高校のころ、学年名簿があった。
1組から8組まで全生徒の名前と住所、電話番号が記されている。
そして親の職業まで書いてある。
会社員、公務員、自営、農業・・・。
この生徒名簿は全生徒に配られていた。
今では考えられない。
個人情報満載。
隣のクラスのちょっと気になる女子がいた。
少し憬れていた。
クラスは別でもお互い知っている仲。
秋の日の午後の休日。
彼女に電話をして「会って話でもしたいな」とドキドキしながら誘った覚えがある。
ダメ元であったが、少しの時間ならOKということで、
彼女の住む最寄りの駅で待ち合うことにした。
駅の待合室にある木の椅子に座って、他愛もない話し。
彼女と会うだけでもうれしかった。
時間はあっという間に過ぎていった。
いつのまにか夕焼け空。
まるでNSPの『夕暮れ時はさびしそう』の詩の世界。
♪夕暮れ時は 淋しそう
とっても一人じゃ いられない
おうちの人に おこられるかな
呼びだしたりして ごめんごめん
もうちょっとだけ いっしょにいよう
帰りたいなんて いわないで
そうか君は 笑うのが
へたに なっちゃたんだね
あまり僕を 困らせないで
そろそろ笑って くれよ
こんな河原の 夕暮れ時に
呼びだしたりして ごめんごめん
笑ってくれよ ウフフとネ
そんなにふくれちゃ いやだよ
夕暮れ時は 淋しそう
とっても一人じゃ いられない
二人で話しをしていたあの駅は改装されている。
周辺は何もない駅舎だったが、再開発で住宅が立ち並ぶ。
あの頃の面影はない。
秋の夕ぐれ時、NSP の『夕暮れ時はさびしそう』を聴くと、
あの日のことをふと思い出す。
夕暮れ時はさびしそう NSP