「使命、懸命、宿命」(二回目)
柏木哲夫(金城学院大学学長) 『致知』2008年1月号 特集「健体康心」より
私には自分の人生を動かしていく三つの言葉があります。
それは使命、懸命、宿命という言葉です
それからしばらくして、今度は瀬戸内海のある小さな島で、診療所をやってこられた老いた医者のことを知りました。
七十五歳ぐらいですがまだお元気で、医療に恵まれない島の人たちのために自分の一生を捧げようと懸命に働いてこられたそうなんです。
その方のことを知った時、懸命というのは命を懸けることなんだな、と思い至りました。
その方は、自分の医師としての仕事に命を懸けてこられた。周りの人は、もういいかげんに都会に戻って
のんびりしたらどうかと言うけれど、自分はここに骨を埋めるつもりです、それが私の宿命だと思います、と言われるんです。
普通、宿命というとなんとなくネガティブな感じがありますけれども、そのお話を聞いて、宿命というのは命が宿ることなんだと私は思ったんです。
命を使い、命を懸けて、その結果、命が宿るような人生を送る。そんな生き方ができたらすごいな、と思うんです。