苛立ちの種が知らない間にすっかりと消えていたことにふと気付いた。そういえば、といったような具合で。思い返すと、最近はその種によって苛立った記憶がないから、おそらく、その苛立ちの種が消えたのはもうかなり前のことになるのだろう。
苛立ちの種というのは、家の前にある居酒屋の路上駐車のことで、路上駐車が禁止されている場所にも拘らず、平日・休日を問わず、毎日、同じ1台の車が僕の住む社宅の前に平然と車を停めていた。この居酒屋は住宅街にあって、駐車場を有してはいないから、居酒屋の店員が仕方なく路上駐車をしていたのだろうが、車を停める場所が余りにも迷惑で、時には社宅の駐車場の出入口に堂々と駐車をしていたことがあった。その時は、車を持っていないにも拘らず、憤慨して交番に電話をしたが、警察官は不在だった。
気になれば苛立って、その苛立ちがより細かなところを気になるようにさせてますます苛立って、そしてその苛立ちがまた、と苛立ちを募らせるスパイラルに陥っていたはずなのに、その苛立ちの種が消えていたことに今日まで気付かなかったのは不思議だ。苛立ちの種類にもよるかもしれないが、苛立ちの種が消えると、初めからそれがなかったような静かで穏やかな状態にすっと移行するものなんだろうか。興味深い。
そういえば、最近、3台ほどの車を停めることができる小さな時間貸しの駐車場が居酒屋の近くにできて、こんな住宅街で誰が使うのだろうと思っていたが、その駐車場を使うようになったのかもしれない。明日にでも確認してみよう。
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