Siamo tutti un po' pazzi.

~我々は皆少しおかしい(イタリアの慣用句)~

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「ウィーン 黄金のハープ・トリオ」 兵庫県立芸術文化センター・神戸女学院小ホール

2009年06月28日 | クラシック音楽・雅楽
「ウィーン 黄金のハープ・トリオ」 兵庫県立芸術文化センター・神戸女学院小ホール
演奏者
チェロ:フランツ・バルトロメイ
フルート:ヴォルフガング・シュルツ
ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ

曲目
第一部
ハイドン:フルートとハープとチェロのためのトリオ ト長調 Hob.XV:15
ヨハン・シュトラウスⅡ:チェロとハープのための3つのロマンス(チェロ・ハープ)
マルセル・グランジャニー:ハイドンの主題による幻想曲(ハープソロ)
第二部
ハイドン:アダージョ ヘ長調 Hob.XVⅡ:9(ハープソロ)
ハイドン:変奏曲 ハ長調 Hob.XVⅡ:5(ハープソロ)
フォーレ:シシリエンヌ他(フルート・ハープ)
ラヴェル:ソナチネ
アンコール
ドビュッシー:「子供の領分」より”ゴリウォークのケーク・ウォーク”

 2時間でSold Outになるコンサートを聴きに行きました。

 どうやって手に入れたかと言うと、たまたまキャンセルがあったのでそこから譲ってもらいました。
 感想はと言うと、
 さすが2時間でSold Outになるだけある

 まず、会場がいいのですよね。
 客席はたった400席しかない小ホール。
 しかも徹底的に音響にこだわったというホールだから、どの席でも特等席というホールなのです。

 次に客が良かったです。
 400しかない席が発売と同時に売り切れるということは、このコンサートの存在を熟知していて、どうしても聞きに行きたいという人が集まっているのです。
 だから、小さなホールなのに演奏中は針の音一本しない静けさ。
 みんな、身を乗り出すようにして演奏に集中していました。

 そして演奏。
 ハープのクリアな音には、この楽器の音の豊かさに初めて気づかされました。
 フルートも素晴らしく、ハープとフルートのデュオであるフォーレの「シシリエンヌ」は大好きな曲だっただけに感動しました。

 しかし、何よりも私を感動させたのはチェロ。
 一応、今回のコンサートはハープ・トリオなのでハープ中心の曲なのです。
 チェロはどちらかというと低音伴奏を受け持っているのですが、バルトロメイ氏がチェロを弾くと途端に音楽のすべてを彼が支配していました。
 と言っても、彼が出しゃばって音楽をぐいぐい引っ張って行ったというわけではありません。
 ハープとフルートを下から支えるように、時にはそっと道を指し示すように弾いているのです。

 あまりにチェロの演奏の素晴らしさに、私は二曲目のヨハン・シュトラウス2世の「チェロとハープのための3つのロマンス」で涙がこぼれたぐらいでした。
 比喩的表現じゃないですよ。
 悲しかったとか、感動したとか、曲の想いに同調したとかそんなんではなく、
 ああ、美しい
 と、ただそれだけで胸が詰まり、涙がこぼれたのです。

 おかげですっかりバルトロメイ氏のファンになってしまいました。


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