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オクラホマシティ・サンダーを応援していくNBAブログです。

サム・プレスティやらかしたランキング

2022年01月19日 | その他
オクラホマシティ・サンダーの頭脳と言ったら皆様誰を思い浮かべますでしょうか?
多くの方がジェネラルマネージャー(以下GM)のサム・プレスティと答えることでしょう。

NBAのGM界隈ではかなりの敏腕として知られており、既定路線を行かずあっと驚くトレードや予想外のドラフトをすることが特徴。
良い例が、2008年に4位でドラフト指名したラッセル・ウェストブルック、2009年に3位でドラフト指名したジェームズ・ハーデン。
特にこの2つ指名に関しては指名順位が高すぎると大バッシングでした。
しかし、蓋を開けてみたらご存知の通り、MVPプレイヤーを輩出したわけです。
このように”結果”をもって正しかったことを証明してきた人物、それがサム・プレスティというわけです。
今となってはファンから絶大な信頼を置かれています。


さて、前置きが長くなりましたが、今回焦点を当てるのがそのサム・プレスティが失敗してしまった”動き”について。
弘法にも筆の誤りと言いますが、プレスティも完璧ではありません。
たまには判断ミスをしてしまいます。
『どうしたプレスティ!?』
と思わずファンも叫びたくなってしまった失敗だった”動き”。
プレスティやらかしたランキングをトップ5形式でやっていこうと思います。

注意点として、内容的に結果論で記載する場面多くなりますが、結果的に失敗だったものが下位、結果を見ずとも当初から失敗だったと言われていたものを上位に置いております。


5位 2010年ドラフト


サンダーはこの年1巡目18位、21位、26位の指名権を持っていました。
期待の新人が誰になるのか胸をときめかせて待っていた最中、これらの指名権は全てドラフト当日にトレードされてしまいました。
21位と26位指名権はパッケージとして、同年の11位指名権に変わります。
そして11位で指名したのがビッグマンのコール・オルドリッチでした。
サンダーには2シーズン在籍し、44試合の出場で平均1.7得点1.9リバウンドを記録。
NBAキャリアとしても8シーズンのみで、キャリアハイのシーズンでも5.5得点5.5リバウンドとロッタリーピックで見たら完全にハズレだったと言わざるを得ません。
ビッグマンが欲しかった為の指名だったのでしょうが、11位より下にはエド・デイビスやパトリック・パターソンがいました。

また18位指名権は、将来のサンダーには関係なくなる指名権とのトレードで放出してしまい、あろうことか18位で指名されたのはエリック・ブレッドソーでした。

3つも1巡目指名権を持ちながら、ブレッドソーを逃し、手元に残ったのはコール・オルドリッチのみ。
プレスティのドラフト史でも中々に酷いものだったと思います。



4位 ランディ・フォイ獲得


2015-16シーズン、サンダーは55勝27敗のウェスト3位でシーズンを終了する優勝を狙えるチームでした。
トレードデッドライン間際、ラストピースとして獲得に動いたのが今回ピックアップするランディ・フォイだったのです。
ファンでも覚えている方が少ない地味なトレードでした。

サンダーが放出したのはDJ・オーガスティン、スティーブ・ノバック、将来の2巡目指名権2つ。
そして見返りがフォイでした。

放出組で一番の痛手はギリギリローテーション入りしていたオーガスティンでしたが、それでもFG37.1%と不調だった為、戦力ダウンというわけではありませんでした。
また、優勝を狙う為であれば、出血大サービス将来の2巡目指名権を付けてでも、戦力を整えにいく動きは、寧ろ動かずに叩かれることがあることを考えれば、非常に良い決断だったと思います。

問題はそれがランディ・フォイだったこと。
フォイは残りのレギュラーシーズンで27試合に出場しますが、オーガスティンを下回るFG34.9%と全くシュートがダメで、かと言ってアシストができるわけでもなく、実はこのシーズンがキャリアワーストとなっていました。
更にプレイオフでは11試合に出場するも、平均出場時間が11.9分、FG34.1%、2.5得点とラストピースとして獲得した選手とは思えない成績でした。

結局2年後にNBAからフェードアウトしてしまいNBA選手としての寿命があと少しのタイミングだったことを考えると、少なからず優勝を狙うチームが血相を変えて狙う選手ではありませんでした。
優勝するための原動力とはならないまでも、同じ対価であればもう少し良い選手が狙えたのは間違いないでしょう。





3位 ジェラミ・グラント無償放出


2019年7月8日にジェラミ・グラントは、ナゲッツへトップ10プロテクト付の1巡目指名権とのトレードで放出されました。
当時のサンダーは完全再建に舵を取ったタイミングであり、最初に着手したのがこのジェラミでした。
この後立て続けにポール・ジョージ、ラッセル・ウェストブルックとトレードで放出され解体が始まっていくのですが、なぜジェラミをピックアップしたのか。

直近のシーズン、ジェラミは77試合に先発出場し、32.7分出場、FG49.7%、3P39.2%、13.6得点、5.2リバウンド、1.3ブロックとベストシーズンを過ごしており、年齢も24歳と再建プランの中に当然入っているものだとばかり思われていたからです。
戦力としてもさることながら、非常に人気のある選手だっただけに、ファンへの裏切りという意味でも酷い内容でした。
また、トレードの見返りに関してですが、このナゲッツからもらった唯一のプロテクト付き1巡目指名権は回り回って結局ポクシェフスキーになっています。
実力・人気ともに雲泥の差です。
また、純粋なトレード対価の数ですが、ポール・ジョージ、ウェストブルックのトレードでサンダーはSGAやガリナリ、クリス・ポールに加えて8本の1巡目指名権を獲得しています。
ジェラミの実力を考えれば、せめてプロテクト無し指名権だとか複数の指名権を狙うことはできたはずです。
何を焦っていたのかは知りませんが、かなり血迷った判断だったと断言できます。




2位 カイル・シングラー5年延長契約事件


これはもはや事件です。
2015年7月9日、サンダーはカイル・シングラーと5年契約を結びました。
これは”まだ結果的に酷かった”と言い訳できる上記とは一線を画します。
2014-15シーズン中盤にトレードでサンダー加入となったシングラーは、3.7得点、FG33.3%、FT68.8%と鳴かず飛ばすの状態が続いていたのです。
幸いにもシーズン終了後に契約満了するので、このままサンダーと別れもっとフィットするチームに行くものとばかり思っていた矢先の事件でした。
飛び込んできたニュースが
『オクラホマシティ・サンダーはカイル・シングラーと5年の契約延長を発表』
だったのです。

誰の目から見てもフィットしていなかった選手に対して契約延長。
この時点で重大な事件なのですが、更に注目されたのが5年契約という点でした。
現NBAにおいて5年契約と言うのは限られた選手のみが受け取れる特別なもので、基本的に1チームで1名までとなっています。
要約すると、”全くフィットしていない選手に対し好待遇の契約を与えた“という事件内容。
本当にプレスティが決断したことなのかすら怪しく感じてしまうほど、奇々怪々な事件でした。

ちなみにサンダー史上5年契約を手にしたのはケビン・デュラント、ラッセル・ウェストブルック、SGA、そしてシングラーの4名のみです。
後日談になりますが、当然シングラーはフィットすることなくシーズンを重ねるごとに出場試合数、平均得点を落としていき、最終的に5年を待たずして解雇となりました。
ちなみにこのシングラーのサラリー支払いは2022-23シーズンまで続く予定となっています。
類似事件にチャーリー・ブラウン契約延長事件というのもあります。




1位 ハーデンがもしサンダーいたら….



結果論の頂点だと思いますが、これはハーデンが活躍するたびに話題になる、プレスティが犯した史上最大のミスだと言われています。
2012年開幕前、サンダーはジェームズ・ハーデンをロケッツへトレードしました。
事実としてはこれだけなのですが、後にオールスター常連、複数回の得点王、シーズンMVP受賞と輝かしい成績を残すハーデンをサンダーはみすみすトレードで放出してしまったのでした。

これにはストーリーがあります。
ベンチからの貴重なスコアラーとして若手コアの一角を担っていたハーデンは、今後サンダーに残るものとばかり思っていました。
そして当時プレスティもハーデンをトレードするつもりはなく、寧ろ契約延長を望んでいました。
同時にハーデンも別に出ていきたいと言っていたわけではありません。

問題となったのはサラリー面。
スモールマーケット故に税金を払いたくないプレスティはこのタイミングでデュラント、ウェストブルック、イバカと高額の契約延長を結んでおり、ハーデンへのオファー金額に限度あったのです。
出せる最大限の金額4年55Mをオファーしたプレスティと4年60Mを要求したハーデン。
この5Mの差が埋まらず、断腸の想いでトレード放出に踏み切ったのでした。
過去に様々な交渉をまとめ上げてきたプレスティが純粋に交渉だけで破れてしまった、ある意味貴重なシーンでした。

結局、ご存知の通りハーデンは歴代でもトップクラスのスコアラーに成長し、当時要求していた4年60Mいかにリーズナブルだったかを証明しています。
またサンダーはその3年後、あれだけ嫌がっていた税金の支払いに足を踏み入れています。

プレスティがあの5Mの差額をYESと言っていたら、間違いなくNBAの歴史が変わっていたでしょう。
サンダーにとどまらずリーグ全体に与えた影響の大きさを考えると、間違いなくプレスティ史上最もやらかしたことだと言えるでしょう。

補足ですが、仮にハーデンがサンダーに残った場合、アダムスはサンダーにはいなかったでしょう。



いかがでしたでしょうか。
トップ5からは漏れましたが他にも
■チャーリー・ブラウン契約延長事件(文中にも記載)
■2012年ドラフト
■2014年ドラフト
■2017年ドラフト
■アレックス・カルーソ取り逃し問題
■オメル・ユートセブン取り逃し問題
■デック飼い殺し事件

がノミネートされていました。

タイトル見ただけで分かる人には分かると思います。

こうみると一部の界隈で神とも呼ばれているプレスティも人の子だということが分かりますね。
ただ、大前提としては超敏腕GMなので、今後とも信頼をおいてサンダーともども応援していきましょう。


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2 コメント

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Unknown (名無し)
2022-02-14 20:27:42
タイトルだけを見てハーデン放出とグラントの件は絶対に入っているだろうなと思ってはいましたが、そういえばいましたねカイルシングラー。
シングラーの契約は確か5年で2500万ドルで一年で500万ドルくらいか。サンダーも結構思い切った契約を結んだな。サイズのある3&Dとして二番三番の控えくらいで長く起用したいのかマイクダンリービーみたいにと思っていましたが、1~2年もしないうちに消えてしまいましたね。
オルドリッジはヒートとのファイナルで勝敗が決まったガベージタイムで頑張っていた姿が印象的でした。
二人がクレイトンプソンやヨーキッチのようになった未来もあったのかもしれないと思うと複雑ですね。
有り余るドラフトを使ってウェンバンヤマをとってキャブスのようなビッグラインナップを作るサンダーを見てみたいと個人的には思います。
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名無しさん (kdu)
2022-03-04 20:31:29
コメントありがとうございます。
ハーデンとグラントはパッと思い浮かぶ、明らかな失態ですよね。
ただ戦力になっていただけに
「致し方ない」
と若干擁護できる部分もあるのですが、
シングラーは擁護のしようがありません。
本文にも書きましたが、活躍していないのにも関わらず5年契約ですから。
しっかりランクインです。

あり余る指名権に希望を抱きつつ、一方このランキングに出るようなことがないようお願いしたいところです。
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