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京都・祇園祭・前祭の宵山 ~京都の夏を堪能できるのはこの日

2018年07月01日 | 祭・行事・季節の花

一年で最も京都の町が盛り上がる日と言っても過言ではない、祇園祭の前夜祭、宵山(よいやま)が間もなくです。日中の最高気温は35度以上、夜でも30度は下回らない酷暑の中、夜の歩行者天国には30万人の人手で埋め尽くされます。

町内には近づく巡行を待つ山鉾が立ち並び、見物客が搭乗して楽しみます。町屋の中には着飾った男女や屏風の展示でとても京都らしい光景が現れます。暑さを忘れてしまうほど、京都らしい夏を楽しめるのが宵山です。



宵山は、厳密には山鉾巡行の前日だけを指しますが、前夜祭の期間として山鉾巡行前の3日間、14~16日を指す表現として一般的になっています。14日までに各町内で山鉾の組み立てが完了し、巡行前に晴れ姿を披露する3日間でもあります。

14日の朝から見物客の町内巡りは始まります。四条通のような大通り以外の道路では、10日から山鉾の組み立てが始まるため、近辺は多くが歩行者天国になります。長刀鉾や函谷鉾が組み立てられる四条通も車線が規制されます。


四条通の函谷鉾

各町内では山鉾搭乗が人気です。ごく一部の女人禁制の山鉾を除いて誰でも搭乗できます。囃子方が搭乗するスペースはほぼ建物の2Fに相当するため、縁に腰掛けると爽快な眺めです。胴体の豪華な飾りつけも間近で鑑賞できるため、3日間限定のミュージアムとしても特におすすめできます。タペストリーや衣装には重要文化財も少なくありません。

芽の輪くぐり体験や屏風などの美術品展示も人気です。かき氷販売などの露店も楽しめます。なお前祭だけでも23基の山鉾がありますので、一日で全部見て回るのは無理です。


山伏山のイベント会場

土産物としては、各町内で厄除けになると信じられている「ちまき」や、御朱印が人気です。巡行順で一番くじを引き当てた山鉾のちまきは平常の3倍は売れるそうです。


祇園祭名物の厄除ちまき

15~16日の2日間は、大通りの四条通と烏丸通が歩行者天国になります。露店も多く出るため、特に人手が多くなります。うちわ・扇子や濡れタオル・デオドラントシートは必需品です。山鉾鑑賞をじっくり行いたい方は、人手の少ない午前中から訪問されることを強くおすすめします。



祇園祭期間中は京都で最も暑い時期でもあり、加えて霧の中を歩いているように感じる湿度の高さが見物客を容赦なく襲ってきます。河原や海辺で行われる花火大会のような心地よい風はまったく期待できません。しかしこの蒸し暑さが逆に、たまらなく京都の夏らしくもあるのです。

かき氷やジェラートがこれほど美味いと感じる時はありません。コンチキチンの祇園ばやしがあちこちから聞こえる中、ライトアップされた山鉾や提灯が目に入ると、いかにも日本の古都にいる気分になります。老若男女の浴衣姿の見物客も街並みにとてもマッチします。近年は外国人がとても多くなり、一層華やかです。



強烈な蒸し暑さの中で京都の街を歩いていると、夏本番を感じ、夏を楽しもうという元気が出てきます。祇園祭の宵山には、そんな不思議な力が潜んでいます。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



コンチキチン、コンチキチン、心地よい音色


祇園祭 前祭 宵山
https://www.kyokanko.or.jp/gion/
(京都市観光協会)
主催:各山鉾町
会期:毎年7月14~16日(日付で固定)

  • 各町内の山鉾展示やちまき等の販売は終日
  • 四条通と烏丸通の歩行者天国と露店出店は15-16日の18~23時

※雨天中止の場合があります。
※スタート時間は当日の神事の進行や天候に左右される場合があります。

おすすめ交通機関:
地下鉄烏丸線「四条」駅、阪急京都線「烏丸」駅下車
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:10分
JR京都駅→地下鉄→四条駅
※渋滞・通行止め・駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。


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