韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

構築と運用

2006-01-05 06:00:00 | 情報セキュリティ
 昨年大きな問題になった東京証券取引所のトラブルは、システム構築よりも、システム運用が軽視されている姿勢を浮き彫りにしました。

 構築については、きちんとしたドキュメント、手順が確立しているのに運用の段階になるとドキュメントの作成もついついいい加減になったり、意図せずとも出来の悪いドキュメントを作成したりして、運用に支障をきたす原因を作ったりということがあるようです。

 当然ですが、コンピュータシステムというものはそのシステムを使用し活用するために作るものであって、構築して終わりではないのです。むしろ、構築が終わった段階がそのシステムの誕生の瞬間であり、そこからそのシステムの歴史が始まるのです。

 社会的な影響度の大きい大規模なシステムについて、ともすれば、構築の苦労や秘話が語られることはあっても、運用の苦労が語られることは、意外と少ないのです。

 このことからも、この世界で運用よりも構築に世の中の人々どころか、IT業界の関係者の目が集まる傾向がみてとれます。実際、これはおかしな話で、どんな立派なシステムを作っても運用がまともでなければ、そのシステムは画餅と同じで眺めるだけで役に立たないということになりかねません。

 システム運用が注目されるようになってきた背景には、インターネットの普及があると思います。ネット上でWEBベースの様々なシステムが動くようになって、これらのシステムがいかに円滑に運用できるかということに関心が集まることで、システム運用に目が行くようになってきた側面があります。

 というのも、インターネット上のWEBベースのシステムは、閉じた世界で動くシステムに比べて、はるかに運用がむずかしいからです。正直なところ、動かしてみないとどのくらいの負荷がかかるかわからない、また、負荷の多いときと少ないときの落差が大きい、そして、世界に向かって開かれていることによりセキュリティ対策が大変むずかしいということがあるからです。

 一昔前は、コンピュータシステムの代表といえば金融機関のオンラインシステムでしたが、現在ではネット上の様々なシステムの方がわれわれに身近になり、信頼性や安全性を求められるようになっています。

 しかし、オープンなインターネットで動作するという性質上、信頼性、安全性を堅牢なものとして運用を続けることは一種の自家撞着で、相反するものをどうにかして苦労しながらまとめながら、システムを運用しているというのが現場の実際の姿です。

 システム運用の世界的な標準ガイドラインであるITIL(IT Infrastructure Library)が日本でも注目を集めて来ていることでもわかるよう、これからもIT業界はシステムの構築よりもその運用に関心が集まるのではないかと私は感じています。

 もちろん、ISMS(ISO27001)もその一環として関心が高まることが予想されます。システム運用と情報セキュリティ、この2つが今年のIT業界のキーワードになるのではないでしょうか。

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