写真・大阪第6回メーデー(1925年)
1925年第6回メーデー(読書メモ)
参照 日本労働年鑑第7集/1926年版 大原社研編
1、全国各地でメーデー集会とデモ
世界の労働者が一斉に決起するメーデーは日本でも年々普遍化し、今や全国各地の労働者階級のいるところメーデーを見ないところはない。以下の通り、各地のメーデー集会でのスローガンの傾向がこの年の労働者階級の関心事と特徴を表している。
(1)各地のメーデースローガン
治安維持法の撤廃(15ヵ所)
失業防止(12)
8時間労働制(11)
生存権の確立(8)
無産政党の促進(7)
最低賃金制度の確立(6)
メーデーを祝え(5)
万国の労働者団結せよ(4)
自由労働者傷害保障(3)
全国総連合促進(3)
日朝人賃金差別撤廃(3)
日朝労働者団結(2)
朝鮮人大正8年制令の撤廃労働団結権の確立(2)
耕作権の確立(2)
軍国主義反対(2)
労働ブローカー撲滅(2)
二重賃金制度撤廃(2)
労働賃金8割増額(1)
資本主義を葬れ(1)
植民地の解放(1)
(2)東京メーデー
総同盟、評議会、市電自治会など約5,500名の参加。芝公園集合、上野公園解散。集会開始早々メーデー宣言朗読が官憲により中止させられた。各労組より弁士38名の演説があり、4名が発言中止をさせられた。デモでは検束者は160名にものぼった。
(3)大阪メーデー
大阪メーデーは同じ公園で例年のように総同盟、反総同盟が別々に集会をした。
総同盟系24組合約5,700名。中の島公園天神橋の東に集合。スローガンの中に「日朝労働者団結せよ」「朝鮮人賃金差別を撤廃せよ」があり、デモの途中で警察隊と衝突し、30余名の検束者をだした。
反総同盟系の4団体約2千名は反橋の西に集合し、スローガンの中に「朝鮮人労働者の差別撤廃」がある。
(3)神戸メーデー
17組合約730名。大倉山公園に集合し、デモは平穏であった。スローガンの中に「軍国主義反対」がある。
(4)京都メーデー
京都聯合以下8団体約1千名。京都駅前西広場に集合とデモ。夜にメーデー記念演説会を開催した。
(5)名古屋メーデー
中部交通労働組合、日本製陶労働同盟、名古屋向上会など約200名。鶴舞公園に集合しデモ。
(6)横浜メーデー
横浜組合同盟など8団体約700名。
(7)堺
労働総同盟など6団体約800名。メーデー歌を高唱しつつ大浜公園で解散。スローガンの中に「朝鮮労働者賃金差別撤廃」がある。
(8)尼ヶ崎
尼ヶ崎における最初のメーデー。総同盟尼ヶ崎聯合会約500名。スローガンの中に「資本主義を葬れ」「男女賃金の平等」がある。
(9)岡山
岡山労働組合、中国労働組合聯合会など約140名。三菱生野銀山争議の応援決議をしデモ。スローガンの中に「植民地の解放」がある。
(10)今治
因島労働組合今治支部約1千名。労働賃金8割増額断行を掲げた。
(11)野田
千葉野田町では例年のように約1800名の労働組合員が盛大にメーデーを行った。
(11)その他
広島市約170名、呉市約180名、広島県土生町約300名、兵庫県伊丹町約150名、三重県松坂町約450名、和歌山市約120名、群馬県高崎市約40名、同藤岡町約80名などで労働者の祭典メーデーが果敢に闘われた。