きこんできたような感覚。
適当だと思っていたコーラスは緻密に計算されたように思えるし、なんかガチャガチャしてるなと思っていたアンサンブルは異常なまでの広がりを感じる。Levon HelmやRichard Manuelの歌声になんとも言えない感動的な響きがある。

これが「わかるようになる」ということかと思った。

いわば、八ッ墓村を幼いころ見たときにとにかく陰惨で恐ろしい呪いの映画だと思っていたのが、大人になって見返すと実は遺産相続の愛憎劇メインの良質サスペンス映画だったとわかるような感じだ。


その時はあまり認めたくなかったが、平たく言えば最初に聞いたときの自分にはThe Bandを理解する素養がなかったということだ。

ではそんな敷居の高い、高尚な音楽なのかと言われるとそういうことでは全くないのがまたThe Bandのすごいところで、一旦入ってくるともう逃れられないシンプルな魅力がある。そして何よりその存在そのものやバンドにまつわるドラマがこのバンドに深みを与えている。

わからん、からスタートして、時間をかけてその良さが染み込んできて、そのフェーズからは聞くたびに発見があって一生聴いていられる。
その意味でこのバンドとの出会いは大きい。瞬間的にものすごく聞きまくってはそのうち聞かなくなってしまう「沸点は高いが冷めやすい」音楽とは真逆の足の長いタイプの音楽である。

メンバー間の確執、解散、再結成、メンバーの死など、とにかく波乱万丈のこのバンドを知れば知るほどそのパワーに引き込まれて、どんどん聞き漁った。

ちなみにMで紹介したCounting CrowsがThe Bandのリチャードマニュエルが死んだときのことに触れた曲があるがこれは超名曲だ。


The Bandを一通り聴いた今自分の中のベスト曲がOpheliaかと言われるとそういうことではないけれど、やはりいろんな意味で自分とこの偉大なバンドをつなげてくれたOpheliaという曲に感謝を込めつつ紹介したい。ということで本家はこちら!


ASB Hide's Jukeboxでは演奏込みで紹介しています!


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ASB Hide's Jukebox:
The Alan Smithy Band ひで氏が26回シリーズでお届けする 「アルファベット順で思いつくままに曲とその想い出を語る」動画&ブログ連動企画。

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声に出して呼びたくなる3段名の秘密。Jukebox - N: No Surrender - Bruce Springsteen

2021年01月03日 | ASB活動日誌
新年あけましておめでとうございます。
今年もThe Alan Smithy Bandをよろしくお願いします!

ひで氏です。

新年最初のASBの活動として、まずはJukeboxシリーズをアップします!
アルファベットもNとなりました。動画のほうで最終候補として残った曲として、Starshipの「Nothing's Gonna Stop Us Now」という曲を紹介しているけど、この曲のメロディはすごく完成されていると思う。バンドとしてはいろいろと商業主義に走っただのいろいろ言われた時期のようだが、私ひで氏は当時中学生の時この曲にガツンとやられた一人なので、そんなわだかまりは一切ない。映画「マネキン」の主題歌だったなぁ、たしか。


さて、Nとして今回紹介するのはあのBruce Springsteenから。

マクドナルドの発祥を描いた「Founder」という映画で、最終的になぜマクドナルドがこんなにも全世界で受け入れられるのかという疑問に対して主人公が「今更何を言っているのだ」というような調子で答えるシーンがあった(ややネタバレなので気になる人は数行読み飛ばしを)。

「それはマクドナルドという名前だ」と。

その響きそのものがブランドであり、色々なものを想起させる名前。
散々マック創立の凄さやそのストイックな過程を見せつけた後での「え?そこ?」というこのセリフは本当に眼から鱗だった。

Bruce Springsteen.

ブルース・スプリングスティーン。


何度も声に出して呼びたくなる快感がそこにある。この名前だけで全てチャラにしてしまう、アメリカの土。風。空気。空。疾走感。サウンド。ありとあらゆる物を一人で背負う、偉大なアーティスト。彼がThe Boss と呼ばれる所以だと思う。ブルース・スプリング・スティーンというこの3段階の名前がポイントなのだ。フルネームを音読するだけでそこに物語が見える。

そんなスプリングスティーンのあの名盤「Born in the USA」からの1曲。
時代を作ったアルバムであり、ジャケットである。私ひで氏がこのアルバムを聴いたのは88年ごろ。リリースが84年だから、ほぼリアルタイムで聴いたと言っていいと思う。このあたりの話は動画で詳しくやってるので、ぜひご覧ください。


なんといっても感動するのは、彼が50年もの間ひたすら音楽を発信し続けていることであり、つい昨年も最新作「Letter To You」をリリースしていることだ。そしてその楽曲にも声にも衰えを感じるどころかむしろ全盛期を彷彿とさせる響きすらあり、涙がでそうになる。


動画でも触れたが、私が「棺桶に入れてほしいアルバム」のうちの1枚である「Born To Run」はこのBruce Springsteenの1975年の作品だ。
以前、ASBがレコーディングをお願いしているスタジオで「もしこのスタジオで、爆音で何か一枚CDを最初から最後まで聞けるとすればなんの作品か」という話をしたとき、私が選んだアルバムがこの一枚である。


7曲30分のこのアルバムを聴くと、研ぎ澄まされた全く無駄も妥協もない音楽というものを思い知らされる。
ジャケットアートワークも完璧、もう非の打ち所なし。

万が一Bruce Springsteenを通ってないんだよなー、なんて人がいたら必ず聴いてほしい1枚である。お正月休みにぜひ!

それでは今年もよろしくお願いします!

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ASB Hide's Jukebox - M: Mr. Jones - Counting Crows

2020年12月08日 | ASB活動日誌
東西ライブを終えてゆっくりとレポートを書きたいところを一瞬押さえて、Jukeboxを上げたいと思う。

ひで氏です。

Mはもっと迷うかと思っていたが、結構直感的に選ぶことができた。
Counting Crows(以下CC)のMr. Jonesである。


この曲はアメリカでは当時相当売れたようで、CCも自分たちで予想してなかったほどの勢いだったらしい。この曲はかなりのインパクトがあった曲だが、この時のアルバムを見渡してみるとそれはまぁ素晴らしい名曲揃い。OmahaやRain Kingなど、今でも私ひで氏の中では定期的に聴きたくなる定番チューンである。

このMr. Jonesを擁するAugust and Everything Afterというアルバムの成功により精神を病んでしまい長い入院生活に入ったのだから、VocalのAdam Duritzはその声からしても相当な繊細な感覚の持ち主なのだろう。実際、その後リリースした2ndアルバム「Recovering Satellites」は一転、内容は入院生活のことを題材にしたコンセプトアルバムのような形になっていて、彼の長い長い閉鎖的な冬を歌った「Long December」などは心に染みる名曲だ。


私ひで氏は、Mr. JonesでCCを知ってから、その数年後にアメリカに渡るわけだが、ちょっとした思い出がある。

それはアメリカの語学学校に通いはじめた最初の頃。ある程度友達もできて、それでも現地での生活に順応しようと必死だった頃だ。ある夜語学学校の先生がちょっとしたパーティを企画した。

時期的にはだいぶ慣れてきてグループができはじめた頃だったので、先生側としてはおそらくもっと全体に仲良くなってもらおうという工夫だったのだろう。そこに、テレビにマイクが付いている日本ではあまり見かけないタイプのカラオケのマシンがあった。

たしかこんな感じのやつ。


そんなに人数がいたわけではなかったので、先生が順番に一人一人何かを歌っていくことを提案した。楽しい雰囲気だったし、みんなちょっと恥ずかしそうにしながらもお国の歌や流行りの歌などを歌いはじめた。そして自分の順番が回ってきた時 —-

私は当時大好きだったこのMr. Jonesを歌ったのだ。

歌い慣れていたというのもあってか、歌いだすとえらい騒ぎになった。結構普段静かにしていたので、ギャップに驚いたのだろう。始まった途端、別の部屋に他の人をわざわざ呼びに行く人までいた。大学時代クラブでずっとバンドで歌ってきたが、海外でも自分の歌に喜んでくれる人がいるのか、ほんとに歌は国境を越えるなと思った瞬間でもあった。

そんな思い出深い曲、今聴いても素晴らしい名曲である。CCの曲の多くは「あくまでフツーの人の視点」で描かれている。この曲もそうだが、後半は特に展開がドラマチックで感動を誘う。是非一度全編を聴いて見て欲しいとおもうので、こちらもどうぞ!


ASB Hide’s Jukebox- M


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