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「出口のない海」
野球に情熱を燃やし、学生生活を謳歌していた市川は、オリンピックの陸上選手の夢を諦め、自ら徴兵に志願した伊勢谷を見て、何かが彼の心を響かせた。そして、彼も海軍に志願するのであった。
戦局は苦しい折、新兵器と呼ばれる回天の希望者を募る票を渡された。
迷った末、志願をし、訓練に入るのだが、なかなか操縦が難しく、苦労をするのだが、仲間と助け合いながら過ごす日々であった。
出陣が決まり、一泊だけ実家に帰れる許可が出て、しばしの家庭団欒に心を和ませるのだが、父親の三浦は何を意味するかは知っていたのであった。
恋人との最後の別れを列車の見送りでする中、思わず好きだと言ってしまった市川は、出撃の潜水艦で回想をしていた。
潜水艦は、4基の回天を装備しており、1基は爆雷でスクリュウが破損しており使用不可、そして、次の1基は、みごと敵艦に命中。
そして、次の1基は伊勢谷であったが、発射寸前の故障で出撃ならず、彼はこれで2度の不出撃で嘆き悲しみ、土下座をして、市川の回天に乗せて欲しいという。
やがて、市川の番が回って来て、回天の発射動力スイッチを押すのであった。
監督:佐々部清(下関・今年48歳)
出演:市川海老蔵(東京・今年29歳)、三浦友和(山梨・今年54歳)、古手川祐子(大分・今年47歳)、伊勢谷友介(東京・今年30歳)、香川照之(東京・今年41歳)、永島敏行(千葉・今年50歳)、柏原収史(山梨・今年28歳)、上野樹里(兵庫・今年20歳)他
お薦め度:90%
航空機の特攻の話は、誰もが認知しているんだけど、名前だけは知っている「回天」なる物のの存在は、あまり知られていない。
人間魚雷って事くらいは知ってはいたけれど、この映画のように、こんなに操縦が難しそうな乗り物はないような気がする。
よくこれで命中するものだと感心してしまう。
死ぬ為に、こんな難しい技術を覚えるなんて憤りを感じますよね。
それだけ、日本がせっぱ詰まって、無茶苦茶な発想したんでしょうね。
魚雷が余っていたので、人間を乗せようとする発想。
戦闘機にしても、軽くするために、木で造られたりとか、燃料タンクや操縦席に銃弾が通らないようにする鉄板を取り付けないとか、人間の命とか屁にも思っていない当時の軍のやりかたに恐れ入ってしまいますね。
アメリカは、重たくても、クーラー付のもあるくらいだそうで、戦争感の違いを感じてしまいますね。
当時の日本は、お国に命を捧げるのが、当たり前で個人の幸せなどは、誰も考えなかった、考える事が許されていない状況だったんでしょうね。
現在でも、自爆テロで、自分の身体に爆弾を背負いながら、命を捨てていく女性、子供たち、ジハードという言葉だけで命を捨てていく人間がいる事を悲しく思ってしまいます。
9.11とかテロの被害者の映画やドキュメンタリーは、いろいろありますが、自爆テロ側の映画はないんでしょうかね。
たぶん、彼らも悲しい物語があり、逆らえなくてテロ行為で自爆している人も多いんではないかと思いますね。
日本の場合は、昔の過ちで、歴史の一部になってしまいましたが、現在でも、愚かな行為をしている人間がいる事に、憤りを感じます。
しかし、日本も例のあの人の「美しい日本、愛国心」をうたっている政治家さんにより、また軍国主義に向かうような気がします。
歴史は繰り返されるといいますが、こればかりは、止めて欲しいものですね。
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