<お盆の用意>
今年もお盆が巡ってくる。そして私の一年で一番
淋しい数日となる。
何かが起こるわけでもないがどうしても亡き人たちを
思いだすからだろうか。
若くして父が逝った頃からお盆には実家の習慣
みたいなものがあった。
お供えの用意をし故人が乗って来られるという馬と牛を
飾り 迎え火、送り火の「苧殻」炊いて
回り灯篭に灯をつけて小さなお膳を用意するだけのことだ。
一人でいるひっそりとした家の中には帰ってこられたで
あろう方達がおられるはずなのに何か重い。
お膳には何をお供えしようかなと考えつつ
また、頑なに習慣から抜けきれない自分に少々持て余し
気味だ。