ちょっとひと息ついてみた

いろんな音が声に変わると
言葉をかわすことが増えてくる

鳴き声はげしい小鳥たちには
まぁまぁもっと穏やかに…やら
カモがグワッと鳴けば　
あんたもあんまり声良くないね…やら
水鳥たちがこちらに向かって泳いでくれば
今日は風もなくていい日だね…やら

さてさてこうやってばかりいると
忙しく走り行く車のエンジン音にさえ　まどろむ
さてさてこうやってばかりはいられないと
さっき買ってきたコンビニコーヒーを慌ててすする
熱っ
思わず声が出た

おやおや
いやはや
そんな声の先には　さっき会ったばかりのカモ

そして最後に一鳴　グワッ

それでは　私もご挨拶せねば

さてとこれから仕事に参ります
深々と頭を下げ　立ち去る私の背後から　グワッ

振り向きながら今度は斜めに軽く頭を下げた
そしてちょっと笑顔も添えてみた

とても優しい そんなあなたへ

泣き虫
いけない？
心配なの
いけない？

おおらかで
細かいことは気にしない
そんなあなたは
いつもみんなの真ん中にいる

こわいとか
痛いとか
口にするのは
いけない？

優しい言葉は
いつも私を傷つける

意地悪な言葉以上に
どうしても私を傷つける

その言葉が優しいと
そう判断するのは
あなたではない
その言葉を聞いた私であるのだから

優しさは　そう思って口にするものではない
聞いた私が　そう感じるものであるのだから

独りよがりの
あなたよがりの
優しさに付き合うのは
私ね　ほんとは
ちょっと疲れてる

ごめんね