弥生 シクラメン

この３月になると
そう毎年この感覚を思い出す
こわかった
どうしようかと思った
少し春の埃っぽいにおいがする　それでもひんやり冷たいこの季節の風を
窓を開けて感じることができない
だから息苦しい
出窓のシクラメンはまだまだ見頃で
けど、どこか季節はずれで、春の日差しには似合わない
そんなシクラメンごしに見える空は、私の思いとは違ってとてもキラキラしている
入学式を楽しみにしているピカピカのランドセルを待ちきれずに背負っている女の子
お道具箱にお名前シールを早く貼らないとと焦っているお母さん
そんな３月のはずなのに

テレビをつけると恐ろしい現実が語られている
私たちの感情などそっちのけで
的確に冷静に論理的に科学的に

そんな３月から１１年がたった

１１年がたったこの３月は
やっぱり
こわい
どうしようかと思う
窓を開けて
埃っぽい風を感じても
息苦しい

今
この時にも
泣いている人がいるのだろう

簡単に何が正しいのか　正義なのかはわからない
けれど
私は私より先に逝ってしまった人たちと交わした約束がある
笑いながら空を見上げるそんな未来を子どもたちに残していくのは
あなたたちの責任だからと

だから
だから
他人事ではなく
もう一度考えてみなければ
季節外れのシクラメンは
今年もまだまだ見頃で
こころがとてもキュンとする

還暦となり、年金を考えてみた

〇歳になりましたってことで
何か手続きが必要となったりみたいな感じって
小学校に入学できますよの時に　少し似ているなって

急にあれこれ年金のこと調べてみたり

でね
結局
何歳まで生きるかわからないし
得するとか　損するなんていう話題が多くてね

年金ってそんな感覚のものだったのと改めて考えてみた

若い世代の人たちが
そう多くはない給料の中からも
私たちが受給する年金を捻出してくれているのに

なんか
損得勘定のことを
いかにも権利を主張するがごとく
堂々と語っている姿って
若い世代の人たちはどう感じているのだろう
なんかちょっとかっこ悪い

まあとにかく
とりあえず働きながら
稼いだお金でちまちまと
稼いだお金で　ささいなことに幸せなど感じながら
過ごしていこうなどと思ってみた

努力は報われない

そう
わりと報われない

でもきっと
そこが大切なのではなくで
そこに至るまでのプロセス
そのしたたかに　懸命に　一途に信じて向かっている
そんな自分を　自分が
とってもいとおしい　それに尽きるような気がする

だから
頑張るという言葉はあまり好きではない
なにか違うような気がする
張るという感覚ではないような

もっと豊かな　そして心意気を感じる言葉を
まだみつけられないでいる

春近し

今年の春は、久しぶりに一歩踏み足す感じがする。
この感覚、戸惑い、期待。
そして年を重ねた分、
いやいや、そう簡単にはいかないだろうと、
高揚する気持ちをぐっと抑えている感じ。
そんな自分を自分がいとおしくも思える。

しいて言えば、買いもしない宝くじに、当たったら何をしようかなどと、
そこに自分の子どもの頃の夢をだぶらせている時の感覚にも似ている。

予想だにしなかった事で、自分が躓く事もある。
ふいに、誰かが私の足元をすくい、さっと走り去るかもしれない。

転んでも、転ばされても、
全てまぁいいかと思えるのは、若くはない私だからこそ。

とにかく。
あれこれ思う、その時間が一番わくわくして楽しいものだ。

これはプロパガンダ

報道番組でも
お気に入りのコメンテーターはいる
とっても分かりやすく
物言いも私ごのみ
その分　その人の考え方が
私の意見と一致してしまうと思う事はある
けれどそれは　私がそう思ったのではなく
私がそう勘違いしてしまっているような気がする

報道番組でも
お気に入りの番組はある

最近思う
番組と私との間の距離感がとても近い

分かりやすく親しみやすい内容が悪い事ではない

でも
その事を冷静に考えてみる時には
番組と私の間には
一定の距離感は必要

分かりやすく親しみやすい内容が全て良しではない

結果を自分で見い出す事は手間がかかる
誰かに委ねた事ですっきりとする

でもそれでいいの
答えが見つからず
悶々としている時間から
見える事もある

急ぐことはない
ゆっくり考えてみたい
答えは自分で探りながら
中途半端さを感じながら
悩み悩み進む事の面倒くささを面倒くさがらずに