龍の御歳後:徒然の記

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彼(1)

2016-03-02 07:12:07 | 日記
彼は、昭和の初め、北国の3人兄弟の3番目、地方の勤務医の長男として
生を受けた。姉2人の詳細に関しては余り語ったことはない。彼もまた、
他人との交流は上手くはなかったのかかも知れない。
幼少期から剣道をやり、真面目な性格であるから、段位はとったらしいが、
運動は苦手らしく、武勇伝は聞いたことは無い。
何時、どの様な理由で医学を目指したかは不明であるが、後、地方の
赤十字病院の院長にまでなった父親の姿をみ、彼の性格を考えると進む道
は自然と決まったのかも知れない。
頭の良い人はそんなことを語らないのだろう。彼から、抜群の成績であった、
と聞いたことはない。
ただ、戦時色の強いご時世だったから、中学のころ、夜中にトラックで山の
中にクラス全員が打ち捨てられて、決められ場所に帰ってくる、という
訓練?を良くやらされたようだが、結果は何時もビリであり、あんな非建設
的な所業をやらされる謂れはないと良く憤慨していた。
科学だけが進歩を確認できる唯一のものであり、
哲学や宗教などは、何かしら進歩の糧になって
いるのだろうか、と良くもらしていた。