Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

明日は恒例『「町奉行日記」を読む』@岐阜柳ケ瀬「いしぐれ珈琲」

2011年11月24日 | 朗読・声の周辺


■さて、すっかりボノボの「もうすぐ冬が来る」がすっかり似合う時期がやって参りましたが、明日、11月25日は恒例となりました岐阜柳ケ瀬商店街の「いしぐれ珈琲」にて私のひとり朗読「三十代の潜水生活『町奉行日記』を読む」を行います。午後6時30分から、毎回1本の山本周五郎作品を読んでいますが、現在お送りしている「町奉行日記」も残すところあと2本となってきました。表題作の「町奉行日記」は来月、暮れも押し迫った時期に2デイズでお送りする関係上、今回は巻末の作品「霜柱」をお送りします。



■放蕩息子というものを持った親の心情は時代を超えて大して変わらないのかどうなのか。親として対峙するに自分は全く時期も条件も整っていないけれど、読んでいてその厳しさに息が詰まる思いがしました。是非同じ時間を共有して頂きたく思います。詳しい情報はこちらから。そしてustreamでも生放送の予定です。ご都合が合いましたら是非ご覧いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

日本シリーズが終って(2)鈴木忠平記者(日刊スポーツ)のこと

2011年11月22日 | 日々の雑感


■去るほどに日々は疎し、ですっかり冬支度の街並に、来年のドラゴンズのコーチングスタッフがニュースとして流れている。「老人ホームだな」という表面上は至極真っ当な評価が下されたりしているが、割と同じような感想を抱いた。シーズン中に成績不振以外の理由で休養されることのないよう、球団には万全な態勢で臨んでもらいたいと思うが、きっと脇が甘いまま進んで、ことが起こってから慌てるのだろう。考えたくはないが、親会社に対する認識と評価は今の自分にとってはその程度のものだ。もしそうなったらガッツポーズするご仁もいるかもしれない「中日スポーツ」も、随分前に買わなくなった。
■さて、これも今朝のタイムラインに流れて来た話題。日本シリーズ第7戦の結果を伝える新聞各紙の中で、日刊スポーツだけを購入した。理由は鈴木忠平記者の記事がトップにあったからであり、会ったこともない彼の記事に、これまで強い共感を覚えて来たからでもある。かつて自分は触発されて、こんなエントリも残した。

恩田美栄・讃
http://blog.goo.ne.jp/afrowagen/e/f0876b6f9f151cc3d64ca80aeb3d632a

■本当に久しぶりに恩ちゃんの記事のことを書いてしまった。自分の記憶に間違いがなければ、この時、今も時々語られる2005年12月の全日本フィギュア選手権の恩田選手についての記事は、鈴木記者によるものではなかったかと思う。名古屋出身の選手だから、という理由もあったのか等こまかい事情は知るべくもないが、この2、3日の彼の記事を読んでいて、ふと思い出した。ここまで書いて記憶違いでした、となると相当恥ずかしいので調べてみたいと思う。最後に、Yahoo!のトピックスにも上がっていた、鈴木記者のさらにもう1つの良い仕事のリンクを紹介しておく。すべて集英社の「スポルティーバ!」のweb版へのリンクです。

【プロ野球】落合監督と選手たちとの8年

(1)『絆~衝撃退任から始まった奇跡』
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2011/11/11/8/

(2)『改革~オレ流の常識は球界の非常識』
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2011/11/12/8_1/

(3)『勝利~三冠王がたどり着いた守りの野球』
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2011/11/13/post_86/

(4)『非情~情の采配を捨てた理由』
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2011/11/14/post_87/

(5)『逆風~物言わぬ指揮官、沈黙のわけ』
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2011/11/15/8_2/

日本シリーズが終って

2011年11月21日 | 朗読・声の周辺


■もう30年この方ドラゴンズファンの自分としては、今回のシリーズの結果は非常に残念なものではあったけれども、圧倒的な下馬評に対して、むしろ7戦目までよく戦ってくれたなという気持ちの方が、どちらかといえば強いです。パブリック・ビューイングにも行かず、ずっとテレビとラジオとMacの前での観戦でだった自分が、久しぶりの長時間視聴で気付いたこと。それは野球とはあまり関係がないことで、「やはりアナウンスメントは高低変化で聞かせるのが基本なんだな」でした。
■特にテレビ。第7戦のNHK-BS1、竹林宏アナウンサーの実況は、今更言うまでもないことですが、本当にすばらしいものであったと思います。ある音域の上下から決して飛び出すことがないために、観る側は、耳と目をきっちり分けて意識を働かすことができるように思ったのです。「これより高いとこ低いとこ、大きいとこ小さいとこにはこないな」と分かると、自然と集中できるのだな、と。自分の読みにも参考にさせて頂こうと思いました。落ち着いたら、もう少し突っ込んで研究してみたいとも考えています。こういう面については、やはりNHKの持っている技術の蓄積には、ただひれ伏すしかありません。
■なお、民放各局については、ラジオのおひとりを除いて特に言及することはありません。いろいろなものが、それ以前の次元であるように思いましたので。

「法師川八景」後半をアップしました

2011年11月18日 | 朗読・声の周辺
■今朝、ツィートではご紹介したのですが、こちらには直接、先月末に行われた『「町奉行日記」を読む』の一編、「法師川八景」の後半の模様を貼付けておきます。お時間のある時にでもどうぞ!次回は来週、11月25日です。詳しくはこちらから。

朗読/山本周五郎「法師川八景」(後半その1)



朗読/山本周五郎「法師川八景」(後半その2)



多くのアクセスに感謝

2011年11月16日 | 朗読・声の周辺


■おはようございます。昨日の「リチル」さんに関するエントリを上げさせて頂いたところ、多くのアクセスを頂きました.本当にありがとうございます。編集画面を開いてのけぞるくらいの数字がでました。普段から大したことを書いているウェブログでは全然ありませんが、これからも折に触れて立ち寄って頂ければうれしいです。で、朗読している場にお越し頂けるのが一番ですが無理は申しません。今後ともよろしくお願いいたします。繰り返しになりますが、12月14日の午後7時からと午後8時30分からの2回です。よろしくお願いいたします。詳細はこちらとかこちらなどから。
■写真はいつか撮ったあおなみ線の某駅からの金城ふ頭方面を望んだ風景。朝には、こういうぎゅっと凝縮した空気感が似合います。さて、行ってきます。

12月14日は里帰り?「リチル」さんにて朗読。

2011年11月15日 | 朗読・声の周辺


■おはようございます。すっかり夜が明けてきた名古屋です。これから年末にかけての朗読の予定、1つが消えた代わりにひとつ加わったので、そのお知らせをさせて頂きます。
■当初、Twitterなどで「12月18日は岐阜まち物語で」云々という書き込みをしておりましたが、会場や出演者の都合などで折り合わず、12月の岐阜は23-24日の「町奉行日記」1本にしぼることになりました。そしてその空いたところにするっ、と入って来たのが、本エントリでお知らせする、「リチル」さんでの朗読です。12月の「潜水生活」といえばこれ、カレル=チャペックの「園芸家12ヶ月」の最終章「12月の園芸家」でご機嫌をうかがいます。
■このリチルさん、名古屋の地下鉄鶴舞線、川名の駅から北へ15分ほど歩いた名古屋大学に隣接した一帯にあるお店です。この近辺は大学時代に活動エリアであったところのすぐ隣でもあり、実に懐かしい町並みが、あまり変わらないまま残っています。高速道路が出来たり地下鉄の環状線が通ったことですっかりきれいになってしまったあたりから、2、3歩足を踏み入れただけのところなのですがね。で、ここのオーナーさんが、実は私のプロフィールの最初にある、大学演劇部の直接の先輩のひとりなのです。某大手「遊べる本屋」チェーン(いってもいいよなあそこは)での全国津々浦々での勤務を経て名古屋に戻り、これまで独立の準備を進めてこられ、さる10月の頭にスタートしたばかりの「ブック・カフェ」です。名大や南山大の関係の皆さん的には、「あああそこ、定食屋の『ひさや』の隣」で分かって下さる方もいらっしゃるかもしれません。
■先日、雨の日曜日にご挨拶も兼ねてお邪魔した際におさめた写真でトップページにFLASHを作ったりしたのですが、実に雰囲気のいい空間がそこにありまして、これは是非何かやらせて頂きたい、とその場で申し上げ、トントン拍子に決まったのがこの催しです。何分ちいさな場所ですので、お申し込みは各回限定10名様とさせていただければと思います。ご予約はすべて下記のアドレスにメールでお申し込み下さい。ワンドリンク付きの代金は当日精算とさせていただきます。もし幸いにも多くの方に来て頂ければ、当日のご入場は出来ませんので、お早めにどうぞ。詳しくは、こちらからどうぞ。
■なお、オーナー氏曰く、「チャペックをイメージしたおやつを何かつけます」とのこと。お楽しみに!

ニシムラタツヤ・たまたまひとりの朗読会「三十歳の潜水生活」
vol.5.1-冬のおさらい「12月の園芸家」を読む

日時:12月14日(水)午後7時開演/午後8時30分開演
(各回限定10名・各回入替制)

会場:リチル[litir]-本、雑貨、茶房。
(愛知県名古屋市昭和区伊勝町2-88)TEL/052-700-7710
※地下鉄名城線「名古屋大学駅」もしくは地下鉄鶴舞線「川名駅」
から徒歩約15分。名古屋大学、南山大学から徒歩約10分。
※伊勝小学校西側、伊勝八幡宮の隣あたり、お好み焼き屋さん
と定食屋さんの間にあります。

料金:1,000円(1ドリンク付)
ご予約先:mail●litir-books.com(●を@にかえてください)
ツイッター→@litir_book
主催:リチル 共催:声とインプロAfroWagen

繊細な刃物のようなーshelf「幽霊」

2011年11月05日 | 舞台特に演劇

■当然の話かもしれないが、舞台全体を視野に収めるために大きな劇場では視線をあっちこっち、もっとおおげさに身体の重心を座席に腰を下ろしたまま左右に揺らしたりすることもある。それが、演劇的な楽しさや華やかさが伴うものであれば良いのだが、単に観る側に散漫なイメージだけを与えるだけの残念な結果をもたらす舞台作品もやっぱり多い。例えばそれは、七ツ寺共同スタジオのような小さな劇場であっても、舞台上で起こることをじっと凝視せざるをえないような緊張に溢れたところに遭遇するのは、実はこれまで少なかった。

■七ツ寺は来年開場40周年を迎える。自分が高校3年生の時に初めて訪れてからえーと、もう18年の間に一体何本の作品をあそこで観てきたか数知れないが、実は今週末つまり今日から、久しぶりに凝視しがいのある、濃密な演劇作品に出会えるということで非常に楽しみにしている。東京に本拠地を置くShelf(シェルフ)、継続的に取り組んでいるノルウェーの劇作家、ヘンリック・イプセンの「幽霊」が本日午後7時30分から名古屋での初日を迎える。

■一般的にイプセンは「旧来の陋習を破壊した個人主義に基づく新しい戯曲を19世紀末において書いた人物」なんて言われ方をする。高校時代に倫理の時間にちらっと出てきたりしたのは、それがヨーロッパ社会の社会通念が、世界史的に大きく転換する時期に軌を一にして変わりつつあったことの象徴となったからなのだろう。それを深く掘り下げる知識も筆力も自分にはないのでこれ以上は突っ込まないが、なんとまあこれほど揺れ動く日本に問うのに似つかわしい作家と作品であることか、と思う。ちらし表面に掲げられた戯曲の言葉にもそれは現れている。

■『わたしたちには取りついているんですよ。/父親から母親から遺伝したものが。/でもそれだけじゃありませんわ。/あらゆる種類の滅び去った古い思想、/さまざまな滅び去った古い信仰、/そういうものもわたしたちには取りついてましてね、/そういうものがわたしたちには、/現に生きているだけでなく、ただそこにしがみついているだけなのにー/それがわたしたちにはおいはらえないんです。』

■改めてリライトしてみるだけで、何だかさわさわしたものがキーボードから立ち上がってくる気がする。「古い信仰」だけではない。私という主体全体が、刻一刻と「古く」なっている。誰かが、すべての人間は緩慢と自殺しているだけだと言った意味と似ているかもしれないが、抗いきれない流れにそれでも抗おうとして生まれてくるさまざまなレトリック。それらがどれほどたくさん存在していて、かつそれら自体の間におびただしい数の通奏低音が存在しており、時折「暴力」呼ばれたりする。

■それが社会のありようだよと言ってしまえばそこまでの話なのかもしれない。ただ、できることなら抗うこと=生きることを肯定したい私たちにとって避けられないレトリック(+社会構造、人間関係、etc)の問題を昇華して私たちの前に見せてくれるのは、やはり舞台芸術、わけても演劇の力であるとあると思う。まるで、刺されたことがわからないほど細く繊細な刃物で刺されるかのごとく。そこに真正面から向き合う矢野さんとshelfの作品は信頼がおけるし、今日から始まる上演には、たくさんの方に観て頂けるといいなと思います。今日までに東京と京都で既に上演されており、その感想がtogetterでまとめられている(京都→こちら・東京→こちら)ので参考になさってください。

 

 

【名古屋公演】<名古屋市民芸術祭2011参加>

日時 /2011年11月5日(土)~11月7日(月) ※全4ステージ
11/5(土)19:00 ☆  11/6(日)14:00 / 19:00 ☆  11/7(月)19:00
・開場は開演の20分前 受付開始は開演の60分前です。
・☆の回は、終演後、演出家とゲストによるポスト・パフォーマンス・トークを開催します。

11/5(土)ゲスト 平松隆之氏 (劇団うりんこ/うりんこ劇場) 11/6(日)ゲスト 山上健氏 (建築設計者)

料金 / 一般前売 \3,000 当日 \3,500 (日時指定・全席自由席) 学生前売・当日共 ¥2,000

場所 / 七ツ寺共同スタジオ Nanatsudera Kyodo Studio
名古屋市中区大須2丁目27-20 tel/052-221-1318  地下鉄鶴舞線「大須観音駅」下車 2番出口徒歩5分
地下鉄名城線「上前津駅」下車 8番出口徒歩10分

イプセンって何?誰?という方はまずこちらから

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヘンリック・イプセン