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オクラホマシティ・サンダーを応援していくNBAブログです。

2024年オフの補強方針

2024年06月04日 | 2024-25 オフ

さてサンダーの2024-25シーズンの方針をまとめていきたいと思います。

① 現状のサラリー整理
② 再契約について
ⅰジョー、ウィギンスの特殊再契約案
ⅱロスター整理
③ ビッグネームのFA獲得が絶望的な理由


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① 現状のサラリー整理
サンダーはサラリーキャップスペースにとても余裕があるオフとなります。
FA一覧を見てみましょう。

完全FA(23-24サラリー)
ゴードン・ヘイワード(31.5M)
ビスマック・ビヨンボ(1.2M)
マイク・ムスカラ(0.8M)


チームオプション(行使後の24-25サラリー)
アイザイア・ジョー(2.2M)
アーロン・ウィギンス(2.0M)
リンディー・ウォーターズ3世(2.2M)


チームオプション(以後TO)を行使する最終日は6月29日です。


またサンダーは23-24シーズン、所属していない選手のサラリーをたくさん支払っていました。
ケビン・ポーター(15.9M)
ルディ・ゲイ(6.5M)
アレクセイ・ポクシェフスキー(5.0M)
ウスマン・ガルバ(2.6M)
タイタイ・ワシントン(2.3M)
ジャック・ホワイト(0.6M
)

ケビン・ポーターは24-25も1.0Mだけサラリーが残りますが、30.0Mを超えるキャップスペースがこれだけで空きます。
仮にサンダーが上記3選手のTOを破棄し、完全FA選手のキャップホールドも破棄した場合、71.8Mのキャップスペースを確保することができます。
現時点での24-25チームサラリーランキングでは、97.2Mとなっており全チーム中26位に位置します。

まだ確定していませんが、24-25シーズンの各種ラインも見ておきましょう。
こちらのサイトを参考にします
https://www.sportsbusinessclassroom.com/breaking-down-nba-141m-salary-cap-projection-2024-25/

サラリーキャップ $141,000,000-
タックスライン $171,315,000-
1stエプロン $178,655,000-
2ndエプロン $189,485,000-
ミニマムチームサラリー $126,900,000-



つまり現状のままだとサンダーの総サラリーはミニマムラインにも届いておらず、最低限30.0M近く増加させなければなりません。
次に考えるのは、サンダーのサラリーが大きく跳ね上がるタイミングです。
大体はルーキー(安価な)契約が、延長をなされたときです。
各選手順調に契約延長をする前提で、タイミングは以下の通りです

25-26シーズン
ジョシュ・ギディ


26-27シーズン
チェット・ホルムグレン
ジェイレン・ウィリアムズ
ジェイリン・ウィリアムズ
ウスマン・ジェン

27-28シーズン
ケイソン・ウォレス
(SGA)


ギディの契約延長金額次第にはなりますが、少なくとも24-25、25-26シーズンはサラリーをかなり自由に使えるということが分かります。

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② 再契約について
さて、これらを念頭に置き、具体的に選手の去就について考察していきます。

まず完全FAのヘイワード、ビヨンボ、ムスカラについてです。
ヘイワード(31.5M)はプレイオフ終了後チームに対し不満たらたらだったので、間違いなく再契約することはないでしょう。
ビヨンボ(1.2M)、ムスカラ(0.8M)も戦力的価値はほぼなかった選手ですが、チーム内でのメンター的活躍は光るものがあったため、ロスターの枠次第ですが、再契約はあるかもしれません。
ただ、その場合ミニマムでの契約(約3~4M)が濃厚で、いずれにしてもサラリーキャップを圧迫するものはありません。
一旦今回は再契約しない方針で行きます。

TO組です。
ウォーターズの再契約は不明です。
既に2way契約可能なNBAキャリアを過ぎてしまっている為、再契約であったとしてもミニマム(約3M)になるでしょう。
一旦、TO行使して在留としておきましょう。

焦点となるのは、ジョーウィギンスです。
両者間違いなく昨シーズンのサンダーには必要不可欠な選手であり、今後のサンダーでも活躍して欲しい選手です。

サラリーを少しでも削減したいチーム状況であれば、チームオプションを行使して安価で残留させるのでしょうけど、ことサンダーに関しては上述の通りサラリーを少しでも増加させたいチーム状況です。
オプションを破棄して、再契約という流れが現実的でしょう。

ジョー 

4年93.74M(4年目TO)
(25.00/23.75/22.56/22.43M)


ウィギンス 

4年63.07M(4年目TO)
(17.00/16.15/15.34/14.58M)


狙いは、一時的ながら完全FAになるわけですから、初年度他のチームが手を出しにくい市場評価より若干高い金額で設定してみました。
試しに簡単な市場調査をXにて実施してみましたが、ジョーもウィギンスもともに10.0~14.9M/年くらいが妥当な金額だと考えられているみたいです。


策として、毎シーズン5%ずつサラリーが減少する契約内容にして来たる26-27-シーズンに備えます。
万が一、26-27-シーズンでサラリーに見合わなくなってしまったとしても、27-28シーズンがTOなので、チーム目線エクスパイアコントラクト(残り1年の契約)、トレードしやすい契約となりリスクヘッジにもなります。

ちなみにジョーの場合初年度22.00Mスタート、ウィギンスの場合15.00Mスタートの昇給率を最大の5%、4年契約で合計サラリーがほぼ同じになります。
これを上記のサラリー減少案と比較すると、3年目にあたる26-27シーズンではチーム目線、約3Mほどの節約になります。
一方の選手目線では、契約が未確定のTOとなる4年目のサラリーは、当然サラリー減少案の方が少なくなるわけで、仮に3年目で契約が終わってしまった場合、トータル受けとるサラリーも多くなるわけです。
ウィンウィン契約。


一先ず、ジョーとウィギンスの契約を上乗せしてみましょう。
サンダーの24-25シーズンの総サラリーは138.64Mとなります。
ようやくミニマムサラリーキャップは超えましたが、まだまだサラリーキャップラインは下回っています。

そういえばドラフトにて1巡目12位指名権を持っていました。
トレードが行われず、そのまま指名したとしましょう。

https://basketball.realgm.com/nba/info/rookie_scale/2025

このサイトを参考にすると、24-25シーズンの1巡目12位指名した際のルーキー契約は、4.13Mとなるそうです。
これを先程の総サラリーに加えると、142.77Mとなり晴れて、サラリーキャップラインを超えることができました。


ロスターを整理します。
2way契約はサラリーキャップに計上されない為、今回除外します。

PG SGA/ウォレス
SG ギディ/ウィギンス/ウォーターズ
SF ドート/ジョー
PF J-dub/ケンリッチ/ジェン
C ホルムグレン/J-will
ルーキー1名

現戦力を残した状態で、かなりの完成度だと言えるでしょう。
しかしながら、各チーム、タックスの支払いを何とか回避しようとヒィヒィ言っている中、サンダーはタックスラインまで28.55Mも残しています。
これを使わないのは非常にもったいない。
是非とも有効活用したい。

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③ ビッグネームのFA獲得が絶望的な理由
余裕のあるキャップスペースの使い方には主に”トレード””FA契約”があります。
今回はサンダーがいかにFAにて、特にビッグネームの獲得が絶望的かを書いていきます。
例えば、30Mもあればサラリー上、バランチュナスやシアカム、クラクストンの獲得ラインには乗ります。
余ったサラリーの枠を使い簡単に戦力アップを狙うことができます。
しかし、それは絶望的です。
可能性はほぼ0です。
なぜなら、サンダーは過去オフに即戦力やFAの目玉となるビッグネームの選手を獲得したことがありません。
具体例を見ていただいた方が早いです。
非現実的な妄想はぶち壊します。

オクラホマシティ・サンダーになって以降の夏のオフFA獲得選手一覧
(再契約、2way契約、ルーキー契約、FA契約後シーズン途中でウェイブまたはトレードされた選手を除く)

2008年8月1日
ケビン・オリー
1年1.31M
36歳の大ベテランはこのシーズンを最後にNBAキャリアを引退しました。


2010年7月21日
ロイヤル・アイビー
2年2.40M
前シーズン、前々シーズンで、1試合平均10.3分しか出場時間を得られず、サンダー加入後も2シーズンで1試合平均8.6分出場、計59試合の出場でした。


2012年7月11日
ハシーム・サビート
2年2.40M
前シーズン35試合のみの出場でした。
サンダー加入後、2シーズンで1試合平均10.8分の89試合に出場。
そのままNBA引退となりました。


2012年10月31日
ダニエル・オートン
1年0.75M
マジックからウェイブされたところサンダーと契約。
しかし、サンダーで13試合のみの出場で翌年ウェイブされました。


2013年8月7日
ライアン・ゴメス
1年1.12M
NBAで7シーズンのキャリアを積むも、前シーズンはNBAチームとの契約を結ぶことができず海外リーグでプレイしていました。
サンダー加入後、5試合の出場にとどまり、その後NBAでプレイすることはできませんでした。


2014年7月14日
セバスチャン・テルフェア
1年0.92M
NBAで9シーズンのキャリアを誇るも、前シーズンは海外リーグでプレイ。
サンダーでは16試合の出場にとどまり、その後NBAでプレイしていません。


2014年7月16日
アンソニー・モロー
3年10.00M
このオフ、3Pの名手としてシュート力を補強したいチームがこぞって手を挙げていた中、サンダーを選択してくださりました。
サンダーでは全てベンチスタートながら74試合に出場し、1試合平均10.7得点、3P成功率43.4%を記録。
6thマン賞の投票では11位にランクインしました。


2017年7月10日
レイモンド・フェルトン
1年1.47M
NBAキャリア12シーズンにて657試合先発出場してきた大ベテラン。
キャリア終盤に差し掛かりベンチスタートながらも、いぶし銀の活躍を残す選手でした。
オフの目玉FAではないものの、サンダーと契約してくださり、1年目で82試合のフル出場を果たしました。


2017年7月10日
パトリック・パターソン
3年16.40M
NBAキャリア7シーズンで477試合に出場。
1試合平均24.0分もプレイしていた超優秀なロールプレイヤーがサンダーに加入。
初年度82試合にフル出場しました。


2018年7月6日
ナーレンズ・ノエル
1年1.76M
前所属先のマーベリックスと契約でゴタゴタしている中、サンダーがスティール契約しました。
ドラフト時の評価を考えると伸び悩んでいたものの、優秀なロールプレイヤーとして活躍。
サンダーでは77試合に出場しました。


2019年7月9日
マイク・ムスカラ
2年4.30M
NBAキャリア6シーズンで307試合に出場するも、先発出場は28試合というロールプレイヤー。
サンダー加入後もベンチスタートながら活躍。
27歳という選手として一番脂の乗った時に契約できました。


2022年10月16日
アイザイア・ジョー
3年6.00M
サンダーでの活躍を考えると、FAからの獲得では歴代1位の補強と考えられるかもしれません。
しかし、実は前チームの76ersからウェイブされてミニマムでサンダーと契約したという流れがありました。
つまり一度NBAのチームから戦力外通告を受けている中だった為、他のチームと契約内容で競合した度合いはほぼ0だったと予想されます。


以上を、他のチームと競合した上で、契約まで漕ぎつけたサンダー史でのビッグネームです。

ランキングにすると
1位 アンソニー・モロー
2位 パトリック・パターソン
3位 レイモンド・フェルトン

よくぞ他のチームから甘い蜜を提示されながらもオクラホマという辺境の地に来てくださいました。
逆に、サンダーとしての16年の歴史上FAで獲得できた一番のビッグネームはアンソニー・モローだということです。
先発級の選手はもちろん、スター選手はまず来ません。
歴史が証明しています。

サンダーが強豪になっていった過程で重要だったのはドラフトとトレードでした。
改めて、次回はトレード案について考えていきます。
長くなったので今回はここで終わりにします。



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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2024-06-04 20:15:05
自分は2013年からOKCを応援しているので獲得選手が時期とピッタリでとても懐かしいです笑
ビッグネームな選手(CP3やポール・ジョージ)は在籍していましたが、改めて見るとトレードでの獲得ばかりだったんだなと実感しました
KDが抜けてからは結構強気なトレードもあったと思うので勝負して欲しいな〜て思います
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Unknown (名無し)
2024-06-04 22:52:57
今季サンダーの大躍進おめでとうございます。
プレイオフではドンチッチとカイリーというクラッチ最強の二人に劣後しましたが、ウェスト1位という結果は間違いなくサンダーというチームの実力を表していると思います。来季の活躍も期待しています。

また、管理人様は現在のサンダーに必要となるプレーヤーはどのようなプレーヤーだと思いますか?
センターやウィングなどサンダーには各ポジションに才能豊かなプレーヤーが揃っておりますので、加入させるとすれば全体の底上げになるサイズがあって何でもできるSFかPFあたりのプレーヤーがいいのではと私は考えています。
KDやKATのようなフロアスペースが広げられてサイズの優位性からリバウンドにも絡める良いのではないでしょうか。
個人的にはKDの復帰を強く期待しています。この面子とKDがいれば優勝も遠くはないと思うからです。
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Unknownさん (kdu)
2024-06-10 19:19:43
コメントありがとうございます。
ネームバリューはともかく、昔の応援してた時期の選手の名前を見ると懐かしく感じてしまいますよね。

サンダーはトレード(とドラフト)で出来上がったフランチャイズと言っても過言ではありません。
次回強気なトレード案を記事にしますので、是非読んでみてください。
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名無しさん (kdu)
2024-06-10 19:24:56
コメントありがとうございます。

23-24シーズンは、マブスに負けてしまいましたが、開幕前の期待値を考えると大躍進のシーズンになったと思います。
とても嬉しいです。

今のサンダーが補強するならば、ニーズは仰る通り万能なウィングとあとはビッグマンだと思っています。

実はKDのサンダー復帰に関して、1人のファンとしてもそうですが、細かく考察していくと案外現実味のあるものだったりしました。
次回具体的なトレード案を考えてみましたので、是非読んでみてください。
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