深海生物研究者の日常

思いついたときに思いついたことを書きます

みんな富山に,沖縄,明日のゼミ

2009-11-30 22:34:18 | 日常,つぶやき
ヤツメウナギ採集という名目で皆さん富山に行かれました.
ヤツメが必要なのは1人だけなのに,なんだかぞろぞろ行っていました.
なんでも寒ブリ大会があるとかないとかで.

12月の沖縄の国際シンポですが,ボス→同期→自分という発表順になってしまいました.なんという...
何を話そうか困っています.データが出ていないからです.
再来年の春は路頭に迷っている気がしてきました.

明日のゼミの準備を今朝から始めました.journalゼミは3研究室で合同でやっているので,うちの連中が少々いなくてもやるんです.
先日話題にした論文を軸にして,ウニの軸決定をレビューするような内容です.かなりハードです.でもたのしいし勉強になるからいいです.というか口側外胚葉でのnodalの上流は卵のミトコンドリアの局在で決まっているとばっかり思っていたのですが,まだそこを直接してしたデータはないんですね.いや僕が見つけていないだけかもしれませんが.
ミトコンドリア/酸化還元勾配→p38→bZip→Nodalはもう決定的なのかと思っていました.
ミトコンドリアの局在とかって卵の中でいじれるのかな?そこが難しいから直接示せないのかな?いやもう論文あったらごめんなさい.だれか教えてください.

今回の論文で,腹側で発現したbmpが背側まで拡散して働いているのが決定的になったのですが,多分このウニの卵は100μmくらいでしょ?卵の比較的多きいウニとかではどのくらい拡散できるんだろう.直接発生だと400くらい?そもそも軸形成メカニズムが違うのかな?BMPタンパクは何処を通るんだろ?上皮の間?それとも胞胚腔?いろいろ気になることが出てきます.分泌因子の拡散は興味があるのでいろいろ読んでいますが,組織やどこを通るかで実際拡散範囲がかなり変わりそうですよね.いろんな他のタンパクとコンプレックスになっているわけですし.

体の軸

2009-11-27 20:18:21 | 日常,つぶやき
生物の体には前後,背腹,左右の軸があります.
背腹軸に関しては左右相称動物においてBMP(dpp)-Chordin(sog)というタンパク質の勾配によって決まっていることがわかっています.
われわれ脊索動物ではBMPが腹側,Chordinが背側で働いており,その他の動物ではその逆です.脊索動物では背腹軸の逆転が起っています.

ただウニの幼生ではbmpとchordinの遺伝子が同じ場所(腹側)で発現していることがわかっていました.そしてbmpは腹側で発現しているのに背側の決定に関わっていることもわかっていました.
おとといのPlos biologyにこの軸決定に関する論文がでました.→こちら

まだざっと眺めただけなのでわかりませんが,BMP受容体やカスケードの下流にある転写因子のリン酸化状態などを詳しく見て,BMPが背側へ移動し機能しているという実体を示したような論文のようです.

詳しく見ることは非常に大切で,僕としては結構面白かったのですが,正直newな発見はないのでPlos biologyレベルなのかなと思ってしまいました.BMPとChordinの使われ方がユニークなのかなぁ?でもそれはずっと前から分かっていたことだし.
もうちょっと詳しく読んでみようと思います.

右巻き,左巻き

2009-11-26 23:13:55 | 日常,つぶやき
巻貝には右巻きと左巻きがいます.
巻貝は4細胞期から8細胞期になるときに螺旋卵割という卵割をして,上から見ると割球が渦を巻いているようになります.
その螺旋の巻き方と右巻き左巻きが対応していて,8細胞期に巻き方をえいや!!とかえると右巻きが左巻きになるという論文がNatureに出ました.→こちら

これぞcrazy experimentですね.夢があっていいです.


Twitterを始めてみたのですが,よくわかりません.何を書いたらいいの?
ブログとの差別化はどうすればいいの?
たぶん放置になると思います.