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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

ブラッドレス・メアリー◇機動戦士ガンダム外伝

2020-08-18 19:52:45 | 機動戦士ガンダム外伝
◇プロローグ◇


ー宇宙世紀0079ー

あのルウム会戦から約8ヵ月が過ぎた同年8月、地球連邦軍はガンダムNT-1を開発開始した。
この時、二つの開発計画が提案されていた。
一つはNTー1=ガンダム・アレックスで連邦軍軍需開発部で開発され、もう一つは民間企業であるアナハイム社が手掛けていた。
この機体の開発に当たっては、ある意味NTー1より極秘に扱われた。

入道雲の影から太陽の光が差し込む同8月のとある日、休暇で参謀本部を離れ、避暑地にて休暇を楽しむエルラン中将のもとに、若くして起業した青年実業家を名乗る者が訪れ、金塊と引き換えに、民間企業であるアナハイム社にモビルスーツの開発及び試作機を頼みたいと、話を持ち掛けられる。
勿論、極秘に事を運んだ暁には成功報酬として同額の金塊を支払うとの条件付きで持ち掛けられた。
まず、開発及び試作機の製作費の半分を手付金として渡されたエルラン中将は、この話を承諾、休暇開け早々にアナハイム社へ赴き、青年から渡された企画書と手付金の残りの金塊を連邦から極秘にと話を持ちかけた。
アナハイム社にしてみれば、断る理由など無かった。
むしろアナハイム側から受注を申し出たいと思っていたくらいなのだから。
その為、先行投資を行い、生産ラインを新たに新設。
その矢先に飛び込んできた話である。
断る理由など無かった__。

◆◆◆◆

同年9月15日:地球連邦軍ホワイトベースは、サイド7にてガンダムを含む試作モビルスーツを受領するためジャブローを出航。
しかし、[V作戦]の情報を掴み当該宙域に潜んでいたシャア・アズナブル少佐(当時)率いる部隊に捕捉されてしまう。
同9月18日
地球連邦軍ホワイトベースはサイド7、1バンチに入港。

◆◆◆◆

時は流れ同年11月22日 - 24日にかけ、地球連邦軍ホワイトベース隊は、大西洋上にてジオン占領地:北米キャルフォルニア・ベースから出撃したマッド・アングラー隊と交戦。
同11月27日:地球連邦軍ホワイトベースは辛うじてこの追撃を交わし、ジャブローに到着。
だが、これはマッド・アングラー隊率いるシャア・アズナブル大佐による巧妙な戦術によるもの結果であった。
同11月30日:シャア大佐率いるマッド・アングラー隊がジャブローの入り口を発見し、ジャブロー内に潜入した__。

この物語は、その【ジャブロー強襲】作戦に参加した別動部隊の物語りである__。


ブラッドレス・メアリー
~冷鉄のメアリー~
機動戦士ガンダム外伝


第一話



≪ジオン・キャリフォルニア陸戦隊偵察小隊:キラービー隊≫
※母機:改・ガウ級強攻偵察空母キラービー

全高:72.4m ※全長:82m 全幅:159.4m

動力源:熱核反応炉
推進機関:熱核ジェットエンジン×18基
最高速度:※マッハ1.2

兵装
:※主砲:上部格納式60口径15.5cm連装砲×1基(実体弾)
:※機首(機体側面)25mm連装対空機銃×2基
※従来のガウ攻撃空母級より、兵装と最大搭載数を減らし機動力を向上させた機体。
実際には主砲をメガ粒子砲から実体弾装填式に変えた為、弾薬等を満載した時の最大速度は、たいして上がらなかった。
その為、最大搭載数を減らす事と成った現地改良型機体である。
ただ、デメリットばかりではない。
確かに最大搭載数などは減ったものの、実体弾兵装に切り替えたメリットもある。
それまでの搭載されたメガ粒子砲は、かなりのエネルギーを必要とし、これを使用する事による使用エネルギーの制限をせざるおえず、巡航速度を落とす必要があった。
これにより、追撃を交わせず堕ちた機が複数、報告されている。

最大乗員数:34名

他、弾薬庫

搭載MS(モビルスーツ)×※2機
搭載機:ドップタイプ×※2機
※印は私設定。
ジオン公国が開発した大気圏内用大型輸送機 / 爆撃機である。
また、熱核反応炉を搭載し、その電力により熱核ジェットエンジン18基を駆動し、ほぼ無限の航続距離がある。
だが、コロニー内のシミュレーションのみで設計された機体であったため、ドップと同じく揚力だけで飛行を支えるのは不可能であり、全速航行時でも下方ジェット噴射に揚力の30パーセントを頼っていたという。
ただし、ガウの航続距離がほぼ無限であるという話はジオン開発者たちの初期計画における机上の空論としている。
陸上での長距離移動能力に乏しいモビルスーツを運用するために開発され、MSを胴体部に3機、ドップ戦闘機を両翼にそれぞれ4機搭載可能である。


[メアリー少尉。あと10分で連邦の制空権に入ります。]
[対空砲火を避ける為、高々度で侵入します。]

[了解だ。曹長(機長)。]
[私の"ディアブロ"なら問題ないわ。]
[あの機体はフライトタイプの陸戦モビルスーツ。]
[私が先行して、あとから来るシャア大佐率いるマッド・アングラー隊を導き、私の本作戦の本命を奪取し、帰還する。]

[少尉の無事な帰還を!]

私はメアリー・オディール。
ジオン地球占領軍キャルフォルニア・ベース所属陸戦隊偵察小隊士官。
年齢:20歳。
マ・クベ中将撤退後、キシリア閣下直属のシャア大佐率いるマッド・アングラー隊に編入、作戦遂行の為、別動隊としてジャブローに先行して潜入する。
潜入後、シャア大佐率いるマッドアングラー隊の上陸部隊を導き、そこからはキシリア閣下から受けた本命=ニュータイプ対応モビルスーツ:ガンダム・アストライアの試作実験機の奪取、これをキシリア閣下の待つ、月の都市:グラナダに運ぶ。これが任務である。
この作戦が成功すれば私たち"キラービー隊は二階級特進と宇宙(そら)へ還れる。
ただ、一つ気がかりなのは、このニュータイプ対応モビルスーツ:ガンダムの情報の入手経路だ。
エルラン中将が絡んでいるとの噂だ。

曹長が機長なのは、キラービー隊に私より上官は居ない。
本来なら私が機長を務めるのだが、今回の作戦で私は愛機ディアブロ=グフ・フライトタイプに機乗する。
だから次に階級が高い曹長である彼、マーチン・アストに任せている。

私たちはショットグラスに注ぎ分けたバーボンウイスキーを一気に呑み干した。
胸部から胃部に掛けて[カァー]と熱く成るのが解った。
作戦遂行中に不謹慎と思われるかも知れないが、これは私がキラービー隊隊長を引き継ぐ前からの"伝統"なのだ。


前隊長は私を庇い戦死した。
あれは地球降下作戦が開始されて間もない頃のことだ。

ー地球連邦・オデッサ鉱山区ー

[ガガガガガーーーーーッ!!]

[銃を捨てろ!命だけは助けてやる。]
[捨てたら一気に走って逃げろ。振り返る事なくな。]
私は上陸後、塹壕(ざんごう)に逃げ隠れする連邦兵を追い詰めていた。
震えながら拳銃を構える連邦士官。

[こんな柔い連中を相手にしていたとはね。]

当時、私は軍曹でモビルスーツのパイロットとしては駆け出しの女としては気の強いパイロットだった。
入隊後、基礎訓練課程を得て、早々にモビルスーツのパイロットに抜擢された。
自信たっぷりに戦果を上げる"赤い彗星"に憧れ、無我夢中で前線に立っていた。
トントン拍子に階級も上がった。
嬉しいと言う気持ちより、ワクワクな気持ちの方が上回っていた。
そんな思いもあり、私はこの塹壕で命を失い掛けた__。

震える連邦士官は私の言う通り、手にする拳銃を捨て、塹壕をよじ登りオデッサの大地を走り出した。
私は姿が見えなく成るまで確認する事なく、塹壕をあとにし当時、使っていたモビルスーツザクⅡ向かって歩き始めた時だった。
私は背後から射たれ、その場に倒れた。
意識はある。 
痛みを堪え、身体を起こし尻を地に着けたまま、[ズルズル]と引きずるように振り返った。
走り去った連邦士官が確認出来た。
彼は同じ塹壕で息を引き取った同士の拳銃を拾い、それを構えていたに過ぎなかったのだ。
そう。私は基本的な検査を怠っていた。
彼は自分の拳銃を隠し持っていたのだ。
私は死を覚悟した。
再び銃声が響く中、私は薄目を開け辺りを見回した。
私を射った連邦士官は大地に横たわっていた。
[……!?]
[誰かが助けてくれた……?]
隊長が視界に入った。
[……隊長。]
私の側には葉巻を咥える隊長がいた。

[無事だったようだな。メアリー。]
[相手に情けを掛けるなら細心の注意を払え。]
[次は死ぬぞ。]
隊長は、そう言うと私の背中に腕を回し、私を抱えるように歩き始めた。
二歩、三歩ゆっくりと歩いているときだった隊長がいきなり血反吐吐いた。

[……えっ!?何、何が一体?]
そう思った瞬間、今度は私の左耳に違和感を感じた。血が[ポタポタ]と落ちのが解った。
私は隊長をゆっくりと大地に寝かせ、左耳に手をやった耳はあるが、ピアスが無い。
私を狙った銃弾はピアスを弾き飛ばしたのだ。
その衝撃で私の耳たぶは切れたのだ。
私は[よたよた]と歩き、連邦士官目掛け引き金を引いた__。

気を失った私は野戦病院に運ばれていた。
衛生兵の話だと、私は隊長の亡骸に覆い被さるように倒れていたと言う。
そして、名誉の負傷者として後日、二階級特進した__。


[ヴィー!ヴィー!ヴィー!]とアラームが格納庫内に響き渡り、朱(あか)いライトが点灯した。
減圧されてゆく。

[此方、管制。ディアブロ:メアリー少尉聴こえるか?]

[此方、ディアブロ:メアリー。感度良好で受信。]

[了解。カウント合わせに入る!]
[自然落下による射出10秒前!]
[……5.4.3.2.1.射出ッ!!]

[少尉!ご武運を!]

私は右腕を頭部に上げ、敬礼のポーズで返礼した。
自由落下による速度が増して来る。
小刻みに機体が揺れている。
母機キラービーが速度上げ、高々度から高度下げてゆく。
目視では確認出来ない程の距離で、撹乱行動に入ったようだ。
音を伝わり、ドップタイプ2機が発進した事が解った。

[派手に動き回ってるようだな。]
[ヤバく成ったら逃げろよ。]
私はそう心の中で呟いた。


≪グフ・フライトタイプ:ディアブロ≫

[ホバー推進、作動。]
[飛行体形よし。姿勢制御スラスター点火。]
蒼白い小さな炎が足裏、腰、バックパックから噴射、バックパックに装備されたウイングを可変させ、着地に備えた。

[着地まで3分。]
[よし。今のところ定刻通りだな。]

[……22.21.20……8.7.6.5.4.3.2.1.着地。]
[着地。成功。]

[ふう。]と一息ついた。

◆◆◆◆

第二話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。機動戦士ガンダムの二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。

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