龍の御歳後:徒然の記

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彼(4)

2016-03-13 07:43:34 | 日記
入局した後、肝臓の研究をすることを希望した。教授に呼ばれ、肝臓の脂質代謝をすることになったとのことである。今と異なり、当時の教授の、それも東大教授の力は絶対である。
しかし、当時、脂質代謝などに目を向ける人はなく、研究する人もほとんどおらず、指導者も居ない。言い出した教授など、他人からこんなのがあるよと言われ、じゃあやらせてみるかというような、ずぶの素人である。
震災の時、テレビで原子炉はメルトダウンしていない、メルトダウンしていない、と政府の御用役人をしたような、学識のある人がなるポジションではない。本当に全く知らないのである。そうした状況にあってなお、一から構築していく方々が天下の東大にはしばしば現れる。彼もまた、そうした東大卒の1人であった。後日、勉強は誰もやっていない、狭い領域で良いのだ、何故なら、研究は物事を深く考える訓練であり、究極の目的は患者さんをよくみてやれる訓練なのだからと。(さすが、御立派。小保方さんとは違うのだ)
今では、電子顕微鏡で観察する脂質のシャトルであるリポタンパクなどを通常の顕微鏡でカウンターを使って数えたと言うのだから驚きだ。まあ、そんなところからの出発である。自分に厳しく脅威の頑張りやさん。自分の少しうえの