ミノフスキー粒子
静止質量がほとんどゼロで、正粒子は負(マイナス)、反粒子は正(プラス)に荷電する一種の素粒子。 質量がほとんどゼロのためにほとんどの物質を透過し、発生と同時に高速で拡散し、十分に密度を保った状態では、その静電入力とTフォース(本粒子間にはたらく転換相互作用)とのバランスによって正と反の粒子が一定の間隔を置いた立方格子状に整(結晶化)し、目に見えないフィールドを形成する。 この立方格子の電磁波作用でマイクロ波よりも波長の長い電波は妨害され、(99パーセントを遮蔽)、レーダーの精度が低下し、遠距離の無線通信が不可能となる。 また、高濃度のミノフスキー粒子下では大規模集積回路の機能障害も生じるため、保護システムも開発されるが、高価で重いためミサイルへの搭載は不可能である。 本粒子によるこれらの特殊効果を「ミノフスキー効果」と呼ぶ。 本粒子は「粒子加速器」によって発生が可能とされ、発生と同時に距離の2乗に比例した速度で拡散する。 一定の濃度で散布を続けると、発生器の周囲には濃いミノフスキー粒子帯が発生し、半径数十キロメートルは通信不可能となるが、百キロメートルを過ぎると粒子が高速で拡散するために影響は減る。 また、ベカサス級ホワイトベース(側面の円盤状の装置の外縁部に「ミノフスキー粒子発生装置」があるとされる。) ムサイ級といった宇宙艦が本粒子を散布している。
トレノフ・Y・ミノフスキー博士によって存在が予測されるが、発表時には旧19世紀のエーテル理論の復活であるとして攻撃・黙殺される。
電気力・核力・重力といった「力」と空間を統一されたひとつのものとして扱う試みはアインシュタインの統一場理論でも部分的にしか説明できなかったが、博士は本粒子の存在を仮定することで実現し、これと新しいゲージ理論によって大統一理論にひとつの決着を付けている。
アナハイム・エレクトロニクス社がミノフスキー博士の研究のスポンサーとなり、宇宙世紀0040年にミノフスキー・イヨネスコ型試製核融合炉を製作することで本粒子の発見に至るも、共同設計者であるイヨネスコがそのような粒子は一度も検出されなかったと証言し、博士は学会から「詐欺師」の汚名を着せられ永久追放される。
しかし、直後にデギン・ザビの手引きによってサイド3に招聘されている。 サイド3では0045年に「ミノフスキー物理学会」が設立され、0047年に改めてミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の開発が開始される。
0065年、同学会は熱核反応炉内における特殊電磁効果を発見するが、追試の結果は非公開とされる。
0070年3月にはジオン公国軍がミノフスキー効果の確証実験に成功、5月にはメガ粒子砲が完成、翌0071年には小型熱核反応炉の1号機が完成し、本粒子散布下における新型兵器の開発に着手する。
ミノフスキー物理学は既存の物理学を大きく揺さぶり、「ミノフスキー・ショック」とも呼ばれ、素粒子物理学にピリオドを打ったとまでいわれる。
これらはジオン公国の独占技術であったが、戦争を防ぐため、0072年にミノフスキー博士が亡命し、地球連邦側にも渡ることとなる。 なお、本粒子は可視光線には影響をおよぼさないため、散布下でもレーザー通信や光学照準は使用可能である。
ただし戦闘濃度で散布すると赤外線がかなりカットされ、赤い色がやや見にくくなる場合があるとも報告されている。
また、一定の距離であれば熱反応を探知できるため、メガ粒子砲やミサイルのロケット噴射といった「高熱源体」は探知可能である。
Iフィールドミノフスキー粒子が充満している空間。一定以上の濃度で散布されたミノフスキー粒子は、立体格子状に正負の電磁波が整列する性質を持ち、この立体格子状の場のことを「Iフィールド」と呼ぶ。この立体格子はミノフスキー粒子の間にのみ働く特殊な転換相互作用「タウ・フォース」と静電入力によって形成される。
Iフィールドは空間そのものが電荷を持つ性質を得ており、特殊電磁場効果によってIフィールドを通過しようとする電磁波の多くは遮断・減衰される。この性質を軍事転用したものがミノフスキー粒子を用いたジャミングである。ただし、ミノフスキー粒子自体にはIフィールドを維持する性質はなく、この効果を維持するにはミノフスキー粒子を継続散布する必要がある。
M&Y型熱核融合炉ではIフィールドを電磁的に圧縮した超結晶格子構造を炉心に展開することでプラズマを封じ込め、炉心の維持を行っており、他にもメガ粒子ビームの収束やビーム・サーベルの刀身形成、フィールド・モーターなど様々な技術に幅広く応用されている。
また、ビーム兵器がIフィールドに依存した兵器であることを逆に利用し、異なるIフィールドの間に作用する斥力を利用してメガ粒子ビームをIフィールド力場によって逸らす事で防ぐIフィールド・ジェネレーターも開発されている。ただし、発生源の外側へIフィールドを展開するには膨大なエネルギーが必要であり、搭載例は概ね一部の大型MAや高出力MSに限られている。また、Iフィールドバリアはフィールドの外側から発せられたビームを逸らして無力化するが、力場発生面の内側で発生したビームまでは防御することは出来ない。
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ザクIII改(※黒き獅子の涙ver.)
ZAKU III CUSTOM 型式番号AMX-011S 全高25.3m 頭頂高21m 本体重量44.3t 全備重量71.4t
装甲材質ガンダリウム・コンポジット
出力2,860kW 推力34,200kg×2(バックパック) 28,400kg×3(スカート後部両側中央) 19,300kg×3(腰部前) 総推力:211,500kg センサー有効半径9,700m
武装 メガ粒子カノン×1(1~数発しか使用出来ない) ビーム・サーベル兼用Iフィールド・ビーム・キャノン×4 30mmバルカン砲×2 ビーム・ライフル
搭乗者メインパイロット:エリカ・ミノフスキー
セカンドパイロット:ロキア・リオ(本人はメインパイロットだと思い込んでいる)※第五話参照。
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