今日は朝からいい天気です。
桜も咲き始めるかも知れません。
それはさておき、今日もモデルガンの話題です。
もう無くなって久しい「東京CMC」というモデルガンメーカーですが、設計の「六人部登さん」が、リアルな形状の再現をする方だったので、部品の一個一個まで本物の銃と見分けがつかないほどのものを設計されていました。
昔、発行されていた月刊誌「Gun 」で、本物対モデルガンと言う企画が有りましたが、その企画でしょっちゅう登場していたモデルガンが「東京CMC」でした。
私も、東京CMCの製品が好きで、マグナムリボルバーや、M1、M2カービン、ウインチェスターカービン、モーゼルカービン98kなども買いました。
でも、だいぶ手放してしまいましたが、M2カービンはまだ持っています。
今見ても遜色ない出来で素晴らしい製品です。
その中でひときわめだっていたのが、この「ワルサーGSP」でした。
映画やドラマでは絶対に登場しない競技用ターゲットピストルです。
この銃のバリエーションの「ワルサーOSP」は、ロスオリンピックのラピッドファイア部門で日本の選手が金メダルを取りました。
それほど高性能な拳銃です。
昨日は外観やグリップの話でしたので、今日は内部の構造についてアップします。
まず、この拳銃の引き金ですが、
上の写真でわかる様に、フレームの下から生えています。
これはどんな仕組みかと言うと、分解して見ると分かります。
分解も本物と同じ手順で行います。
先ず、この写真のレバーの下にある小さな板バネを押さえてレバーを180度半時計方向に回します。
それだけでアッパーレシーバーを前にスライドすることが出来、上に外せます。
このロアフレームとアッパーレシーバーの隙間が全くないのがすごいです。
モデルガンって、作動を良くするため、結構ガタガタの物が多いのですが、このモデルは全くガタが有りません。
その辺がCMCなんです。
作りがかなりしっかりしています。
フレームとレシーバーを外すと、フレームの中からトリガー、ハンマーのアッセンブリーユニットが簡単に外せます。
たいていの銃はフレームにピンやネジで撃鉄や引き金を取り付けてあるのに、この銃は丸ごと外せます。
しかも、引き金の引き具合をネジで調整出来るところまで本物を完全コピーしています。
ただ、本物を完全にコピーしているため、引き金のパーツが亜鉛合金では細すぎて弱く、必ず破損してしまいます。
なので、知り合いのTさんが修理してくれました。
このTさんは、昔、クラフトアップルワークスに勤務されていましたので、モデルガンの修理はお手のものです。
トリガーバーの折れた部分を真鍮の板で修復してくれました。
金色の部分がそれです。
非常に薄い、亜鉛のパーツなので必ず壊れる様です。
Tさんのおかげで、また引き金を引く事ができる様になりました。
この形状を見ても本物そっくりです。
内部構造も本物と同じようです。
でも、うかつに分解すると、えらい目に合います。
カバーが固くてドライバーなどでこじ開けると、その途端に、パーツがポロポロ外れて、どこにあったパーツか分からなくなります。
幸い、ネットで分解図や組み立て説明書などを見る事が出来て助かりました。
こちらが全体の分解図。
こちらがトリガーアッセンブリーの分解図。
これが通常分解の方法。
これがあったので、なんとか元に戻せました。
非常に複雑なパーツ構成で、どのパーツがどう動くのかいまだによくわかりませんが、実物もこうなんだろうなと思いました。
もう2度と分解したくないですね。
トリガーアッセンブリーは、フレームにこんな形で収まっています。
側面の小さなマイナスネジみたいな物を180度回転させると取り出せます。
この辺も本物を忠実に再現しています。
今のエアーガンやモデルガンでは普通にできる事ですが、昔のモデルガンでは必ず省略されていたのが、リアサイトの調整機能です。
こう言うリアサイトの上下左右の調節が出来るのは珍しかったですね。
たいていの形状だけの固定でした。
小さなドライバーを使って、上下左右に動かしますが、弾の発射ができないモデルガンは、何の機能も果たさないのですが、マニアとしては、射撃場で、弾道の調整をしている気分に浸れるんです。
こう言う妄想を沸き立ててくれるアイテムなんです。
このモデルガンですが、買った当時、一回だけ火薬を使って発火させた事が有ります。
その時の作動は全く問題なくブローバックして真鍮の薬莢を飛ばしてくれました。
この時意外なほど大きな音がしたので銃口側を覗いてみたら、
銃口は完全に塞がっているのですが、銃身の下のイモネジから煙が出ていました。
このイモネジはパイプ状になっていて薬室の火薬の煙を抜く穴となっています。
これはいいアイデアだと思います。
これが無かったら、発火した時、「ポス!」と言う様なこもった音になっていたと思います。
それが、「パン」と言う乾いた音になります。
金属製の銃口が完全に塞がったモデルガンではこもった音にしかならないので、このアイデアはすごいと思います。
「六人部さん」のアイデアはすごいです。
この「六人部さん」は、2004年に77歳でお亡くなりになりました。
MGCに所属されていた小林さんもモデルガンの設計をされていましたが、六人部さんは天才と言われていたそうです。
もっと長生きしてもっとすごいモデルガンやエアーガンを作って欲しかったですね。
ご冥福ををお祈りします。
東京CMCのモデルガンはまだまだ有りますので、また紹介します。
22口径のオートマチックはまだもう一丁あるんです。
それはまた次回に。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます