goo blog サービス終了のお知らせ 

鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

狩猟士ハンターキラー・アマネスク◇プレデター外伝◇第六話

2020-11-14 16:58:00 | プレデター外伝

私は、ついさっきブレイドを太股に突き刺した人間(仲間)に手を差しのべた。

[死にたくなければ一緒に来い。]

[ハァハァ。]と肩で息をする仲間は苦痛に歪む顔を一転、私を睨みつける。
闘志を感じさせた。
私は目測でショルダーブラズマカノンの照準を絞った。
仲間は目を[ギュッ!]と瞑(つむ)った。
同時に私のショルダーブラズマカノンが火を吹く。



[やるねぇ。]
[射撃の腕は良いようだな。ヘルメット無しに、ここまで正確に撃ち込んで来るとはな。] 


狩猟士ハンターキラー・アマネスク
◇プレデター外伝◇

第六話


メサイアが攻撃を仕掛けて来る前に、首を縦には振る事はしなかったが、私は仲間の腕を掴み、無理やり起き上がらせ肩に担ぎ上げ、光学迷彩を作動された。

私が装備するプレデター:クローキング・デバイス=光学迷彩は、一般的なもの。
身体に装着しているスーツから発生する特殊なフィールドによって、主に人間の目には見えないようにすることができる。
ただし条件によっては型板ガラスを通して見るように、その存在が人間に目視されてしまう事があるわ。
基本的には周りの風景に同化させる光学迷彩装置である。
また、クローキング中はスピアやワイヤー等の手持ちの武器も見えなくなるが、手元から離れてしまうと見えるようになる。
この光学迷彩装置は濡れた状態だと正常に機能せず、充分に迷彩が発揮されない事があるの。
水によって装置そのものが損傷するわけではなく、クローキングを解除して水の無いところで再度起動すれば正常に作動するわ。

メサイアは指笛を鳴らした。



[ガウウウ。]

[アタシの眼より、確実に姿を隠したお前を見つけ出すアタシの相棒ヘルハウンド号は鼻が効く。]

どうやらメサイアは単独で、この地球へ逃げた訳ではなかったようだ。
猟犬をお供に、逃げた込んでいたのだ。

[チッ。厄介だな。]
[プレデートされた猟犬も一緒か……。]

[おい。]
[お前、名前は?]

[ギロリ。]と睨みながら私の質問に答えた仲間。

名前ぐらいは教えてやる。仲間だ。仲間 恵だ。と、苦痛な表情を浮かべ、答えた。

[何故、助ける?]
[チームメイトに降伏させる為に助けたのなら、考えが甘いぞ。]
[我々、武装警察隊は命乞いは、しないぞ。]

私はその言葉に左の口角を上げた。

[我らプレデターと同じか。]

[……!?]
[……プレデターだと!?]
[訓練生だった頃に学習した事を思い出したよ。]
[確か……二度、いや複数回は地球に訪れて居るよな!?]

確か一度目は・・・
そう。1987年の何時にない猛暑が続く夏だった・・・

百戦錬磨の優秀な指揮官であるダッチは、ゲリラ部隊によって捕獲された政府の要人達を救出するため、ダッチの元戦友で、現在はCIAで働いているディロンにより緊急招集された。

黒人の軍曹マック、噛みたばこを常用しているクーパー、ネイティブアメリカンの末裔で鋭い第六感を持つビリー、メキシコ系アメリカ人の"ポンチョ"、大きなワイヤー眼鏡の通信兵ホーキンスを加えたエリート・チームを率いて、中央アメリカに位置するバル・ベルデ共和国の密林地帯に出動した。

現場に降りたったダッチらは墜落したヘリの残骸の他、皮膚を剥がされ、木に逆さ吊りにされた隊員たちの死体を発見、その後ゲリラのアジトとなっている村を襲撃し、ゲリラを殲滅させるが、現場の状況が事前の情報と大きく違う事を不審に思ったダッチが、CIAのディロンを問い詰めるが、ディロンは、人質救出作戦はダッチら優秀な兵士を駆り出すための嘘で、本当の目的は総攻撃作戦を控えたゲリラを殲滅させ機密資料を持ち帰るためであり、ヘリの死体は要人ではなく偵察隊であったことを白状した。

任務を終え、そこで捕らえたゲリラの生き残り女性兵士のアンナを道案内役として拘束し、脱出ポイントへ出発する一同。

しかし、彼らの動向はサーモグラフィーを使う何者から監視されていた。

脱出ポイントへの道中、脱走を試みたアンナを追ったホーキンスが何者かに殺害され姿を消し、目撃者のアンナを問い詰めても[見えない何者かが襲ってきた。]との一点張りだった・・・

反発も有ったがダッチは、それを信じ、ホーキンスを捜索した。

捜索中、ブレインが未知の武器で射たれ死亡、駆け付けたマックは半透明な姿に怪しく輝く2つの目を目撃し、合流したダッチ達と共に、その何者かが逃げた方向へ一斉射撃を展開するが、そこには何も仕留めた痕跡はなかった・・・

ディロンはゲリラの残党の仕業だと主張するが、更に、その夜ブレインの死体が持ち去られると、ダッチはその何者かは自分達を獲物として狙っており、それを倒さないと生きて帰れない事を悟る。

アンナから、一斉射撃の際に相手も傷を負った事を聞いたダッチ達は、多数の罠を仕掛けて待ち伏せる。

そしてアンナが「人間を狩り、その頭蓋骨でトロフィーを作る悪魔」の言い伝えを物語った直後、何者かが罠にかかり、姿を見せた"それ"は光学迷彩で姿を隠し、肩にはプラズマキャノンを装備した異星人=プレデターだった。

異星人=プレデターを取り逃がしポンチョが重傷を負い、マックが追跡しディロンも加勢に向かうが、二人とも返り討ちに遭ってしまった。

ダッチらの脱出の時間を稼ぐために単身で異星人=プレデターとの決闘に挑んだビリーもあえなく瞬殺されると、さらに追いつかれポンチョも殺された。

そして道中、異星人=プレデターが非武装者を襲わないことを見抜いたダッチは、アンナだけを脱出ポイントまで先に走らせ、自身も異星人=プレデターから必死に逃げるが、滝つぼから岸に這い上がった所で、とうとう追い詰められてしまう。

ところが異星人は泥まみれのダッチを見つけることなく去っていった。

僅かな火薬を残して銃火器をすべて失ったダッチは、決戦に備え体中に泥を塗り、サバイバルナイフで木を削って弓矢や投げ槍などさまざまな武器、幾つかの罠を作り、準備が整うと、炬(たいまつ)を燃やし、雄叫びをあげ異星人=プレデターを呼び寄せる。

一進一退の勝負は肉弾戦にまで及ぶが、ダッチは追い詰められながらも罠のある場所まで異星人=プレデターを誘い込み、吊り上げていた巨木を落として致命傷を負わせる事に成功した。

だが、瀕死の異星人=プレデターは「手首の装置」を起動させ高笑いを始めると、ダッチはそれが自爆のカウントダウンだと悟り走り出す。

それは森林が丸ごと吹き飛ぶほどの大爆発をお越し、直後、夜明けとともにアンナを乗せた救出ヘリに、奇跡的に難を逃れ立ち尽くすダッチを救出した__。

[二度目は1990の夏。しかも一度目、同様に猛暑の夏。]

[そして、三度目は2018年の猛暑の夏だ。]

[どの年も異常に暑い夏だ。今年も猛暑の夏!]


【武装警察隊:天海隊隊員 仲間 恵】

第七話へ

つづく。


~あとがき~


この物語りは、【プレデター】シリーズをベースにしたオリジナル作品です。 舞台となる地球や一部の地名を除き、登場する人物・メカ等は架空です。※挿し絵的画像や設定文の一部は公式より引用。
挿し絵的画像はイメージです。
※印の設定は私の設定が混ざっています。

狩猟士ハンターキラー・アマネスク◇プレデター外伝◇第五話

2020-11-11 20:43:00 | プレデター外伝



狩猟士ハンターキラー・アマネスク
◇プレデター外伝◇

第五話


[ん!?アイツ、元をさらけ出したのか。]
[少し、様子を見るとしようか。]

メサイアは少し離れた建設途中のビルの上から、光学迷彩に身を包み、此方の様子を伺っていた。
わたしは、アルミスのサポートも有り、彼女、メサイアが近傍に潜んで要る事を把握していた。
だが、あえて気がつかないフリをした。
今は地球人、武装した警察と言う組織の人間を戦意喪失に追い込む事が先決だからだ。



[ガルルルルル。]
[人間よ。悪いことは言わん。]
[今すぐ、武装を捨て、ココから立ち去れ!]
私が言い放つと同時に複数の銃口が左右から向けられたのが、解った。
近接レーダーを張り巡らせ、光学迷彩を何時でも張れるよう、体制を整えた。
右の物陰からは、口径はさほど大きくないが、連射可能な銃口が二つと、射程距離が長い、大型の銃口が一つ狙っている。
反対側の左には、これも連射が可能な銃口が二つ狙っている。
その足元には爆薬が置いて有るのか解った。

10秒が過ぎたところで、私は左右から一斉射撃されたが、光学迷彩に身を包み、大地を蹴りあげ、建設重機に飛び乗った。
硝煙と火薬の臭いが立ち込める。

[……きっ!消えた!]
[撃ち方止めーーーッ!!]天海の号令で一斉射撃は止んだ。

驚きを隠せない人間たち。
私は光学迷彩を一瞬、解き、再び作動、重機の屋根を踏み台に建設途中の建物内に飛び込み、ショルダーブラズマカノンを射ち放った。
爆発と爆音が建設重機を包み込んだ。

[なっ!なんだよ。]
[ついさっきまで奴が居た場所じゃないかよ。]工藤は自分の目を疑いながら呟くように口を開いた。

そんな人間たちの言葉を拾い集めながら、私はメサイアのポジションを確認した。
ヘルメット内に映し出された数値とサーモグラフィ。
メサイアは動いていない。
と武装警察隊、人間たちを観察していた。

[メサイアは余裕か。]
[メサイアの本能に火が着く前に、なんとしても人間たちを戦意喪失に持ち込まなければ。]
少し焦りが出ていたか、わたしは足元に転がる空き缶に触れてしまった。
[カランカラン!]と転がる空き缶。
武装警察隊たちの銃口が一斉に私の要る建物に向いた。
言葉は発していない。
指や手を使いサインを送っているよだ。
左右の物陰から独りづつ、姿勢を低くしたまま、私の居る建物に近付いて来る。
[仕方ない。]私は建物から飛び降り、右から近付いて来る人間に詰め寄った。
私の気配に気がついた背中に狙撃ライフルを背負う人間(仲間)の太股にリスト・ブレイドを突き刺した。

[ギャァァァァァーーーッ!!]叫び声が響き渡る。

NANAは隊長天海の制止を振り切り、駆け寄って来る。
私はブレイドを引き抜き、ショルダーブラズマカノンをNANAの足元に数発、撃ち込んだ。走りを強制的に止められたNANAは、前のめりに転がった。
砂ぼこりがNANAを覆う。

[まだ、今なら間に合う!]
[諦めて立ち去れ!]その言葉が消えるか消えないかの間(あいだ)に、NANAは血反吐を吐いた。

[……なっ!何!?]



[うふふ。]

いつの間にメサイアはココに降りていたのかモニタをチェックした。
サーモグラフィにハッキングされた痕跡が、伺えた。

[……しまった。]
[この子は、メサイアは電脳化されていた事を忘れていた。]

[鈍いよ。アマネスク。]
[それでアタシに勝てるかしら。]不適な笑みを浮かべた。
私は直ぐにヘルメットを脱ぎ捨てた。
これでハッキングされる事はないが、アルミスとの通信もバックアップも同時に失った。
間髪入れずに武装警察隊たちの生き残りが、一斉に引き金を引いた。

メサイアも私も光学迷彩で身を隠し、ハイジャンプで交わした。

これで三つ巴戦は避けれなく成った。
人間の殲滅は間逃れない。
[……掟を破るしか人間たちを救えない。]
これ以上、人間の犠牲者を出さずにメサイアを捕獲するには、掟を破るしかない。
私は全力で人間を守り、メサイアを捕獲すると決めた__。


リスト・ブレイド

プレデターの基本装備。
右腕ガントレットに装着されている長さ約50cmの鍵爪状の刃物。
装備者によって伸張した刃の長さ及び機能はまちまちであり、状況に応じた伸縮、折り曲げて刃間の間隔を広げる、刃の向きを変えることでの裏拳状態での攻撃、軽くコッキングして敵に向けて刀身自体を射出する。

エイリアンの酸に耐性がないものもあり、エイリアンの尾を斬り飛ばした際溶けてしまったことがある。
二枚刃であることが多いが、バーサーカープレデター達のそれは一枚刃である。



第六話へ
つづく。


~あとがき~


この物語りは、【プレデター】シリーズをベースにしたオリジナル作品です。 舞台となる地球や一部の地名を除き、登場する人物・メカ等は架空です。※挿し絵的画像や設定文の一部は公式より引用。
挿し絵的画像はイメージです。
※印の設定は私の設定が混ざっています。

狩猟士ハンターキラー・アマネスク◇プレデター外伝◇第四話

2020-11-08 10:20:00 | プレデター外伝

先頭車両に乗る工藤三尉はフロントガラス越しに周囲を見渡した。
射ち込まれた方向から前方上空に集中した。
月明かりに映し出される人影らしきものを見つけた。

[隊長。前方の建設途中のビルのクレーンの上、見えますか?]

[クレーンの上!?]天海は暗視センサー付きのゴーグルを覗き込み、工藤言う人影を確認した。
合わせるかのように他のメンバーも確認を急いだ。
天海は愛車であり、専用の大型電動バイクから降り、工藤の車両へ歩みよった。
工藤はパワーウインドウを下ろし、目線は目標物に合わせたまま、口を開いた。

[隊長。どう思います?]
[我々を待ち伏せして、狙撃しようと思えば、この時点で俺や隊長が殺られていても不思議じゃないっスよ。]
[ワザワザ外し、此処からじゃハッキリは解らないけど、すがたを見せた。]

[わざと目撃されるように動き、録音した犬の遠吠えを流し、我々を誘き寄せ殲滅させるはずだった。]
[だが、気が変わった……いや、違うな。]
[わざと外したのは、我々に挑戦していると私は思う。]
[何時でも我々を仕留められると奴の自信だ。]

[で、どうする?隊長。]

[決まっている。奴を捕らえる。]

[みんな聞け。]
[車両は、ココに置いて行く。]
[全員。武器を携帯、ゆっくりと車両から降り、工藤の車両の後ろまで来い。]

[了解。]

[工藤。ゆっくりと助手席に移れ。]

[了~解。]

メンバー全員が天海の指示通りに配置ついた。
天海は工藤に助手席のドアをゆっくり開けさせ、射撃体制をとらせると、次に後部右側のドアを仲間に開けさせ、狙撃準備に入らせ更には、NANAに左側のドアを開けさせ、射撃体制をとらせた。

[柳葉。この車に遠隔操作の爆薬を仕掛けろ。]

[……俺の車、吹き飛ばすの!?]

[ああ。吹き飛ばす。]

[全員。一斉射撃体制を取れ!]
[仲間!狙撃しろ!]

天海は仲間の狙撃を成功させる為、陽動射撃を開始した。
連射される銃声、立ち上る硝煙の幕。

[バズン!]そんな中、仲間の狙撃ライフルが火を吹いた。
同時に天海は指示を飛ばした。

[全員、左右に散れ!]
[柳葉!車を爆発せよ!]

[了解ッ!!]
 
蜂の巣をつついたように天海以下、4名は左右に別れ、物陰に散った。
十数秒後、工藤の車両は大音量の爆発音と真っ赤な炎、黒煙を撒き散らした。


狩猟士ハンターキラー・アマネスク
◇プレデター外伝◇

第四話


【新種プレデター:メサイア&狩猟犬(プレデター犬):ヘルハウンド】

[……。]
[アタシを追って来たプレデターと人間たちの闘いがはじまったか?]
開発エリアより更に先に拡がる未開発エリアに着陸し、光学迷彩で姿を隠し、人間狩りの拠点にしている宇宙船(武装スターシップ)=アレース号内でアマネスクの動きを探っていた新種プレデター:メサイアは[ニヤリ]と笑みを浮かべ、マルチモニタを覗き込んだ。

[これは我らにとって"おあつらえ向き"だな。]
[お前もそう思うだろう!?ヘルハウンド。]

ヘルハウンドはメサイアに歩みより、[グルルル。]と喉を鳴らした。

[よし。]
[あの人間どもを一掃し、あのプレデターの頭蓋骨をトロフィーにしよう。]

[クックックックックッ。]



爆炎が立ち上がる中、アルミスから空間通信が飛び込んだ。
ハッキリした場所は把握出来ていないが、奴=メサイアが動いていると。

やはり戦闘の臭いを嗅ぎ付けたか。
ならば闘いに勝利し、奴をメサイアを生きたまま確保する。
私が任務ではあるが、メサイアを生きたまま確保するには、理由(わけ)がある。
新種(かのじょ)メサイアは、性行によって子を宿し、産む事が出来るように改良されたからだ。
※我々プレデターは元々、メサイアと同じDNAを持ち、愛を育む事で次に残す子孫を増やしていた。

だが、時代が進むに連れ、部族の数も増えた。
増えた事自体が悪い訳ではない。
そこに生まれた権力争いだけが、加速した事が今回のような出来事を生んだのだ。
権力を争う余りに、ある部族では、人工的に子孫を産む、産ませた。  
この事で一部の部族は人口増加に繋がった。
そして、長老を目指す部族長による、部族間の争いが勃発した。
長老は全部族長の中から選ばれる。
部族長どうしのバトル・ロワイアルによって選ばれる。
同時に敗北した部族長の部族は新たな部族長候補が闘い、勝者が新たな部族長と成る。
長老を搬出した部族は次の長老が交代するまで重要なポストを与えらる。
部族として安泰なのだ。
それも部族の民が多ければ、多いほど長期に渡り安泰が保たれる。

現長老は私の所属する部族から選ばれた長である。
その長老は人工的に種族を産ませる事は間違いではないか?と考えるように成った。
生殖器はどのプレデターにも存在するが性行は衰退した。
これに懸念が生まれたのだ。
[クローンタイプは機械と変わらない。我々は本当の姿に戻らなければ成らないと。]ね。
彼女=メサイアは一部、人工的に育てられたが、試験管ではなく子宮で十月十日(とつきとおか)育ち、産まれた子なのだ。
私の子でもあるわ。
現長老と私が性を交え、産まれた子。
彼女を新たな部族長に仕立て、本来の我々の姿で種族繁栄を創りあげる。
これが現長老の願いである。

我々プレデターは長老が絶対である。
各々の部族のリーダー。
狩猟に対し絶対的な権力を持ち、狩猟は必ず長老の立会いの下に行われる。
直接狩場には赴かず、宇宙船に残り監視役としてふるまう。
長老は狩りが「できない」のではなく、「しない」のだという暗黙の了解がある。
今回は狩猟ではない。長老も立ち会わない。
朗報を母星で待っている。
だから、基本的には人間の死者を出したくないのだ。
100パーセントの成功は希だ。
我々、戦闘種族には希だ。
私はマテリアルボディを解除、本来の姿で人間たちの前に出向いた。




第五話へ
つづく。


~あとがき~


この物語りは、【プレデター】シリーズをベースにしたオリジナル作品です。 舞台となる地球や一部の地名を除き、登場する人物・メカ等は架空です。※挿し絵的画像や設定文の一部は公式より引用。
挿し絵的画像はイメージです。
※印の設定は私の設定が混ざっています。

狩猟士ハンターキラー・アマネスク◇プレデター外伝◇第三話

2020-11-07 01:01:00 | プレデター外伝

対テロリスト武装警察隊:天海隊メンバーは、隊長の天海を含めて五名だ。
隊長の天海は現自衛軍レンジャー部隊で研修と訓練を受けたオールラウンダー。
右腕的存在の工藤 剛(ごう)。彼は隊の中では武道に長けている。階級は三尉。
剣道/空手/柔道と黒帯を習得、更には元ボクサーでバンタム級チャンピオンの過去を持つ。
もう一人の右腕的存在はNANA.尾崎。彼女は、射撃を得意としている。
回転式:リボルバー/オートマチック/自動小銃など、とにかく連射するのが好き。
ロシア人の母と日本人の父を持つハーフ。階級は伍長。
そして、もう一人、射撃を得意とするメンバーが居る。
仲間 恵。此方は同じ射撃でも、狙撃だ。
武装隊の中では右に出る者は居ない。階級は曹長。
もう一人は、爆発物に精通している柳葉 透。
理化学/科学が大好きな男子だ。
国立大を主席で卒業と同時に当時、新設されたばかりの対テロリスト武装警察隊に入隊した。階級は三尉。

天海隊長から連絡を受け、緊急召集されたメンバーは10分後、集結した。

[隊長。お待たせ。]
[あと三分、連絡が遅かったら呑み始めてたんだけどなぁ。]そう口を開いた工藤三尉。

[あら。今から呑んでも良いわよ。]
[任務に差し支えなければ。]
軽くジョークを混ぜ、天海は返した。

苦笑いのメンバーたち。

[それはそうと、怪しい場所ってのは?]柳葉が話を進めた。

[此処から西の方角から野犬!?と思える遠吠えが聴こえたのよ。]
[今の時代、飼い犬を捨てれば直ぐに飼い主は解るし、罰金は間逃れない。]

[だが、捨て犬の報告は無い。]

[そう言う事。]
[しかも、遠吠えからして大型犬かしらね。]
[そして、昼間の警官暴行事件と、その前に起こった狙撃事件。]
[この二つの事件に関係があるのではと、現在、被疑者であるこの女性を捜索中なのは、みんなも知っての通り。]
天海はタブレットを開き、話を進めた。
[で、この女性を目撃したと目撃者の報告から、遠吠えが聴こえた西の方角。]

[西の方角は現在、再開発エリアで政府の権限でゴーストタウン状態。]

[工藤。呑んで無いから感良いね。]

[かぁ~。キツイね。姐さん。]

[ゴーストタウン状態の再開発地、遠吠え。怪しいね。]

[ただ、気がかりが一つ。]

[気がかり?]

[そう。気がかり。]
[最初の映像を思い出して。]

[ハッ!]とした顔覗かせたNANA。

[NANAは解ったみたいね。]
天海はタブレットの映像を再生した。
最初の狙撃事件の映像が再生された。
[これ、被疑者の女性が狙われた可能性があるのよ。]そう言いながら一時停止した。

[とにかく、この再開発エリアへ向かうわ。]



狩猟士ハンターキラー・アマネスク
◇プレデター外伝◇

第三話



[……ん!?]
[人間か!?]
私を追って来たと言う事か。
やはり対戦は避けられないか。
実力差を見せ付け、戦意喪失に持ち込めれば、或いは・・・
そうは言っても、奴が仕掛けて来ないという保証はない。
[あれこれ考えても仕方ない。]
[戦士とし、迎えるしかない。]そう心の中で呟いた。
夜を迎えた。
このエリアには、人間は居ない。
私を追って来た人間を除いて。
解体途中の建物、更地に整地された土地、私が休息を兼ね奴を探っているこの建物のように、まだ建設途中の建物のみのエリア。
見上げれば星々がハッキリ解る棲みきった夜空が、拡がっている。
東を振り返り、見おろせば、昼間と何ら変わらない私が降り立った都市(まち)。
[あそこの人間は眠る事はないのか?]
そう思いながら先ずは、私を追って来た人間を阻止する為、この地を見渡した。
"地の利"を得るためだ。
近接レーダーを張り巡らせて、様子をみた。

[アルミス。聴こえて?]

[何か?]

[そっちのセンサーとレーダーで奴を追えないか?]
[人間と対戦しなければならなく成った。]
[奴が嗅ぎ付け、人間を殺しては意味がない。]

[アマネスク。お言葉ですが、それは好都合では?]

[好都合!?] 

[ハイ。対戦しようとする人間が餌と成り、奴が誘き寄せられれば、これ以上、捜索する事なく捕獲出来ますヨネ!?]

[……。]
私は一瞬、返す言葉を失った。

[違う。アルミス、私は人間を出来るだけ殺しなくない。]
[出来れば戦意喪失に追い込みたい。]

[……成る程。]
[アマネスク。アナタに同意シマス。]
[奴を追ってミマス。]

[ありがとう。アルミス。]私は空間通信を切り、レーザーポインターの射程を最大値まで上げた。

ショルダー・プラズマカノン。
左肩に装着している自動制御のプラズマ砲。
ヘルメットから照射される3本の赤いレーザーポインターで狙いを定め、発射されるプラズマ弾で対象を撃ち抜く私たちプレデターには標準装備された武器の一つ。
砲身は背中のアームに接続されており、ヘルメットの視覚システムと連動して照準の方向へ自動的に向きを変える事が出来る。
エイリアンを一撃で葬るほどの威力を誇る反面、ヘルメットのシステムに照準機構を依存しているため、ヘルメットが何らかの異常に陥った場合は命中精度が著しく低下するわ。
弾数は無限だが発射直後はエネルギーチャージの時間が若干ながら必要なため、マシンガンのように間断なく連射することはできないのが欠点ね。

私は姿をさらけ出したまま、近付く人間に対し、威嚇射撃を行った。
先頭車両の1m手前に着弾させた。
土煙が上がる中、先頭車両は急停車。
釣られるように後続車が止まった。

[ガルルルルル。]
[人間よ!そのまま、引き返せ!]


第四話へ
つづく。


~あとがき~


この物語りは、【プレデター】シリーズをベースにしたオリジナル作品です。 舞台となる地球や一部の地名を除き、登場する人物・メカ等は架空です。※挿し絵的画像や設定文の一部は公式より引用。
挿し絵的画像はイメージです。
※印の設定は私の設定が混ざっています。

狩猟士ハンターキラー・アマネスク◇プレデター外伝◇第二話

2020-11-04 21:58:50 | プレデター外伝

都市(まち)中(なか)を警戒しながら奴の宇宙船(ふね)の航跡を辿(たど)って歩く事、三時間が過ぎた。
私を地球上空からバックアップする私のスターシップ:ネメシスに搭載されているA.Iアルミスから、厄介な情報が入った。

[……うむ。]
[ありがとう。アルミス。]
[また何かあったら教えて。]

[チッ。やはりさっきの出来事で、この都市東京の警察と言う組織が動き出したか。]
[あまり、地球人の犠牲者は出したくないのだがなぁ。]ふと。空を見上げた。

燦々と輝く太陽、都会の空にしては珍しく雲、一つない青い空。
この東京も真夏なのだろう。
気温もグングンと上がっていた。
故郷を思い出すが、故郷にはない暑さだ。
自然の作り出す本来の暑さとは別に機械から放射される機械熱も加わり、不快な暑さだ。
私はスーツに備わる冷却システムをONにした。

快適だ。
快適だけど、あまり長くは使えない。
パワーバッテリーにも限界がある。それに各種センサーをフル稼働中、パワーバッテリーの減りも、それだけ早く成る。


狩猟士ハンターキラー・アマネスク
◇ プレデター外伝◇

第二話


[ねぇねぇ。ちょっと休憩しようよ。]

[OK!Wi-Fiチャージ出来るカフェは~と。]
[あっ!あそこチャージ無料って書いてあるよ。]

[んじゃ。決まりな。]

若いカップルが足早に私の前を横切り、向かいにあるカフェに入って行った。
[……Wi-Fi?]
[チャージ……。]
[ん!?チャージか!]
良いヒントを拾えた。
私もチャージしよう。

[アルミス。聞こえるか?]

[何か?アマネスク。]

[すまんが暫く、私を演算バックアップして欲しい。]
[パワーバッテリーの減りが早い。このままじゃ捕獲前に切れてしまう恐れがある。]

[了解した。今、可視化するから周波数を合わせてオマチクダサイ。]

【可視化したA.Iアルミス】

[OK。チャンネルをロックした。]
[ありがとう。これでだいぶ楽に成ったよ。]

[それは良かった。ですがアマネスク。気をつけて。今、捉えた情報では警察と言う組織が、アナタを探してイル。]

[……私を!?]

[そう。アナタを。今、映像を送ル。]
アルミスから送られた映像はヘルメットのアイ・モニタを通し、確認出来る。
アイ・モニタは分割して映し出す事が可能で、今は送られた映像と周りの景色、各種センサーの数値が映り出されている。
まぁ。私の宇宙船(ふね)が衛星中継しているようなもんなんだけどね。

宇宙船(スターシップ:ネメシス)は無人でも、こうしてバックアップ出来るようにボイス対応型のA.Iが管理運航出来るように造らているの。
ほとんどのプレデターが、個々に使用可能で個々に専用のスターシップを持っているわ。
惑星間での移動や拠点的に使用する船。
船体デザインは量産の船なので基本的に同じ細部が異なるくらいかな。
宇宙空間航行用メインエンジンとして、超光速ワープ・エンジンを搭載し、大気圏内では※亜光速テイルト・ツイン・イオンエンジンによって飛行する。
中には私のスターシップのように武装しているスターシップも存在するわ。
因みに私のスターシップは、※中間子粒子プラズマ速射砲1門/量子魚雷発射基2基を備えているわ。
※全長:40m/全幅:72m/全高:15m
クローキングデバイス・システム/※空間シールド・システムを搭載。
但し、空間シールドは連続的に打撃を受けると解除される事があるわ。

[着陸形態]
[飛行/航行形態]


さて。パワーバッテリーに余裕が出来た事だし、捜索ペースを上げるとしようかね。
私を追って来る人間たちを構ってる暇はないなからな。
そう思った時だった背後から近くものをセンサーが感知した。
人間だとは、解っていた。
それも警察と言う組織の人間だと。
だが、私の本能は、その行為を許せなかった。 
一人の警官が私の肩に触れた。
私は[まずい!]と心では解っていたが、触れた警官のみぞおちの辺りに、肘鉄を喰らわし、更に間髪入れずに、もう一人の警官に回し蹴りを喰らわした。
顔面にヒットしたようで、顔面骨折したようだった。
声にならない声、うめき声が聞こえた。
肘鉄を喰らった警官もその場に踞(うずくま)って、今にも死にそうな顔面蒼白で嘔吐を繰り返していた。
ザワザワと野次馬が騒ぎだした。
[しまった……]と思いながらも、[お前たちが背後から私に触れるからだ。]と捨て台詞を吐き、光学迷彩を起動、その場から姿を消した。

陽が傾きはじめた。
気がつけば私は都市(まち)の外れ辺りまで来ていた。
私は建設途中のビルの中へ忍び込んだ。
建設途中とは言うものの、地上から20階くらいまでは、聳(そび)えていた。
私は最上階を目指した。
その最上階にはクレーンが設置されている。

[ほう。まだ上があるのか。] 

私はすかさずクレーンの先まで、よじ登った。

[グゥオオオオオーーーッ!!]

私は奴にも聴こえるように雄叫びを上げた。


[………。]

私の広域センサーに微かに反応が現れた。
航跡を消すのに必死だったのか、わざと気配を消さなかったのか、奴まではそう遠くない。

【対テロリスト武装警察隊:天海 有紀二尉】

[………!?]
[……こんな都会に野犬?]
[まさか。昼間の事件に関係があるのか……。]

[本部聴こえるか?]
[此方、捜索中の天海だ。私の隊を応援によこしてくれ。]
[捜索したい場所がある。]
[昼間の警官の二の舞は後免だからな。]

[此方、本部。了解した。]
[直ちに隊を派遣する。]


第三話へ
つづく。


~あとがき~


この物語りは、【プレデター】シリーズをベースにしたオリジナル作品です。 舞台となる地球や一部の地名を除き、登場する人物・メカ等は架空です。※挿し絵的画像や設定文の一部は公式より引用。
挿し絵的画像はイメージです。
※印の設定は私の設定が混ざっています。