ＣＳでやっていた「テーラー・オブ・パナマ」、録画したままだったのを、ようやく見終わりました
主役はボンド俳優のピアース・ブロスナンの方ではなく、「英国王のスピーチ」に出てた人の方なんでしょうけど、スパイ映画では無かったですねえ
で、気を取り直して？、原作（「パナマの仕立屋」）を読み直して、ついでに「ハバナの男」も読んで・・・
やっぱりスパイ小説ではないですね、ドタバタ喜劇というか悲劇というか
どうも消化不良なので、ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」を引っ張り出してきて読んでみたんですが・・・
スラスラ読めるタイプのスパイ小説ではないが、その分、奥が深くて、何度でも読み返したくなる作品という触れ込みなんですが、どうにも読み返すと疑問が
〇なぜ英国諜報部は、リーマスの後始末（「食料品屋に示談金をあたえ、部屋代の滞りを支払い、そして、かれの女に、年金証書を買い与えた。」）をして回ったのか？
ムント側は、その行為から、リーマスは英国諜報部の手先、ムントを陥れるために送り込まれたおとりだと断ずるわけですが、確かにいくら入念に準備して、刑務所まで入っても、そんなことをすればみえみえですよね、というか、みえみえすぎて変
唯一ありそうなのは、リーマスは本物の売国奴だけど、持っている情報の価値を下げさせるために、わざと諜報部が送り込んだ手先と見せかけるためのかく乱工作という設定もありでしょうけど、そういう展開にはなっていかないですし
〇なぜリズという女性は東ドイツに行けたのか？
リズの存在は、英国諜報部側も知っているわけですから、作戦にとって本当に支障があるなら、拉致でもされない限り、東ドイツなんかに行けるわけがないですよね
やすやすと東ドイツへ行けたというだけで、もう胡散臭いですし、この女性の証言する内容は、東ドイツ側に知られてもいい情報ということですよね
「なんかムント君に有利な情報ばかり、しかも英国側から伝わってきて、おかしくねえ？」と疑問に思わないんですかねえ
〇なぜムントは、リーマスとリズを一緒に逃がそうとしたのか？
図らずもリズが作中で言っているように、イギリスに帰って、このいきさつを党の役員の耳に入れたら、どうなるのか？
ムントにしてみれば、リーマスがリズに向かって真相を暴露するほどお馬鹿とは思ってもいなかったということですかねえ、お粗末ですねえ
まあ、リーマスとリズを一緒にしなければ、作者が一番書きたいとかいうイデオロギーに関する長口舌の部分がなくなってしまいますからねえ
一番確実にリズをイギリスに帰す方法は、そのまま派遣団に戻せばいいだけですが、それでは小説にならないんでしょうね
リーマスを逃がすことにしても、フィードラーの一味が残存していることを証明してみせるためなんていう設定には相当無理がありますね
結局のところ、壁での結末が用意されていて、少なくともリーマスには、それが見えていたと思いますが・・・
逆に、見えていないとするとスパイとしてはちょっとお間抜け
なので、この小説を読んだ感想は、295ページの左から3行目（ハヤカワ文庫の第21刷の）ですね
これがチャリー・マフィンだったら、逆に英国諜報部（とムント）をこけにして、自分（とリズ）は助かるように立ち回る下巻があるんじゃないでしょうか
ところで
三部作の第三作はどうなったのかなあ？
、昔のシャツを出したら、一番下のボタンが取れてました
平泳ぎは、脚を蹴る、体を伸ばす、手で掻くという三つの動作が、二拍子で行われる泳ぎだ。この場合、脚を蹴る動作と体を伸ばす動作は同時に行う一拍の動作で、手で掻く動作は二拍目の動作になる。一拍目の動作で顔が水中にある時に息を吐き、二拍目の動作で顔が水面に上がったところで息を吸う。
