晴山雨読ときどき映画

“人生は森の中の一日”
山へ登ったり、本を読んだり映画を観るのは知らない世界を旅しているのと同じよ。
       

塩田宿を訪ねて

2012年11月12日 | 日常
(塩田津に残るレトロな空間)

友人の結婚式で帰省していた次男君を伴い、長崎街道を歩きをしてそのままになっていた塩田宿を訪ねました。
月曜日のせいか観光客はほとんど見かけず閑散としていましたが、宿場町だった当時の風情が古びた煉瓦塀や白壁から伺えました。長崎街道・塩田川沿い土蔵・白壁が集まっている塩田津(港)は、地区全体を一つの文化財とみなす国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されているとのこと。こじんまりとした小さな街並はまるで昔日にタイムスリップしたような感覚です。平安時代中期の女流歌人として知られる和泉式部が幼少期をこの地で過ごしたという伝説もあるそうです
到着したのは1時半過ぎでお腹がぺこぺこ。ここで食事を摂る予定でしたがお店はほとんど休業している中、やっと見つけた店に飛び込み、ちゃんぽん3つを注文しました。30分待たされて出てきたちゃんぽんに生卵が乗っかっていたのにはびっくりです。この付近はちゃんぽんに卵を割り入れるのだろうか・・・面白い。





町を代表する建物の一つが西岡家。19世紀中頃のもので、塩田川の水運で繁栄した回船問屋だったという商家でした。現在は国指定重要文化財となっています。



築約100年の旧薬局の建物を改築した『レトロ館』にはオーナーが40年かけて集めた古民芸品の数々が展示されていました。建物の造りが頑丈な上に、床は磨き上げられ黒々と光っています。建物内に十台以上かけられた旧い振り子時計がかちかちと時を刻む音が耳に快く響き、異次元へ誘います。気持ちが落ち着いていくのです。



家々の裏に回れば、旧塩田川に向けて設けられた見事な石垣や石段を見ることが出来ました。石段は「タナジ」と呼ばれていたそうです。有田へ搬入する天草陶石や、有田から搬出される陶磁器、そして蓮池藩の藩蔵から大坂へと運ばれる米などを担いだ人夫の姿が浮かびました。次男君の乗る飛行機時間さえなかったら、ゆっくりと流れている時間をもっと満喫できたでしょうにね。

江戸時代後期の長崎街道・塩田津の町屋の様子はこちらへ→ここをクリックしてご覧ください。
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