ルーフキャリアというものをご存じだろうか。
ひで氏です。
要は車の上に付けていろんなものを運ぶことができるもので、注意してみると結構付けている車を見かける。
実は私ひで氏、このルーフキャリアというものをひとから譲り受けていたものの、一度として取り付けずにガレージの隅っこに放置していたのだ。
ある時、日本を後にするドイツ人の知り合いの方から声を掛けられてもう使わないルーフキャリアいらんかいなと言われ、とりあえず神戸まで車で取りに行った。なんとか車にねじ込み持って帰ってから自分の車にそのまま付けられるのか調べてみると、土台となる部品は買い換えないといけないこと、そしてある致命的なことに気がついた。仮に部品を揃えて付けたとして、
車庫に入らないのである。
思った以上に高さが出てしまうのだ。
この事実にすっかり意気消沈してしまった私ひで氏は、急激にやる気を失いとりあえずこの大きなルーフキャリアを端に立てかけた。
ま、そのうちにね。
そう思っているうちに月日が過ぎていった。
ああ、部品買わないとなぁ。
そう思っているうちに1年、また1年と過ぎていった。
いかん。これではただのジャマな箱ではないか。
そう思った私ひで氏はモトヒロ氏に真剣に相談した。
「オークションとかで売れへんかな、こういうの?オレ、オークション全く使わんから、やり方わからんねん。」
モトヒロ氏:「いつでも言うてやー、代わりに出品するで!」
そんなモトヒロ氏のカインドオファーすらもスルーしているうちにまた月日が過ぎ、
そのうちに車が変わった。
車も変わったし、また部品も違うものになるんだろう。調べるのめんどくさいな…
しかもつけても車庫に入らないのは変わらないしな…
そうこうしているうちに、
なんと10年の月日が流れたのだ。
人間というは突如やる気になる時がある。
それは「明日キャンプに行く」というそれだけのことだった。
突如一念発起した私は猛烈な勢いと熱意で今の車に合う部品を調べ始めた。
そして近所のカー用品店に行って結構な額を払ってまで部品を買い揃えたのだ。最後は1万5千円ぐらいの出費になった。
勢いのついた自分を止めることはもうできなかった。
もはや意地になっていた私はなんとしてでも明日の出発までに間に合わせるべくルーフキャリアを取り付けることに成功した。
結果。
かさばって仕方なく、いつも座席をひとつつぶさなければ入らなかった荷物が面白いようにルーフキャリアの中に収まってゆく。
折りたたみのベンチやテント、タープ、テーブルなど今までテトリスの如く頭を悩ませながら四苦八苦して押し込んでいたものたちが吸い込まれていく。
…おれは10年もの間何をしていたのだ…!
しかし怒りよりもその効果に感動した私ひで氏は多少の出費にも大満足したのである。
キャンプから帰ってきて、とりあえずキャリアを外した私はこれまで置いていた定位置にキャリアを戻したわけだが、
設置部分にはプチプチを敷き、そっと乗せて立てかけたその上からホコリがかぶらないようにシートをかぶせた。「ご苦労様」とトントンまでした。
ものすごい待遇の変わりようである。
ただ、ひとつ恐れていることがある。
この話の結末はこのハッピーな部分ではないのではないかと。
読者の皆さんはご存知の通り、私は病的に物事を忘れやすい。
ご機嫌で遠出の外出先から帰ってきたそのままの勢いで入庫、
車庫の上部でルーフキャリアをけたたましい爆音とともにこそぎ落とし、近所の人が何事かと飛び出してくる…
やるならそこまで派手にやってみたいものだ。
何はともあれ、10年目にしてついに日の目を見たルーフキャリアを心から祝福したい。
彼は生き延びたのだ。サバイバーだ。
話しのついでに最後に「Eye of the Tiger」の一発屋と思われているが実は珠玉のメロディメーカーである素晴らしいバンド「サバイバー」を紹介しておこう。ご興味あらば。
ひで氏です。
要は車の上に付けていろんなものを運ぶことができるもので、注意してみると結構付けている車を見かける。
実は私ひで氏、このルーフキャリアというものをひとから譲り受けていたものの、一度として取り付けずにガレージの隅っこに放置していたのだ。
ある時、日本を後にするドイツ人の知り合いの方から声を掛けられてもう使わないルーフキャリアいらんかいなと言われ、とりあえず神戸まで車で取りに行った。なんとか車にねじ込み持って帰ってから自分の車にそのまま付けられるのか調べてみると、土台となる部品は買い換えないといけないこと、そしてある致命的なことに気がついた。仮に部品を揃えて付けたとして、
車庫に入らないのである。
思った以上に高さが出てしまうのだ。
この事実にすっかり意気消沈してしまった私ひで氏は、急激にやる気を失いとりあえずこの大きなルーフキャリアを端に立てかけた。
ま、そのうちにね。
そう思っているうちに月日が過ぎていった。
ああ、部品買わないとなぁ。
そう思っているうちに1年、また1年と過ぎていった。
いかん。これではただのジャマな箱ではないか。
そう思った私ひで氏はモトヒロ氏に真剣に相談した。
「オークションとかで売れへんかな、こういうの?オレ、オークション全く使わんから、やり方わからんねん。」
モトヒロ氏:「いつでも言うてやー、代わりに出品するで!」
そんなモトヒロ氏のカインドオファーすらもスルーしているうちにまた月日が過ぎ、
そのうちに車が変わった。
車も変わったし、また部品も違うものになるんだろう。調べるのめんどくさいな…
しかもつけても車庫に入らないのは変わらないしな…
そうこうしているうちに、
なんと10年の月日が流れたのだ。
人間というは突如やる気になる時がある。
それは「明日キャンプに行く」というそれだけのことだった。
突如一念発起した私は猛烈な勢いと熱意で今の車に合う部品を調べ始めた。
そして近所のカー用品店に行って結構な額を払ってまで部品を買い揃えたのだ。最後は1万5千円ぐらいの出費になった。
勢いのついた自分を止めることはもうできなかった。
もはや意地になっていた私はなんとしてでも明日の出発までに間に合わせるべくルーフキャリアを取り付けることに成功した。
結果。
かさばって仕方なく、いつも座席をひとつつぶさなければ入らなかった荷物が面白いようにルーフキャリアの中に収まってゆく。
折りたたみのベンチやテント、タープ、テーブルなど今までテトリスの如く頭を悩ませながら四苦八苦して押し込んでいたものたちが吸い込まれていく。
…おれは10年もの間何をしていたのだ…!
しかし怒りよりもその効果に感動した私ひで氏は多少の出費にも大満足したのである。
キャンプから帰ってきて、とりあえずキャリアを外した私はこれまで置いていた定位置にキャリアを戻したわけだが、
設置部分にはプチプチを敷き、そっと乗せて立てかけたその上からホコリがかぶらないようにシートをかぶせた。「ご苦労様」とトントンまでした。
ものすごい待遇の変わりようである。
ただ、ひとつ恐れていることがある。
この話の結末はこのハッピーな部分ではないのではないかと。
読者の皆さんはご存知の通り、私は病的に物事を忘れやすい。
ご機嫌で遠出の外出先から帰ってきたそのままの勢いで入庫、
車庫の上部でルーフキャリアをけたたましい爆音とともにこそぎ落とし、近所の人が何事かと飛び出してくる…
やるならそこまで派手にやってみたいものだ。
何はともあれ、10年目にしてついに日の目を見たルーフキャリアを心から祝福したい。
彼は生き延びたのだ。サバイバーだ。
話しのついでに最後に「Eye of the Tiger」の一発屋と思われているが実は珠玉のメロディメーカーである素晴らしいバンド「サバイバー」を紹介しておこう。ご興味あらば。
でもコソギ落とした写真も期待してしまいます(笑)
いや、使ってみて本当にめちゃめちゃ便利だなと思いました。そのネタ欲しさにこそぎ落とすか…笑