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鶴見区補選と都構想の欺瞞を徹底解説

2018-08-04 19:43:07 | 政治(地方)
明日、8月5日に維新の今井アツシ市議の突如の辞任に伴う鶴見区の大阪市議補欠選挙が行われる。
維新はいまだに辞任理由を一切言及しておらず、統一地方選挙まで1年も無いなかでのこの補欠選挙、それにより税金も多額使われるわけで、無責任だと思う。
なんらかの説明が要るのではないか。

しかも維新は今回の補欠選挙に候補者を出さず敵前逃亡。
自民の福島しんじ候補と、共産の北原洋子候補という、共に反維新、反都構想では一致している両者の対決となっており、本来ならば大阪市政最大の懸案である都構想が争点になりずらいのが残念。
むしろ法定協議会の議論のさなか、都構想が争点になり、都構想の問題点を明らかにされることを嫌ったとも思える。



今回の選挙は、私は自民の福島しんじ候補を応援する立場でいる。
その理由はいろいろあるのだが、やはり大阪最大の懸案は「都構想」であり、今後の反都構想の動きにおいて、福島しんじ候補はキーマンであろうと思えることが第一にある。



福島候補は過去に3期も大阪市議を務めた実績もある手慣れたベテランである。そう、元維新で、前回の協定書に「これはおかしい!」とNOを突きつけ離党した人物なのだ。
都構想の問題点を最も切実に語れうる人物だ。
しかも維新の一山いくらの議員ではなく、市議団政調会長を務めていた幹部の離党であり、当時報道でも注目された。



その後は無所属議員として、地元の天王寺区で活動していたが、維新に刺客を送られ落選していた。
その後、縁あって自民党国会議員秘書などを経て、今回自民党から出馬となった。



鶴見区は8年も自民議員が市会、府会、国会議員に至るまで居ないという自民空白区。なんとかそんな鶴見を救うべく、自民党鶴見支部の応援を受け鶴見から今回出馬となった。
天王寺には自民の足高議員が居るので、そちらは仲間となった氏に任せ、空白区を自民で奪還のために出馬という構図であろう。





維新筋には「福島は裏切者だ!」という声はあるだろう。
しかし、協定書に賛成して離党ならともかく、前回の協定書が「目指してたものと全然違うことになってる!」と違和感持ち、協定書に一切同意せず離党しているので筋は通ってると思う。


みなさん橋下や維新がずっと同じ思想で居ると思ってませんか?さんざん思想変遷、要は変節してきているのですよ?
あなたが期待した維新はいつのまにか別物になってるのかもしれません。



この変節は都構想理解に重要なのでこの機会にはっきり述べておきたい。




●最初期 橋下知事の府を解体し権限財源を徹底的に府下基礎自治体に委譲方針


元々橋下知事は基礎自治体優先論者だった。


地元のみなさんが権限を持ち自治をしていくことが大阪の底上げになるとの考え方で、府は解体という思想。

橋下徹知事が当時作った「大阪維新プログラム」はこの思想に溢れている。

当時の橋下の考えを新聞社の記事や議事録から紹介しよう



橋下発言を伝える新聞記事
大阪府庁を発展的に解消する。府の権限と人とお金をできる限り市町村におろす

大阪府 大阪維新プログラムの記述
「大阪府の発展的解消が将来目標です」「市町村優先の徹底」「大阪府の関与は最小限に限定します」

橋下の当時の議会発言 平成20年7月臨時会総務常任委員会-07月18日

「知事(橋下徹君) 基礎自治体が一番重要であるという僕は根本の認識があります。
今までは国があって、それで都道府県、市町村という流れだったんでしょうけども、やはりまずは基礎自治体。
ですから、先ほど府庁の発展的解消というのは、機能というふうに言いましたけど、
もちろんこれは権限とお金というものをどんどん移していきながら、もちろんそこで府庁の職員をすぐ市町村に所属させるとかそういうのは
いろいろ法制度上の問題あるかもわかりませんので、ちょっとそこはまだ僕わかっていないので、
ただ市町村にそれは所属というよりも、何かその仕事をさせるのか、派遣になるのか、いろいろそういう意味では基礎自治体にとにかく権限とお金と人も行くように、
そして基礎自治体を充実させるということは根本の僕の思想なんです。
ただ、地方分権という中で、例えばどれぐらいの自治体が必要なのか、またどこまでのサービスを求めるのか、
これもまた住民が決めていくのが僕はあるべき地方分権の姿なのかなというふうに思ってます。
 税財源も移り、仮に理想的に課税権も立法権も何かそういうものが全部移ってくれば、
その中で一体住民はどこまでの行政というものをつくり上げていくのかということも考えながら、その地域の実情に応じた行政体というものをつくっていくのが分権の姿であって、
それが一番効率的な、また住民にとって最適な行政体になるんではないのかなというような思いがありますので、
ちょっと小さい、大きいという--国は小さくというのは、これはもちろんのことなんですけど、
基礎自治体の規模についても、住民で決定していくのがあるべき姿なのかなというふうに思ってます。」












今の都構想は、基礎自治体は、財政的にも権限的にも極めて弱い「特別区」となり、府が逆に権限も財源も移譲され肥え太る中央集権を進める内容になっており
本来の橋下思想とは真逆になっていることはあまり知られていず、橋下はずっと同じ主張を言ってると思って支持してるかたも多いのでは?
この後、松井一郎*府*議らと維新を結党することになるのであるが、この変節の原因については、やはり維新という政党が「府議の党」であることが影響しているのではないか。

維新に嫌気をさし離党した元大阪市議の村上満由が新潮45でそのハラスメント体質を告発したことがあるが、その記事中に「府議の党」の話が出てくる。


【独占告白】維新の会はマタハラ政党だった 離党した橋下ガールズが「大阪都構想」の大嘘を暴露@デイリー新潮
https://www.dailyshincho.jp/article/2015/04171630/?all=1

http://mmtdayon.blog.fc2.com/blog-entry-498.html


、維新は組織の体を成していません。維新では「府会議員も市会議員も優劣が無い」と言うのですが、市議は“2軍”と呼ばれていました。府議が1軍、堺市議が3軍です。府議団には「維新はここから始まった」という自負がある。

そうなのです、維新は結党時点はほぼ全員松井一郎を中心とする自民府議団筋で結党されているのです。
この構図が維新結党後、橋下思想が真逆に変節した原因でありましょう。
地元自治の思想から、いつのまにか府に中央集権橋下の考えは変質してしまったのです


●分市案

都構想の初期は、それでもまだ特別区でなく通常の市権限を持つ「分市案」が候補にあがっていました。
これなら基礎自治体は通常の権限を持ちますから、まだ元の橋下徹の基礎自治体徹底優先思想まだ続いてるのかな?と解釈して支持を続けることもできたでしょう。
当時の府議会だよりにも分市案と特別区案があったことが書かれていました
(府議会だよりのバックナンバー見ようと思ったら、古いのを大阪府はWebから隠してますね。http://www.pref.osaka.lg.jp/gikai_giji/dayori/index.html)

●特別区案・初期(特別区という枠を使うものの、財政調整のためだけに用いる発想)
大阪市分割において問題となるのがそれぞれの地域の税収格差です。そのために財政調整制度を、東京特別区制度から借用しようという根拠で特別区を用いる話になる。
しかし特別区は権限・税源において非常にプアな制度であり、これででは本来の橋下思想とは矛盾します。ある意味「村以下」の自治権限の制度です。
この矛盾の説明として、あくまで財政調整のみの目的に特別区なのであり、中身は従来の言ってきたようなものにするということを橋下は議会で言っている。

以下は橋下発言

「要は、なぜ中核市ということにそのまま言えないのかというと、大阪市特有の、大都市特有の各区の税収の財政調整機能をつくらなきゃいけない。
これをやるためには、単純な中核市として分市をしてしまうと--
今の地方交付税制度というのは、皆さん御存じのとおり、税収がどんと飛び上がったところをとる制度ではありません。収支差を埋めるのが交付税制度ですから、税収が上がったものは調整できないんです。
 そんなことやったら、北区と中央区、北区なんていうのは一千億円、税収、余剰が生まれてるんですよ。だから、都制度という一つの財政調整制度を使うために単純な中核市の分市ということができないんです。
ただ、財政調整制度を挟むことができるんであれば、別に中核市ということでやっても構いません。だから、その財政調整制度をしっかりつくらなきゃいけないというところが、単純な中核市の分市とは違うところです。」


「委員御指摘のとおり、道州制になったときに、じゃ大阪都というものをなくしたら、そのまま特別区のままだと不完全な自治体じゃないかというとこは、そこはおっしゃるとおりで、だからこそ僕らは現行の東京特区制度はとらないと。
要は、中核市並みの権限と財源は絶対に渡しますよということを明確に打ち出した大阪都構想なんですね。ですから、東京特区制度とは全然違います。もし仮に大阪都がなくなっても、少なくとも中核市並みの権限と財源を持った特別区になりますので、そこは何ら問題ない。」


要は、特別区と言う名前なだけで、実質的には分市となるということを言ってるのだ。
この時点では「う~ん」と思いつつも、当初の橋下の地域自治を最重要視を信じ続けることもできるかもしれない。



●現在の本質的なところは東京特別区まんまでしかない、プアな特別区案

前回の法定協で結局出てきた案は橋下本来の「府を解体してできるかぎり府下市町村に移譲」とは真逆の、府へ中央集権し、大阪市民だけが特別区という極端に自治権限弱い基礎自治体しか持たないという真逆のものとなっていた。




法定協の議論過程では、「一般市型」(特別区といいくう名だけで中身は市そのもの)と、「東京型」が併記されたり
税源も「大阪独自で法改正もして特別区の税源を増やして、自主財源のプアさをカバー」案と、「東京の税源まま」案が併記されたりした。
しかしどれもこれも東京ほぼまんまになっている
東京は東京の莫大な税収があり、その前提で特別区税源項目は法律で決まってるのであり、これをこのまま大阪市に当てはめたら、極めて税源脆弱な基礎自治体になってしまう。

権限も、都市計画に関する権限は東京制度とは違い大阪の特別区には付ける話もあったのだが、蓋をあければ「省庁意見で法改正せねば無理」となり撤回、満足な都市計画権限すらない
維新jは盛んにずっと「中核市並」と言いますが、嘘です。東京特別区を大筋踏襲した制度になっており、分市とは似ても似つかないプアな基礎自治体を、大阪市域民だけが強いられる不平等な制度案に。
そもそもこのように権限財源が話コロコロ変わってるのにずっと「これは中核市並だ」と維新は言い続けてるわけで、その時点でこの喧伝がペテンであることjは露呈している。




…と、説明が長くなった。
このように橋下、そして維新の言っていることは変節を繰り返してきているのだ。


そら心ある人は維新離党しますよ。

これが「地域自治の話なのだ、各地域で我が町作ろう!」と支持していた人には、府に都市計画権限遠のく話は劣化でしかないのです。
福島しんじ候補と話したが、氏は「都構想」とは言いたくないらしい。これはもう都構想でもなんでもなく、ただの大阪市廃止構想でしかないとのこと。

彼は地域自治を重んじる考え方のようで、そら維新が府議に媚びて作った協定書にNO突きつけますわな。




鶴見区でも都構想で地域自治をしよう!おらが街を作ろう!と支持してる人も多いと思う。逆なんだよ、今の維新の変節した構想は、市→府に自治権限奪われる逆行する道なんです。


大阪市は確かに従来は全国政令市の中でも中央集権の強い自治体でした。
私は阿倍野区民なので阿倍野再開発の中央のお役人が地域事情無視して杜撰な計画やるのを苦々しくみていた。
なので当初の橋下の思想は全面賛成でした。大阪は堺だの平野郷だのと自治都市がいくつもある伝統の都市で、中央集権より自治都市群のほうが向いています。
しかし今の維新案は、市本庁→府庁と、さらに遠のき、逆に中央集権で悪化する仕組み。


現在は、国で総合区という政令市内の都市内分権の制度ができ、横浜市や新潟市など政令市内で区への分権を強力に推し進める事例があります。
莫大な無駄コストをかけ、都構想をやる必要は皆無で、大阪市はそのままで市内分権を抜本的にやっていく道があるのです。状況は既に変わっており、都構想は不要。




総合区ですけどね、これは具体的な細かな制度設計は各都市でできます。
特別区は東京向けに法整備され税源ひとつでも変えれなかったのに比べ、実は自由度がある。
今の大阪市が出してる総合区案を総合区の真価と思ってはいけません。
吉村市長は「総合区はカモフラージュでやってる」と身内の場で語っていますが、わざとショボい劣化特別区のような制度設計にしてます。
この欺瞞に気付くべきです。


総合区制度は合区なんて本来必然となっていず、合区は議論あってもいいけど本来総合区と別の話。
自民党は合区せずの24区そのまま自治権あげていく総合区の道を提案しています。

また、特別区なら区長選べて、総合区は選べないもデマ。

総合区制度は、国での法制化段階から区長の準公選がオプションで想定されている。選挙で選び、市長が承認するという実質的な公選制度です。

これを維新市政は隠している。
また総合区では、各区選出の議員らからなる各総合区の常任委員会が市議会に設置される。
これにより、公選区長+地域議会というミニ自治体のような制度があるのです。

首長+議会というのはなにも特別区の専売特許ではないことを隠している。

ここまでできうる総合区制度が今やあるのであり、無駄なコストをかけて大阪市解体し、府へ不平等に権限財源を奪われる都構想は地域にメリットたりえない。

特別区では固定資産税の徴収権も、都市計画の用途地域の権限も失われます。
しかし、徴税権は地元商店街の振興で、減免施策などでも欲しい権限でしょう。用途地域も当然。地域自治に本来欲しい権限です。
地域自治にまったくもってマイナスなのが都構想、特別区案なのです。
単にこれは「府議の党」たる維新のエゴです。真に市民のためにはなりません。





前回の協定書ちゃんと読みました?
鶴見緑地は大阪市営ですから市民の税金で作り、整備してきた市民資産です。
しかし、なんの対価も払わず、「広域的」として府へ委譲される内容
になっていました。
ただでさえ財政の厳しくなる特別区なのですから、せめて府は相応の対価を特別区に払い買い上げるべきではないのか。おかしな話です。


前回の協定書では、天王寺公園+動物園や長居公園+競技場など、収益物件はことごとく「広域的」なるマジックワードで府が総取りでした。
一方でおかしなことに、例えば巨額の阿倍野再開発負債は、特別区・南区に押し付ける内容になっていました。
特別区が阿倍野再開発なんかできる余裕無い制度なんだから、負の試算も「広域的」として府がひきとらんかい!…と。

このような不平等条約が前回の特別区設置協定書です。
分かりやすく言えば、「鶴見緑地を松井一郎に奪われるねんぞ!」ということである。





このような都構想の問題点をもっと市民に知らしめる必要があります。
そのためには、元維新でこの問題にいち早く気付き反対に転じた、福島しんじ候補を市会に送ることは絶対にメリットです。


また、今回公明党は自主投票で自民単独ですが、負けるようなことがあれば、公明はまた維新に擦り寄りかねません。
共産の候補はぶっちゃけ、統一地方選まで1年切ってますし、今回は顔見世で認知広めたらいいでしょうけど、自民候補が負けるとなると大阪の政界の今後の動きに重大な影響がありえます。なので今回は福島候補一択であろうと思います。

維新の支持者のかたも、徳村聡を「お詫び行脚して半年で戻ればいい」と松井一郎が言って党員資格ポーズだけですぐ復帰と、鶴見区民ナメられてるのですよ?
いいかげん目を覚ましてください。維新はあなたのかつて応援していたものではないのです。