先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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パワハラ上司をストで追い出した! 富山織物模範工場女性たちの決起 1927年の労働争議(読書メモ) 

2023年06月26日 07時00分00秒 | 1927年の労働運動

上・富山織物模範工場内

パワハラ上司をストで追い出した! 富山織物模範工場女性たちの決起 1927年の労働争議(読書メモ) 
参照 「協調会史料」

富山織物模範工場女工ストライキの勝利
 富山県では有名な富山市大泉町の富山織物模範工場(女329名、男75名)の81名の女性労働者が、パワハラ上司に怒り、1927年2月26日と27日のストライキに起ちあがり勝利した。

(ストの原因)
 上司の教婦(指導員)酒井スズは、労働者へのいじめがひどく、また不公平、不親切で日頃から女性労働者から忌み嫌われていた。
 1927年2月20日、女性労働者中川スズエの不良品を見つけた教婦酒井スズは、中川スズエを「矯正」させると称して3日間いじめ、更に彼女の賃金を2割も減給してきた。しかし不良品の本当の原因は機械の故障や欠陥にあったことを他の皆は知っていた。女性たちは中川スズエに同情し、また日頃から横暴な教婦酒井スズに怒った。23日夜、女性たちは酒井スズを排斥しようと寄宿舎内で密儀を交わし、教婦酒井スズの配転など以下の要求を決め、24日工場監督と支配人に提出した。工場側は即刻拒絶してきた。これを知った81名の女性たちは26日からストライキに起ちあがった。
要求
1、出来製品の一部に欠陥があっても製織者に「矯正」を負わせないこと
2、監督員の工場巡視を奨励し、力織器の故障を少なくすること
3、教婦は技術の指導をするに止め、女工の監督はさせないこと
4、(不明)
5、酒井教婦の受け持ち部を変更すること
6、(不明)
7、機械故障の原因で製品に欠陥が出た時は労働者の減給はしないこと
8、清掃作業担当女工の出勤時を多少緩和すること
9、健康保険法実施により、女工の支出増があり、将来改善すること

(卑怯な会社、父兄を召集)
 会社は、翌27日朝、女性たちの父兄を工場に召集し、父兄たちを使いストライキを止めさせようと、卑怯卑劣な手段を強行してきたが、父兄が何をしようが女性たち81名の団結は固く、会社のもくろみは完全に失敗した。やむなく午後4時、工場支配人が女性たちの代表らを会社に招き、教婦酒井スズの配転など女性たちの要求の多くを受け入れ、以下の妥協が成立し争議は勝利した。28日より全員が就業についた。
妥協案
一、要求書の1、3、5に対して女工側の意思を尊重して3月13日までに何らかの回答をする
二、2はこれを肯定する
三、4は工場側に一任する
四、6、7は将来考慮する
五、8は女工側が撤回する
六、9は今回の問題と切り離し、重役会で善処する

以上



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