Harvard Square Journal ~ ボストンの大学街で考えるあれこれ

メディア、ジャーナリズム、コミュニケーション、学び、イノベーション、米国社会のラフドラフト。

朝日新聞「AI記者発進」(2018.9.1)にコメントを寄せました

2018-09-01 | 掲載情報
気がつけば2年半ぶり!のポストとなりました。
この数年取り組んでいる本の執筆に集中するために、ソーシャルメディア等での発信を控え、また仕事も入れていませんでした。
しかし、今回は、執筆中の本の内容に関わるトピックなので、お引き受けすることに。

日常生活で、市民が意識するしないにかかわらず、多くの局面でAI(人工知能)が使われ始めていますが、ジャーナリズムでもしかりです。記事では色々と話したいことはあったものの、30分ほどのインタビューが数行になってしまっているので、まさにエッセンスのみになってしまいましたが、大切なことは、AIはツールであり、それをいかに使いこなして、ジャーナリズムの可能性を拡張し強化していくのかに尽きるかと思います。そのためには、その特性を深く理解し、どんなトピックにどのような形で導入していくのかを理解できる専門性を持つ人材の存在、そして、それを実行できる環境整備が大事かと思います。この辺りは、本では色々と詳しく書いていくつもりです。

私のコメントは「進む米、調査報道も」という部分です。
2018年9月1日
(Media Times)AI記者、発進 野球や決算記事、各社活用探る

ここから近況報告です。今回の本の執筆はかなり難航しています。メディアテクノロジーが急激に変化しているので、新しいことはすぐ古くなり、書いたものを直し、削除し、また新たに書き直しを続けて来ました。ただ、その過程で、私がやるべきことは、ジャーナリズムの動きの最新情報を伝えることではなく、より普遍的な視点、枠組みとなる発想に集中すべきではないかと思い直し、取り上げるトピックを絞り込み、この数年の状況を踏まえつつ、「ジャーナリズムとは何か」という根本を考えるためのきっかけになるようなものになればと思っています。そんなわけで、仕切り直しの連続をへて、やっとテーマが絞りこめ、まだまだゴールは遥か先ですが、霞のかなたにぼんやり見えて来た感じです。

作業状況としては、遅々として進まず、この上なく情けない限りなのですが、こんな長い年月に渡って、一つのテーマを毎日あれこれ考えられることの「贅沢」さも感じています。
テーマは我ながら本当に良いと思うのですが(というかそう思えなければ、これだけの時間とエネルギーはさすがに使えませんw)、「ストーリーテラー」として、溢れる素材のどの部分をどう使って、どのように伝えていくのが最良なのか、まるで巨大パズルにピースを埋め込むような、地味な作業を毎日コツコツを続けている日々です。誰に頼まれたわけでもないのに、こんなに長い間、地道に取り組んでいられるというのは、我ながら驚きです。早く新刊のお知らせができるように、頑張ります!!

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