Harvard Square Journal ~ ボストンの大学街で考えるあれこれ

メディア、ジャーナリズム、コミュニケーション、学び、イノベーション、米国社会のラフドラフト。

デジタルジャーナリズムフォーラムでのトーク

2016-03-13 | 掲載情報
2016年3月11-12日に都内で行われた、デジタルジャーナリズムフォーラム2016に登壇するため帰国しました。



3月11日の冒頭のオープニングキーノートでは、グーグルニュースのヘッドをつとめるリチャードギングラス氏の聞き手として、「最新テクノロジーはメディアにどのように貢献できるか~テクノロジーとプラットフォームはジャーナリズムに何をもたらすか」をテーマにお話いたしました。



また、同日の単独セッションでは、「デジタルとジャーナリズム、その最新動向とこれからを考える」というテーマで、スマートニュース執行役員の藤村厚夫さんがモデレーターをしてくださり、会場からの質問を受けさせていただきました。

グーグルのギングラス氏は、3年ぶりの再会。私にとっては「グーグルの方」というよりは、黎明期からインターネットと実務的に関わりつつ、言論や表現の自由の大切さという大局的、公共的視点をお持ちの方だと捉えているので、そうした視点からお話していただけるように心がけました。即効性のある実践的な話ではありませんが、テクノロジーが次々と変わる今だからこそ、日々の細かな動向にとらわれず、大きな視点を持つことが大事だと感じています。

初日夜のレセプションでは、レガシーからネットメディアの方まで、たくさんの方々とお話できて、楽しかったです。やはり非公式の場だからこそ、聞けるお話には価値があります。普段、年に数回帰国し、講演会や個別にメディア関係の方にお会いすることはあっても、ここまで多くの方々に一度にお会いすることはないので、様々な立場からのお話をお伺いすることで、立体的に見えてくることも多かったです。

翌日のセッションは、日本のデジタルネイティブ・メディアを中心とした、若い世代によるものが多く、こちらも予想以上に充実した内容でした。レガシーメディアの最大の課題が、いかにデジタルにマインドセットをシフトさせ、カルチャーを変えていけるのか、だとすると、ネットメディアは逆に、いかにジャーナリズム、公共的意識を醸成し、スキルを身につけ、実践していけるのかが課題ではないかと思いました。

フォーラムや夜の打ち上げでは、多くの若い世代とお話できて、有能で意欲ある方々がたくさんいることに希望が持てたと同時に、どうすれば、こうした「才能」がより開花するような支援ができるのか、その環境整備の大切さも感じました。米国では、今回、共催のオンラインニュースアソシエーションをはじめ、ジャーナリストを育てる環境が多様にあり、それが業績不振ながらも、新しいジャーナリズムを生み出し、活性化させる活力になっているので、そうした環境を日本でも徐々に整備していく必要があり、今回のフォーラムもその良き一歩になったのではないかと思います。 

フォーラムについては、いろいろと記事が出ていますが、メインのものをリンクします。

「デジタルジャーナリズムを議論 組織や担当の違いをこえて」(朝日新聞)
「激変するメディア環境「ゲームのルールは何か」(ハフィントンポスト)
「全国紙がローカルメディアに敗れた理由 イノベーション=技術革新という「誤解」(Yahoo Japan! 個人)
*ジャーナリズムイノベーションアワードは、とてもよくデザインされた賞で、大手新聞から個人まで、表現そのものを考えさせる良い機会を提供してくれ、フォーラムに深みを与えてくれたと思います。

オンラインニュースアソシエーション東京の立ち上げミーティングにも参加しました。

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とんぼ返りで慌ただしい東京出張でしたが、桜が美しいホテルの庭を朝2回散歩できたのが、唯一の癒し。
充実した二日間となり、また、考えさせられることもたくさんで、ボストンに戻ってからも頭がクルクルしたままでした。

大変お世話になった関係者の皆様はじめ、多くの方々にお目にかかれて、楽しく、実りある旅となり、心から感謝しています!


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