鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

Marionette.黒き獅子の涙◇機動戦士ガンダム外伝◇第九話

2021-04-10 23:46:00 | 機動戦士ガンダム外伝


「……何だぁ?あのコムサイ、妙な飛び方してやがるな。」

「マーム。解ってるね!?赤く光ってるものは悪い奴、敵だよ。」

「うん。大丈夫。」

真鶴は左の口角を上げ、スロットルを開けビーナスを加速させた。
背中のバックパックに備わるメインバーニアの青白い炎が、拡がりを増した。
同時にビームライフルを撃ち放った。

「ん!?」
「照準が甘いのか?外しちまったか。」
「まぁ。初弾は、ほんの挨拶代わり。」
「次は外さん!」
真鶴はビームライフルを連射したが、二発目、三発目も僅かに弾道が反れてしまう。

「チッ!整備は何をやってんだい!シゴキ確定だな。」自動照準からマニュアル照準に真鶴は切り替えた。

「……真鶴のお姉さん。画面が臙脂(えんじ)色で赤い点が薄いよ。」

「何!?臙脂色だと?」
「マーム。教えてくれてありがとう。」

「ミノフスキー粒子か。」
「ははぁん。そうか。あの妙な飛び方は奴ら結界を張りやがってたんだ。」

「まぁ。いい。コッチにはニュータイプが居るからな。」
「ニュータイプ(感応波)にはミノフスキー粒子なんぞ効かんからな。」




「ロキアさん。ガンダムはこのミノフスキー粒子の格闘場(リング)に気がついたみたいです。」

「ほう。」
「ビーム攻撃主体のガンダム、賢い奴がパイロットか?」

「解りませんわ。」



「そらりゃそうだ。
俺はバーニアを吹かし、ライトサーベルの出力をリミッターギリギリまで上げ、間合いを詰めようと加速した。
そんな俺の操るザクⅢ改ハウンド・ドッグに、ガンダム・ビーナスはファンネルとビームライフルによる攻撃を多様して来る。

「何ッ!?」
「ファンネルだと!!」
「奴は、ガンダムはニュータイプかき強化人間なのか!」

すかさず、エリカは残り3本(基)のIフィールド・ビームキャノン(サーベル)を射出、ガンダムの放ったファンネルに対応した。

「ロキアさん!防御は任せて!」
「攻撃に集中して!」

「了解!」

「おおおおおおーーーッ!!」
俺はガンダムの頭上からダイブしながら上段に構えたビームサーベルを振り下ろした。
負けじとガンダムは素早く半身に構え、ビームサーベルを転回させ、ハウンド・ドッグのビームサーベルを受け止めると同時にビームライフルを撃ち放って来た。
俺はそれを交わす為、スラスターを目一杯吹かし、仰け反るようにバク宙で交わした。

「流石は改良型を更にチューアップした機体だ!」
「この反応力と機動力、ACEに成った気分だぜ!」

距離を取った俺は一度、ビームサーベルを収め、ビームライフルに持ち変えた。

「ロキアさん。照準はマニュアルで。」
「わたくしがサポートします。」
エリカはコロニーのジャンヌにバックアップによるサポートを再び依頼した。
中継はコムサイhoney.beeだ。
honey.beeが陣取る空間のみ、ミノフスキー粒子を散布していなかったのだ。
honey.beeが得た情報を瞬時にコロニーのジャンヌに転送、転送された情報をジャンヌが即座に解析と分析を行い、一手先又は二手、三手先の行動として、honey.beeへ再送信、その内容は瞬時にハウンド・ドッグに送られている。



「ガンダムのパイロットに告ぐ!」
「貴官らが拐った娘を返して頂こう!」
「さすれば、貴官らを見逃してやる!」
「このザクⅢ改ハウンド・ドッグの実力は解ったはずだ!」
「ニュータイプの貴官の攻撃は全て読み取れている!貴官らに勝ち目は無い!!」



「クックックッ。」
「笑止!」
「喰らえッ!!演説マン!!」
真鶴はそう云い放つと同時に装備されたメガ粒子カノン4門を連射、俺は縦横無尽に飛び回り、Iフィールド・ビームキャノン4(基)を操るエリカがビーム光弾を全て弾き返した。

そんな中、



「あっ!お父さんの声だ。」

ビーナスのコックピット内に漏れるマームの「お父さん。」の声。
真鶴の左の口角が、上がった。


第十話(最終話②)へ
つづく。

この物語りは「機動戦士ガンダム」の二次創作外伝です。
登場する人物、企業等は全て架空です。
実在する人物、企業等は関係ありません。
使用している挿し絵的画像はイメージです。
※この物語りに登場するガンダムは「ガンダムF91」がモチーフです。

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