おやじのパイプ

壁に飾ったシベリア抑留中に作ったと自慢していた亡父のパイプを眺めながら写真と木版画の海を漂っている。

今はやりのUnder Control

2015-03-03 06:38:24 | 日記
最近よく耳にする言葉がある。
~Under Control~
つい昨年だったか、オリンピック誘致の際に安部総理が福島での原発事故後の状況について説明する際に使った言葉である。
福島で起こっていることについては、すべて自分たちの管理下にありコントロールできているので、安心してほしいとの意味で世界中の人へ発信したと思っている。

それは同時に日本国民へのサインでもあったと理解している。

でもそれは、今思えば大変不遜な言葉であったように思えるのは私だけであろうか。

ご承知のように先月判明した汚染水漏れの意図的な未公表についても、
まさか、政府関係者もそれをご承知で、我々はそのように”Under Control”していたといわれるのであろうか。

もしも知らなかったといわれるならば、Under Controlできなかったことに関して、どのように釈明されるのか。

いまだどこからもそのようなコメントや発表はないし、
東電関係者のしかるべき方が速やかに我々にわかるような形で責任を取られたとも聞いていない。

このまま、なし崩し的な経過をたどるのであろうか。

例えば宇宙のことや深海でのことについても、まだまだ分からないことが多いのに、
すべての事象についてコントロールするとかできるというような、
そんな不遜なことを言い出したのはいつからなのであろうか。
謙虚さとか、恥の文化はどこへ消えたのであろうか。

我々が知らないところで、コントロールできるシステムが構築されていたが、
それがうまく機能しなかっただけのことならば、
早急に問題点やシステムの欠点を見直し改善してほしい。

失敗学でいうところの検証委員会等を早急に立ち上げて、結果と改善について早急に公表して
安心させてほしい。
まだそれも聞こえてはこないように感じている。

それもなされないまま、何の根拠も裏付けもない薄っぺらい自信をもとに、いつまでも
”Under Control”と言われても大変迷惑である。

さらに拡大解釈してすべてについて自分の思うように管理していくような言動や、
異なった意見などには聞く耳を持たない鼻もひっかけないような態度など、
真摯さに欠ける姿勢はいかがなものであろうか。


つい昨年にあった某焼きそばの”虫混入事件”を覚えているであろうか。

あの際の最初の記者会見時に『わが社の製造工程では混入は考えられない』
~完全にコントロール、Under Control~されていると大見得を切った。

その舌の根も乾かないうちに、前言を撤回することに追い込まれ、
ご存知のごとく生産は中止になったままである。今もいつ再開できるかわからない。

食品に関しては代替メーカも複数あり、我々としては納得できる改善ができたとわかるまで買わなければいいだけのことであるが、

この道しかないとかで突き進んで、もしその道ややり方で、
コントロールできなかったときはどうするつもりか。

この道しかないといって歩んできた道は、過去にも日本が採用した方法ではなかったのか。

医療でもセカンドオピニオンが当たり前で、最近ではサードオピニオンとも言われている。
この道しかないといわないで、常に複数の選択肢を用意して都度見直していく。
将棋のプロは数手先を読み最適な一手を打つものである。

ぜひとも早急にそのように取り組んでいっていただきたいものである。

そのようなシステムを採用することへ早急にUnder Controlしてほしい。
//けむり