昼の部の後は用事を済ませてからカフェで一息ついて、さて夜の部。3階下手よりから。
●外郎売
松緑さん@外郎売の劇中口上あり。七世梅幸さん十七回忌、二世松緑さん二十三回忌の追善に松助さんの七回忌も重なるとのこと。あぁ、あれから6年も経つのね。松助さん、大好きでした。助六の通人なんかも良かったなぁ。老けも良かったし、色々と記憶に残っています。最後に見たのは演舞場で児雷也が出ている時。楽屋口から車イスで出ていらした。松也くんが車イスを押していて、お客さんに挨拶をされていた。すっかり痩せてしまって、そのお姿に涙が止まらなかった。それから1カ月ほどでお亡くなりになって、びっくりしたものです。しばらくお休みされていたけれど、最後にやっぱり舞台に立ちたかったんだなぁと役者魂を感じました。松也くんの成長ぶりを見守ってくれているかなぁ。もっともっと見ていたかったな。
さて顔見世らしいこの演目、どこを見て良いのか分からないくらいたくさんの役者さんがところ狭しと並びます。目をひくのは梅枝くん@大磯の虎。見るたびに大きな役者さんになりますね。古風で美しい。そぉいえば先日、小田原城に行きました。急にお城に行きたくなって、近場の小田原へ行ったのです。舞台で三津五郎さん@工藤を見て、三津さんのお城ツアーをやってほしいなと、また思っちゃいました。次に行くお城は三津さんのお城の本を見て決めようっと♪
25分の予定の幕間が15分に変更されていました。終演予定が21:20を回る頃ですから、少しでも早くなるのはありがたい。急いでお土産(お供え用に)のお菓子を買います。栗の入ったどら焼みたいのにしました。
●京鹿子娘道成寺
三味線・鼓・太鼓・長唄の聴かせ所も多くて、好きな曲です。所化は團蔵さんを先頭に、やや少なめかな。菊ちゃんの道行。もう出た時から美しすぎてため息と目眩が・・・。黒地に赤やピンクの菊と糸巻き柄の着付けに、白銀地色にパステルカラー扇の帯。このまま着てみたくなるような、ドンピシャ好みの取り合わせ。そうそう、先日のこと、シルバーグレー地に菊と姫扇の柄の上品な訪問着を見て欲しくて堪らなかったのです。音羽屋ファンとしては菊と扇は外せないてすよね。でもシルバーグレー地の訪問着は1枚シンプルなのを持っているので、黒地の付け下げ訪問着を買いました。それはそれで楽しみ。でも、あっちも欲しくなってきた。さー、そろそろ仕事して稼がなくちゃ。。。
白拍子に烏帽子を渡すのは田之助さん。所化さんの舞尽くしは予想当たって右近さん、セリフも上手ですね。間が良い!今回も日替わりですかね~。所化の総踊りでは松男さんの巧さに注目!手の動き、体の運び、無駄がなくてキリっとしてます。
菊ちゃんが、美しく愛らしく、かわゆらしく艶やかに、しなやかにキリリと踊る姿にため息ばかり。ずっと、ニンマリしていて、頬っぺたが痛いくらいです。どの衣装もステキ。後見さんとの、息もピッタリ。幕見席があれば、できる限り通いたいです。あぁ本当に好き。千穐楽は1階2列目で見るので、手拭いGET目指します!
30分の幕間。Facebook用の感想を書き書きφ(..) 最近ブログが疎かになっているのは、ちょこちょこしたことはFacebookに書き込んで満足しちゃうから、かも。良いのか悪いのか、でも、なかなか楽しいです☆
●髪結新三
音羽屋さんと三津五郎さんの久しぶりの共演?!新三と大家さんのやりとりを考えただけでニヤニヤ(  ̄▽ ̄)
梅枝ちゃん@お熊と、時さん@忠七の親子のやり取りが面白かった。「ちっ」とか「へたくそっ」とか言われながら恋人役を演じているのかと思うと、なおさらおかしい。咲さまも、セリフが多くて嬉しいっ。途中で、指を気にされていたようなので、怪我でもしてなければ良いのですが…。「っつがっつおっっ」の菊十郎さん、相変わらず粋なお声。先日の文化庁長官表彰おめでとうございます!!嬉しいニュースです☆
新三さん@菊五郎さんの髪結い(撫で付け)場面、動きが細かくて、近くで見るのが楽しみです。最初は親切で良い人かと思いきや、忠七に冷たくする小悪党ぶり。この変わり方も、見所。
そしてそして菊丈の勝奴もまた良し♪さっきまでの美しい白拍子とはうってかわってイナセな雰囲気。もう何をやっても好きすぎます。いつの日か菊ちゃんの新三、見たいですねぇ。楽しみですねぇぇ。
最後は、菊五郎さんと左團次さんの「とーざい、まず本日は、これぎりー」で幕となり打ち出し。はぁ、長い1日の終わり。楽しい充実した初日でした。できれば何度もリピートしたい、たくさんの人に見てもらいたい、そんな歌舞伎らしさ満点の舞台です。
楽しみな公演が始まりました♪また、あとで~と思っていると、いつものように書かずに過ぎてしまいそうなので、さらりと簡単にカンゲキメモを残しておきましょう。これ、今月の目標です。ちなみに、ここのところずっっっっっとカンゲキ感想を書いていないので「もう歌舞伎とか、見てないの?」などと時々聞かれるのですが、とんでもないこと!しっかりたっぷり見ておりますよ!!あれもこれも見てます!
では、昼の部から。3階上手寄りのお席で。
●傾城反魂香
松也くん、先月はきったなーいお役でしたが(それまた、新鮮で良かった☆)今月は、まず白塗りで。かなり身体ががっちりしてきているので、立役の方が良いかしらなんて最近は思っています。女形も、もちろんきれいですけどね、声もお顔も。彦三郎さん&秀調さんコンビ、しっくりきて落ち着きますね。下女が出る演出もあったかと思いますが、私はこのご夫婦のほうが好きです。権十郎さんの、お役、何だか新鮮でした。かなり激しく物語るんですよね。
三津五郎さん、久しぶりに拝見するような気がします。時蔵さんとのコンビに、わぁ~い。吃又は色々な方で何度も見ていますが、この三津・時コンビは笑いあり涙ありのバランスが良く、入り込めます。何度か書いている気がしますけど、愛之助さんの、吃又も愛嬌があって好きなんです。土佐の名前が許されて着替えをするところ、そしてひとさし舞うところ、三津五郎さんは所作がキレイで、それでいて役の上で踊っている感じがちゃんとしていました。着替えを手伝う時さんの手際も見事で、もっと近くで見たいな~とオペラグラスに力が入ります。
35分の幕間。穴子寿司を食べました。苦手な椎茸さんと生姜さんがたくさん入っていて、ちょとびっくり。。
●道行初音旅 吉野山
菊ちゃんの美しさを、これでもかと見られる一幕。松緑さんの忠信は眉毛の上の赤い線が目立つ狐っぽさを強調した拵えに見えました。女雛男雛が、すごくすごくお似合いで、「御両人!」の大向こうもかかってました。ふんわり微笑む静の斜め後ろから、そっと寄り添うように並ぶ忠信、うっとりしました。
團蔵さんの藤太もおかしみあって良い。四天の先頭は左十次郎さん、そして2番目が咲十郎さん。先月は途中から休演していたので心配しました。まだ、トンボは返ってなかったので、お怪我でもされたのでしょうか。早く元気いっぱいに暴れまわる咲さまが見とうございますよー。
15分幕間。
●魚屋宗五郎
菊五郎劇団!やっぱり好きさ大好きさー。右近ちゃん@おしげさんはしきりに涙を拭っていました。仲良しだったのでしょうね~。時さん@おはま、転がり回って大活躍。砥粉の世話女房、いつも楽しそうです。何度言っても四文と出ちゃう松緑さん@三吉も忙しく動き回りますね。大河くん@丁稚は、台詞がはっきりしてカワイイ。松緑さんと親子のやり取りが微笑ましい。菊ちゃん@おなぎさん、おつたちゃんの最期の様子を話すときは涙を誘い、そのあとのドタバタでは笑いを。ほんとに「美しいお女中さん」です♪この場面だけが出ることが多いので、おなぎはおつたの同輩のように感じるけれど、以前、国立で通しで見た時には、おなぎはおつたの召使いだった。両方の捉え方があるのでしょうか。
七代目さんの宗五郎、酔っぱらっていく姿が、そりゃもう楽しくて、こっちもほろ酔い気分。あ~、かっこいいなぁ。
全体的にバランスの良い配役で初日から完成している印象です。昼の部は今のところ再見の予定がないけれど、この完成度ならば満足です。
では、いったんげきじょうを出て用事を済ませて戻ってきまーす。
補綴・演出:奈河彰輔/市川猿之助
●猿之助四十八撰の内「義経千本桜」
道行初音旅 清元連中
川連法眼館の場-市川亀治郎宙乗り狐六方相勤め申し候-
佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐:亀治郎
源義経:染五郎
亀井六郎:亀鶴
川連法眼:寿猿
法眼妻飛鳥:吉弥
駿河次郎:門之助
静御前:芝雀
まずは道行から。
芝雀さんの静。亀ちゃんの忠信。バランスがどうかしら~と思ったけれど、違和感なかったです。猿之助さんのご指導ということで、演舞場の海老さんと同じ蛤バージョン。今まで道行って何度も何度も本当に何度も色々な方で見ているけれど、今月初めて蛤バージョンを意識した。今回はプログラムの歌詞を先に読んだので蛤はまぐりハマグリをちゃんと聞けた。今までぼーっと聞いていたのかしら。。。
15分の休憩をはさんで四ノ切。寿猿さん@法眼と吉弥さん@飛鳥は板付きでスタート。もうちょっとたっぷり見たかったなぁ。染さんの義経、すっきりと上品でキレイ。まだ趣向の華の時の染ちゃんの顔がちらちら浮かぶな~。亀鶴さん@亀井六郎と門之助さん@駿河次郎はそれぞれ持ち役といった感じ。亀鶴さんが花道を行って帰る時の足音が所作板の上で心地よく響いていました。
亀さんの狐さん。膝をついての高速回転、あれはすごい!溶けちゃうよーと思うほど。狐言葉があまり気にならなかったというか自然に感じられた。それにしても亀ちゃんの四ノ切って前にも見たような気がするのですが・・・夢・・・?道行は浅草(だったかな?)で見たのかな。きっとその時の忠信がぶっかえるバージョンだったのだと思う。で、狐ぴょんぴょんで花道を駆けて行ったんじゃなかったかな。
この演目で1番おぉぉっと思ったのが猿四郎さん。なぜならば~、バカサレの代役で出ていたのですが、動きがめちゃめちゃ良い!しかもトンボ返りましたよっ!!上手寄りの席だったので猿四郎さんの動きがよっく見えました。最初、出ているはずないと思いつつも、どう見ても猿四郎さんのお顔。今は立師としてご活躍ですが、名題下のころは立廻りすごかったんだろうなぁといつも思っていました。その猿四郎さんの立廻りが思いがけずも目の前で見られるなんて。もうこの先もめったなことでは起こらないでしょうから、とても嬉しくなりました。で、ちょっと検索したら猿四郎さんのブログがヒットしました。そこにも「四ノ切の荒法師を代役で勤めます、何年ぶりでしょうか。」と書かれていました。おでこに書く鳥居が亀さんマークになっています。あ~、そこまで気がつかなかった。これから見る方はバカサレさんのおでこをよっく見てください。
そして猿三郎さんのブログもチェックしてみると、やはり亀会のことが書いてあります。猿之助さんの吹き替えといえば猿三郎さん!ということで亀さんから吹き替えや居所や大道具のことを教えてくださいとお願いがあったそうです。なんと600回以上も忠信の吹き替えをやったということで、すごいですよね。筋書きなどには載らない役ですが、この吹き替えがなければ成立しないですからね。海老蔵さんの初忠信の時にも吹き替えしてましたし。すばらしい!
また15分の幕間。
原作:川村花菱
補綴・演出:石川耕士
●上州土産百両首
正太郎:亀治郎
みぐるみの三次:亀鶴
おせき:吉弥
隼の勘次:門之助
牙次郎:福士誠治
おそで:守田菜生
金的の与一:渡辺哲
何と言っても福士さん大活躍。福士さんを初めて意識したのはNHKの朝ドラ「純情きらり」でした。あれは2006年。とても和なお顔立ちで松井達彦という役が本当にピッタリでした。その後は「のだめカンタービレ」2006年、「オトコマエ!」2008年、「オトコマエ!」2009年も見てました。舞台は2007年の「ナツひとり -届かなかった手紙-」以来です、私が見たのは。この3年間ですごい成長なんだな~と強く感じました。今年はミュージカル「RENT」の主演にも決まり、ますますのご活躍を期待しています!余談ですが・・・思いがけず某所で少しだけお話できたのですが、素顔もかっこよく好青年でキラキラしていて素敵すぎました♪
舞台の話に戻りまして・・・主役が霞むほどの存在感だったと個人的には思います。超亀ちゃん大好き~な感じの方にして見れば、あんまり好ましい演目ではなかったのかもしれないですが・・・私は本当に良いお芝居だったと思ってウルウルきました。門之助さん、吉弥さんが良い感じ。亀鶴さんも目つきの悪さといったら、もう右に出るものはいない?!段之さんも出番は短いながら印象的。あ~ゆう役はお得意ですね。
渡辺哲さんは、ちょっと癖があるというか、セリフ回しが気になってしまいました。普段どうゆう役者さんなのか存じませんが、今回は歌舞伎っぽいセリフ回しにしようとしたのか・・・妙に伸ばしたり縮めたり・・・何だか、もうちょっとすっきりした感じが良かったんじゃないかと思いました。守田菜生さんには「大和屋っ」の声がさかんにかかっていました。NHKの古典芸能鑑賞会で三津五郎さんと共演の踊りで初めて拝見し、その後は風林火山の舞台、劇場・客席でもよく見かけます。声がきれいで良く通るので舞台むきなんだろうな~と思いますね。
でもでも何よりも福士さんの牙次郎。驚いた時の「ありゃ」が言えずに「あじゃ」になる、愛すべき、あじゃがじ。もう一度会いたいな。あじゃー。
お昼は駅前のファミレスに一目散に行ったものの同じことを考える人が多かったようで、すでに並んでいました。仕方ないので、少し歩いてマックに入りました。店内にお着物姿の方や一方的にお顔を存じている方など、公会堂から流れてきている方が多かったようです。帰り道でも何人かの役者さんとすれ違い、あやうくついて行っちゃいそうでした。この時にすれ違った某役者さん。あら~、夜の部は出ないのかしら~。役ではなくて、ほら、あの大切なお仕事しないの~?と残念に後姿を見送りましたが、夜の部の最後で、しっかりやってくれました!染高麗っ!あ、言っちゃった。。。
ロビーには梅玉さんのお姿。この光景も恒例♪梅丸くんに梅之さん、今年は魁春さんまで出ますからね。目が合ったら二コリと会釈をしてくださいました。いつ見てもお上品なお方。大好きです。幕間にはスモーキングルームで(お上品に)プカ~と吸っていました。
ちなみに梅玉さんのHPの「ひとりごと」がおもしろいんですよね。8/18に更新されたお話の中に、先月の巡業のことが書かれていました。今回は魁春さんが一緒だったので、食事は“グルメの魁春さん”に任せたそうです。岐阜の公演の時には梅玉さんお気に入りの飛騨牛の焼肉屋さんに魁春さんを誘ったところ、最初は「焼肉?」と乗り気でなかったのに「次回も必ず」と気に入ってくれてほっとした、というエピソード。このご兄弟(兄妹と書きたいところ)仲良いんですよね。いつも、ほのぼのしていて大好きですよ~。
さてさて、夜の部スタート。花外のドブから拝見。小さい劇場なので良く見える。花横で花道に手が届く距離。
あら、もう幕が開いちゃった。いきなり始まっちゃう~?と思ったら、昼と同じく幕前で青楓さん勘十郎さんのご挨拶。「昼の部でだいぶ疲れました」と。「昼の部もご覧になった方?」と客席に呼びかけるとたくさんの手が上がります。そうですよね。通しで見ちゃいますよね。疲れて話すことを忘れたというご宗家と相変わらず爽やか~な青楓さん。本当に楽しいおふたり。常磐津の「新曲竹生島」、ちゃんとできるか不安とおっしゃる勘十郎さん。笑わせてくれますね。「夜の袴歌舞伎は昼とは一味も二味も違いますよ~」とな。「なんと今年は魁春さんが出てくださる。あ、自ら手を挙げて出たいと言ったのではないですよ、こちらがお願いして引き受けていただいたのですよ」と、付け加えていました。
それから、「高麗蔵さんに急遽、出ていただくことになった」との説明が。当初の予定は孝太郎さんの滝夜叉だったのですが体調不良で休演ということです。ロビーに張り紙が出ていましたが、パンフは高麗蔵さんのお名前になっていたので、直前に決まったのではないみたいですね。先月もあまりお具合がよろしくなかったと聞いていたので心配です。大事をとってのお休みということですが。仁左衛門さんも昔、大病されたことがあるので・・・ゆっくり休んでくださいませ~。
落語をもとにした「真田小僧」のお話。趣向の華で初めての喜劇です、とのこと。このお話、落語でも聞いたことないので楽しみです。青&勘のおふたりがまだ話しているうちに、舞台に國矢さんが現れ、布団に横になります。もうすでに始まっているのですね~。
●真田小僧
構成・演出:尾上青楓
金坊:梅丸
父:國矢
母:梅之
「職人気質の父」という役がぴったりな國矢さん。こまっしゃくれた金坊には梅丸くん。ずいぶんまぁ大きくなって。親戚のおばちゃんの気持ちになりますね。声変りも終わって、どんどんかっこよくなっています。平成8年9月生まれということは、もうすぐ14歳?中2くらい?学校でモテるだろうなぁ~。
「おあしちょうだい」「あたいね」というセリフも違和感なく、梅玉さんも書いているように、ぴったりのお役。とにかく父親をうまく乗せて、どんどんお金を持って行っちゃう。國矢さんも分かっているのに持って行かれちゃう。あ~楽しい。テンポがいい!
金坊が出て行ってからの後半は母親役の梅之さん登場。長屋のおかみさんが、これまたぴったり。梅之さんの落語は何度か聞いているので、このお話も聞いてみたいなぁと思ったり。着物を縫う場面で、糸はもちろんないけれど、運針(の手振り)が上手~と思って見入ってしまった。で、私の縫いかけの、かわいそうな一重の紬ちゃんのことを思うのでした。いつ完成するのやら。。。
國矢さん、真田三代記を語るあたりで、セリフが危うくなった気が・・・。色々な登場人物があってややこしいから仕方ないのかな。聞いているこっちもよく分からなくなっちゃった。父が母に話す「真田三代記」を盗み聞きして、同じように喋る金坊の記憶力はすごい。梅丸ちゃんもすごい。で、サゲの後には、さつまいもをくわえた按摩さんが花道から登場。一瞬、誰だか分らなかったけど、いつもはオールバックになっている前髪をサラリと垂らした勘十郎さんでした。。。おしまいっ。
●常磐津 新曲竹生島
三味線:勘十郎
浄瑠璃:青楓
ここは本当にふたりだけ。青楓さんの美声と勘十郎さんの見事な撥捌き。聴き惚れました。あれだけ語って弾くのはすごいと思う。熱演でした~。
●袴歌舞伎 傳書猿島郡 -傾城滝夜叉-
発端 鼓ヶ滝山中将門蘇生の場
序幕 宇治橋姫松月庵門前の場
同二場 同奥座敷の場
二幕目 大江山千丈屋の場
同二場 同山中観音堂の場
大切所作事 鐘入相小袖散花 長唄囃子連中 <清水寺鐘供養の場>
滝夜叉:高麗蔵
黒蜘蛛法印/坂田主馬之丞公時:亀三郎
源頼信:亀寿
お清:梅枝
源頼平:種太郎
座頭徳市 実は 渡辺綱:萬太郎
小萩 実は 桔梗の前:壱太郎
仕出しの胴八 実は 碓井貞光:廣太郎
白雲坊:種之助
釜炊き浪蔵 実は 卜部勘解由季武:米吉
黒雲坊:廣松
呉竹:男寅
残月尼:鴈乃助
如月尼(御厨):魁春
坂戸九郎雲早:左字郎
軍内:蝶之介
鬼藤太:蝶三郎
家来:京由
え~っと、けっこう複雑な筋です。
高麗蔵さんの滝夜叉、将門が乗り移ったり、色々と大変なお役。素顔でも変化して見えるのはさすが。高麗蔵さんてとても器用で幅広い役をこなせる方ですが、私の中で1番印象に残っているのは、2004年の俳優祭「滑稽俄安宅珍関」でのタンカラヅカ劇団のトート役。ってこれ、生で見たわけではなくテレビのダイジェストで見たんですけど、無駄のないシャープで若々しい体、すっと高くあがる足が美しかったラインダンス。今でもよく覚えています。久しぶりに見たいな、あの映像。
亀三郎さんの黒蜘蛛法印、ぼさっとした感じが、それっぽい。鴈乃助さんの残月尼!すごい!ふつ~のおじさん(失礼っ)っぽく見えるのに、喋って動くと女にしか見えなくなる。しかも強欲な尼さん!いや~感動しました。すごいです。ベテランってすごいのね。梅枝ちゃんのお清は盲目の若い娘。壱太郎くん演じる小萩(実は 桔梗の前)と種太郎くんの源頼平を取り合う役。昼間はナイスカップルだった2人が恋敵に。若い実力派の3人が良い感じ。魁春さん、素顔でも私は大好き♪おじさんだけど、好き~。かわいいから。種之助くん@白雲坊と廣松くん@黒雲坊が「聞いたか聞いたか~」で、出てきて、道成寺のような釣鐘のある舞台へかかる。梅枝ちゃんの踊りを見て、京鹿子娘道成寺を見たくなった~。まずは新春浅草歌舞伎や国立の鑑賞教室とかでいかがでしょうか。去年の藤娘、良かったもん。待ってま~す。
さて、いよいよ青&勘さん幕外の出番が来ました。1番力強く気合の入った唄と演奏に感じられるので好き。そしてそして、趣向の華名物の染丈の足台運び。これを見ずして趣向の華を見たとは言えないというくらいの超名物!のはず。昼夜の間で劇場を去って行く染丈を見かけた時に、え?この出番ないの?って心配したけれど、そんなことありませんでした。ちゃんと期待を裏切らずに出てきてくれました。しかもすっと出てくる時のかっこよさ。客席がわぁっとなり、してやったりな感じの染ちゃん。おふたりのあついあつい本当に素晴らしい演奏が終わると・・・勘十郎さんが足台を倒して(わざと?ちょっとニヤリとしたように見えたのは気のせい??)ひっこむ。大きな拍手。で、染ちゃん再び。客席も大盛り上がり!染ちゃんも嬉しそう。そのまま引っ込みそうになって戻って台をもって、本当に引っ込んで行ってしまいました。今日1番の拍手かも?と感じたのは贔屓目すぎるかな?染ちゃん終わりかと思ったら、大切では鼓で再登場!梅枝ちゃんや他の皆さんの動きをじいっと、ほんとにじいいいいいいいいいいっと見ていたのが印象的。
亀三郎さんの2役目は押し戻し。ここでも美声が響きます。梅枝ちゃんが鐘の上で決まって幕。チョン。
はぁ~。素晴らしく充実の1日だった。青楓さん、勘十郎さんをはじめ、みなみなさま、感動をありがと~う。来年もお願いします。資金難・・・ネタ切れなんて言わずに続けてくださいませ~!
まず今年から指定席になったこと。これは画期的!去年までは自由席だったので、猛暑の中、エアコンの効かない廊下・階段で並んで待つのは本当に酷でした。だから、これだけでも、すごく嬉しい。体力温存できます。
開演10分ほど前に着くと、ちらほら知っているお顔が。そして、この公演に参加される御曹司さんのパパさんやママさんも大勢いらしてました。何だか得した気分。私の席の前には松緑さんの奥さま(紺色の江戸小紋に花紋でおしゃれでした^^)とお嬢さんが座っていました。3列ほど前には少し前には吾妻徳彌さん(麻のお着物だったでしょうか。いつもお美しいです。舞台もおきれいですよね。)のお姿も。あぁ、そうか壱太郎さん出ますもんね。後ろのほうには、歌六さん、時蔵さん、彌十郎さん、友右衛門さん。ロビーには富十郎さん、種太郎くんも。他にもいらしたかなー。
舞台には常式幕がひかれていて、鳴り物がかかると、趣向の華の主宰である勘十郎さんと青楓さんが登場。このあとすぐに演奏があるので、黒紋付にブルーの裃(簡易的なエプロンみたいなあれ。)というお姿。このお二人、勘十郎さんが貫録あるので、お兄さんぽいですが、青楓さんのほうが年上です。ワタクシ、勘十郎さんと同い年だと知った時にはビックリしました!そんなお二人のトークでスタートします。けっこう、ゆる~い感じで話されるのでリラックスできます。
勘十郎さん曰く、「だいぶ貯金も底をついてきた・・・」とか。この素晴らしい公演がずうっと続くように何かしたい・・・何もできないけれど、こうして感想を書くことで少しでも多くの方に、この趣向の華の楽しさを知ってもらえればと思います。
「今年から下手に黒御簾ができました」、と。去年までは御簾がなかったので、中が見えて、それはそれで面白かったんですけどね~。「見えなくても中でサボっているわけではないですよ~」と勘十郎さんが言ってました。最初の演目で勘十郎さんが大鼓なんですって。「音が出るか心配です。大鼓を持つのは4回目。お稽古は1回だけです」と冗談ぽく言っていましたが、本当なのでしょうか・・・。 「勧進帳では、途中で問答が入ります」と。うわぁ~。楽しみ!!
越後獅子について。「皆、真剣ですので笑っちゃいけませんよ。あ、でも、おかしい時は笑ってくださいね。前に歌がおかしい時に全く笑いが起きなかったことが・・・」と。素直に聞けば良いわけですね。かしこまりましたっ!その後、「真剣に」を繰り返す宗家に「その『真剣に』って言うの、やめましょ」と青楓さん。良いコンビネーションです。青楓さんからは、忘れずに・・・「上演中は非常灯が消えます」「携帯の電源は切ってください」とのアナウンスもありました。
ではいよいよ、はじまり~はじまりぃ~。
●長唄 越後獅子
三味線:尾上青楓/中村梅枝/中村萬太郎/大谷廣太郎/中村種之助/中村米吉/市川男寅
唄:大谷廣松/中村龍之助/今藤龍之右/日吉小八郎/杵屋佐喜/住吉小与七郎
太鼓:坂東亀寿
大鼓:藤間勘十郎
立鼓:梅若玄祥
小鼓:中村梅丸/坂東新悟/坂東亀三郎
陰囃子:中村壱太郎/藤舎千穂
御曹司の皆さんの真剣な演奏です。青楓さんの三味線も勘十郎さんの大鼓も新鮮。玄祥さんはさすがの貫録。勘十郎さんと親子で並ぶ姿も良いですね。萬太郎くんは暗譜しているようで客席のほうに目をやっていたような。廣松くんの唄、なかなか良かったです。声が落ち着いていました。梅丸くん、だいぶ大きくなったー。おととしは鼓がすごく大きく見えたけれど、今はそれほど感じません。けっこう手も大きいなぁって思いました。亀三郎さんは掛け声も美声。あ~そうそう、8/23(月)鹿乃子の夕べのゲストは亀三郎さん。行きたいなぁ。行けるかなぁ。壱太郎くんの陰囃子、陰ではなく表に出ていたけれど。。。そんなこんなで本当に皆さん、真剣です。
●東明 春の鳥
鶯:渡邊愛子 三味線:東明吟苫(藤間勘十郎)/東明潮舟/荒川知子唄:東明伶舟/東明兆舟/藤舎千穂小鼓:尾上青楓笛:凰馨千晴琴:萩岡未貴 続きまして天王寺屋愛子さんの踊りです。初舞台(初お目見え)の時の印象が強かったけれど、もうすっかり大きくなったのですね。かわゆらしい女の子です。すっぽんから登場。緑色の着物に緑色の傘。そして「姫天王っ!」の声。聞き覚えのある、あの歌舞伎座でも良く聞いた良いお声の大向こうさんです。踊り自体はところどころ危ういところもありつつ堂々としたものでした。ちなみに、勘十郎さんが「東明吟苫(ぎんせん)」の名で名執となり名披露目の舞台になっています。そしてやっぱり青楓さんの小鼓は良いな。ステキです。
●長唄 勧進帳
三味線:藤間勘十郎/住吉小しな/東音 大木啓衣/東音 西野朋子
上調子:/東音 荒川知子
唄:日吉小八郎/杵屋佐喜/住吉小与七郎/今藤龍之右
大鼓:尾上青楓
立鼓:市川染五郎
小鼓:藤舎千穂/坂東新悟
笛:凰馨千晴
ただの長唄ではなく途中に問答が入ります。立鼓の染五郎さんが弁慶、大鼓の青楓さんが富樫。このふたりの対比が素晴らしい!演じる染さんと語る青さんといった感じ。染弁慶が歌舞伎で見たくなりますね。そして青楓さんは富樫ができるはず。あの拵えも似合うと思う。素顔も優しくて素敵だけれど白塗りも美しい青楓さんなのです。それにしても長唄の勧進帳はほんと名曲ですね。改めて感じました。最後はなんと、弁慶、幕外のひっこみ(の演奏)です。雛壇後ろの幕が上がると大太鼓があり、台から降りた勘十郎さんが力強く叩きます。太鼓は青&染コンビで。この場面の太鼓、大好きです。目の前で弁慶が大きく飛んでいく姿が目に浮かぶようでした。あ~素晴らしかった~。
●袴歌舞伎 月花怨皿絵 -怪談 皿屋敷-
作・演出:苫舟
序幕 向島川岸の場
二幕目 浅川屋奥座敷の場
同二場 無量寺古井戸の場
大詰 隅田川一つ家の場
<夢結心春雨>常磐津連中
同二場 新吉原仇打の場
浅川屋徳兵衛 実は 観音久次:亀三郎
松井三郎:亀寿
萩原新之丞:梅枝
奴関助:萬太郎
お菊/佐々木蔵人:壱太郎
大和屋お新:新悟
花見客 政吉:廣太郎
花見客 萬之助:種之助
花見客 吉蔵:米吉
先乗りのちょろ松:廣松
花見客 おきみ:男寅
軽業小梅:梅丸
手代松五郎 実は 海松杭の松五郎:國矢
手代茂介 実は 河童の茂介:左字郎
浪人伊庭十兵衛:蝶之介
手代太助 実は 猿の太助:蝶三郎
いよいよ、昼の部の最後は袴歌舞伎。もうお馴染ですよね。素踊りならぬ素歌舞伎です。
始まるとすぐ(まだ客席が少しざわついている頃)に、客席後ろの扉から通路を通って、廣松くん、新悟くん、梅丸ちゃんの3人が登場。お客さんに「どうぞ来てください」とチラシを配っていく。私は通路側だったので、廣松くんに「くださいっ」と手を出して頂きました。稚魚の会のチラシでした。はいはい、行きますとも~♪廣松くんが徳彌さんのところで、「壱太郎にぃさんのお母さま・・・」と声をかけていました。そのまま舞台に向かう廣松くんを花道近くの新悟くんが呼び、3人揃ってごあいさつ。廣松くんて芝居心があるというか、なんか雰囲気が良いのです。今後が楽しみ。
最初は、恒例の(?)かくし芸大会!トップバターの梅丸くんが襷をひょいっとかけて棒を使った一芸を。腕がけっこうムキってしててビックリ。カッコかわいい棒さばき。続いて廣松くんは大きなヨーヨーみたいな道具に苦戦しつつ最後は何とかキメていました。失敗した時に新悟くんが「もう1度やってみさんしゃい」といった感じで言っていたのが微笑ましかったな。次はお馴染、蝶之介さん。番傘の上で紙風船をクルクル。真剣にまわしてました~。トリは新悟くんの下駄ップ。高坏の一部ですね。あぁ、これって難しいんだなぁって改めて思いました。中村屋さんのを見ていると簡単にやるように見えますものね。ちょっとやってみたい踊りです。そして皆で皿回し。新悟くんが下駄を履いたままなので、デッカイ!蝶兄さんと仲間たちみたいで良かったです。なんだか勘十郎さんが、おもしろがって、「今年もあれやってよー」ってお願いしているような風景が思い浮かびました。
余興(って言ったら失礼かしら?でも勘十郎さんも趣向の華ならではの・・・って言ってましたし)が終わって本編へ。
梅枝くんが立ち役とは近頃珍しい。壱太郎くんのかわゆらしいお菊とナイスカップルでした。踊れるから動きがきれいで、かわいい2人。壱太郎くんは、お菊と庵主(お菊の霊)を演じ分ける難しい役どころをうまく演じていたと思います。悪い奴らに指を切られるシーンはゾクっとしたけれど、その切られた血だらけの指がビヨーンと伸びたので笑っちゃいました。でもちょっと気持ち悪い・・・。
亀三郎さん、亀寿さんは美声兄弟なので、声の印象が強いかな。萬太郎くんの奴、元気があって良いですね。こうゆうお役、合っていると思います。國矢さん、左字郎さん、蝶三郎さんもそれぞれ好演。名題さん・名題下さんがしっかりしめてくれるお芝居って良いですよね。
15時5分頃、終演。あ~。素晴らしい昼の部でした。感想は薄いですが内容は濃かった!さてと、夜の部まで1時間半ほどあるので、ご飯でも食べてきましょうか。
一部・二部の席より、ほんの少しだけ舞台が見えるこんな席です。

●通し狂言 東海道四谷怪談
序幕 浅草観世音額堂の場より
大詰 仇討の場まで
お岩/小仏小平/佐藤与茂七:勘太郎
直助権兵衛:獅童
お袖:七之助
お梅:新悟
茶屋女房おまつ:歌江
舞台番:猿弥
宅悦:市蔵
伊藤喜兵衛:家橘
民谷伊右衛門:海老蔵
とにかく勘太郎さんが大活躍で大熱演で素晴らしいです。お岩さんが薬(毒薬)をありがたく押しいただき、粉を少しも残さず丁寧に飲み込むところ、あぁ、飲まないでと思いつつ、熱いものが込み上げます。この役作りはすごいですね。げっそり見えますもの。髪すきの場面では、舞台の小さな穴から小山三さんが、小道具を出しているそうです。花道会セミナーでそう話していました。この暑い中、体調は大丈夫かしらと心配になります。
七之助さんのお袖さんも、新悟くんのお梅ちゃんも、市蔵さんの宅悦さんも、獅童さんの直助権兵衛も、それぞれが良かったと思います。海老蔵さんの伊右衛門は、とにかく悪い。色悪です。ほんとうに悪いの。そして、猿弥さんの舞台番が良いです、とっても。今回上演されない三角屋敷のあらすじを話しつつ、怪談ぽいお遊びを入れつつ、絶妙のテンポで話を進めます。
充実の花形歌舞伎です。
まさかと思ったけれど、第一部と同じ席。つまり、またもや舞台の5分の2くらいが見えない。
これがちゃんと座った時の見え方。

ちょっとだけ前のめると、こんな感じ。

●暗闇の丑松
暗闇の丑松:橋之助
四郎兵衛女房お今:福助
料理人祐次:獅童
岡っ引常松:松江
八五郎:猿弥
熊吉:亀蔵
潮止当四郎:市蔵
四郎兵衛:彌十郎
丑松女房お米:扇雀
これは初代辰之助さんの映像を見たので、それがものすごく印象に残っていますね~。2006年6月、歌舞伎座で高麗屋さんのも見ています。その時の感想を読むと・・・「一番楽しみにしていたお風呂番が大活躍のあの場面。今回は蝶十郎さん。鼻歌もよろしく、桶をリズミカルにポンポンと並べるところが絶品。大きな拍手で盛り上がりましたね~。」となっています。で、今回の感想も、そのお風呂場。橋吾さんご活躍です。走り回りますよ。芝のぶさんのセクシーサービス出番もあります。全体的にはあまり好きなストーリーではないです、個人的に。しかも前半は舞台が暗くって眠たくなっちゃうんです。しかもしかも今日の席だと舞台がよく見えないし。ウトウト・・・ウトウトしちゃいました。どうやら獅童さんにアクシデントがあったらしい。頭のものがズレタとか取れたとか。見逃しましたっ。
●京鹿子娘道成寺
白拍子花子:福助
所化:松江/宗之助/新悟/巳之助/松也
大館左馬五郎照剛:海老蔵
聞いたか聞いたか~。聞いたぞ聞いたぞ~。福助さんの花子、本舞台でのスタートです。 烏帽子がうまくとれずに、後見さんがはずしていました。所化さんの中では、巳之助さんに目が行きました。そして、デッカイ押し戻し。海老蔵さん、楽しそうです。
今日は通しで見ますが、第一部から。
訪欧凱旋公
●演義経千本桜
鳥居前/道行初音旅/川連法眼館
~市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候~

佐藤忠信実は源九郎狐:海老蔵
静御前:七之助
駿河次郎:市蔵
亀井六郎:亀蔵
早見藤太:猿弥
飛鳥:右之助
川連法眼:家橘
源義経:勘太郎
海老蔵さんの訪欧凱旋公演ということで、すご~く楽しみ。この日は海老蔵夫人の梨園の妻デビューということで、報道陣もいっぱいです。どんなお召ものかなぁと思ったら、ビックリするくらい鮮やかなブルーのお着物でたまげました。あんなに派手~な梨園の妻さん、見たことないです。海老蔵さんのお母様デザインということですが、いくらなんでも目立ちすぎでは~と心配になってしまいました。。。
ま、それはさておき舞台のお話。今日はなぜこの席を取ったのかと思うほど見えない席。3階上手です。舞台の5分の2くらいが見えない・・・。そういえば、チケットを取る時に千穐楽を含め月の後半で希望席を先に取り、なんとなぁく初日も取っとくかという感じで追加したんだった。どうりで。。。でも花道はすごくよく見える。
今回はヨーロッパバージョンをなるべくそのままやるということで、コンパクトにまとまっています。まず、鳥居前に泣き虫弁慶が出ない!幕を閉めずにそのまま道行。ここで藤太はいない。四ノ切も板付きで始まる。でも、ケレンもたっぷり最後は宙乗り☆といった海老丈の魅力凝縮Ver.といったところでしょうか。
まずは鳥居前。
海老蔵さんは力強く、七之助さんは美しく、勘太郎さんは上品に。それぞれが、とても良いですね。勘太郎さんはお岩さんの役作りで10キロ以上体重を落としています。先日の花道会セミナーで、そんな話を聞きましたが、この時もすごくスリムになっていてビックリ!8月頭に奈良で連獅子を踊るので体力が心配って言ってましたっけね。それも無事に終わり安心しているでしょうか。
早見藤太の猿弥さんがすごくいい。もうお得意ですよね、この手のお役は。決してやりすぎず、でもしっかり笑いを取る難しいところですが、絶妙です。最後に目玉が飛び出しちゃうところ、あの荒技はすごいですよね。
続いて道行初音旅。
鳥居前から幕を閉めずに居所変わりで進みます。何だか新鮮。さっき引っ込んだ七静さんが再び登場。海老蔵さんもさきほどの荒々しい隈取とは変わってすっきり。どちらもかっこいいなぁ~。この道行、清元さんが「はまぐり~はまぐりはまぐりぃ~~~」と繰り返すのが妙に気になる。はまぐりVer.初めて聞いたのかな。。。通常Ver.よりも静さんの見せどころがたっぷりですね。
幕間を挟んで川連法眼館。
四ノ切です。音羽屋Ver.も好きだけれど、澤瀉屋Ver.もやっぱり楽しい。目で楽しむにはこちらですね。音Ver.は心で味わう感じでしょうか、ね。
家橘さん@川連法眼&右之助さん@飛鳥は板付きでスタート。あっというまに下がってしまいますね。ここでも勘太郎さんの義経が良い。ほっそりしているけれど、柔らかい感じです。市蔵さん@駿河次郎&亀蔵さん@亀井六郎はさすがのナイスコンビ。私、赤っ面が好きなんです。亀さんの赤っ面かわいい。
本物忠信の海老さま。かっこいいっす。やっぱりかっこいい~。静御前の七之助さん、美しいですね。鳥居前・道行から続けて同じ役者さんが同じお役をするのがやっぱり好きですわ。狐の海老さんも初演の時より見なれたのかよくなっていると思います。バカサレさんの立廻りは、ちょっとヒヤっとするところもありつつ、楽しめました。このバカサレさんの拵え、しかも3階からだと顔が見えないので、誰が誰やらほぼ分かりません。筋書もまだないので、ますます分かりません。楽に1階で見るのが楽しみです♪
最後、宙乗りで暴れる海老狐さんがキュート。嬉しさ爆発で桜吹雪に突っ込んで行きま~す。
今日も先週の昼の部に引き続き、最前列でかぶりつき♪5/5以来なので、どうなっているか楽しみ。
●一谷嫩軍記
熊谷陣屋全体に、初見の時よりもまとまっていたというか馴染んでいたというか、お芝居ができあがってきたなぁと感じました。亀三郎さんの堤軍次、声が良い~。本当に良いお声ですよね~。もっともっと活躍してほしいなぁ~と、いつも思います。
染五郎さんの熊谷。前回は播磨屋さんぽさを強く感じましたが、今日はそれほどでもなかったかも。それだけ役が自分のものになっていたのか、それともこちらが、染熊谷に慣れたのか。どちらにしても、これから何度も演るお役でしょうから、成長が楽しみです。
●うかれ坊主
こちらは、5/5の感想とあまり変わらず。それだけ、最初からできあがっていたのか。もっと汚さというか俗っぽさが出ても良いのかなぁ~なんて思いましたが、加減が難しそうですね。楽しく見ることができました。
●歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜
さて助六さんです♪今日は、先月の助六さん見たさに幕見に通うも残念ながら札止めで入れなかった歌舞伎仲間さんを誘いました。本当は母と見るつもりで取った席ですが、祖父のことがあり母が行けなくなったので、急遽、ピンチヒッターを引き受けてくれました~。ありがとうございます!
河東節さん、けっこう人数が少なめです。先月に比べて3分の2くらいでしょうかね。でも、唄も三味線もたっぷりと聞こえました。福助さんのニヤリ度が前回見た時よりも増していたような。。。今日も海老助六さんは、何とも言えぬかっこよさ。なんでしょうね、これ。言葉では言い表せないくらいのすごいオーラというか、存在感というか。とにかくかっこよすぎです。
こっりゃまった~なぁ~んのこって~。やっぱり何度見ても、どの配役で見ても好きな場面はここ。股くぐりです。
猿弥さんの通人。前回は海老助六さんのプライベートインタビューのようでしたが、今日は、この体系でもくぐれるかどうか・・・といった感じでサラリと、くぐります。「くぐってミマス」「コーライヤ」「おーいお茶」などは変わらずでした。
さて水入りですが・・・かかりそうでかからなかったです。廓の若い者たちが助六を探しに来て、揚巻が匿うところ、う~ん、なんだかスッキリしません。個人的にこの場面の助六&意休の衣装が好きではないからかも。何だか幽霊みたいで。どうもしっくりいかない。。。今日の2時間15分はいつもより短くかんじました。早くまた助六さんに会いたいなぁ~♪
お腹もすいたり、ご飯を食べて帰りましょ~。
カンゲキ後の話。ご飯を食べながら、「染五郎の役が勘三郎を見ているみたいだった」との感想を聞いてビックリ。すごい。だって中村屋さんに教わったのでしょうから。わぁ~、初助六にしてその感想はすごいです。そこに感動!「それにしても海老蔵はかっこいいね」「助六ってこんなに面白いって知らなかった」と嬉しいお言葉をいただきました。男性の目から見ても、海老助六さんはカッコイイのですね。
昼夜の合間の1時間休憩も余すことなく楽しんで、夜の部です。1階13列、真ん中よりやや花道寄り。
●夏祭浪花鑑
団七九郎兵衛:愛之助
徳兵衛女房お辰:亀治郎
一寸徳兵衛:亀鶴
玉島磯之丞:薪車
三婦女房おつぎ:吉弥
団七女房お梶:門之助
釣船三婦:翫雀
琴浦:宗之助
下剃三吉:種太郎
こっぱの権:仁三郎
なまこの八:鴈成
大島佐賀右衛門:欣也
三河屋義平次:橘三郎
ラブ団七さんの初演は大阪で見ています。ラブさんも団七も堺の出身ということで、本当にピッタリな役なんだと思いますね。再演を楽しみにしていたので、嬉しいです。ラブ団七さんと亀鶴徳兵衛さんのバランスが良いので(共演も多く年齢も近いので気心知れた仲でしょう♪)、見ごたえがあります。
団七と三婦のやりとりで、「牢屋に入っていた間に歌舞伎座がなくなってしまった」とか、団七と女房お梶の間でも、「歌舞伎座がなくなったって聞いてびっくり」、「(お梶に向かって)おまえは歌舞伎座に行ったことあるのか?」なんていうやり取りも聞けて楽しい。こうゆうアドリブというか捨て台詞でも、自然な関西弁で話せるのも根っからの関西人のラブリンならではと感じるところ。いいなぁ♪
磯之丞は薪車さん。昼の部でも感じたけれど、ほっそりと元に戻ってキレイ~♪宗之助さんの琴浦も、すごくキレイ。お似合いです。種ちゃんの三吉も軽快で良い。役の幅がどんどんと広がっていますねぇ。お辰の亀治郎さん、磯之丞さまを預けるのが心配になるのも理解できるほど、キレイで色気がある。ほっそりとしていて夏着物が良く似合う。粋な感じがとびきりかっこいい!花道で、「うちの人が惚れているのはココ」と胸を叩くと白いお粉がほわぁ~っと舞う。花横だったら、お粉が降ってきそうなくらい舞っていました。
権と八には、仁三郎さん&鴈成さんのコンビ。鴈成さんの立役が見られるとは、何とも珍しいですね。女形とは思わせない悪い感じが出ていました。おつぎの吉弥さんも欣也さんの大島佐賀右衛門もハマり役。3月の染模様に引き続いて、ラブリンと共演ですね。染模様メンバーが出ると思いだして、嬉しくなります☆後半で大活躍なのは、義平次の橘三郎さん。義平次って本当に憎たらしくって嫌~な役ですよね。今までに笹野さん、段四郎さん、歌六さんなどが演じていますが、橘三郎さんの義平次って好きです。嫌で好きなんです。
初演、2007年4月の浪花花形歌舞伎での配役と感想をこことここで復習。
メインキャストは↓この3人が変わっただけなんですね。
お辰:扇雀 ⇒ 亀治郎
おつぎ:竹三郎 ⇒ 吉弥
お梶:孝太郎 ⇒ 門之助
なので余計に息が合っているなぁと感じたのかも。
残酷な殺しの場でありながら、キレイな色彩と美しいキメで見せるので、後味は意外とスッキリするんですよね。本水を使った場面もお祭りの騒ぎも熱い暑い浪花の夏を思わせる。次は東京で見たいですね~、このメンバーで。お待ちしてますよっ。
●蜘蛛絲梓弦
~市川亀治郎六変化相勤め申し候~
童熨斗丸/薬売り彦作/番頭新造八重里/座頭亀市/傾城薄雲 実は女郎蜘蛛の精:亀治郎
平井左衛門尉保昌:愛之助
坂田主馬之丞金時:亀鶴
卜部勘解由季武:種太郎
碓井靱負之丞貞光:男女蔵
源頼光朝臣:門之助
いよいよ最後の演目。この「蜘蛛絲梓弦」も2006年1月に新春浅草歌舞伎でかかった時に大興奮だったお芝居。その後、2008年2月の博多座、2009年2月の松竹座での再演・再々演には行けなかったので、久しぶりです。とにかく亀さんの早変りが見ものの演目。童の不気味さ、薬売りの楽しさ(登場の仕方が好きっ!)、番新の美しさ、座頭の巧さ、傾城薄雲の妖しさ、女郎蜘蛛の精の素早さ。どれも甲乙つけがたいですけれど、座頭がお気に入りです。亀さんが早変わりで、してやったり顔を見せたり(番新の出では「また参りました~」と)、客席の反応もすごい。
最後にデッカイ登場をしてくれるのが、ラブリンの平井保昌!ここでも「さっきまで団七で~」とか色々と小ネタを入れていましたね。とにかく理屈抜きに楽しめる勢いがあってスピーディに進む「蜘蛛絲梓弦」。もっと変化を見たいなぁと思うけれど、これくらいがちょうど良いのでしょうね~、きっと。
こうして幕となりました。もしかしたら、カーテンコールあるかしら~とも思ったけれど、名古屋の皆さんは、意外とあっさりさっぱりとすぐに帰って行くのありました。あぁ、楽しかった、朝からのカンゲキ。また秋には戻ってきたいなぁ・・・。ありがとう御園座っ!
今日の席は1階11列上手寄り。最近あまり時間に余裕がないので、予習せずにカンゲキに臨むことが多いのですが、今回もまさにそう。「男の花道」と聞いて、何だか演歌のタイトルみたい~と思って・・・イメージ湧きませんでした。でも、筋書きを買って写真を見ると、超キレイな亀ちゃんのお写真。ん、これは何?期待が膨らみます。それにしても空いています。2階3階の様子は分からないですが、1階席は、けっこう空いていました。土曜日なのに~。それでも、東京の劇場でお目にかかる方がいらしたりして、あら遠征かしら~、それともこっちが本拠地かしら~などと思いながら開演を待ちます。
●男の花道
加賀屋歌右衛門:亀治郎
田辺嘉右衛門:愛之助
山崎順之助:男女蔵
加賀屋歌五郎:亀鶴
加賀屋歌之助:薪車
田辺妻富枝:吉弥
加賀屋東蔵:竹三郎
万八女将お時:門之助
土佐玄碩:段四郎
↓御園座HPより、あらすじ抜粋↓
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江戸後期、徳川将軍の侍医にもなった実在の名医土生玄碩と、時の人気役者歌右衛門の友情を描いた心温まる名作です。前半は、失明寸前となった歌右衛門が旅の宿で玄碩と出会い、その治療で見事完治して互いに心を通わせるくだり。ドラマが激しく高潮するのはその四年後。歌右衛門にとって大恩人の玄碩が心ない侍に無理難題を押しつけられ、あわや切腹という大ピンチになったところで歌右衛門が恩返しをするという場面です。
役者にとって舞台は命。親が危篤になっても舞台を離れることができないのに、恩人を救うため、これを客席にうったえて全力で駆けつけるところは一番の見せ場です。二枚目スターとして活躍した長谷川一夫が映画で主演したあと、女優を加えた座組みで舞台化。大好評を博したことから坂田藤十郎や大川橋蔵らが演じ、その都度評判をとってきた作品です。
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加賀屋歌右衛門という歌舞伎役者さんと医者を志す土佐玄碩の熱い熱い友情の物語です。降涙確率200パーセントです。これからご覧になる方、ご注意ください!
とにかく歌右衛門を演じる亀さんが美しいです。こんなに色気があって美しいと思ったことはないかもってくらいの美しさです。その古いお弟子の加賀屋東蔵を演じる竹三郎さんがまた素晴らしく良い!久しぶりに見た薪車さんはスッキリされていて安心。すこ~しふっくらされていた時期があったので(ご自身もブログに書かれていましたが)ちょっと心配していたのですが、あ~本当によかった。歌右衛門さんのお弟子、加賀屋歌之助を演じます。同じく加賀屋歌五郎には亀鶴さん。
ちょっといやぁ~な田辺嘉右衛門の役に愛之助さん。その姉さん女房には吉弥さん。このやきもち焼きっぷりがおもしろくって、大いに笑いました。新吉原に遊びに行くと知って「いやぁ~~~~~~」と叫びながら捌けて行くところが最高です。吉弥さんって、こうゆう弾けるところも大好き☆
段四郎さん演じる土佐玄碩。亀さんとの親子共演が素晴らしく、熱演で本当に本当に良いお芝居でした。劇中劇では、亀さんが櫓お七を演じます。その途中で玄碩から急ぎの手紙が届くのですが、舞台は江戸時代の中村座。いつの間にか客席後方にたくさんの見物客(を演じる役者さん)が。あ、そのために後方の席は空いていたのね。。。手紙を持ってくる後見の竹さん@加賀屋東蔵と芝居中に手紙を読む亀さん@加賀屋歌右衛門に客席から「なにやってんだよ」「ちゃんとしべ~しろよ」「じょうだんじゃね~よ」といったような罵声が飛ぶ。慌てて幕にしてから幕外で事情を説明する亀さん&竹さん。それに納得した見物客から「わかった」「いってこいよっ」「まっててやるよ~」との温かい声が。客席通路を通って急いで出て行く亀さん。あ~、あっちの通路側にするんだったなぁ、と思っているうちに。次の幕。ある理由で切腹を迫られていた玄碩のもとに、危機一髪で間に合う亀さん。あれ、急いだわりにしっかりと着替えをしてる~とか余計なこと思いつつ、そのまた美しさに惚れぼれする。
最後に『老松』を踊るのですが、それまた素晴らしい。亀さんの手ってすごくキレイですよね。最後もウットリとしました。あ~、東京でもやってほしいです。素晴らしかったです、本当に。
●太刀盗人
すっぱの九郎兵衛:翫雀
目代丁字左衛門:男女蔵
従者藤内:種太郎
田舎者万兵衛:愛之助
お次は、ほのぼの系の舞踊です。こぅゆうのは三津五郎さんがお手のものといった感じですが、悪い翫雀さんと田舎もの愛之助さんのコンビも笑わせてくれました。
目代の男女蔵さん、従者の種太郎も良い。特に今月は種ちゃん大活躍です。前々から応援していますが、また一段とレベルアップしたというか安定してきたというか素晴らしいです。ラブリンの踊りも丁寧できれいです♪
そんなこんなであっという間に昼の部が終わりました。遅めのランチタイム行ってきま~す。