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東大寺の元旦 ~夜ならではのとても幻想的な初詣

2017年12月30日 | 祭・行事・季節の花

大仏殿の扉が開放され、大仏様がよく見える

 

 

東大寺の元旦は、除夜の鐘つき以外にも、ライトアップされた大仏様のお顔が大仏殿の外から拝めるという、この日ならではの演出も用意されている。ピンと張りつめた冷たい空気の中、大仏殿前にはかがり火がたかれ、幻想的な雰囲気の新年を迎えることができる。高台の二月堂から見る奈良の街の夜景も絶景だ。近隣の春日大社ほど混雑しないこともあり、夜ならではの境内を楽しみながら新年を迎えたい方はぜひ東大寺に。

 

東大寺の除夜の鐘は、大仏開眼と同年の752(天平勝宝4)年に製作された“本物の”国宝の鐘をつくことができる。高さ3.8m・重さ26tの巨大な鐘の音は、どこまでも鳴りやまず、どこまでも荘厳だ。この鐘の音を一度聴いたら長く記憶にとどめることは間違いない。

 

除夜の鐘は通常、日付が変わる午前0時を挟んで行われるが、東大寺では午前0時からつき始める。大仏殿と山麓の二月堂のほぼ中間にある「鐘楼」で、22時半頃から鐘をつくために必要な「整理券」の配布が始まる。8人1組でつくので定員は850人ほどとなる。例年のペースでは22時までには整理券待ちの行列に並んだ方がよい。2時間以上寒空の中を待たなければならないが、鐘をついた瞬間の重厚な感触とかなでられる音を感じた瞬間、行列の苦行は忘れてしまうだろう。

 

1/1に日付が変わった後の0時から朝8時の間のみ、大仏殿が無料で参拝できることは心憎い。大仏殿の前の参道はかがり火がたかれている。とても幻想的で、新年を祈る気持ちを引き締めてくれる。参道からは大仏殿の内部がよく見え、大仏様のお顔も外から拝むことができる。大仏殿の正面上部の戸が開放されているためで、年に2回、元旦の深夜と8/15の万灯供養の夜にしか開けられない。

 

大仏様のお顔は、夜間で室内に照明がついていることもあり、日中に照明なしで見るよりも逆にきれいに見える。ろうそくの明かりのような色の電球を用いているのだろう、お顔がとても温かく柔和に見える。普段とは異なる表情の大仏様に新年を祈ることができるのはとても味わい深い。

 

もう一つ、二月堂も訪れてほしい。大仏殿前の鏡池から二月堂へ続く参道の石灯篭が除夜の鐘の頃から点火され、ゆるやかな上り坂が二月堂へと人々を幻想的に誘う。二月堂は高台にあり、舞台から眺める奈良の街の夜景は絶景だ。二月堂の観音様は秘仏なのでお顔は見えないが、素晴らしい夜景が新年を祈る気持ちを後押ししてくれる。

 

 

 

夜にライトアップされた金剛力士像も見事

 

 

新年に日付が変わった後の深夜の初詣は、毎年決まったところへ行かれる方が多いだろうが、いつもと違う初詣はいかがだろう。東大寺では夜ならではの美しい仏様や夜景とじっくり向き合うことができる。記憶に残る初詣になる。

 

 

 

こんなところがあったのか。

日本の世界の、唯一無二の「美」に会いに行こう。

 

 

奈良仏教美術の第一人者が東大寺を徹底解剖 

東大寺

除夜の鐘

http://www.todaiji.or.jp/contents/function/01zyoyanokane.html

初詣

http://www.todaiji.or.jp/contents/function/01syougatsu.html

 

 

 


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